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「ルベライト、紙とペンを持ってきて頂戴!」
「既視感ありますね……」
魔法学院の生徒には、寮の一室が貸与される。
入学式を終えたルビーは寮の自室に入り、ルベライトが荷ほどきをしている後ろで机に齧りついて、ゲームの知識を思いつく限り書き始めた。
乙女ゲーム『純白の少女と静水の令嬢』と『純白の少女と暴緑の令嬢』のこと、主にはその悪役令嬢サファイア・インディゴとエメラルド・エヴァーグリーンのことを。
サファイア・インディゴ。
悪役令嬢にしてインディゴ公爵家令嬢。
乙女ゲーム『純白の少女と静水の令嬢』において、悪役令嬢として主人公ダイヤモンに立ちふさがる。
ルビーが正面からダイヤモンドにぶつかるのに対し、サファイアは滅多にダイヤモンドの前に現れない。
ダイヤモンドへの嫌がらせは、自身の取り巻きであるネール・アイアンブルーとその一味に指示して行わせ、自身はその様子を遠くから眺めるという方法をとる。
ルビーが苛烈な性格と称されるように、サファイアは冷酷な性格と称される。
エメラルド・エヴァーグリーン。
悪役令嬢にしてエヴァーグリーン公爵家令嬢。
乙女ゲーム『純白の少女と暴緑の令嬢』において、悪役令嬢として主人公ダイヤモンに立ちふさがる。
正面からダイヤモンドにぶつかるという点ではルビーに似た性格だが、正々堂々という考え方がかけらもないことと、隣に必ず兄であるペリドットがいることが大きく違う。
エメラルドが喚き散らし、ペリドットが言語化して説得を試み、時には暴力をちらつかせる。
エメラルドは我儘な性格と称される。
余談ではあるが、『純白の少女と暴緑の令嬢』にはダイヤモンドとエメラルドが仲良くなり、ダイヤモンドとペリドット、エメラルドとオニキスが恋仲になるノーマルエンドも存在する。
「むがー! わっかんなーい!」
「お嬢様!?」
ルビーがペンを投げ捨てれば、ルベライトはすぐさまペンを拾って、机の上に戻す。
三つのゲームが一つの世界に合体したとき何が起きるのか、ずっと頭をひねって考えたところで、ルビーには思いつかなかった。
「うん、これは仕方ない。とにかく、主人公の動向をチェックね」
結局ルビーは、サファイアとエメラルドについて考えることを放棄した。
乙女ゲーム『純白の少女』シリーズの主役は、誰が何といってもダイヤモンドだ。
ダイヤモンドの動き一つで、世界はルビーにとってのハッピーエンドにもバッドエンドにも動き得る。
つまり、ダイヤモンドの動きから、この世界が進んでいる方向を探ろうとした。
その機会は、すぐにきた。
授業が始まってから二日目、悪役令嬢がダイヤモンドへ嫌がらせをする最初のシナリオが発生した。
一日目の授業で、ダイヤモンドは知識と魔法の両面によって、他の生徒たちから頭一つ飛び抜けた成果を残した。
当然、平民に先を越された貴族たちはそんなダイヤモンドを面白く思わない。
出る杭は叩かれる。
結果、ダイヤモンドは靴箱に入れられた手紙によって、放課後の校舎裏へと呼び出される。
もしも『烈火の令嬢』であれば、呼び出し場所にはルビーが一人が待っており、平民は魔法学院に相応しくないだのと怒鳴られ、威嚇がてら魔法を放たれる。
もしも『静水の令嬢』であれば、待ち合わせ場所にはサファイアの取り巻きであるネールとその他四人の取り巻きが待っており、やはり怒鳴られ魔法を放たれる。
もしも『暴緑の令嬢』であれば、待ち合わせ場所にはエメラルドとペリドットが待っており、同様。
一日目の授業は、概ねゲームのシナリオ通りに進んだ。
英才教育の賜物で、優秀な成果を出す王族と公爵家の面々。
もちろん、ルビーも含まれる。
そして、公爵家に匹敵する成果を出すダイヤモンド。
ルビーは、他の貴族たちの表情が曇っていくのが分かった。
二日目の授業は、常時ダイヤモンドの表情が曇っていたことが見て取れた。
ルビーは、呼び出しイベントがゲーム通りに進んでいることを理解し、ダイヤモンドへの同情半分、この世界がどのゲームを軸に進んでいるのかを知れる嬉しさ半分で、放課後を待った。
授業が終わると、ルビーは自身にすり寄ってくる同級生の貴族たちを躱し、シナリオが発生する場所へと向かった。
誰にも気づかれないよう、ルベライトも連れずに一人でこっそりと。
「平民の分際で、調子に乗らないでくださる?」
