54 / 78
本編
6-3
しおりを挟む
ふーっと長く息を吐けば、緊張した?とすかさずエリオット様が尋ねた。
「…はい。数週間前まではまさか、国王陛下と直接言葉を交わす機会があろうとは思いもしませんでしたので…。粗相など無かったでしょうか。」
エリオット様と夜会の会場に入った私は、想像以上の人の視線に、張り付いた様な笑顔を崩さない事が精一杯の状態で、そのまま国王陛下の元へ挨拶へと伴われた。
国王陛下からは、優しげな印象を受けたものの、緊張が上回ってしまい、正直あまり記憶が残っていない程だ。
殆どエリオット様が問答し、私は基本的な挨拶や、はい、いいえと言った単語しか口に出来てなかっただろう。
「あぁ、父上も喜んでおいでだった。これからは、サラサの義父にも当たるのだから、あれほど緊張しなくてもいい。父上も国王である前に1人の人間だ。身内にくらいは気安く接される方が嬉しいだろう。」
国王陛下が身内…その事の大きさに言葉が出ない。
私が曖昧な笑顔を浮かべていると、エリオット様は私の心情を承知しているかのように一つ頷いた。
「まぁ、すぐには無理だろうから、追々でいい。それに、父上を義父上と呼ぶ前に、私の事をエリオットと呼んでもらわねば。」
「エリオット様…。」
その悪戯が成功したかのような表現に、恥ずかしさもあり、視線を逸らせば、周りの人々から生暖かい視線が注がれている事に気付き、慌ててエリオット様に視線を戻す。
エリオット様はそんな私を面白そうに笑いながら、前方を指した。
「さぁ、次は兄上だ。優しく、賢い人なので、サラサを気に入ってくれるだろう。」
エリオット様の私への買いかぶりを誰かに止めて欲しいと周りを見ても、返ってくるのはやはり生暖かい視線ばかりだ。
いや、一部嫉妬混じりの鋭い視線も混ざっているか…。
周囲から見れば、カップルがイチャついてるようにしか見えないのだろう。
そして、それはご令嬢なら誰もが羨む事なのだろう。
諦めて前方を見れば、皇太子殿下がこちらに軽く手を上げたので、エリオット様と揃って会釈をし、歩み寄る。
エリオット様と同じ輝かしい銀髪に、エリオット様より鋭い瞳が印象的な皇太子殿下。
以前、ユーリス様から皇太子殿下とエリオット様の間に起こった事を聞かされていたが、エリオット様が皇太子殿下をどう思っているのかは、私の中で想像が難しいところだった。
その皇太子殿下と対面とあっては、国王陛下との対面とは違う意味で緊張感が走る。
「お初御目にかかります。サラサ クリーヴスと申します。この度は殿下にご挨拶の機会を賜り、大変嬉しく存じます。」
コーテシーをし、挨拶をすればエリオット様より少し低いよく似た声色で頭上に言葉が下りてくる。
「サラサ嬢、こちらこそ会えるのを楽しみにしていた。さぁ、堅苦しい挨拶はそれくらいにしてくれ。」
言葉にゆっくり顔を上げれば、皇太子殿下もエリオット様も揃って笑顔だ。
想像していたピリピリとした雰囲気は一切ない。
「淑女をその様に観察するのは失礼では?兄上と言えど、サラサをジロジロ見られては堪りません。」
エリオット様が言えば、その言葉の雰囲気に、内容ほど尖った響きはなく、軽口なのだとわかる。
「噂のサラサ嬢がどれほどの者か見極めるのも兄の仕事であろう。」
「皇太子殿下ともあろう方が噂に振り回されるのは感心しませんね。」
ポンポンとテンポの良い会話に、何とか顔の笑顔が剥がれないように聞いているのが精一杯だ。
「噂をただの噂とするか、精査して情報として活かすか…その者の力量次第だとは思うがな。」
「…。ところで、噂といえば、兄上は今日は珍しくお一人なのですね。」
「ん?あぁ、ウォルターか。確かにウォルターは出来る奴だから近くで使っているが、別にいつも一緒と言うわけではない。今は、あの辺りでダンスでも楽しんでいるだろう。」
突然出たウォルター様の名前にドキリとして、思わず皇太子殿下の視線の先を追ってしまう。
音楽に合わせて舞う色とりどりのドレスの波の中に、彼の姿はすぐに見つかった。
鮮やかなレモンイエローのドレスを見に纏う可愛らしいご令嬢と手を取り踊っている。
見たくない…。
慌てて視線を戻せば、こちらを試すように微笑む皇太子殿下と目が合った。
「彼も公爵家を1人で切り盛りするのは大変でしょう。兄上が婚姻を世話をすれば、王家と公爵家の繋がりも強固になるのでは?」
エリオット殿下が不機嫌そうな声を上げた。
「それもいい案だとは思うが、意外にもウォルターは女の好みに煩くてね。まぁ、いい機会かもしれないし、考えておこう。それはともかく、サラサ嬢、エリオットを支えてくれる事、感謝している。これから、よろしく頼む。」
皇太子殿下の口から突然名指しされ、慌てて頭を下げた。
皇太子殿下の視線に、何故か後ろめたい思いが湧き上がり、表情を見られたくないという気持ちもあった。
「精一杯努めます。こちらこそ、よろしくお願いします。」
恐る恐る顔を上げれば、皇太子殿下が先程と変わらない含みのある笑顔でこちらを見ている。
「兄上、私達はそろそろ失礼しますよ。兄上と言えど、私のサラサとこれ以上視線を交わされるのは許せませんので。」
エリオット様がそう言い私の手を取ると、皇太子殿下は最初にそうしたのと同じように、軽く手を上げ私達を見送った。
「サラサ、大丈夫かい?少し顔色が悪いね。緊張が続いたからだろう。ダンスの前に少し外の風に当たろうか。」
皇太子殿下から離れた所で、そう言われ、エリオット様に手を引かれなければ、歩く事も覚束ない自分に気付いた。
自分でも気付かない程に疲れていたようだ。
エリオット様の言葉に頷き、同意を伝えれば、優しい顔で頷き返された。
夜会の賑やかさを背に、庭園へと出れば、シンっと静かな闇が心地よく感じる。
会場内では至る所から感じていた視線が、ここではエリオット様からの優しい眼差しを感じるだけと言うことに心底安心して、ふーっと息を長く吐く。
でも、心が落ち着いたのは本当に一瞬だった。
暗闇の少し先に、彼の姿を見つけたからだ。
「…はい。数週間前まではまさか、国王陛下と直接言葉を交わす機会があろうとは思いもしませんでしたので…。粗相など無かったでしょうか。」
エリオット様と夜会の会場に入った私は、想像以上の人の視線に、張り付いた様な笑顔を崩さない事が精一杯の状態で、そのまま国王陛下の元へ挨拶へと伴われた。
国王陛下からは、優しげな印象を受けたものの、緊張が上回ってしまい、正直あまり記憶が残っていない程だ。
殆どエリオット様が問答し、私は基本的な挨拶や、はい、いいえと言った単語しか口に出来てなかっただろう。
「あぁ、父上も喜んでおいでだった。これからは、サラサの義父にも当たるのだから、あれほど緊張しなくてもいい。父上も国王である前に1人の人間だ。身内にくらいは気安く接される方が嬉しいだろう。」
国王陛下が身内…その事の大きさに言葉が出ない。
私が曖昧な笑顔を浮かべていると、エリオット様は私の心情を承知しているかのように一つ頷いた。
「まぁ、すぐには無理だろうから、追々でいい。それに、父上を義父上と呼ぶ前に、私の事をエリオットと呼んでもらわねば。」
「エリオット様…。」
その悪戯が成功したかのような表現に、恥ずかしさもあり、視線を逸らせば、周りの人々から生暖かい視線が注がれている事に気付き、慌ててエリオット様に視線を戻す。
エリオット様はそんな私を面白そうに笑いながら、前方を指した。
「さぁ、次は兄上だ。優しく、賢い人なので、サラサを気に入ってくれるだろう。」
エリオット様の私への買いかぶりを誰かに止めて欲しいと周りを見ても、返ってくるのはやはり生暖かい視線ばかりだ。
いや、一部嫉妬混じりの鋭い視線も混ざっているか…。
周囲から見れば、カップルがイチャついてるようにしか見えないのだろう。
そして、それはご令嬢なら誰もが羨む事なのだろう。
諦めて前方を見れば、皇太子殿下がこちらに軽く手を上げたので、エリオット様と揃って会釈をし、歩み寄る。
エリオット様と同じ輝かしい銀髪に、エリオット様より鋭い瞳が印象的な皇太子殿下。
以前、ユーリス様から皇太子殿下とエリオット様の間に起こった事を聞かされていたが、エリオット様が皇太子殿下をどう思っているのかは、私の中で想像が難しいところだった。
その皇太子殿下と対面とあっては、国王陛下との対面とは違う意味で緊張感が走る。
「お初御目にかかります。サラサ クリーヴスと申します。この度は殿下にご挨拶の機会を賜り、大変嬉しく存じます。」
コーテシーをし、挨拶をすればエリオット様より少し低いよく似た声色で頭上に言葉が下りてくる。
「サラサ嬢、こちらこそ会えるのを楽しみにしていた。さぁ、堅苦しい挨拶はそれくらいにしてくれ。」
言葉にゆっくり顔を上げれば、皇太子殿下もエリオット様も揃って笑顔だ。
想像していたピリピリとした雰囲気は一切ない。
「淑女をその様に観察するのは失礼では?兄上と言えど、サラサをジロジロ見られては堪りません。」
エリオット様が言えば、その言葉の雰囲気に、内容ほど尖った響きはなく、軽口なのだとわかる。
「噂のサラサ嬢がどれほどの者か見極めるのも兄の仕事であろう。」
「皇太子殿下ともあろう方が噂に振り回されるのは感心しませんね。」
ポンポンとテンポの良い会話に、何とか顔の笑顔が剥がれないように聞いているのが精一杯だ。
「噂をただの噂とするか、精査して情報として活かすか…その者の力量次第だとは思うがな。」
「…。ところで、噂といえば、兄上は今日は珍しくお一人なのですね。」
「ん?あぁ、ウォルターか。確かにウォルターは出来る奴だから近くで使っているが、別にいつも一緒と言うわけではない。今は、あの辺りでダンスでも楽しんでいるだろう。」
突然出たウォルター様の名前にドキリとして、思わず皇太子殿下の視線の先を追ってしまう。
音楽に合わせて舞う色とりどりのドレスの波の中に、彼の姿はすぐに見つかった。
鮮やかなレモンイエローのドレスを見に纏う可愛らしいご令嬢と手を取り踊っている。
見たくない…。
慌てて視線を戻せば、こちらを試すように微笑む皇太子殿下と目が合った。
「彼も公爵家を1人で切り盛りするのは大変でしょう。兄上が婚姻を世話をすれば、王家と公爵家の繋がりも強固になるのでは?」
エリオット殿下が不機嫌そうな声を上げた。
「それもいい案だとは思うが、意外にもウォルターは女の好みに煩くてね。まぁ、いい機会かもしれないし、考えておこう。それはともかく、サラサ嬢、エリオットを支えてくれる事、感謝している。これから、よろしく頼む。」
皇太子殿下の口から突然名指しされ、慌てて頭を下げた。
皇太子殿下の視線に、何故か後ろめたい思いが湧き上がり、表情を見られたくないという気持ちもあった。
「精一杯努めます。こちらこそ、よろしくお願いします。」
恐る恐る顔を上げれば、皇太子殿下が先程と変わらない含みのある笑顔でこちらを見ている。
「兄上、私達はそろそろ失礼しますよ。兄上と言えど、私のサラサとこれ以上視線を交わされるのは許せませんので。」
エリオット様がそう言い私の手を取ると、皇太子殿下は最初にそうしたのと同じように、軽く手を上げ私達を見送った。
「サラサ、大丈夫かい?少し顔色が悪いね。緊張が続いたからだろう。ダンスの前に少し外の風に当たろうか。」
皇太子殿下から離れた所で、そう言われ、エリオット様に手を引かれなければ、歩く事も覚束ない自分に気付いた。
自分でも気付かない程に疲れていたようだ。
エリオット様の言葉に頷き、同意を伝えれば、優しい顔で頷き返された。
夜会の賑やかさを背に、庭園へと出れば、シンっと静かな闇が心地よく感じる。
会場内では至る所から感じていた視線が、ここではエリオット様からの優しい眼差しを感じるだけと言うことに心底安心して、ふーっと息を長く吐く。
でも、心が落ち着いたのは本当に一瞬だった。
暗闇の少し先に、彼の姿を見つけたからだ。
0
お気に入りに追加
209
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢はお断りです
あみにあ
恋愛
あの日、初めて王子を見た瞬間、私は全てを思い出した。
この世界が前世で大好きだった小説と類似している事実を————。
その小説は王子と侍女との切ない恋物語。
そして私はというと……小説に登場する悪役令嬢だった。
侍女に執拗な虐めを繰り返し、最後は断罪されてしまう哀れな令嬢。
このまま進めば断罪コースは確定。
寒い牢屋で孤独に過ごすなんて、そんなの嫌だ。
何とかしないと。
でもせっかく大好きだった小説のストーリー……王子から離れ見られないのは悲しい。
そう思い飛び出した言葉が、王子の護衛騎士へ志願することだった。
剣も持ったことのない温室育ちの令嬢が
女の騎士がいないこの世界で、初の女騎士になるべく奮闘していきます。
そんな小説の世界に転生した令嬢の恋物語。
●表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_)
●毎日21時更新(サクサク進みます)
●全四部構成:133話完結+おまけ(2021年4月2日 21時完結)
(第一章16話完結/第二章44話完結/第三章78話完結/第四章133話で完結)。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
ふしだらな悪役令嬢として公開処刑される直前に聖女覚醒、婚約破棄の破棄?ご冗談でしょ(笑)
青の雀
恋愛
病弱な公爵令嬢ビクトリアは、卒業式の日にロバート王太子殿下から婚約破棄されてしまう。病弱なためあまり学園に行っていなかったことを男と浮気していたせいだ。おまけに王太子の浮気相手の令嬢を虐めていたとさえも、と勝手に冤罪を吹っかけられ、断罪されてしまいます。
父のストロベリー公爵は、王家に冤罪だと掛け合うものの、公開処刑の日時が決まる。
断頭台に引きずり出されたビクトリアは、最後に神に祈りを捧げます。
ビクトリアの身体から突然、黄金色の光が放たれ、苛立っていた観衆は穏やかな気持ちに変わっていく。
慌てた王家は、処刑を取りやめにするが……という話にする予定です。
お気づきになられている方もいらっしゃるかと存じますが
この小説は、同じ世界観で
1.みなしごだからと婚約破棄された聖女は実は女神の化身だった件について
2.婚約破棄された悪役令嬢は女神様!? 開国の祖を追放した国は滅びの道まっしぐら
3.転生者のヒロインを虐めた悪役令嬢は聖女様!? 国外追放の罪を許してやるからと言っても後の祭りです。
全部、話として続いています。ひとつずつ読んでいただいても、わかるようにはしています。
続編というのか?スピンオフというのかは、わかりません。
本来は、章として区切るべきだったとは、思います。
コンテンツを分けずに章として連載することにしました。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる