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拒絶
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翌日シャーロットは図書館に向かっていた。昨日は午前中に散策、午後は刺繍とお茶の時間でケイシーと久しぶりにお喋りを楽しみながらゆっくりと過ごしたが、元より趣味らしい趣味がないのですることがなくなってしまったのだ。
扉を開けると独特のインクと紙の匂いにどこか安心感を覚える。昔から社交よりも勉強している方が楽だった。
微笑みの下で行われる本音の探り合いやうわべだけの社交辞令は空虚で心が削られる。本と向き合い知識を得ることは充足感と平穏をもたらしてくれた。
半ば探検するように室内の図書館内を進んでいくと、本棚の陰に隠れた読書スペースでくつろいだ格好のカイルが本を読む姿があった。
「ロティも本を読みに来たのか」
「はい、何冊かお借りしようと思ってまいりました。お寛ぎのところお邪魔してしまい申し訳ございません。すぐに部屋に戻りますので」
既に何冊か選んでいたためそのまま辞去しようとしたが、カイルは立ち上がってシャーロットの元にやってくると、手にしていた本を取り上げた。
「カイル様?」
僅かに眉をひそめたカイルに持ち出し禁止の本だっただろうかと首をひねる。
「ロティ、休暇中は勉強禁止だ」
シャーロットが選んだのはベイールの歴史や地理にまつわる本だったが、勉強といえるほどのものではない。せっかく来たのだからもっとこの地について深く知りたいと思っただけなのだ。
そう告げてみてもカイルは本をシャーロットに返そうとせず、手を引いて別の本棚のところへと連れて行く。
「あった、これだな。ロティは読んだことあるか?」
「いえ、ございませんわ。有名な本なのでしょうか?」
カイルが示した本は数年前エドワルド帝国で流行ったファンタジー小説だそうだ。子供だけでなく大人が読んでも面白いと評判になり、題名を告げれば知らない者はいないと言われるほどの人気本だった。
「息抜きならこういう本がいいだろう。令嬢たちとの共通の話題にもなる」
「カイル様……ありがとう存じます」
シャーロットはカイルの気遣いに感謝した。確かに今はリザレ王国について聞かれることも多いが、国内の流行を押さえておくことは話題を広げ情報収集には欠かせない。
女性の社交にとって情報を多く持っている者が有利なのだ。
「今日は夕食後に少し付き合ってくれ。見せたいものがあるんだ」
「かしこまりました」
何だろうと疑問に思ったものの、カイルが言わないのに尋ねるのも無粋な気がしてシャーロットは了承して図書館を後にした。
(とっても面白かったわ……)
ふぅと満足の溜息を洩らし紅茶を飲むと、喉が渇いていたことに気づく。お昼も軽食で済ませ、それ以外はずっと本を手放さなかったのだからどれほど熱中していたのだろう。
「随分と夢中でございましたね」
ケイシーがそう言って新しい紅茶とクッキーをシャーロットの前に置いた。
「ええ、楽しみのために本を読んだのは久しぶりだわ」
降りかかる苦難や逆境に予想外の方法で解決していく様子は面白かったし、主人公も不思議な性格でぐいぐい引き込まれる物語だった。
長時間座っていたため身体を動かしたい気分で、本を返すため再び図書館に向かっていると管理人であるマーカスに出会った。シャーロットを見ると深々と頭を下げ、にこりとした笑みを浮かべる。
「何かご不自由などございませんか?」
「いいえ、とても落ち着く場所でゆっくりと過ごせているわ」
「それはようございました。陛下もシャーロット様といらっしゃるお陰か、いつもより寛いでおられるご様子ですな」
嬉しそうな口調のマーカスにシャーロットは胸がざわつくのを感じた。
「心に寄り添い慈しんでくれる存在をあの方が得られたことを私どもも嬉しく思っておるのです。何かお困りのことがございましたら、ご遠慮なくお申し付けくださいませ」
大人しく過ごすシャーロットが遠慮していると思ったのだろう。その心遣いは有難かったが、マーカスの言葉が重くのしかかった。
(私はカイル様にとってそんな存在ではないわ)
『苦楽を共にし支え合う存在が王や皇帝には必要だわ』
テレーゼの言葉が頭をよぎる。その役目をシャーロットが負わないのであればカイルに必要なのは側妃なのだ。カイルの笑顔を思い出し、心がじわりと痛む。
カイルがどれだけ自分を気遣ってくれているのか理解しているつもりだ。その想いを返せないことに罪悪感を覚えるのはシャーロットの都合でしかなく、謝ることも出来ない。
憂鬱な気持ちを押し隠しながら夕食を済ませ、部屋でぼんやりとしていると扉をノックする音が聞こえた。
「ロティ、準備はいいか?」
「はい、カイル様」
夜になれば気温が下がり肌寒さを感じるため、ワンピースの上からボレロを羽織っている。カイル付きの従者からの伝言を受け、ケイシーが準備してくたのだ。
「少し驚かせたいから目を閉じてくれないか」
カイルの提案にシャーロットは返事を躊躇ってしまった。エスコートしてくれるのだろうが、目を閉じた状態で歩くのは不安だったからだ。
シャーロットの躊躇いを察したカイルは、にこりと微笑むなりシャーロットをさっと抱き上げる。
「きゃっ、カイル様?!」
倒れた時にも抱き上げてベッドまで運んでもらったが、それとこれとは話が別だ。羞恥に顔を染めるシャーロットを見て、カイルが口の端を上げる。
「これなら問題ないだろう。さあ、目を閉じて」
動揺のあまり頭が真っ白で反論の言葉が出てこない。笑顔のまま無言の圧力を向けられて、シャーロットは納得のいかない気持ちを抱えながら大人しく目を閉じた。
ざくざくと土を踏む音に混じり、夜行性の鳥が鳴く声や木々のざわめく音が聞こえる。視覚が使えない分、聴覚に頼るしかないのだがどこに行くのか見当もつかない。
しっかりと抱えられているので落ちる心配はないのだが、心許なくなってカイルの上着を掴んでいた手に力が入る。
「んんっ、……ロティ、もうすぐ着くからもう少しだけ我慢してくれ」
「……はい」
いつもより近くで聞こえてきた声に鼓動が早くなるのを感じ、表情に出ていることを恐れて隠すようにカイルのシャツに顔を押し付けた。
頭上で呻き声が聞こえた気がするが、シャーロットはシャツ越しに感じるカイルの体温にますます動揺してそれどころではない。
「下ろすけどまだ目は閉じているんだぞ」
少し冷たいが柔らかな敷物の感触に気を取られていると、後ろに倒された身体に背もたれが当たった。
「ロティ、ゆっくりと目を開けて」
「あっ……」
シャーロットの目に飛び込んできたのは満点の星空だった。夜だというのに煌めく星々で明るく幻想的な光景は言葉では言い尽くせないほど美しい。
「今晩は新月だから星がよく見えるだろう」
囁くような声はこの幻想的な雰囲気にぴったりで、シャーロットも同じように囁き声を返す。
「はい、こんなに美しい星空を見たのは初めてですわ。カイル様、連れてきてくださってありがとう存じます」
星明かりに照らされたカイルの表情が嬉しそうにほころんだ。その瞳が愛しげに細められているのに気づいたシャーロットは星空を眺める振りをして目を逸らした。
その意味をシャーロットはもう知らない振りをすることが出来ない。自分に向けられなかった眼差しを、見たことのないほどの優しい表情を他の女性に向けるのを間近で見ていたのだ。
ふるりと身震いしたのは寒さのせいではなかった。これから取るべき自分の行動とそれがもたらす結果についての恐れからだったが、目ざとく気づいたカイルは自分の上着を脱いでシャーロットの肩にかける。
「カイル様、私は大丈夫ですわ」
「女性が身体を冷やすべきではない」
上着を外そうとするがシャーロットの肩をカイルが押さえて留める。丁重にお断りするため顔を上げれば、至近距離にカイルの顔があった。
「シャーロット……」
掠れた声がひどく甘く、カイルの顔が近づいて来て、シャーロットは恐慌状態に陥った。
「やっ、駄目!」
咄嗟に突き飛ばそうとして女性の細腕ではびくともしなかったが、カイルの動きがぴたりと止まった。
「あ……申し訳ございません!!」
婚約者の立場である以上こんな風に拒絶するのも失礼なのに、皇帝を突き飛ばそうとするなど不敬だと言われても仕方がない行為だ。
「いや、今のは俺が悪かった。すまない」
静かな口調には申し訳ないと思う気持ちが伝わってきたが、その表情は固く瞳には悲しそうな色が混じっている。何か言わなければと思うのに、何を言っても傷つけてしまいそうで言葉にならなかった。
「――そろそろ戻ろう」
それでもエスコートしようと腕を出してくれるカイルに申し訳なさが募り、シャーロットは無言で手を掛けた。
部屋に戻り一人きりの室内でシャーロットは机に向かい、紙にペンを走らせる。これが最善なのだと自分に言い聞かせながら、シャーロットは静かに一つの決断をした。
扉を開けると独特のインクと紙の匂いにどこか安心感を覚える。昔から社交よりも勉強している方が楽だった。
微笑みの下で行われる本音の探り合いやうわべだけの社交辞令は空虚で心が削られる。本と向き合い知識を得ることは充足感と平穏をもたらしてくれた。
半ば探検するように室内の図書館内を進んでいくと、本棚の陰に隠れた読書スペースでくつろいだ格好のカイルが本を読む姿があった。
「ロティも本を読みに来たのか」
「はい、何冊かお借りしようと思ってまいりました。お寛ぎのところお邪魔してしまい申し訳ございません。すぐに部屋に戻りますので」
既に何冊か選んでいたためそのまま辞去しようとしたが、カイルは立ち上がってシャーロットの元にやってくると、手にしていた本を取り上げた。
「カイル様?」
僅かに眉をひそめたカイルに持ち出し禁止の本だっただろうかと首をひねる。
「ロティ、休暇中は勉強禁止だ」
シャーロットが選んだのはベイールの歴史や地理にまつわる本だったが、勉強といえるほどのものではない。せっかく来たのだからもっとこの地について深く知りたいと思っただけなのだ。
そう告げてみてもカイルは本をシャーロットに返そうとせず、手を引いて別の本棚のところへと連れて行く。
「あった、これだな。ロティは読んだことあるか?」
「いえ、ございませんわ。有名な本なのでしょうか?」
カイルが示した本は数年前エドワルド帝国で流行ったファンタジー小説だそうだ。子供だけでなく大人が読んでも面白いと評判になり、題名を告げれば知らない者はいないと言われるほどの人気本だった。
「息抜きならこういう本がいいだろう。令嬢たちとの共通の話題にもなる」
「カイル様……ありがとう存じます」
シャーロットはカイルの気遣いに感謝した。確かに今はリザレ王国について聞かれることも多いが、国内の流行を押さえておくことは話題を広げ情報収集には欠かせない。
女性の社交にとって情報を多く持っている者が有利なのだ。
「今日は夕食後に少し付き合ってくれ。見せたいものがあるんだ」
「かしこまりました」
何だろうと疑問に思ったものの、カイルが言わないのに尋ねるのも無粋な気がしてシャーロットは了承して図書館を後にした。
(とっても面白かったわ……)
ふぅと満足の溜息を洩らし紅茶を飲むと、喉が渇いていたことに気づく。お昼も軽食で済ませ、それ以外はずっと本を手放さなかったのだからどれほど熱中していたのだろう。
「随分と夢中でございましたね」
ケイシーがそう言って新しい紅茶とクッキーをシャーロットの前に置いた。
「ええ、楽しみのために本を読んだのは久しぶりだわ」
降りかかる苦難や逆境に予想外の方法で解決していく様子は面白かったし、主人公も不思議な性格でぐいぐい引き込まれる物語だった。
長時間座っていたため身体を動かしたい気分で、本を返すため再び図書館に向かっていると管理人であるマーカスに出会った。シャーロットを見ると深々と頭を下げ、にこりとした笑みを浮かべる。
「何かご不自由などございませんか?」
「いいえ、とても落ち着く場所でゆっくりと過ごせているわ」
「それはようございました。陛下もシャーロット様といらっしゃるお陰か、いつもより寛いでおられるご様子ですな」
嬉しそうな口調のマーカスにシャーロットは胸がざわつくのを感じた。
「心に寄り添い慈しんでくれる存在をあの方が得られたことを私どもも嬉しく思っておるのです。何かお困りのことがございましたら、ご遠慮なくお申し付けくださいませ」
大人しく過ごすシャーロットが遠慮していると思ったのだろう。その心遣いは有難かったが、マーカスの言葉が重くのしかかった。
(私はカイル様にとってそんな存在ではないわ)
『苦楽を共にし支え合う存在が王や皇帝には必要だわ』
テレーゼの言葉が頭をよぎる。その役目をシャーロットが負わないのであればカイルに必要なのは側妃なのだ。カイルの笑顔を思い出し、心がじわりと痛む。
カイルがどれだけ自分を気遣ってくれているのか理解しているつもりだ。その想いを返せないことに罪悪感を覚えるのはシャーロットの都合でしかなく、謝ることも出来ない。
憂鬱な気持ちを押し隠しながら夕食を済ませ、部屋でぼんやりとしていると扉をノックする音が聞こえた。
「ロティ、準備はいいか?」
「はい、カイル様」
夜になれば気温が下がり肌寒さを感じるため、ワンピースの上からボレロを羽織っている。カイル付きの従者からの伝言を受け、ケイシーが準備してくたのだ。
「少し驚かせたいから目を閉じてくれないか」
カイルの提案にシャーロットは返事を躊躇ってしまった。エスコートしてくれるのだろうが、目を閉じた状態で歩くのは不安だったからだ。
シャーロットの躊躇いを察したカイルは、にこりと微笑むなりシャーロットをさっと抱き上げる。
「きゃっ、カイル様?!」
倒れた時にも抱き上げてベッドまで運んでもらったが、それとこれとは話が別だ。羞恥に顔を染めるシャーロットを見て、カイルが口の端を上げる。
「これなら問題ないだろう。さあ、目を閉じて」
動揺のあまり頭が真っ白で反論の言葉が出てこない。笑顔のまま無言の圧力を向けられて、シャーロットは納得のいかない気持ちを抱えながら大人しく目を閉じた。
ざくざくと土を踏む音に混じり、夜行性の鳥が鳴く声や木々のざわめく音が聞こえる。視覚が使えない分、聴覚に頼るしかないのだがどこに行くのか見当もつかない。
しっかりと抱えられているので落ちる心配はないのだが、心許なくなってカイルの上着を掴んでいた手に力が入る。
「んんっ、……ロティ、もうすぐ着くからもう少しだけ我慢してくれ」
「……はい」
いつもより近くで聞こえてきた声に鼓動が早くなるのを感じ、表情に出ていることを恐れて隠すようにカイルのシャツに顔を押し付けた。
頭上で呻き声が聞こえた気がするが、シャーロットはシャツ越しに感じるカイルの体温にますます動揺してそれどころではない。
「下ろすけどまだ目は閉じているんだぞ」
少し冷たいが柔らかな敷物の感触に気を取られていると、後ろに倒された身体に背もたれが当たった。
「ロティ、ゆっくりと目を開けて」
「あっ……」
シャーロットの目に飛び込んできたのは満点の星空だった。夜だというのに煌めく星々で明るく幻想的な光景は言葉では言い尽くせないほど美しい。
「今晩は新月だから星がよく見えるだろう」
囁くような声はこの幻想的な雰囲気にぴったりで、シャーロットも同じように囁き声を返す。
「はい、こんなに美しい星空を見たのは初めてですわ。カイル様、連れてきてくださってありがとう存じます」
星明かりに照らされたカイルの表情が嬉しそうにほころんだ。その瞳が愛しげに細められているのに気づいたシャーロットは星空を眺める振りをして目を逸らした。
その意味をシャーロットはもう知らない振りをすることが出来ない。自分に向けられなかった眼差しを、見たことのないほどの優しい表情を他の女性に向けるのを間近で見ていたのだ。
ふるりと身震いしたのは寒さのせいではなかった。これから取るべき自分の行動とそれがもたらす結果についての恐れからだったが、目ざとく気づいたカイルは自分の上着を脱いでシャーロットの肩にかける。
「カイル様、私は大丈夫ですわ」
「女性が身体を冷やすべきではない」
上着を外そうとするがシャーロットの肩をカイルが押さえて留める。丁重にお断りするため顔を上げれば、至近距離にカイルの顔があった。
「シャーロット……」
掠れた声がひどく甘く、カイルの顔が近づいて来て、シャーロットは恐慌状態に陥った。
「やっ、駄目!」
咄嗟に突き飛ばそうとして女性の細腕ではびくともしなかったが、カイルの動きがぴたりと止まった。
「あ……申し訳ございません!!」
婚約者の立場である以上こんな風に拒絶するのも失礼なのに、皇帝を突き飛ばそうとするなど不敬だと言われても仕方がない行為だ。
「いや、今のは俺が悪かった。すまない」
静かな口調には申し訳ないと思う気持ちが伝わってきたが、その表情は固く瞳には悲しそうな色が混じっている。何か言わなければと思うのに、何を言っても傷つけてしまいそうで言葉にならなかった。
「――そろそろ戻ろう」
それでもエスコートしようと腕を出してくれるカイルに申し訳なさが募り、シャーロットは無言で手を掛けた。
部屋に戻り一人きりの室内でシャーロットは机に向かい、紙にペンを走らせる。これが最善なのだと自分に言い聞かせながら、シャーロットは静かに一つの決断をした。
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