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第一章. 異世界召喚編

2. パーティー編成

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俺はどうやら選択を誤ってしまったようだ。この一年は慎重に行動する予定であったが現在最悪の結末へと向かっている。

俺たちが召喚された世界では四人一組でパーティーを組むのが一般的だという話をしたと思う。そして俺はあろうことか、クラスの中心人物である二人と俺の親友を加えた四人でパーティーを組むことになった。

話の流れとしてはこうだ。まず俺と親友である『開発 展場かいはつ てんば』は、いざパーティーを組むとなった段階で速攻パーティー組もうぜとなった。そしてそこにクラス中心人物の一角である『月光 一輝げっこう いつき』が俺とパーティーを組みたがり、半ば強制的にパーティーに加わった。その後「俺は月光意外の男と組む気はない」と言って同じくクラスの中心人物である『矢尾井 穴場やおい あなば』も強制的にパーティーに加わった。

こんな感じでいつの間にか俺のパーティーは四人全員が男という最悪の布陣となり、その内の二人が『棒の勇者』の称号を持つ世界救出筆頭というメンバー構成となってしまった。これ完全に一番目立つやつ。

そんなこんなで俺のパーティーメンバーは、召喚されたクラスメイトの中でもずば抜けて戦闘力の高い奴らが集まった。クラス中心人物の二人は言わずもがなだが、実は親友も他の二人と同じで称号に『棒の勇者』を持っているということが判明した。過去にも『棒の勇者』の称号を持った人物は存在していたらしいが、同じ時期に複数の所持者が存在したという話はなかったため、これはこの世界始まって以来の快挙であると国王やその配下の兵士たちも喜んでいる。

ちなみに『穴の勇者』が過去にも存在していたという話はないようだ。俺が初めての男である。嬉しくはない。

この辺で気になっている人もいると思うので、『棒の勇者』三人のステータスを紹介しようと思う。

名前 :月光 一輝げっこう いつき
性別 :♂
称号 :棒の勇者、召喚されし者
レベル:1
HP  :550
SP  :500
STR  :500
DEX  :400
VIT  :250
AGI  :450
INT  :350
LUK  :85
スキル:『性剣 カリバーンせいけん かりばーん
適正 :『棒属性』

名前 :矢尾井 穴場やおい あなば
性別 :♂
称号 :棒の勇者、召喚されし者
レベル:1
HP  :650
SP  :400
STR  :600
DEX  :300
VIT  :350
AGI  :350
INT  :350
LUK  :70
スキル:『性槍 ゲイボルグせいそう げいぼるぐ
適正 :『棒属性』

名前 :|開発 展場かいはつ てんば
性別 :♂
称号 :棒の勇者、召喚されし者
レベル:1
HP  :450
SP  :650
STR  :400
DEX  :400
VIT  :300
AGI  :400
INT  :300
LUK  :95
スキル:『性弓 ミストルティンせいきゅう みすとるてぃん
適正 :『棒属性』

三人のステータスはこんな感じとなっている。一般的な値が100ということを考えると滅茶苦茶高いと思う。『月光げっこう』がバランス、『矢尾井やおい』がパワー、『開発かいはつ』がテクニック、俺が『ディフェンス』特化って感じである。
この世界にはファンタジー世界の定番である魔法等はないらしいので、近・中・遠距離に加えて防御手段まである俺たちのパーティーはかなりバランスが良いんじゃないだろうか。加えて俺以外の三人は軒並みステータスが高いし。

ちなみにさっき聞いた話だがLUKは100が最大値らしいので三人とも高い部類に入る。これだけLUKが高いのも『棒の勇者』である恩恵だろうか。そして俺のLUK0は最低値という結論が出てしまった。男だけのパーティーになってしまったのもLUKが仕事をした結果、むしろ仕事をしなかった結果である。

クラスのイケメンハイスペック野郎のTOP3が入っているパーティーなので、当然周りの女子や一部男子から羨ましがられた。このクラスゲイ疑惑あるやつ多すぎ。後出しになるが親友も他の二人には劣るものの、充分イケメンハイスペックの称号を得るに相応しいスペックを誇っている。悲しいことにこのパーティーでイケメンハイスペックでないのは俺だけということになる。

イケメンハイスペックが三人もいる一見何の問題もないパーティーに見えるが、実はこのパーティーは大きな問題を抱えている。約一名口調というか性格というかがきつい奴がいるが、それはさほど大きな問題にはならないだろう。

このパーティーが抱えている大きな問題、それはイケメンハイスペック三人衆が『ノンケ』じゃないってところだ。直球で表現するとこいつらは『ゲイ』である。俺が知る限り、昔助けたことから『月光』は俺に好意を抱いている。『矢尾井』は自分の全てをぶつけることができる唯一の相手として『月光』に対して好意を抱いている。そして親友の『開発』は全員の尻を狙っている。全員ヤバいが、この中では『開発』が一番ヤバい奴ということになる。

こういった理由があるから可能ならこのパーティーからおさらばしたい。常に尻の危険性と隣り合わせとかマジ勘弁。しかしどうやっても『月光ゲイその一』が俺のパーティーに入りたがり、それを追うように『矢尾井ゲイその二』もセットで付いてくるからおさらばすることができない。ゲイ三人に囲まれるノンケの生きにくさといったら半端じゃない。

前途多難な異世界冒険のスタートとなってしまいそうだが、俺は絶対に自分の純潔は守り通して見せる。例え何が起きようとも。
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