2 / 31
第2話「蛇とメビウスの少女」
しおりを挟む
蛇巻さんが言う『同盟』って、いったい何だろう?
しかし、今その言葉について直接問いただすのは、やめておこう。
「……それで?」
これ以上、無駄話をしていたら、家に帰るのが遅くなってしまう。
僕は他人に時間を奪われることが嫌いなんだ。
「え?」
「用件は何?」
僕はぶっきらぼうに訊ねた。
「あぁ、そっか。そういえば、本来の用事をすっかり忘れていたわ」
蛇巻さんは右手の人差し指を立てて虚空を見上げながら、そう呟いた。
本当に忘れていたのか、あるいは、演技なのか、僕には判断がつかない。
「早く、言って」
僕は急かすように、そう言った。
「ん? 見沢君、もしかして忙しいの? この後、予定があるとか?」
(忙しくないし、予定もないけど、
この無意味な時間をさっさと終わらせたいんだよ)
もちろん、そんなセリフは、今の冷静な状態では決して口にすることはできない。
「あのね、これからする話、結構長くなりそうなんだ」
その言葉を聞いて疲労感が襲ってきた。
「何分で終わる?」
できれば5分以内……長くても10分が限度だな。
「そんなの、実際に話して見なきゃ分からないわよ」
冷静に答える蛇巻さん。
それもそうか。
「……じゃあ、今日はもう、帰っていいかな」
そしてもう、二度と僕に関わらないでほしい。
「うん、いいよ」
「え?……え?」
蛇巻さんから返ってきた予想外の反応に、思わず二度聞き返してしまった。
「私、公園のベンチで一休みしてるから、
家での用事が済んだら、すぐに来てね」
ああ、そういうことか……
……って、一方的にそんな約束を押しつけられても困る。
「悪いけど、そこまで付き合ってられない。さようなら。おやすみ」
強制的に話を打ち切り、僕は蛇巻さんに背を向けて歩き出した。
「見沢君」
(……ああ、面倒だなぁ)
振り返る気にはならないが、名前を呼ばれて思わず足を止めてしまった。
何を言われるのだろうか。
どうせ僕の態度や言動を責め立てるに違いない。
「この機会を逃すと、この先もずっと変わらないままになるけど、
それでもいいの?」
「………」
なんだ、その言い方……上から目線でイラっとする……
……だけど、その言葉に対して、僕の心は妙な引っ掛かりを覚えてしまう。
「あなた、本当は、今の自分を変えたいんでしょ?」
「………」
「『ダメな自分でも、いつかは変われる日が来る』
あなたはもしかしたら、そんな希望を抱いているのかもしれない。
でもね、断言するわ。そんな日は、一生来ないわよ」
「………」
僕は彼女に背を向けたまま、その場を動くことができなかった。
「希望は麻薬と同じなの。
『いつかは変われる』
『人生はいつからでもやり直せる』
『いつから始めても遅くない』
……どれも間違ってはいないわ。
でもね、それは実際に行動できている人の話よ。
行動していない人が、『いつかは変われるから』って考えるのは危険なの。
『いつかは変われる』『いつでも変われる』って考えるからこそ、
今やるべきことをいくらでも後回しにできてしまう。
未来に素敵な幻想を抱いていれば、
今の辛い現実からずっと目を背け続けることができるのよ。
それはとても心地の良いことね。
それゆえに、中毒性があって、人間を堕落させるの。
自分では何もしなくても、悲惨な現実を忘れさせてくれる魔法の言葉。
それが『希望』なのよ。
変わりたいと願いながらも、決して行動しない人間。
『希望』という言葉は、そういう人たちの心の拠り所、ってわけね」
「………」
「今変わらなかったら、ずっと弱い自分のまま、ずっとダメな自分のまま、
あなたは一生、惨めな人生を送り続けることになるわよ。
……そんなの嫌でしょ?」
「………」
「私は嫌よ。そんなの耐えられない」
(……なんなんだ、この子は……本当に、僕と同い年なのか……?)
「だからさ、見沢君……私と一緒に、変わろうよ」
「っ……」
僕はついに、彼女の方を振り向いてしまった。
そこにあったのは……演技とは思えない真剣な表情。
真っ直ぐに僕に向けられる真摯な瞳。
そして、目が合う。
「……分かったよ。今回だけは、君の話にまんまと乗せられてみようと思う」
僕は蛇巻さんから目をそらして、あまり感情を込めずに、そう言った。
「あのねぇ、その言い方だと、私がまるで詐欺師みたいじゃない」
「似たようなものだね。僕は君のことを全く信用していないわけだから」
「それなのに、話は聞いてくれるんだ?
ふふっ、私の魂の演説に心を動かされちゃったんだね」
蛇巻さんは嬉しそうに笑った。
「別に、そういうわけじゃないけど……」
実際はそういうことなんだけど、それをハッキリと認めるのはすごく悔しい。
「じゃあ、またあとで。公園で待ってるね」
「うん、わかった。なるべく早く行くよ」
そう言って、その場を去ろうとしたところ……
「……あっ……そ、それはダメ! 今のは無し!」
突然、何かを思い出したかのように、慌てた様子でそう言ってきた。
「ダメ、ってどういうこと?」
女の子は気が変わるのが早いと噂には聞いていたけど、まさかこんなに早いとは思わなかった。
「このまま真っ直ぐ家に帰ったら、18時30分までは絶対に外に出ちゃダメ!」
「え……意味が分からない」
「夜の19時に公園のベンチのところで待ち合わせね」
「え、なんでそんな遅い時間に……」
「その時間じゃないと会えなくなるからに決まってるでしょ!」
「そ、そうなの?」
納得のいく説明は一切無いのだが、蛇巻さんの鬼気迫る勢いに気圧されてしまう。
「とにかく、18時30分までは絶対に家から出ないで。
それだけ守ってくれればいいから」
「う、うん……」
いつの間にか目的が変わっているような気がするけど、まあいいか。
蛇巻さんの言動に対して、一つ一つ真面目に理由を考えていたらキリが無い。
時刻は20時を過ぎていた。
(夜の公園か……)
小学校低学年の頃までは、この公園で遊んでいた記憶がある。
もちろん、それは昼間の明るい時間の話だ。
もし待ち合わせの場所に指定されていなければ、
今さらこの公園に、しかもこんな夜の暗い時間に、訪れることはなかっただろう。
さて、蛇巻さんは、まだ待ってくれているのだろうか。
もう帰っていてもおかしくはないのだが……
(……まだ、いたのか)
街灯に照らされた公園のベンチ。
そこに座っている少女の姿は、遠目からでもハッキリと分かる。
たとえ街灯に照らされていなくても、それが彼女だと気づくのは容易な事だ。
なぜなら……
シルエットが特徴的なんだ。
大きなメビウスの髪飾り。
そして左腕に巻き付けられた、蛇の……ヘビの……
(あれは……何なんだろう?)
アクセサリーというか、腕輪?……にしては、造形がリアルすぎるというか……
とにかく、あれが蛇だということだけは分かる。
蛇巻さんはなぜ、あんな奇抜な装飾を身につけているのだろうか。
(まあ、虫よけにはなりそうだな)
虫だけじゃなくて、人間も寄ってこなくなりそうだ。
(なるほど、人間を遠ざけているわけか……)
僕は勝手にそう解釈した。
「見沢君、今、何時か知ってる?」
待ち合わせの場所に到着したとき、蛇巻さんの開口一番がその質問だった。
「家を出たのが19時58分だったから、20時くらいかな」
「なるほど~……ところで、待ち合わせの時間は何時だったっけ?」
笑顔を引きつらせながら訊ねてくる蛇巻さん。
「19時だよね」
僕は事実だけを答えた。
「なんで1時間以上も待たせるのよ!」
蛇巻さんは激昂した様子で声を荒げた。
「遅れてごめん」
素直に謝った。但し、感情はあまりこもっていない。
「ねえ、見沢君。私が女の子だってこと、知ってる?」
蛇巻さんはため息をつきながら、そう訊いてきた。
「見れば分かる」
「うわぁ……そういう目で私を見てたんだ……」
身構えながら少し後ずさりする蛇巻さん。
「なんか誤解されてるような……」
やっぱり会話って難しいな。
「見沢君のいやらしい視線の件はひとまず置いておくとして、
私が言いたいのはね……」
蛇巻さんがさっきから何を言おうとしているのかは、なんとなく分かる。
「女の子を! 夜遅い時間に! 一人で! 1時間以上も放置!」
声を張り上げながら訴える蛇巻さん。
「うん、それは……たしかに、ひどい話だね……」
でも左腕に蛇のオブジェクトを巻きつけている女の子なんて、
さすがの不審者も警戒して近寄ってこないんじゃないかな。
「なんで他人事みたいに言ってるのよ!」
僕の言い方が悪いせいか、火に油を注いでしまったようだ。
「もちろん、罪悪感はあるよ。それに心配もしてた。
待ち合わせの約束をしたときからね」
「本当に?」
疑いの眼差しが向けられる。
「1時間以上も放置したのは、僕に非がある。だけど……」
「な~に?」
「『女の子』である蛇巻さんが、
『夜遅い時間に』公園で、
『一人で』待つことになったのは、
蛇巻さん自らがそういう提案をしたからであって、僕のせいじゃない」
本来なら待ち合わせの話をした時にその点について触れておくべきだったけど、
あの時は一方的に強引に話を進められて、それどころじゃなかったからな。
「うぅ……分かったわ。私にも非がある、ってことね」
「まあ、蛇巻さんが無事で、本当に良かった」
「そういうセリフは、もう少し感情を込めて言ってくれるかな」
「………」
残念だけど、僕にはそういうものが根本的に欠けてるんだよね。
しかし、今その言葉について直接問いただすのは、やめておこう。
「……それで?」
これ以上、無駄話をしていたら、家に帰るのが遅くなってしまう。
僕は他人に時間を奪われることが嫌いなんだ。
「え?」
「用件は何?」
僕はぶっきらぼうに訊ねた。
「あぁ、そっか。そういえば、本来の用事をすっかり忘れていたわ」
蛇巻さんは右手の人差し指を立てて虚空を見上げながら、そう呟いた。
本当に忘れていたのか、あるいは、演技なのか、僕には判断がつかない。
「早く、言って」
僕は急かすように、そう言った。
「ん? 見沢君、もしかして忙しいの? この後、予定があるとか?」
(忙しくないし、予定もないけど、
この無意味な時間をさっさと終わらせたいんだよ)
もちろん、そんなセリフは、今の冷静な状態では決して口にすることはできない。
「あのね、これからする話、結構長くなりそうなんだ」
その言葉を聞いて疲労感が襲ってきた。
「何分で終わる?」
できれば5分以内……長くても10分が限度だな。
「そんなの、実際に話して見なきゃ分からないわよ」
冷静に答える蛇巻さん。
それもそうか。
「……じゃあ、今日はもう、帰っていいかな」
そしてもう、二度と僕に関わらないでほしい。
「うん、いいよ」
「え?……え?」
蛇巻さんから返ってきた予想外の反応に、思わず二度聞き返してしまった。
「私、公園のベンチで一休みしてるから、
家での用事が済んだら、すぐに来てね」
ああ、そういうことか……
……って、一方的にそんな約束を押しつけられても困る。
「悪いけど、そこまで付き合ってられない。さようなら。おやすみ」
強制的に話を打ち切り、僕は蛇巻さんに背を向けて歩き出した。
「見沢君」
(……ああ、面倒だなぁ)
振り返る気にはならないが、名前を呼ばれて思わず足を止めてしまった。
何を言われるのだろうか。
どうせ僕の態度や言動を責め立てるに違いない。