ルビーが到着した時には既にイベントが発生していたようで、冷たい声がルビーの耳に届いた。
ルビーは物陰から、そっと声のする方を伺う。
突き飛ばされてしりもちをついているダイヤモンドの前に、ネールが立っていた。
「これは……『静水の令嬢』のシナリオ……」
サファイアの取り巻きであるネールが、答え合わせをしてくれた。
そうであれば、この現場を見ることができる場所に、サファイアはいるはずだ。
ゲームでは、ダイヤモンドがネールをじっと見た際に、はるか後方に悠然と立っているサファイアの存在に気づくのだ。
ルビーは、ダイヤモンドの視線の先を追う。
「あれ?」
しかし、ルビーの想定とは異なり、視線の先には誰もいなかった。
ネールの周囲で取り巻き四人がくすくすと笑っているだけで、後方には誰一人としていなかった。
「『静水の令嬢』じゃ……ない……?」
ゲーム通りではない現実に、ルビーは小さな違和感を抱く。
悪役令嬢不在のまま、イベントは進んでいく。
「きゃあっ!?」
ダイヤモンドの驚く声と共に、辺りに水飛沫が散った。
サファイアとその取り巻きたちは、高度な水の魔法の使い手。
ずぶぬれになった服のまま、ダイヤモンドはネールを見上げていた。
「なによ、その目?」
二度目の魔法が放たれる。
ペチペチと頬を叩くように、ダイヤモンドの頬に何度も水が衝突する。
「平民はね、日陰を惨めに歩けばいいの。貴族と同じ場所に立とうなんて、おこがましいったらありゃしないわ」
時間にして、一分も経ってはいない。
このイベントは、たまたま通りかかったオニキスの登場によって完結する。
水を何度もぶつけられるダイヤモンドを見ながら、ルビーは早くオニキスが現れるのを祈った。
オニキスが来なければ、ダイヤモンドへの嫌がらせは続く。
早く早くと、心の中で何度も祈った。
「ふん、惨めね?」
「う……ゲホッ、ゴホッ」
しかし、水を無理やり口の中に突っ込まれたダイヤモンドの咳き込みを聞いて、ルビーの中で何かが切れた。
「あ、無理」
本来であれば、ルビーはシナリオに干渉する気はなかった。
干渉すればするほどに、ゲームのシナリオと現実がずれ、ルビー自身の破滅に乱数が増えて行くから。
だからと言って、目の前でいじめられている人間を放っておけるほど、ルビーは冷酷になれなかった。
冷酷は、サファイアの役割。
ルビーの役割は、苛烈だ。
「なにやってんの!」
「ル、ルビー様!?」
物陰から飛び出してきたルビーに、ネールたちは目を丸くして驚いた。
ルビーは一直線にダイヤモンドの元へと向かい、炎の魔法で暖を作る。
サファイアが水の魔法の使い手なら、ルビーは炎の魔法の使い手。
ずぶぬれになったダイヤモンドの服を乾かすことなど、朝飯前だ。
ルビーはダイヤモンドの体に怪我がないことを確認し、ギロリとネールたちを睨みつける。
「で、あんた達なにやってんの?」
「こ、これは……その……」
「その? 何?」
「生意気な平民に、ちょっと教育的指導を」
「彼女の何が生意気なの? これのどこか指導なの? 私には、ただいたぶってるようにしか見えなかったけど?」
「う……」
「大方、昨日の授業で彼女の優秀さを見て、嫉妬したんでしょ? その憂さ晴らしの、何が指導なわけ?」
「ルビー様……。私たちは、貴族として平民に……」
しどろもどろに答えるネールを前に、ルビーは一層声を張り上げる。
「他人を蹴落として自分を保とうとするやり方の、どこが貴族なの!」
「……っ! し、失礼します!」
正義はルビーにある。
そのうえ、公爵家という上位の爵位を持つ相手だ。
ネールたちは言い訳の余地もなく、そそくさと逃げ出した。
「はー、やれやれ」
「あ、あの……。ありがとう、ございます。えっと……」
「ルビーよ。ルビー・スカーレット」
「スカーレット様。この度は」
「ルビーでいいわよ。同級生だもの」
「あ、では、ルビー様。この度は、助けていただいてありがとうございます」
残されたのはルビーとダイヤモンド。
ダイヤモンドは立ち上がり、ルビーへと頭を下げた。
「いいのよ。悪いのは、あっちだもの」
ルビーはそう言いながら、ネールたちが逃げていった方向を見た。
ゲームであれば、サファイアが立っている方向へ。
しかし、サファイアの姿はない。
「おかしいわね」
「? どうかなさいました?」
「こっちの話よ」
自身のシナリオにない行動、サファイア不在のまま進んでいる『静水の令嬢』のシナリオ、ルビーは予想できない世界の動きを感じていた。
「既視感ありますね……」
魔法学院の生徒には、寮の一室が貸与される。
入学式を終えたルビーは寮の自室に入り、ルベライトが荷ほどきをしている後ろで机に齧りついて、ゲームの知識を思いつく限り書き始めた。
乙女ゲーム『純白の少女と静水の令嬢』と『純白の少女と暴緑の令嬢』のこと、主にはその悪役令嬢サファイア・インディゴとエメラルド・エヴァーグリーンのことを。
サファイア・インディゴ。
悪役令嬢にしてインディゴ公爵家令嬢。
乙女ゲーム『純白の少女と静水の令嬢』において、悪役令嬢として主人公ダイヤモンに立ちふさがる。
ルビーが正面からダイヤモンドにぶつかるのに対し、サファイアは滅多にダイヤモンドの前に現れない。
ダイヤモンドへの嫌がらせは、自身の取り巻きであるネール・アイアンブルーとその一味に指示して行わせ、自身はその様子を遠くから眺めるという方法をとる。
ルビーが苛烈な性格と称されるように、サファイアは冷酷な性格と称される。
エメラルド・エヴァーグリーン。
悪役令嬢にしてエヴァーグリーン公爵家令嬢。
乙女ゲーム『純白の少女と暴緑の令嬢』において、悪役令嬢として主人公ダイヤモンに立ちふさがる。
正面からダイヤモンドにぶつかるという点ではルビーに似た性格だが、正々堂々という考え方がかけらもないことと、隣に必ず兄であるペリドットがいることが大きく違う。
エメラルドが喚き散らし、ペリドットが言語化して説得を試み、時には暴力をちらつかせる。
エメラルドは我儘な性格と称される。
余談ではあるが、『純白の少女と暴緑の令嬢』にはダイヤモンドとエメラルドが仲良くなり、ダイヤモンドとペリドット、エメラルドとオニキスが恋仲になるノーマルエンドも存在する。
「むがー! わっかんなーい!」
「お嬢様!?」
ルビーがペンを投げ捨てれば、ルベライトはすぐさまペンを拾って、机の上に戻す。
三つのゲームが一つの世界に合体したとき何が起きるのか、ずっと頭をひねって考えたところで、ルビーには思いつかなかった。
「うん、これは仕方ない。とにかく、主人公の動向をチェックね」
結局ルビーは、サファイアとエメラルドについて考えることを放棄した。
乙女ゲーム『純白の少女』シリーズの主役は、誰が何といってもダイヤモンドだ。
ダイヤモンドの動き一つで、世界はルビーにとってのハッピーエンドにもバッドエンドにも動き得る。
つまり、ダイヤモンドの動きから、この世界が進んでいる方向を探ろうとした。
その機会は、すぐにきた。
授業が始まってから二日目、悪役令嬢がダイヤモンドへ嫌がらせをする最初のシナリオが発生した。
一日目の授業で、ダイヤモンドは知識と魔法の両面によって、他の生徒たちから頭一つ飛び抜けた成果を残した。
当然、平民に先を越された貴族たちはそんなダイヤモンドを面白く思わない。
出る杭は叩かれる。
結果、ダイヤモンドは靴箱に入れられた手紙によって、放課後の校舎裏へと呼び出される。
もしも『烈火の令嬢』であれば、呼び出し場所にはルビーが一人が待っており、平民は魔法学院に相応しくないだのと怒鳴られ、威嚇がてら魔法を放たれる。
もしも『静水の令嬢』であれば、待ち合わせ場所にはサファイアの取り巻きであるネールとその他四人の取り巻きが待っており、やはり怒鳴られ魔法を放たれる。
もしも『暴緑の令嬢』であれば、待ち合わせ場所にはエメラルドとペリドットが待っており、同様。
一日目の授業は、概ねゲームのシナリオ通りに進んだ。
英才教育の賜物で、優秀な成果を出す王族と公爵家の面々。
もちろん、ルビーも含まれる。
そして、公爵家に匹敵する成果を出すダイヤモンド。
ルビーは、他の貴族たちの表情が曇っていくのが分かった。
二日目の授業は、常時ダイヤモンドの表情が曇っていたことが見て取れた。
ルビーは、呼び出しイベントがゲーム通りに進んでいることを理解し、ダイヤモンドへの同情半分、この世界がどのゲームを軸に進んでいるのかを知れる嬉しさ半分で、放課後を待った。
授業が終わると、ルビーは自身にすり寄ってくる同級生の貴族たちを躱し、シナリオが発生する場所へと向かった。
誰にも気づかれないよう、ルベライトも連れずに一人でこっそりと。
「平民の分際で、調子に乗らないでくださる?」
ルビーが到着した時には既にイベントが発生していたようで、冷たい声がルビーの耳に届いた。
ルビーは物陰から、そっと声のする方を伺う。
突き飛ばされてしりもちをついているダイヤモンドの前に、ネールが立っていた。
「これは……『静水の令嬢』のシナリオ……」
サファイアの取り巻きであるネールが、答え合わせをしてくれた。
そうであれば、この現場を見ることができる場所に、サファイアはいるはずだ。
ゲームでは、ダイヤモンドがネールをじっと見た際に、はるか後方に悠然と立っているサファイアの存在に気づくのだ。
ルビーは、ダイヤモンドの視線の先を追う。
「あれ?」
しかし、ルビーの想定とは異なり、視線の先には誰もいなかった。
ネールの周囲で取り巻き四人がくすくすと笑っているだけで、後方には誰一人としていなかった。
「『静水の令嬢』じゃ……ない……?」
ゲーム通りではない現実に、ルビーは小さな違和感を抱く。
悪役令嬢不在のまま、イベントは進んでいく。
「きゃあっ!?」
ダイヤモンドの驚く声と共に、辺りに水飛沫が散った。
サファイアとその取り巻きたちは、高度な水の魔法の使い手。
ずぶぬれになった服のまま、ダイヤモンドはネールを見上げていた。
「なによ、その目?」
二度目の魔法が放たれる。
ペチペチと頬を叩くように、ダイヤモンドの頬に何度も水が衝突する。
「平民はね、日陰を惨めに歩けばいいの。貴族と同じ場所に立とうなんて、おこがましいったらありゃしないわ」
時間にして、一分も経ってはいない。
このイベントは、たまたま通りかかったオニキスの登場によって完結する。
水を何度もぶつけられるダイヤモンドを見ながら、ルビーは早くオニキスが現れるのを祈った。
オニキスが来なければ、ダイヤモンドへの嫌がらせは続く。
早く早くと、心の中で何度も祈った。
「ふん、惨めね?」
「う……ゲホッ、ゴホッ」
しかし、水を無理やり口の中に突っ込まれたダイヤモンドの咳き込みを聞いて、ルビーの中で何かが切れた。
「あ、無理」
本来であれば、ルビーはシナリオに干渉する気はなかった。
干渉すればするほどに、ゲームのシナリオと現実がずれ、ルビー自身の破滅に乱数が増えて行くから。
だからと言って、目の前でいじめられている人間を放っておけるほど、ルビーは冷酷になれなかった。
冷酷は、サファイアの役割。
ルビーの役割は、苛烈だ。
「なにやってんの!」
「ル、ルビー様!?」
物陰から飛び出してきたルビーに、ネールたちは目を丸くして驚いた。
ルビーは一直線にダイヤモンドの元へと向かい、炎の魔法で暖を作る。
サファイアが水の魔法の使い手なら、ルビーは炎の魔法の使い手。
ずぶぬれになったダイヤモンドの服を乾かすことなど、朝飯前だ。
ルビーはダイヤモンドの体に怪我がないことを確認し、ギロリとネールたちを睨みつける。
「で、あんた達なにやってんの?」
「こ、これは……その……」
「その? 何?」
「生意気な平民に、ちょっと教育的指導を」
「彼女の何が生意気なの? これのどこか指導なの? 私には、ただいたぶってるようにしか見えなかったけど?」
「う……」
「大方、昨日の授業で彼女の優秀さを見て、嫉妬したんでしょ? その憂さ晴らしの、何が指導なわけ?」
「ルビー様……。私たちは、貴族として平民に……」
しどろもどろに答えるネールを前に、ルビーは一層声を張り上げる。
「他人を蹴落として自分を保とうとするやり方の、どこが貴族なの!」
「……っ! し、失礼します!」
正義はルビーにある。
そのうえ、公爵家という上位の爵位を持つ相手だ。
ネールたちは言い訳の余地もなく、そそくさと逃げ出した。
「はー、やれやれ」
「あ、あの……。ありがとう、ございます。えっと……」
「ルビーよ。ルビー・スカーレット」
「スカーレット様。この度は」
「ルビーでいいわよ。同級生だもの」
「あ、では、ルビー様。この度は、助けていただいてありがとうございます」
残されたのはルビーとダイヤモンド。
ダイヤモンドは立ち上がり、ルビーへと頭を下げた。
「いいのよ。悪いのは、あっちだもの」
ルビーはそう言いながら、ネールたちが逃げていった方向を見た。
ゲームであれば、サファイアが立っている方向へ。
しかし、サファイアの姿はない。
「おかしいわね」
「? どうかなさいました?」
「こっちの話よ」
自身のシナリオにない行動、サファイア不在のまま進んでいる『静水の令嬢』のシナリオ、ルビーは予想できない世界の動きを感じていた。
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