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エメラルドは、馬鹿である。
何も考えたことがないので、何も考えることができない。
転生前も、エメラルドは両親におんぶ抱っこの人生だった。
夏休みの宿題は、両親に一覧を渡し、両親がいつ何をやるかの予定を組んでくれた。
これをやれ。
あれをやれ。
周囲の言葉に従って、エメラルドは生きてきた。
何も考えなくていいから。
時々、自分の意思で欲しい物があると、とりあえず叫んだ。
スマートフォンが欲しい。
ゲームが欲しい。
本が欲しい。
ハンバーグが食べたい。
叫べば、誰かが何とかしてくれた。
エメラルドは一切の労力をかけることなく、欲しい物を手に入れてきた。
それは、転生後も同じ。
用意してくれる人間が、両親から兄であるペリドットに変わっただけ。
本質は、何も変わらない。
だからこそ、ペリドットに言われた通りのことをやっている最中、ペリドットに言われてないことが起きた今、エメラルドは理解が追い付いていなかった。
エメラルドは、ルビーを見て、周囲の生徒たちを見る。
本来いるはずのない人間が、エメラルドをじっと見ている。
エメラルドは、自分が開いた袋の中を見る。
証拠だらけ。
ペリドットがルビーとダイヤモンドへの嫌がらせに使った道具たちが、ぎっしり詰まっていた。
エメラルドは、思う一度ルビーを見る。
空っぽだったエメラルドの脳内に、多数の視線が注ぎ込まれていく。
視線の意味が翻訳され、エメラルドは自分がルビーとダイヤモンドへ嫌がらせをしていた容疑者だと思われていることを、ようやく理解した。
否、容疑者ではなく、事実として当事者なのだが。
「え?」
しかし、エメラルドは何も言わない。
何も言えない。
疑われた時にどうすればいいかなど、エメラルドは知らない。
言い訳をすることも、否定することもできず、あたふたと周囲を見渡して、唯一できることをした。
「お兄様ー!!」
ペリドットを呼んだ。
「呼んだのは、この人?」
エメラルドの断末魔を聞いて、ルビーは顔をくいっと横に動かして、一人の生徒に合図した。
合図を受けた生徒は更衣室から出て、すぐにロープでぐるぐる巻きに縛られたペリドットをつれてきた。
「え?」
無惨な姿のペリドットを見たエメラルドは、再び固まる。
この『純白の少女』シリーズの世界において、絶対的に自分の味方であり武力であったはずのペリドットが、完全に無力化されている。
「すまない、エメラルド」
ペリドットの言葉が、エメラルドに現状を打ち込んだ。
「いやあああああああ!?」
現状を朧げに理解したエメラルドは、ただ叫んだ。
今までは叫べば誰かがどうにかしてくれた、そんな本能に基づいて。
「いやあああああああ!?」
しかし、誰もエメラルドの側に寄ってこない。
「いやあああ……ああ??」
エメラルドの、側近でさえ。
エメラルドは、再び周囲を見渡す。
エメラルドの側近は、集まった生徒たちの一番後ろで、申し訳なさそうな瞳でエメラルドを見ていた。
ロープで縛られていないことから、側近たちがエメラルドを見捨てたと、エメラルドは容易に理解できた。
エメラルドは表情を失い、ルビーを見て、ペリドットを見て、周囲の生徒たちを見て、笑った。
「あは。あははははははは!!」
エメラルドは、笑って、笑って、笑い続けた。
時折咳き込むほど、自分の限界を超えて笑い続けた。
涙が、エメラルドの頬を垂れる。
「はあー」
そして、笑い終えたエメラルドは、再びルビーを見て、微笑んだ。
「ごめんなさいいいいいいいいいいいい!!」
直後、華麗なる土下座を決めた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!! 悪気はなかったの!! オニキス様と結婚したかっただけなの!! 幸せになりたかっただけなのおおお!!」
土下座をしながら叫ぶ様子は、いっさいの飾り気がなく、貴族としてのプライドもなく、だからこそエメラルドの本心だろうと誰もが理解した。
ルビーがちらりとオニキスを見ると、オニキスは複雑な表情を浮かべていた。
誰かから愛されることは、オニキスにとって幸せなことだ。
しかし、オニキスから愛されることだけが目的の愛は、オニキスには重すぎた。
結果、オニキスは言葉が出なかった。
ルビーは、周囲を見る。
誰もが、公爵家であるエメラルドの土下座に驚き、あり得ない行為だからこそ反省しているのだろうと理解し、少しだけ同情の念を浮かべていた。
それは、ペリドットも同様。
しかし、ルビーは知っていた。
馬鹿は、誰かが何とかしてくれるの後に、謝れば何でも許されると無意識に思うことを。
「許しませんよ?」
だからルビーは、にっこりと微笑んで言い放った。
エメラルドがバッと顔をあげ、ルビーを見る。
エメラルドの顔には、土下座中に涙が流れただろう跡がない。
周囲の生徒たちが、ルビーを見る。
生徒たちの顔には、公爵令嬢がここまでしても許さないのかという驚きが貼りついていた。
ルビーは、ゆっくりとエメラルドに向って歩き始める。
怒りも、悲しみも、その表情には存在しない。
だからこそ、エメラルドは近づいてくるルビーに、言いようもない恐怖を感じた。
「あは……あははは……」
恐怖は、エメラルドに乾いた笑いを引き起こした。
ルビーはエメラルドの前にしゃがみこんで、エメラルドの頭を優しく撫でた。
緑色の、綺麗な髪だ。
髪を見るだけで、エメラルドがどれだけ丁寧に、そして甘やかされて育ってきたかが分かる。
ルビーは赤子をあやすように、優しく口を開いた。
「謝っただけで、許されると思いますか?」
エメラルドは、必死にルビーの真意を考えた。
何をすれば自分は許される。
何が理由でルビーは怒っている。
馬鹿な頭で、必死に考えた。
「お、お金あげる……。お小遣い、お小遣いいっぱいあるの……。他には……。あ、そうだ。お兄様、貸してあげる……。すっごく、優秀よ? ルビー様の願いを、なんでも、叶えてくれて」
「いりません」
しかし、馬鹿な頭で思いつく答えは、得てして間違いだ。
ルビーはにっこりと微笑んだまま、腕まくりをする。
そして、土下座の体勢にあるエメラルドの背中を左手でグッと押さえつけ、右手をエメラルドのお尻の前にもってくる。
「え?」
「何?」
エメラルドは、ルビーがこれから何をするのか即座に理解した。
それは、転生前の記憶を持つエメラルドだからこそ、即座に理解できたこと。
他の生徒たちは、ルビーがしようとしていることが一瞬浮かび、しかし公爵家の人間がそんな真似はしないだろうと、想像を振り払った。
結論から言おう。
その想像は、正解である。
「待って」
「嫌です」
「待って待って待って」
「待ちません」
ルビーは右手を、ぐっと遠くまで伸ばした。
「待ってえええええ!?」
そして、エメラルドのお尻を、思いっきり引っぱたいた。
「みぎゃー!?」
おしりペンペン。
世界が自分中心で動いている幼子に対して、最も効果的な躾の一つ。
ルビーは、精神が子供なエメラルドに対し、おしりペンペンこそが最も効果がある躾方法だと判断した。
清々しい音が、部屋中に木霊する。
「エメラルドー!」
「みぎゃー!?」
二発目、三発目と、テンポよく続いていく。
「よくもやってくたわねー!!」
「みゃあああ!?」
「あんたのせいでー!!」
「むぎゃあああ!?」
「私は白髪が生えたのよ!?」
「むっきゃー!?」
「この責任!!」
「ぴゃあああ!?」
「どうとってくれんのー!!」
「ご、ごめんなさーい!!」
「許さない!!」
「きゃあああ!?」
バシンバシンと響く音。
その光景を前に、生徒たちは目を背け、当事者の一人であるダイヤモンドは苦笑いで頬を掻いていた。
「許せ……妹よ……。これも、お前のためなのだ……」
ペリドットは涙を流しながら、エメラルドが反省する音を聞いていた。
この日を境に、エメラルドが嫌がらせをしてくることはなくなり、オニキスへの愛情表現もすっかりなくなった。
何も考えたことがないので、何も考えることができない。
転生前も、エメラルドは両親におんぶ抱っこの人生だった。
夏休みの宿題は、両親に一覧を渡し、両親がいつ何をやるかの予定を組んでくれた。
これをやれ。
あれをやれ。
周囲の言葉に従って、エメラルドは生きてきた。
何も考えなくていいから。
時々、自分の意思で欲しい物があると、とりあえず叫んだ。
スマートフォンが欲しい。
ゲームが欲しい。
本が欲しい。
ハンバーグが食べたい。
叫べば、誰かが何とかしてくれた。
エメラルドは一切の労力をかけることなく、欲しい物を手に入れてきた。
それは、転生後も同じ。
用意してくれる人間が、両親から兄であるペリドットに変わっただけ。
本質は、何も変わらない。
だからこそ、ペリドットに言われた通りのことをやっている最中、ペリドットに言われてないことが起きた今、エメラルドは理解が追い付いていなかった。
エメラルドは、ルビーを見て、周囲の生徒たちを見る。
本来いるはずのない人間が、エメラルドをじっと見ている。
エメラルドは、自分が開いた袋の中を見る。
証拠だらけ。
ペリドットがルビーとダイヤモンドへの嫌がらせに使った道具たちが、ぎっしり詰まっていた。
エメラルドは、思う一度ルビーを見る。
空っぽだったエメラルドの脳内に、多数の視線が注ぎ込まれていく。
視線の意味が翻訳され、エメラルドは自分がルビーとダイヤモンドへ嫌がらせをしていた容疑者だと思われていることを、ようやく理解した。
否、容疑者ではなく、事実として当事者なのだが。
「え?」
しかし、エメラルドは何も言わない。
何も言えない。
疑われた時にどうすればいいかなど、エメラルドは知らない。
言い訳をすることも、否定することもできず、あたふたと周囲を見渡して、唯一できることをした。
「お兄様ー!!」
ペリドットを呼んだ。
「呼んだのは、この人?」
エメラルドの断末魔を聞いて、ルビーは顔をくいっと横に動かして、一人の生徒に合図した。
合図を受けた生徒は更衣室から出て、すぐにロープでぐるぐる巻きに縛られたペリドットをつれてきた。
「え?」
無惨な姿のペリドットを見たエメラルドは、再び固まる。
この『純白の少女』シリーズの世界において、絶対的に自分の味方であり武力であったはずのペリドットが、完全に無力化されている。
「すまない、エメラルド」
ペリドットの言葉が、エメラルドに現状を打ち込んだ。
「いやあああああああ!?」
現状を朧げに理解したエメラルドは、ただ叫んだ。
今までは叫べば誰かがどうにかしてくれた、そんな本能に基づいて。
「いやあああああああ!?」
しかし、誰もエメラルドの側に寄ってこない。
「いやあああ……ああ??」
エメラルドの、側近でさえ。
エメラルドは、再び周囲を見渡す。
エメラルドの側近は、集まった生徒たちの一番後ろで、申し訳なさそうな瞳でエメラルドを見ていた。
ロープで縛られていないことから、側近たちがエメラルドを見捨てたと、エメラルドは容易に理解できた。
エメラルドは表情を失い、ルビーを見て、ペリドットを見て、周囲の生徒たちを見て、笑った。
「あは。あははははははは!!」
エメラルドは、笑って、笑って、笑い続けた。
時折咳き込むほど、自分の限界を超えて笑い続けた。
涙が、エメラルドの頬を垂れる。
「はあー」
そして、笑い終えたエメラルドは、再びルビーを見て、微笑んだ。
「ごめんなさいいいいいいいいいいいい!!」
直後、華麗なる土下座を決めた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!! 悪気はなかったの!! オニキス様と結婚したかっただけなの!! 幸せになりたかっただけなのおおお!!」
土下座をしながら叫ぶ様子は、いっさいの飾り気がなく、貴族としてのプライドもなく、だからこそエメラルドの本心だろうと誰もが理解した。
ルビーがちらりとオニキスを見ると、オニキスは複雑な表情を浮かべていた。
誰かから愛されることは、オニキスにとって幸せなことだ。
しかし、オニキスから愛されることだけが目的の愛は、オニキスには重すぎた。
結果、オニキスは言葉が出なかった。
ルビーは、周囲を見る。
誰もが、公爵家であるエメラルドの土下座に驚き、あり得ない行為だからこそ反省しているのだろうと理解し、少しだけ同情の念を浮かべていた。
それは、ペリドットも同様。
しかし、ルビーは知っていた。
馬鹿は、誰かが何とかしてくれるの後に、謝れば何でも許されると無意識に思うことを。
「許しませんよ?」
だからルビーは、にっこりと微笑んで言い放った。
エメラルドがバッと顔をあげ、ルビーを見る。
エメラルドの顔には、土下座中に涙が流れただろう跡がない。
周囲の生徒たちが、ルビーを見る。
生徒たちの顔には、公爵令嬢がここまでしても許さないのかという驚きが貼りついていた。
ルビーは、ゆっくりとエメラルドに向って歩き始める。
怒りも、悲しみも、その表情には存在しない。
だからこそ、エメラルドは近づいてくるルビーに、言いようもない恐怖を感じた。
「あは……あははは……」
恐怖は、エメラルドに乾いた笑いを引き起こした。
ルビーはエメラルドの前にしゃがみこんで、エメラルドの頭を優しく撫でた。
緑色の、綺麗な髪だ。
髪を見るだけで、エメラルドがどれだけ丁寧に、そして甘やかされて育ってきたかが分かる。
ルビーは赤子をあやすように、優しく口を開いた。
「謝っただけで、許されると思いますか?」
エメラルドは、必死にルビーの真意を考えた。
何をすれば自分は許される。
何が理由でルビーは怒っている。
馬鹿な頭で、必死に考えた。
「お、お金あげる……。お小遣い、お小遣いいっぱいあるの……。他には……。あ、そうだ。お兄様、貸してあげる……。すっごく、優秀よ? ルビー様の願いを、なんでも、叶えてくれて」
「いりません」
しかし、馬鹿な頭で思いつく答えは、得てして間違いだ。
ルビーはにっこりと微笑んだまま、腕まくりをする。
そして、土下座の体勢にあるエメラルドの背中を左手でグッと押さえつけ、右手をエメラルドのお尻の前にもってくる。
「え?」
「何?」
エメラルドは、ルビーがこれから何をするのか即座に理解した。
それは、転生前の記憶を持つエメラルドだからこそ、即座に理解できたこと。
他の生徒たちは、ルビーがしようとしていることが一瞬浮かび、しかし公爵家の人間がそんな真似はしないだろうと、想像を振り払った。
結論から言おう。
その想像は、正解である。
「待って」
「嫌です」
「待って待って待って」
「待ちません」
ルビーは右手を、ぐっと遠くまで伸ばした。
「待ってえええええ!?」
そして、エメラルドのお尻を、思いっきり引っぱたいた。
「みぎゃー!?」
おしりペンペン。
世界が自分中心で動いている幼子に対して、最も効果的な躾の一つ。
ルビーは、精神が子供なエメラルドに対し、おしりペンペンこそが最も効果がある躾方法だと判断した。
清々しい音が、部屋中に木霊する。
「エメラルドー!」
「みぎゃー!?」
二発目、三発目と、テンポよく続いていく。
「よくもやってくたわねー!!」
「みゃあああ!?」
「あんたのせいでー!!」
「むぎゃあああ!?」
「私は白髪が生えたのよ!?」
「むっきゃー!?」
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「ぴゃあああ!?」
「どうとってくれんのー!!」
「ご、ごめんなさーい!!」
「許さない!!」
「きゃあああ!?」
バシンバシンと響く音。
その光景を前に、生徒たちは目を背け、当事者の一人であるダイヤモンドは苦笑いで頬を掻いていた。
「許せ……妹よ……。これも、お前のためなのだ……」
ペリドットは涙を流しながら、エメラルドが反省する音を聞いていた。
この日を境に、エメラルドが嫌がらせをしてくることはなくなり、オニキスへの愛情表現もすっかりなくなった。
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