27 / 37
27
しおりを挟む
「ごめんなさいね、サファイア様。私が余計なことをしなければ、貴女は巻き込まれなかったかもしれないわ」
「いいえ、ルビー様。これは、私自身が現実から目を背け続けた結果です。どのみち、いつかはぶつかる壁でした」
ルビーとサファイアは、それぞれの部屋に向って歩き始めた。
交わした言葉は、先の一言のみ。
無言で別れ、無言でそれぞれの部屋に入っていく。
「お嬢様」
「ごめん、ルベライト。一人にさせて」
心配そうに声をかけるルベライトを部屋から追い出し、ルビーはベッドへと倒れた。
ごろりと体を動かして、うつ伏せから仰向けへと変わり、ぼーっと天井を眺めた。
くしゃくしゃになったドレスは、まるでルビーの感情を表しているようだ。
「言うか、言わないか、か」
ルビーは考える。
もしも自分がトパーズの立場であり、自身の婚約者が転生者だと知ったらどうなるだろう、と。
自身の愛したルビーではない存在だと知ったならどうなるだろうと。
果たして、許してくれるだろうかと。
逃げ道はある。
オニキスは、ルビーたちが転生者であることを伝えるか否かを、ルビーとサファイアに委ねた。
オニキスの口から、トパーズとアメシストにルビーたちの転生が伝わることはない。
つまり、沈黙さえすれば、ルビーたちの秘密は守られる。
「これは、裏切りなのかしら」
ルビーは、前世で見た悪役令嬢のアニメを思い出す。
彼女たちはどうやってしのいだのかと思い返せば思い返すほど、アニメで描写などされていないと気づく。
フィクションは、所詮フィクション。
ルビーの目の前にある現実は、ルビーが決断するしかないのだと突きつけられる。
「はは……。本当に弱いわね、私って」
さっきもさっき、転生者であるルビーが、転生者からダイヤモンドを救おうとする自己矛盾を振り払った後での感情だ。
ルビーは自分の甘さに失笑する。
否、自分が傷つかない覚悟はすぐ持てたにもかかわらず、自分が傷つく、つまり婚約者を失うという可能性をはらむ覚悟を持てない自分を嫌った。
ルビーの思考は、加速と停止を繰り返した。
時計の針の音が、部屋を満たす。
窓の隙間から入ってくる風が、ルビーの頭を撫でる。
トパーズとの思い出が、ルビーの頭の中に満ちる。
「っ!! ああああああああああ!!」
長い沈黙を振り払うように、ルビーは叫びながら立ち上がった。
テーブルの上に置かれていた一切合切を振り払って、床へと叩き落す。
「覚悟を決めろ、私!! ダイヤを救うって決めたんでしょ!!」
繰り返すが、オニキスの口から、トパーズとアメシストにルビーたちの転生が伝わることはない。
ルビーが伝えない選択をしたところで、オニキスはルビーを嫌わない。
しかし、オニキスも人間。
転生者への不信という僅かに入ったヒビは、ある日大きな亀裂となる危険性として残る。
秘密に秘密を積み上げた果てに待つのは、いつ崩れてしまうかという恐怖だけだ。
ダイヤモンドを救うにあたり、恐怖は救う可能性を下げかねない。
「トパーズ様に嫌われたところで、元に戻るだけでしょ!! 元々ゲームじゃ婚約なんて解消されてるんだから!! 元通りのストーリーに戻るだけ!!」
悪役令嬢ルビー・スカーレットの末路は、国外追放。
ルビーが回避し続けたシナリオが、足音を立てて近づいてくる。
「いいじゃない!! 国外追放!! 国外追放後の環境は公爵家のルビーにとって劣悪なだけで、平々凡々な日本人だった私からすればVIP待遇かもしれないじゃない!!」
ルビーは、近づいてくるシナリオの頭をむんずとつかんだ。
「ダイヤは助ける!! 私は友達を見捨てない!! トパーズ様に婚約破棄されても、もっといい男を捕まえて幸せになってやればいいじゃない!! やりたいことをやり続けるのが、ルビー・スカーレットでしょ!!」
そして決断した。
転生者であると、明かすことを。
その先の不確定な未来を受け入れることを。
気合が高まり切ったところで、ぷつりと感情の糸が切れた。
「……トパーズ様よりいい人、いるかなぁ」
ルビーは再びベッドに倒れ、枕に顔をうずめた。
枕が涙で濡れていく。
今晩だけは泣いても許されるだろうと、泣きながら眠りについた。
「おはようございます、サファイア様」
「おはようございます、ルビー様」
お互い、泣きはらした目で朝を迎える。
オニキスから指定された時刻に、指定された場所へと向かう。
魔法学院の部屋の中でも防音性が高く、一定以上の地位がなければ借りられない一室だ。
「失礼します」
「やあ、おはよう」
室内には、オニキス、トパーズ、アメシストの三人が揃っていた。
「ルビー?」
「サファイア?」
トパーズとアメシストは、ルビーとサファイアが来ることをオニキスから聞いていなかったのだろう。
入ってきた二人を見て、目を丸くしていた。
「さて、これで全員だな」
オニキスは空いている席に座るよう二人を促し、部屋の鍵をかける。
全ての使用人は部屋の外で待機させられ、五人だけの密談が始まる。
「トパーズ、アメシスト、まずは急な呼び出しを詫びよう」
「いえ、それは構いません。さっそくですが、ご用件をお伺いしましょう。……後」
トパーズは、ルビーの方をちらりと見る。
トパーズは、このオニキスからの呼び出しがダイヤモンドの件であろうことは察しがついてた。
それゆえに、自身の婚約者であるルビーが同席していることで、ルビーまで巻き込まれることを嫌った。
ルビーへの視線は、オニキスに対するルビーを退席させてほしいという無言のアピール。
オニキスは、当然トパーズの意図に気づいていながらも、無視することで回答とした。
「察しはついているだろうが、ダイヤモンドの件だ」
「ダイヤモンドですか。王族になったことで浮かれ、欲望のままに行動していると皆が噂しています」
「それは誤りだ。ダイヤモンドは、転生によって別の人格に体を乗っ取られている」
「転生?」
昨日のオニキス同様、トパーズとアメシストは聞きなれない言葉に首を傾げた。
オニキスは視線を、首を傾げなかったルビーとサファイアへと移す。
ルビーとサファイアのまっすぐの視線から、オニキスは説明の場を二人に譲ることに決めた。
「転生については、彼女たちから説明してもらう」
オニキスの視線を後追いするように、トパーズとアメシストの視線が、ルビーとサファイアへ移る。
視線が動く一秒間で、トパーズとアメシストの思考は冷静に機能した。
即ち、ここで説明をルビーとサファイアにさせる理由とは何か、だ。
答えは一つ。
オニキスよりも、ルビーとサファイアの方が転生に詳しいから。
「わかりました」
「……なぜ、ルビーからなんだ?」
トパーズは、浮かんだ答えを否定したいがために、ルビーに尋ねた。
ルビーの表情は少し苦しそうに歪み、すぐに覚悟を決めたそれへと変わった。
「私も、転生者だからです」
ルビーの言葉を聞いたトパーズの顔から、血の気が一気に引いていく。
ルビーの言葉をそのまま受け取るならば、ルビー・スカーレットという人間が転生によって別の人格に体を乗っ取られているということを指すからだ。
アメシストもまたサファイアを見ながら、恐る恐る口を開く。
「サファイア、君も……」
「……ごめんなさい」
アメシストの顔からもまた、血の気が一気に引いていく。
病気にでもなったかのようなトパーズとアメシストは、互いに顔を見合わせる。
二人とも、自身の婚約者の性格が突然変わった日のことを思い出していた。
難しい顔をしながら眉間にしわを寄せ、意図的にルビーとサファイアから視線を逸らす。
今すぐにでも自室へ逃げかえりたい衝動を抑えながら、必死にその場へい続けた。
次にトパーズとアメシストが口にする言葉は、ルビーとサファイアへの質問しか許されず、質問の内容によっては自身と婚約者の間に亀裂が入る可能性は十分にあった。
しばしの沈黙を、誰も咎めることはない。
トパーズはルビーとの、アメシストはサファイアとの、過去から現在までの思い出を振り返る。
楽しい。
騙された。
愛しい。
打算的だ。
過去と現在に感じた感情が螺旋状に心の中を旋回する。
走馬灯があるならばこんな感じだろうと思うほど、過去の記憶が接近した。
トパーズは、一度深呼吸をした後、ルビーの方へと向いた。
「君は、私の婚約者、ルビー・スカーレットか?」
トパーズが選んだのは、ルビーの自己への評価確認であった。
「はい」
ルビーは、間髪入れずに返答した。
「その根拠は?」
「私には、幼い頃からトパーズ様とお会いした記憶があるからです」
「オニキス様の言葉を信じるなら、転生は別の人格に乗っ取られているという話だが?」
「ダイヤの転生は、その様に考えています。ですが、私は違います! 私は、生まれながらにルビー・スカーレットです!……別の人格の記憶も、ありますが」
「別の人格の記憶、か。その人格は、何者だ?」
「日本……いえ、こことは違う、別の世界に住む女の子の記憶です」
「人格ではなく、記憶と言ったな。つまり、ルビーの中には二人分の記憶があるということか?」
「単純に言ってしまえば、その通りです」
心配そうなルビーの瞳に見つめられながら、トパーズは再び眉間にしわを寄せた。
「いいえ、ルビー様。これは、私自身が現実から目を背け続けた結果です。どのみち、いつかはぶつかる壁でした」
ルビーとサファイアは、それぞれの部屋に向って歩き始めた。
交わした言葉は、先の一言のみ。
無言で別れ、無言でそれぞれの部屋に入っていく。
「お嬢様」
「ごめん、ルベライト。一人にさせて」
心配そうに声をかけるルベライトを部屋から追い出し、ルビーはベッドへと倒れた。
ごろりと体を動かして、うつ伏せから仰向けへと変わり、ぼーっと天井を眺めた。
くしゃくしゃになったドレスは、まるでルビーの感情を表しているようだ。
「言うか、言わないか、か」
ルビーは考える。
もしも自分がトパーズの立場であり、自身の婚約者が転生者だと知ったらどうなるだろう、と。
自身の愛したルビーではない存在だと知ったならどうなるだろうと。
果たして、許してくれるだろうかと。
逃げ道はある。
オニキスは、ルビーたちが転生者であることを伝えるか否かを、ルビーとサファイアに委ねた。
オニキスの口から、トパーズとアメシストにルビーたちの転生が伝わることはない。
つまり、沈黙さえすれば、ルビーたちの秘密は守られる。
「これは、裏切りなのかしら」
ルビーは、前世で見た悪役令嬢のアニメを思い出す。
彼女たちはどうやってしのいだのかと思い返せば思い返すほど、アニメで描写などされていないと気づく。
フィクションは、所詮フィクション。
ルビーの目の前にある現実は、ルビーが決断するしかないのだと突きつけられる。
「はは……。本当に弱いわね、私って」
さっきもさっき、転生者であるルビーが、転生者からダイヤモンドを救おうとする自己矛盾を振り払った後での感情だ。
ルビーは自分の甘さに失笑する。
否、自分が傷つかない覚悟はすぐ持てたにもかかわらず、自分が傷つく、つまり婚約者を失うという可能性をはらむ覚悟を持てない自分を嫌った。
ルビーの思考は、加速と停止を繰り返した。
時計の針の音が、部屋を満たす。
窓の隙間から入ってくる風が、ルビーの頭を撫でる。
トパーズとの思い出が、ルビーの頭の中に満ちる。
「っ!! ああああああああああ!!」
長い沈黙を振り払うように、ルビーは叫びながら立ち上がった。
テーブルの上に置かれていた一切合切を振り払って、床へと叩き落す。
「覚悟を決めろ、私!! ダイヤを救うって決めたんでしょ!!」
繰り返すが、オニキスの口から、トパーズとアメシストにルビーたちの転生が伝わることはない。
ルビーが伝えない選択をしたところで、オニキスはルビーを嫌わない。
しかし、オニキスも人間。
転生者への不信という僅かに入ったヒビは、ある日大きな亀裂となる危険性として残る。
秘密に秘密を積み上げた果てに待つのは、いつ崩れてしまうかという恐怖だけだ。
ダイヤモンドを救うにあたり、恐怖は救う可能性を下げかねない。
「トパーズ様に嫌われたところで、元に戻るだけでしょ!! 元々ゲームじゃ婚約なんて解消されてるんだから!! 元通りのストーリーに戻るだけ!!」
悪役令嬢ルビー・スカーレットの末路は、国外追放。
ルビーが回避し続けたシナリオが、足音を立てて近づいてくる。
「いいじゃない!! 国外追放!! 国外追放後の環境は公爵家のルビーにとって劣悪なだけで、平々凡々な日本人だった私からすればVIP待遇かもしれないじゃない!!」
ルビーは、近づいてくるシナリオの頭をむんずとつかんだ。
「ダイヤは助ける!! 私は友達を見捨てない!! トパーズ様に婚約破棄されても、もっといい男を捕まえて幸せになってやればいいじゃない!! やりたいことをやり続けるのが、ルビー・スカーレットでしょ!!」
そして決断した。
転生者であると、明かすことを。
その先の不確定な未来を受け入れることを。
気合が高まり切ったところで、ぷつりと感情の糸が切れた。
「……トパーズ様よりいい人、いるかなぁ」
ルビーは再びベッドに倒れ、枕に顔をうずめた。
枕が涙で濡れていく。
今晩だけは泣いても許されるだろうと、泣きながら眠りについた。
「おはようございます、サファイア様」
「おはようございます、ルビー様」
お互い、泣きはらした目で朝を迎える。
オニキスから指定された時刻に、指定された場所へと向かう。
魔法学院の部屋の中でも防音性が高く、一定以上の地位がなければ借りられない一室だ。
「失礼します」
「やあ、おはよう」
室内には、オニキス、トパーズ、アメシストの三人が揃っていた。
「ルビー?」
「サファイア?」
トパーズとアメシストは、ルビーとサファイアが来ることをオニキスから聞いていなかったのだろう。
入ってきた二人を見て、目を丸くしていた。
「さて、これで全員だな」
オニキスは空いている席に座るよう二人を促し、部屋の鍵をかける。
全ての使用人は部屋の外で待機させられ、五人だけの密談が始まる。
「トパーズ、アメシスト、まずは急な呼び出しを詫びよう」
「いえ、それは構いません。さっそくですが、ご用件をお伺いしましょう。……後」
トパーズは、ルビーの方をちらりと見る。
トパーズは、このオニキスからの呼び出しがダイヤモンドの件であろうことは察しがついてた。
それゆえに、自身の婚約者であるルビーが同席していることで、ルビーまで巻き込まれることを嫌った。
ルビーへの視線は、オニキスに対するルビーを退席させてほしいという無言のアピール。
オニキスは、当然トパーズの意図に気づいていながらも、無視することで回答とした。
「察しはついているだろうが、ダイヤモンドの件だ」
「ダイヤモンドですか。王族になったことで浮かれ、欲望のままに行動していると皆が噂しています」
「それは誤りだ。ダイヤモンドは、転生によって別の人格に体を乗っ取られている」
「転生?」
昨日のオニキス同様、トパーズとアメシストは聞きなれない言葉に首を傾げた。
オニキスは視線を、首を傾げなかったルビーとサファイアへと移す。
ルビーとサファイアのまっすぐの視線から、オニキスは説明の場を二人に譲ることに決めた。
「転生については、彼女たちから説明してもらう」
オニキスの視線を後追いするように、トパーズとアメシストの視線が、ルビーとサファイアへ移る。
視線が動く一秒間で、トパーズとアメシストの思考は冷静に機能した。
即ち、ここで説明をルビーとサファイアにさせる理由とは何か、だ。
答えは一つ。
オニキスよりも、ルビーとサファイアの方が転生に詳しいから。
「わかりました」
「……なぜ、ルビーからなんだ?」
トパーズは、浮かんだ答えを否定したいがために、ルビーに尋ねた。
ルビーの表情は少し苦しそうに歪み、すぐに覚悟を決めたそれへと変わった。
「私も、転生者だからです」
ルビーの言葉を聞いたトパーズの顔から、血の気が一気に引いていく。
ルビーの言葉をそのまま受け取るならば、ルビー・スカーレットという人間が転生によって別の人格に体を乗っ取られているということを指すからだ。
アメシストもまたサファイアを見ながら、恐る恐る口を開く。
「サファイア、君も……」
「……ごめんなさい」
アメシストの顔からもまた、血の気が一気に引いていく。
病気にでもなったかのようなトパーズとアメシストは、互いに顔を見合わせる。
二人とも、自身の婚約者の性格が突然変わった日のことを思い出していた。
難しい顔をしながら眉間にしわを寄せ、意図的にルビーとサファイアから視線を逸らす。
今すぐにでも自室へ逃げかえりたい衝動を抑えながら、必死にその場へい続けた。
次にトパーズとアメシストが口にする言葉は、ルビーとサファイアへの質問しか許されず、質問の内容によっては自身と婚約者の間に亀裂が入る可能性は十分にあった。
しばしの沈黙を、誰も咎めることはない。
トパーズはルビーとの、アメシストはサファイアとの、過去から現在までの思い出を振り返る。
楽しい。
騙された。
愛しい。
打算的だ。
過去と現在に感じた感情が螺旋状に心の中を旋回する。
走馬灯があるならばこんな感じだろうと思うほど、過去の記憶が接近した。
トパーズは、一度深呼吸をした後、ルビーの方へと向いた。
「君は、私の婚約者、ルビー・スカーレットか?」
トパーズが選んだのは、ルビーの自己への評価確認であった。
「はい」
ルビーは、間髪入れずに返答した。
「その根拠は?」
「私には、幼い頃からトパーズ様とお会いした記憶があるからです」
「オニキス様の言葉を信じるなら、転生は別の人格に乗っ取られているという話だが?」
「ダイヤの転生は、その様に考えています。ですが、私は違います! 私は、生まれながらにルビー・スカーレットです!……別の人格の記憶も、ありますが」
「別の人格の記憶、か。その人格は、何者だ?」
「日本……いえ、こことは違う、別の世界に住む女の子の記憶です」
「人格ではなく、記憶と言ったな。つまり、ルビーの中には二人分の記憶があるということか?」
「単純に言ってしまえば、その通りです」
心配そうなルビーの瞳に見つめられながら、トパーズは再び眉間にしわを寄せた。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
気絶した婚約者を置き去りにする男の踏み台になんてならない!
ひづき
恋愛
ヒロインにタックルされて気絶した。しかも婚約者は気絶した私を放置してヒロインと共に去りやがった。
え、コイツらを幸せにする為に私が悪役令嬢!?やってられるか!!
それより気絶した私を運んでくれた恩人は誰だろう?
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる