40 / 56
2019年 9月の作品
お出口は右側です
しおりを挟む「オレンジは、右側です」
電車に乗っていると、そんな放送が流れた。
オレンジ…オレンジって、何だろう?
そう思って進行方向右側の暗い壁を見つめたのに、トンネルを抜けて現れたのはただのホームだった。ドアが開いて乗り込んでくる人達、駅の壁の広告、そのどこにもオレンジの物はなかった。
(オレンジじゃないじゃん…)
なのに周りの人達は顔色一つ変えずに車両を降りていく。
わたしはもやもやした気持ちのままホームに降りた。
次の日。電車に乗っていると、また同じ放送が聞こえた。
「オレンジは、右側です」
わたしは
(なんで嘘をつくんだろう)
と思いながら窓に映る自分の顔をぼんやり眺めた。
だがトンネルを抜けて電車がスピードを落としたその時、目の前がオレンジ色に染まった。右側の窓の外はオレンジ一色の空間だった。
電車が止まり、左右両方のドアが開く。
周りの人達は左側のドアから線路へ飛び降りていった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
夫の幼馴染が毎晩のように遊びにくる
ヘロディア
恋愛
数年前、主人公は結婚した。夫とは大学時代から知り合いで、五年ほど付き合った後に結婚を決めた。
正直結構ラブラブな方だと思っている。喧嘩の一つや二つはあるけれど、仲直りも早いし、お互いの嫌なところも受け入れられるくらいには愛しているつもりだ。
そう、あの女が私の前に立ちはだかるまでは…
お父様の相手をしなさいよ・・・亡き夫の姉の指示を受け入れる私が学ぶしきたりとは・・・
マッキーの世界
大衆娯楽
「あなた、この家にいたいなら、お父様の相手をしてみなさいよ」
義姉にそう言われてしまい、困っている。
「義父と寝るだなんて、そんなことは
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる