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予想外の仕事
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機嫌のよくなったお嬢様をご自宅まで無事に送り届けた後、遅くなってしまったが、昼休憩を取るため、駐車場完備の行きつけの定食屋に向かうことにした。
午後2時を過ぎるとお客さんも少ないため、いつも注文した定食を食べ終わってから少し車を停めさせてもらっている。
社用車の後部座席を少し倒してから座り、ヘッドギアを装着して、最近はまっているVRゲームの中に入っていく。
職務上、最新ゲームが発売される前に必ず一通りやりこみ、お客様に適切に指導できるようにしてはいるのだが、このお気に入りのドラゴンシリーズは、シリーズ内なら自分のレベルやステータスをそのまま移譲して使えるので、一から育てる必要が無いため、ありがたい。
2年前にドラゴンアタックが発売された時にのめり込んで、レベルが99でカンストするまで毎晩頑張ってしまい、その後発売されたドラゴンスレイヤーズやドラゴンウォーリアなどを攻略する際、非常に楽になった。
シリーズ累計5作目となるドラゴンハンターは、いろいろな場所で現れるドラゴンを倒しながら、宝箱をゲットしていき、すべて攻略すると、報酬がもらえる仕様になっているが、今のところまだ誰にも攻略されていない。
昨日9匹目のドラゴンと戦い、ぎりぎりのところで負けてしまったので、今日リベンジしたいところだ。
赤竜王と名乗る竜のブレスは半端なく熱く、直撃を避けても皮膚が焼け爛れてしまうがドラゴンスレイヤーの称号と共に得たドラゴニックオーラを纏うと、瞬く間に皮膚が再生されていく。
前作で手に入れた竜滅剣にもドラゴニックオーラを纏わせ、赤竜王を切りつけていく。
管理者権限で緊急見守りモードを発動し、時間の経過が無いように設定してあるので、時間は無限にある。
数時間にも及ぶ激闘を制し、何とか赤竜王を撃破した僕は、倒れそうになる体にムチ打ち、討伐した証の宝箱の前まで行き、宝箱を開けた。
『congratulation!』
文字音声が花火と共に宝箱から飛び出し、長かった竜討伐のゲームの終わりが見えたと思った瞬間、上空に巨大な竜が現れ、僕に話しかけてきた。
『このゲームを最初にクリアした者に褒美を取らせようぞ。』
手元に現れた褒美の一覧を見て、迷わず2番を選択する。
1番目に書かれていたのが、さらなる強者との戦いで、
2番目が自宅に届くお宝で、
3番目が当社ゲーム購入時に使える1万ポイントとなっていたのだ。
社員だからダメということもないと思い、お届け先に自宅の住所を入力し、送信した。
休憩時間を終えた僕は、その後2軒ほどお客様の家を訪問したが、特に午前中のようなトラブルは起きなかったので、5時には横浜支社に戻って来ることができた。
「お疲れ様です!」
自分のデスクに座り、今日の作業報告をまとめ終え、明日の訪問予定をチェックしていると、自分が所属しているカスタマーサービス部に、突然専務が来訪してきた。
部長が専務に呼ばれ、その後、僕が呼ばれ、訳が分からないまま、部長と専務がいらっしゃる所に向かった。
「君が斎藤達也君かね。」
専務に問いかけられたので、素直にそうですと応える。
「君、World Fantasyで活動経験があるそうじゃないか。」
! 我が社が取り扱っているゲームは基本パーソナルゲームが主流のため、各家庭で個人的に楽しむゲームばかりだが、世界的企業のマイクロソとグーグとソニなどが共同で作り上げた仮想世界の中で最も数多くの人たちが争い合うゲームに、誰でも1度は興味を示してログインするのは当たり前のことで、僕も過去に活動していた時期もあったが、最近はログインすらしていない。
何かお叱りを受けるのかと思っていたら、予想だにしていない話を聞かされ、戸惑ってしまった。
専務の話をかいつまんで話すと、最近World Fantasy内でPKと呼ばれる殺戮行為が頻発していて、それを発見し粛清して欲しいと世界的ゲーム合資会社Miglenyの方から競合各社に依頼があり、我が社もそれを受けたので、僕に出張してきて欲しいということのようだ。
「我が社のゲーム内で蓄積された君のステータスを向こうのサーバー内に持ち込めるように調整してくれるようだから、受けてくれるよな。」
その話が本当なら、かなり上位のレベルでゲームに入れるから、そのプレイヤーキラーを見つけるのも難しくないかもしれないと思い、快諾の意を表すと、専務にとても喜ばれた。
「今日中に技術班に詰めさせ、明日には君をフル装備のままWorld Fantasyにログインできるように調整させるから、それまで自宅に待機していてくれ。」
「君も自宅からログインした方がいいだろう?」
「それに、この話を受けてもらえると思って、自宅に届くお宝は最新型ゲーミングベッドにしておいたから、それも明日の午前中までに届けさせるから頑張ってくれたまえ。」
「それって今日僕が昼休憩の時にクリアしたドラゴンハンターのクリア報酬ですよね。ありがとうございます。大切に使わせていただきます。」
まさか最新のゲーミングベッドをいただけるとは、なんてありがたいことだ。
午後2時を過ぎるとお客さんも少ないため、いつも注文した定食を食べ終わってから少し車を停めさせてもらっている。
社用車の後部座席を少し倒してから座り、ヘッドギアを装着して、最近はまっているVRゲームの中に入っていく。
職務上、最新ゲームが発売される前に必ず一通りやりこみ、お客様に適切に指導できるようにしてはいるのだが、このお気に入りのドラゴンシリーズは、シリーズ内なら自分のレベルやステータスをそのまま移譲して使えるので、一から育てる必要が無いため、ありがたい。
2年前にドラゴンアタックが発売された時にのめり込んで、レベルが99でカンストするまで毎晩頑張ってしまい、その後発売されたドラゴンスレイヤーズやドラゴンウォーリアなどを攻略する際、非常に楽になった。
シリーズ累計5作目となるドラゴンハンターは、いろいろな場所で現れるドラゴンを倒しながら、宝箱をゲットしていき、すべて攻略すると、報酬がもらえる仕様になっているが、今のところまだ誰にも攻略されていない。
昨日9匹目のドラゴンと戦い、ぎりぎりのところで負けてしまったので、今日リベンジしたいところだ。
赤竜王と名乗る竜のブレスは半端なく熱く、直撃を避けても皮膚が焼け爛れてしまうがドラゴンスレイヤーの称号と共に得たドラゴニックオーラを纏うと、瞬く間に皮膚が再生されていく。
前作で手に入れた竜滅剣にもドラゴニックオーラを纏わせ、赤竜王を切りつけていく。
管理者権限で緊急見守りモードを発動し、時間の経過が無いように設定してあるので、時間は無限にある。
数時間にも及ぶ激闘を制し、何とか赤竜王を撃破した僕は、倒れそうになる体にムチ打ち、討伐した証の宝箱の前まで行き、宝箱を開けた。
『congratulation!』
文字音声が花火と共に宝箱から飛び出し、長かった竜討伐のゲームの終わりが見えたと思った瞬間、上空に巨大な竜が現れ、僕に話しかけてきた。
『このゲームを最初にクリアした者に褒美を取らせようぞ。』
手元に現れた褒美の一覧を見て、迷わず2番を選択する。
1番目に書かれていたのが、さらなる強者との戦いで、
2番目が自宅に届くお宝で、
3番目が当社ゲーム購入時に使える1万ポイントとなっていたのだ。
社員だからダメということもないと思い、お届け先に自宅の住所を入力し、送信した。
休憩時間を終えた僕は、その後2軒ほどお客様の家を訪問したが、特に午前中のようなトラブルは起きなかったので、5時には横浜支社に戻って来ることができた。
「お疲れ様です!」
自分のデスクに座り、今日の作業報告をまとめ終え、明日の訪問予定をチェックしていると、自分が所属しているカスタマーサービス部に、突然専務が来訪してきた。
部長が専務に呼ばれ、その後、僕が呼ばれ、訳が分からないまま、部長と専務がいらっしゃる所に向かった。
「君が斎藤達也君かね。」
専務に問いかけられたので、素直にそうですと応える。
「君、World Fantasyで活動経験があるそうじゃないか。」
! 我が社が取り扱っているゲームは基本パーソナルゲームが主流のため、各家庭で個人的に楽しむゲームばかりだが、世界的企業のマイクロソとグーグとソニなどが共同で作り上げた仮想世界の中で最も数多くの人たちが争い合うゲームに、誰でも1度は興味を示してログインするのは当たり前のことで、僕も過去に活動していた時期もあったが、最近はログインすらしていない。
何かお叱りを受けるのかと思っていたら、予想だにしていない話を聞かされ、戸惑ってしまった。
専務の話をかいつまんで話すと、最近World Fantasy内でPKと呼ばれる殺戮行為が頻発していて、それを発見し粛清して欲しいと世界的ゲーム合資会社Miglenyの方から競合各社に依頼があり、我が社もそれを受けたので、僕に出張してきて欲しいということのようだ。
「我が社のゲーム内で蓄積された君のステータスを向こうのサーバー内に持ち込めるように調整してくれるようだから、受けてくれるよな。」
その話が本当なら、かなり上位のレベルでゲームに入れるから、そのプレイヤーキラーを見つけるのも難しくないかもしれないと思い、快諾の意を表すと、専務にとても喜ばれた。
「今日中に技術班に詰めさせ、明日には君をフル装備のままWorld Fantasyにログインできるように調整させるから、それまで自宅に待機していてくれ。」
「君も自宅からログインした方がいいだろう?」
「それに、この話を受けてもらえると思って、自宅に届くお宝は最新型ゲーミングベッドにしておいたから、それも明日の午前中までに届けさせるから頑張ってくれたまえ。」
「それって今日僕が昼休憩の時にクリアしたドラゴンハンターのクリア報酬ですよね。ありがとうございます。大切に使わせていただきます。」
まさか最新のゲーミングベッドをいただけるとは、なんてありがたいことだ。
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