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衣食住の対価
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見覚えのない天井をぼんやり見つめる。
「やっぱり夢じゃないか…」
そう呟いてベッドから身体を起こす。カーテンの隙間から薄く光が差し込んでいる。元の世界と同じならまだ朝の早い時間だろう。
ゆっくり眠ったおかげで体の疲れは取れた。
さて、これからのことをちゃんと考えないとね。
可能であれば元の世界に戻りたい。正直戻れる可能性は低いと思っているが、何もしないうちから諦めたくなかった。それから魔王の役に立つ手段についても考えておかなければならない。昨日は失敗続きだったから、何とか挽回する必要がある。あれは本当に殺されていても文句が言えなかったと冷静になって思う。
死にたくないという思いはありながらも、衝撃的な状況に若干自棄になっていたようだ。
でも魔王が何考えてるから全然分かんないんだよな……。
最初はあっさり処分しようとしていたくせに、何だかんだリアに対して寛大な態度を取り続けている。何かしらの利用価値を見出したとは思えないし、理由が分からないことでどう動いていいか分からずに不安なのだ。
あんな顔して小動物好きとかいうのはベタだけど、一番あり得るのかな?人間なんて見下していそうだけど、種族的な違いで面白いと思ったとか。
まだ情報が少ない中で判断はできない。魔王の不興を買えば自分の命など簡単にどうにでもなるのだから、魔王の情報収集が最優先事項だろう。
方向性が決まったところで、お腹がくぅと鳴った。
健康な証拠だと言えるけど、我ながら緊張感なさすぎじゃない?とはいえ――
「……お腹空いた」
声を漏らした直後にノックの音がして思わずビクッとする。
え、盗聴とか、されてないよな?
恐る恐る返事をすると栗色の髪にスタイルの良い美女が入ってきた。
「おはようございます。リア様のお世話係に任命されたステラと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
丁寧に礼をされるが、感情を窺わせない顔でリアと視線を合わせることもない。まずは湯浴みを、と促されて付いていく。
「えっ!?ちょっ、待って。ステラ、様?自分でできます!」
「ステラ、と呼び捨ててください。これは私の仕事です、リア様」
抵抗するも服を脱がされ、そのままお風呂に入れられ体の隅々までしっかり洗われた。男相手なら抵抗するが女性相手には強く出られない。
「……これ、着るんですか」
準備された洋服を見て、思わず嫌そうな声を出してしまった。
薄紅色のシフォンワンピースには細やかな刺繍が施されていて甘すぎず上品な感じがする。とても素敵だと思うが、働くのに適した格好ではない。
「ご希望でしたらお好みの服を作らせますが、本日のところはこちらでご容赦ください」「そういう意味では――すみません」
準備した服にケチをつける我儘な娘だと思われただろうか。仮面をつけたかのようにステラの表情は変わらない。
「陛下が朝食をご一緒にとご所望です。ご案内いたします」
さっさと扉の方向に向かおうとするステラに意を決して声を掛けることにした。自分に対してどのような感情を抱いているかは分からないが、しっかりと自分の仕事をこなそうとするステラの姿勢には好感が持てる。
嫌な思いをさせてしまったのなら、きちんと言葉にしたかった。
「ステラ、さっきはごめんなさい。素敵な服を準備してくれてありがとう」
振り向いたステラの顔は驚いたように目を丸くしたかと思うと――勢いよく抱き着いてきた。
「ひゃっ?!」
「もう、リア様ったら可愛すぎです!!
」
かわいいと繰り返しながらぎゅうぎゅうと抱きしめてくるステラは別人かと思うぐらい、満面の笑みを浮かべている。そのギャップに唖然とした私は、心の中で絶叫した。
いやさっきまでの何だったのー!?
「ステラ、離れろ」
冷ややかな声にステラははっとした表情を浮かべると、すぐさま手を離した。
「おいで」
こちらに向かって手を伸ばす魔王の側に行くと、何故かそのまま背後に隠される。
「必要以上にリアに触れるなら、相応の覚悟をしておけ」
「も、申し訳ございません!」
決して声を荒げているわけではないのに、不穏な気配が漂っていてが恐ろしい。
「……陛下、ステラはただ褒めてくれただけです」
すっかり怯えた様子のステラを見て、思わず声を掛けた。様変わりした時は驚いたけど、好意的な彼女を必要以上に怖がらせたくはない。
振り返った魔王は無表情であるものの、揺れる瞳には何かしらの感情をともしていた。
「だが、リアは触れられるのが嫌だろう」
事あるごとに触れるなと噛みついていたのだから、気を遣ってくれたらしい。
え、何これ?保護者的な……?
そんな風に配慮してくれるとは思ってもみなかったが、取り敢えず正直に答えることにした。
「ステラなら大丈夫です」
「っ、…何故だ」
「え?だって同性ですし」
魔王は何故か衝撃を受けたように口元を手で覆い、目を瞠っている。
え、実は男性だったりする?
「ステラは――女性、ですよね?」
自分の認識が間違っているのかとステラに確認を取ると、ぶんぶんと勢いよく首を縦に振られる。
「ステラは良くて私は駄目なのか…」
ほっとした途端にぼそりと呟く声が聞こえ、紫水晶の瞳が翳りを帯びたようだが、言っていることがよく分からない。
男女の区別は付けない主義ですか?
「リア様、陛下に抱きついてあげてください」
「は、何で?嫌だよ」
小声でとんでもないことを囁くステラをばっさり切り捨てる。悪い人ではないようだが、何となく彼女の性格が分かってきたように思う。提案を却下したもののこの微妙な空気を放置するのもマズイ気がする。
あ、そうか。自分が拾ったペットが他の人に懐いたのが気に食わないってことか。
「陛下、朝食の時間なのですよね?お腹が空いて倒れそうです」
無邪気を装ってそう告げてみれば、魔王の顔色が変わった。
「すぐに準備させよう。リア、少しだけ我慢してくれ」
あ、これは……。
案の定、断る間もなく抱き上げられて、ダイニングへと運ばれてしまった。
広いダイニングテーブルには美味しそうな料理が所狭しと並んでいる。
「リア、口を開けて」
「…………」
だだっ広いダイニングテーブルに隣同士で座り、何故か魔王の手から食事を食べさせられている。
自分で食べられると言っても取り合ってもらえず、抗議のため口を開けば食べ物を口に入れられれば咀嚼するしかない。無言で睨んでいると気に入らないと思ったのか、別の食べ物を差し出される。
勝手に食べようとしても、カトラリーはなく手に取って食べられるパン類は手の届く範囲にない。
「パンが食べたいのか?」
その視線に目ざとく気づいた魔王が声を掛けると、ステラが魔王の皿にパンを置く。
ステラ、違う!そっちじゃない!
主の命令に逆らえないのは承知しているが、つい心の中で文句を言ってしまう。
一口大にちぎったパンが口元に差し出される。魔王の瞳にはどこか期待するような色が宿っており、諦めて口を開く。
まるで自分が鳥の雛にでもなった気分だ。料理はどれも美味しいのに、常に観察されているのが落ち着かない。それでも食事をきちんと与えられるのだから文句はいえる立場でないことも分かっている。
パンと一緒に何度目かのため息を飲み込んだが、これはまだ始まりに過ぎなかった。
「リアの仕事は私の側にいることだ」
「……具体的には何をすれば良いのでしょうか?」
食後のお茶を飲みながら、あっさり告げられた魔王の言葉に不信感をにじませながら訊ねた。昨日は信用したものの、今日も大丈夫だという保証はどこにもない。
「欲しいものがあれば何でも用意しよう。私の目の届く範囲であれば好きに過ごしていい」
何もしないことが仕事だというのは余計な騒ぎを起こすなという意味だろうか。
それなら部屋に閉じ込めておけばいいだけで、わざわざ付け加えられた後半のセリフもどことなく怪しい。常に見張られるストレスはあれど、何もせずに衣食住が与えられるなんてそんなな甘い話があるわけないのだ。
「ちなみに別の仕事とか――」
「駄目だ」
まさかの即答だった。
「危険な目にあったのに、どうしてそんなに働こうとする?……私の側にいるのがそんなに嫌なのか?」
怖っ!
眇められた目に剣呑な光が宿る。内心の怯えを悟られぬよう、精一杯背筋を伸ばして魔王の目を見ながら伝える。
「衣食住の保証をして頂けるのなら、それに見合った対価を払いたいだけです」
「ふむ。……ならば休憩の合間に、髪を触らせてほしい」
それは……髪フェチ的な?やっぱり変態か?
正直微妙なラインだった。他の部分だったら絶対断るけど、髪ぐらいならいいのではないかと私の中の悪魔が囁いてくる。
既に結構触られているしな……。
ただ与えられるだけでいれば、いざという時に立場が弱い。
結局髪だけならと、了承することにした。
「やっぱり夢じゃないか…」
そう呟いてベッドから身体を起こす。カーテンの隙間から薄く光が差し込んでいる。元の世界と同じならまだ朝の早い時間だろう。
ゆっくり眠ったおかげで体の疲れは取れた。
さて、これからのことをちゃんと考えないとね。
可能であれば元の世界に戻りたい。正直戻れる可能性は低いと思っているが、何もしないうちから諦めたくなかった。それから魔王の役に立つ手段についても考えておかなければならない。昨日は失敗続きだったから、何とか挽回する必要がある。あれは本当に殺されていても文句が言えなかったと冷静になって思う。
死にたくないという思いはありながらも、衝撃的な状況に若干自棄になっていたようだ。
でも魔王が何考えてるから全然分かんないんだよな……。
最初はあっさり処分しようとしていたくせに、何だかんだリアに対して寛大な態度を取り続けている。何かしらの利用価値を見出したとは思えないし、理由が分からないことでどう動いていいか分からずに不安なのだ。
あんな顔して小動物好きとかいうのはベタだけど、一番あり得るのかな?人間なんて見下していそうだけど、種族的な違いで面白いと思ったとか。
まだ情報が少ない中で判断はできない。魔王の不興を買えば自分の命など簡単にどうにでもなるのだから、魔王の情報収集が最優先事項だろう。
方向性が決まったところで、お腹がくぅと鳴った。
健康な証拠だと言えるけど、我ながら緊張感なさすぎじゃない?とはいえ――
「……お腹空いた」
声を漏らした直後にノックの音がして思わずビクッとする。
え、盗聴とか、されてないよな?
恐る恐る返事をすると栗色の髪にスタイルの良い美女が入ってきた。
「おはようございます。リア様のお世話係に任命されたステラと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
丁寧に礼をされるが、感情を窺わせない顔でリアと視線を合わせることもない。まずは湯浴みを、と促されて付いていく。
「えっ!?ちょっ、待って。ステラ、様?自分でできます!」
「ステラ、と呼び捨ててください。これは私の仕事です、リア様」
抵抗するも服を脱がされ、そのままお風呂に入れられ体の隅々までしっかり洗われた。男相手なら抵抗するが女性相手には強く出られない。
「……これ、着るんですか」
準備された洋服を見て、思わず嫌そうな声を出してしまった。
薄紅色のシフォンワンピースには細やかな刺繍が施されていて甘すぎず上品な感じがする。とても素敵だと思うが、働くのに適した格好ではない。
「ご希望でしたらお好みの服を作らせますが、本日のところはこちらでご容赦ください」「そういう意味では――すみません」
準備した服にケチをつける我儘な娘だと思われただろうか。仮面をつけたかのようにステラの表情は変わらない。
「陛下が朝食をご一緒にとご所望です。ご案内いたします」
さっさと扉の方向に向かおうとするステラに意を決して声を掛けることにした。自分に対してどのような感情を抱いているかは分からないが、しっかりと自分の仕事をこなそうとするステラの姿勢には好感が持てる。
嫌な思いをさせてしまったのなら、きちんと言葉にしたかった。
「ステラ、さっきはごめんなさい。素敵な服を準備してくれてありがとう」
振り向いたステラの顔は驚いたように目を丸くしたかと思うと――勢いよく抱き着いてきた。
「ひゃっ?!」
「もう、リア様ったら可愛すぎです!!
」
かわいいと繰り返しながらぎゅうぎゅうと抱きしめてくるステラは別人かと思うぐらい、満面の笑みを浮かべている。そのギャップに唖然とした私は、心の中で絶叫した。
いやさっきまでの何だったのー!?
「ステラ、離れろ」
冷ややかな声にステラははっとした表情を浮かべると、すぐさま手を離した。
「おいで」
こちらに向かって手を伸ばす魔王の側に行くと、何故かそのまま背後に隠される。
「必要以上にリアに触れるなら、相応の覚悟をしておけ」
「も、申し訳ございません!」
決して声を荒げているわけではないのに、不穏な気配が漂っていてが恐ろしい。
「……陛下、ステラはただ褒めてくれただけです」
すっかり怯えた様子のステラを見て、思わず声を掛けた。様変わりした時は驚いたけど、好意的な彼女を必要以上に怖がらせたくはない。
振り返った魔王は無表情であるものの、揺れる瞳には何かしらの感情をともしていた。
「だが、リアは触れられるのが嫌だろう」
事あるごとに触れるなと噛みついていたのだから、気を遣ってくれたらしい。
え、何これ?保護者的な……?
そんな風に配慮してくれるとは思ってもみなかったが、取り敢えず正直に答えることにした。
「ステラなら大丈夫です」
「っ、…何故だ」
「え?だって同性ですし」
魔王は何故か衝撃を受けたように口元を手で覆い、目を瞠っている。
え、実は男性だったりする?
「ステラは――女性、ですよね?」
自分の認識が間違っているのかとステラに確認を取ると、ぶんぶんと勢いよく首を縦に振られる。
「ステラは良くて私は駄目なのか…」
ほっとした途端にぼそりと呟く声が聞こえ、紫水晶の瞳が翳りを帯びたようだが、言っていることがよく分からない。
男女の区別は付けない主義ですか?
「リア様、陛下に抱きついてあげてください」
「は、何で?嫌だよ」
小声でとんでもないことを囁くステラをばっさり切り捨てる。悪い人ではないようだが、何となく彼女の性格が分かってきたように思う。提案を却下したもののこの微妙な空気を放置するのもマズイ気がする。
あ、そうか。自分が拾ったペットが他の人に懐いたのが気に食わないってことか。
「陛下、朝食の時間なのですよね?お腹が空いて倒れそうです」
無邪気を装ってそう告げてみれば、魔王の顔色が変わった。
「すぐに準備させよう。リア、少しだけ我慢してくれ」
あ、これは……。
案の定、断る間もなく抱き上げられて、ダイニングへと運ばれてしまった。
広いダイニングテーブルには美味しそうな料理が所狭しと並んでいる。
「リア、口を開けて」
「…………」
だだっ広いダイニングテーブルに隣同士で座り、何故か魔王の手から食事を食べさせられている。
自分で食べられると言っても取り合ってもらえず、抗議のため口を開けば食べ物を口に入れられれば咀嚼するしかない。無言で睨んでいると気に入らないと思ったのか、別の食べ物を差し出される。
勝手に食べようとしても、カトラリーはなく手に取って食べられるパン類は手の届く範囲にない。
「パンが食べたいのか?」
その視線に目ざとく気づいた魔王が声を掛けると、ステラが魔王の皿にパンを置く。
ステラ、違う!そっちじゃない!
主の命令に逆らえないのは承知しているが、つい心の中で文句を言ってしまう。
一口大にちぎったパンが口元に差し出される。魔王の瞳にはどこか期待するような色が宿っており、諦めて口を開く。
まるで自分が鳥の雛にでもなった気分だ。料理はどれも美味しいのに、常に観察されているのが落ち着かない。それでも食事をきちんと与えられるのだから文句はいえる立場でないことも分かっている。
パンと一緒に何度目かのため息を飲み込んだが、これはまだ始まりに過ぎなかった。
「リアの仕事は私の側にいることだ」
「……具体的には何をすれば良いのでしょうか?」
食後のお茶を飲みながら、あっさり告げられた魔王の言葉に不信感をにじませながら訊ねた。昨日は信用したものの、今日も大丈夫だという保証はどこにもない。
「欲しいものがあれば何でも用意しよう。私の目の届く範囲であれば好きに過ごしていい」
何もしないことが仕事だというのは余計な騒ぎを起こすなという意味だろうか。
それなら部屋に閉じ込めておけばいいだけで、わざわざ付け加えられた後半のセリフもどことなく怪しい。常に見張られるストレスはあれど、何もせずに衣食住が与えられるなんてそんなな甘い話があるわけないのだ。
「ちなみに別の仕事とか――」
「駄目だ」
まさかの即答だった。
「危険な目にあったのに、どうしてそんなに働こうとする?……私の側にいるのがそんなに嫌なのか?」
怖っ!
眇められた目に剣呑な光が宿る。内心の怯えを悟られぬよう、精一杯背筋を伸ばして魔王の目を見ながら伝える。
「衣食住の保証をして頂けるのなら、それに見合った対価を払いたいだけです」
「ふむ。……ならば休憩の合間に、髪を触らせてほしい」
それは……髪フェチ的な?やっぱり変態か?
正直微妙なラインだった。他の部分だったら絶対断るけど、髪ぐらいならいいのではないかと私の中の悪魔が囁いてくる。
既に結構触られているしな……。
ただ与えられるだけでいれば、いざという時に立場が弱い。
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