「この機会を逃すと、この先もずっと変わらないままになるけど、
それでもいいの?」
「………」
なんだ、その言い方……上から目線でイラっとする……
……だけど、その言葉に対して、僕の心は妙な引っ掛かりを覚えてしまう。
「あなた、本当は、今の自分を変えたいんでしょ?」
「………」
「『ダメな自分でも、いつかは変われる日が来る』
あなたはもしかしたら、そんな希望を抱いているのかもしれない。
でもね、断言するわ。そんな日は、一生来ないわよ」
「………」
僕は彼女に背を向けたまま、その場を動くことができなかった。
「希望は麻薬と同じなの。
『いつかは変われる』
『人生はいつからでもやり直せる』
『いつから始めても遅くない』
……どれも間違ってはいないわ。
でもね、それは実際に行動できている人の話よ。
行動していない人が、『いつかは変われるから』って考えるのは危険なの。
『いつかは変われる』『いつでも変われる』って考えるからこそ、
今やるべきことをいくらでも後回しにできてしまう。
未来に素敵な幻想を抱いていれば、
今の辛い現実からずっと目を背け続けることができるのよ。
それはとても心地の良いことね。
それゆえに、中毒性があって、人間を堕落させるの。
自分では何もしなくても、悲惨な現実を忘れさせてくれる魔法の言葉。
それが『希望』なのよ。
変わりたいと願いながらも、決して行動しない人間。
『希望』という言葉は、そういう人たちの心の拠り所、ってわけね」
「………」
「今変わらなかったら、ずっと弱い自分のまま、ずっとダメな自分のまま、
あなたは一生、惨めな人生を送り続けることになるわよ。
……そんなの嫌でしょ?」
「………」
「私は嫌よ。そんなの耐えられない」
(……なんなんだ、この子は……本当に、僕と同い年なのか……?)
「だからさ、見沢君……私と一緒に、変わろうよ」
「っ……」
僕はついに、彼女の方を振り向いてしまった。
そこにあったのは……演技とは思えない真剣な表情。
真っ直ぐに僕に向けられる真摯な瞳。
そして、目が合う。
「……分かったよ。今回だけは、君の話にまんまと乗せられてみようと思う」
僕は蛇巻さんから目をそらして、あまり感情を込めずに、そう言った。
「あのねぇ、その言い方だと、私がまるで詐欺師みたいじゃない」
「似たようなものだね。僕は君のことを全く信用していないわけだから」
「それなのに、話は聞いてくれるんだ?
ふふっ、私の魂の演説に心を動かされちゃったんだね」
蛇巻さんは嬉しそうに笑った。
「別に、そういうわけじゃないけど……」
実際はそういうことなんだけど、それをハッキリと認めるのはすごく悔しい。
「じゃあ、またあとで。公園で待ってるね」
「うん、わかった。なるべく早く行くよ」
そう言って、その場を去ろうとしたところ……
「……あっ……そ、それはダメ! 今のは無し!」
突然、何かを思い出したかのように、慌てた様子でそう言ってきた。
「ダメ、ってどういうこと?」
女の子は気が変わるのが早いと噂には聞いていたけど、まさかこんなに早いとは思わなかった。
「このまま真っ直ぐ家に帰ったら、18時30分までは絶対に外に出ちゃダメ!」
「え……意味が分からない」
「夜の19時に公園のベンチのところで待ち合わせね」
「え、なんでそんな遅い時間に……」
「その時間じゃないと会えなくなるからに決まってるでしょ!」
「そ、そうなの?」
納得のいく説明は一切無いのだが、蛇巻さんの鬼気迫る勢いに気圧されてしまう。
「とにかく、18時30分までは絶対に家から出ないで。
それだけ守ってくれればいいから」
「う、うん……」
いつの間にか目的が変わっているような気がするけど、まあいいか。
蛇巻さんの言動に対して、一つ一つ真面目に理由を考えていたらキリが無い。
時刻は20時を過ぎていた。
(夜の公園か……)
小学校低学年の頃までは、この公園で遊んでいた記憶がある。
もちろん、それは昼間の明るい時間の話だ。
もし待ち合わせの場所に指定されていなければ、
今さらこの公園に、しかもこんな夜の暗い時間に、訪れることはなかっただろう。
さて、蛇巻さんは、まだ待ってくれているのだろうか。
もう帰っていてもおかしくはないのだが……
(……まだ、いたのか)
街灯に照らされた公園のベンチ。
そこに座っている少女の姿は、遠目からでもハッキリと分かる。
たとえ街灯に照らされていなくても、それが彼女だと気づくのは容易な事だ。
なぜなら……
シルエットが特徴的なんだ。
大きなメビウスの髪飾り。
そして左腕に巻き付けられた、蛇の……ヘビの……
(あれは……何なんだろう?)
アクセサリーというか、腕輪?……にしては、造形がリアルすぎるというか……
とにかく、あれが蛇だということだけは分かる。
蛇巻さんはなぜ、あんな奇抜な装飾を身につけているのだろうか。
(まあ、虫よけにはなりそうだな)
虫だけじゃなくて、人間も寄ってこなくなりそうだ。
(なるほど、人間を遠ざけているわけか……)
僕は勝手にそう解釈した。
「見沢君、今、何時か知ってる?」
待ち合わせの場所に到着したとき、蛇巻さんの開口一番がその質問だった。
「家を出たのが19時58分だったから、20時くらいかな」
「なるほど~……ところで、待ち合わせの時間は何時だったっけ?」
笑顔を引きつらせながら訊ねてくる蛇巻さん。
「19時だよね」
僕は事実だけを答えた。
「なんで1時間以上も待たせるのよ!」
蛇巻さんは激昂した様子で声を荒げた。
「遅れてごめん」
素直に謝った。但し、感情はあまりこもっていない。
「ねえ、見沢君。私が女の子だってこと、知ってる?」
蛇巻さんはため息をつきながら、そう訊いてきた。
「見れば分かる」
「うわぁ……そういう目で私を見てたんだ……」
身構えながら少し後ずさりする蛇巻さん。
「なんか誤解されてるような……」
やっぱり会話って難しいな。
「見沢君のいやらしい視線の件はひとまず置いておくとして、
私が言いたいのはね……」
蛇巻さんがさっきから何を言おうとしているのかは、なんとなく分かる。
「女の子を! 夜遅い時間に! 一人で! 1時間以上も放置!」
声を張り上げながら訴える蛇巻さん。
「うん、それは……たしかに、ひどい話だね……」
でも左腕に蛇のオブジェクトを巻きつけている女の子なんて、
さすがの不審者も警戒して近寄ってこないんじゃないかな。
「なんで他人事みたいに言ってるのよ!」
僕の言い方が悪いせいか、火に油を注いでしまったようだ。
「もちろん、罪悪感はあるよ。それに心配もしてた。
待ち合わせの約束をしたときからね」
「本当に?」
疑いの眼差しが向けられる。
「1時間以上も放置したのは、僕に非がある。だけど……」
「な~に?」
「『女の子』である蛇巻さんが、
『夜遅い時間に』公園で、
『一人で』待つことになったのは、
蛇巻さん自らがそういう提案をしたからであって、僕のせいじゃない」
本来なら待ち合わせの話をした時にその点について触れておくべきだったけど、
あの時は一方的に強引に話を進められて、それどころじゃなかったからな。
「うぅ……分かったわ。私にも非がある、ってことね」
「まあ、蛇巻さんが無事で、本当に良かった」
「そういうセリフは、もう少し感情を込めて言ってくれるかな」
「………」
残念だけど、僕にはそういうものが根本的に欠けてるんだよね。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
マスクなしでも会いましょう
崎田毅駿
キャラ文芸
お店をやっていると、様々なタイプのお客さんが来る。最近になってよく利用してくれるようになった男性は、見た目とは裏腹にうっかり屋さんなのか、短期間で二度も忘れ物をしていった。今度は眼鏡。その縁にはなぜか女性と思われる名前が刻まれていて。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる