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第4章 アリスの望み
Nightmareと言う男
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扉を抜けた先は、暗い森の中だった。
「ゼロ。少し体に触れるよ。」
帽子屋はそう言ってボクの体を抱き上げた。
「ここは…どこなんだ?」
「少し寝てなさい。」
インディバーがそう言ってボクの瞼に触れた。
瞼が凄く重い…。
眠くなって来た…。
ボクは重くなった瞼に抵抗出来ずに、瞼を閉じた。
帽子屋の足取りがゆっくりなのでボクが眠りに落ちるのに時間は掛からなかった。
「ん…。」
瞼を開けると青色の天井が見えた。
ボクは動かない体を起こさずに視線だけ周りに向けて見た。
高級ホテルのような内装で、青色がかなり使われている部屋だった。
小さな青い蝶がボクの周りを飛んでいた。
ふかふかのベットはボクの体を包んでいて、初めて入った部屋なのにかなりリラックス出来ている。
青い蝶に手を伸ばすと指に触れた瞬間、消えてしまった。
ガチャッ。
「ゼーロ。調子は?」
扉の外から現れたのは湯気の立ったマグカップを持った帽子屋だった。
「…。どれぐらい寝てた?」
「2時間ぐらいだよ。もう少し寝てても良いくらい。」
2時間か…。
そんなに寝てなかったのか。
「まだ寝とけ。ほら、これ飲んで寝ろ。」
そう言って帽子屋が差し出して来たのはホットミルクだった。
あのマグカップはホットミルクだったのか。
帽子屋からホットミルクを受け取り口を付けた。
蜂蜜の香りが鼻を通った。
「あったかい…。」
「怪我が治るまでここにいたら良い。」
体の中がポカポカして、眠たくなって来た。
帽子屋はうとうとしているボクを見て、ボクの手に持っているマグカップをソッと机に置いた。
そして、ボクの体を優しくベットに倒し布団を掛けてくれた。
ポンポンッと赤ん坊を寝かすようにボクの体を優しく叩いた。
ポンポンッ。
あ…。
凄く安心する。
ボクはいつの間にか眠ってしまっていた。
マッドハッターside
俺がゼロの事を寝かせていると、ニヤニヤしながらインディバーが部屋に入って来た。
「アンタにそんな事が出来たなんてねぇ…。」
「うるさいよインディバー。」
俺はソッとゼロの体から手を離し部屋を出た。
「もうすぐ帰って来るみたいよボス。」
「本当か?」
「えぇ。さっきパソコンにメッセージが届いたの。」
「うちのボスは何処で何をしてるんだか…。」
「ボスがゼロの事を気にしてる事だけしか分からないわね。」
Night mareの助言は絶対に当たる。
Night mareが俺達にゼロの存在を教え、ゼロの事を守るように言われた。
誰かがこの世界の秩序を乱した事。
この世界の時計の針の動きを変えてしまった事。
俺達Night'sはこの世界の仕組みを守る組織。
Magic Cardを作ったのもこの世界に広まる魔法を
溢れさせないようにする為に、魔法をCardに閉じ込めた。
本来、魔法なんてものが自由に使われる事なんてない。
沢山の人間が使えてしまえば、この世界は壊れてしまう。
人同士の争いを招く種なのだ。
殺し屋として生きていた俺と夜の世界で働いてたインディバーをNight'sに入れてくれた。
6年前の俺とインディバーは誰かの下で働く事を嫌った。
俺は人を信じる事が出来なかった。
何度も裏切られて、傷付いて。
裏切らないのは一夜限りの女だけ。
女を抱いている時と殺しの仕事が俺を必要とした。
淡々と殺しの仕事をする俺は利用価値があったのだろう。
殺し屋の人間同士はお互いを利用し合う。
心を許す事なんてなかったんだ。
帽子屋をしながら殺しの仕事をしていた俺は、殺し帰りに偶然にNightmareと出会った。
「殺しの帰りか?」
「あ?お前に関係ないだろ。」
無神経な事を聞いてくるこの男に腹が立った。
初対面でこんな事を聞いてくるか?
「えー。だって血塗れの服を見たら聞いちゃうだろ。殺しの仕事なんかより俺の所で働かね?」
「断る。」
「え!?即答!?」
「じゃあな。」
「おい!!待てよ!!」
これがNightmareとの出会いだった。
それからNightmareは何度も何度も俺達に会いに来た。
「いつになったらNight'sに入る気になるんだ?」
店にある帽子を被りながら俺に尋ねて来た。
「お前もしつこいな。入らないって何度も言ってるだろ。1年も同じ事言ってるぞ。」
「アハハハ!俺は諦めが悪いからな!何度だって誘うよマッドハッター。」
「…。どうして俺なんだ?」
「ん?」
「どうして俺を誘うんだ?」
何にもない俺をどうして誘うんだろう。
きっと、俺は欲しい言葉を聞きたかったんだ。
Nightmareの口から。
「俺がお前を必要としてるから。理由なんてそれだけで充分だろ?お前が欲しいから誘ってる。」
コイツはずっと俺が欲しかった言葉をサラッと言ってしまうんだ。
「ハハ…。降参だ。」
「あ?勝負してたか?俺達。」
「こっちの話だ。良いよNight'sに入ってやるよ。」
俺がそう言うもNightmareはパァッと顔が明るくなった。
「本当か!?うわぁ!!めちゃくちゃ嬉しい!宜しくな!!」
それからインディバーがNight'sに入り、俺達は3人で行動した。
Night'sに入ってからは俺の人生に光が差した。
俺はNightmareの役に立つ事が生き甲斐になっていた。
Nightmareが俺とインディバーを呼び出した。
「俺が帰って来るまでこの世界に来る女の子を守って欲しい。」
そう言って姿を消した。
Nightmareが俺達に頼み事をして来たのは初めてだ
った。
だから、俺はNightmareが帰って来るまでゼロを守る。
そんな事を考えていたら、インディバーが俺の肩を叩いて来た。
「1人で抱え込むんじゃないわよ。」
「分かってるよ。お前がそんな事言うなんてな。」
「Nightmareに惚れ込んだ者同士だもの。アリスはやっぱり…死んでなかったわね。」
「そうだな。アリスがEdenを作った事が確証に変わったな。」
アリスの行動を怪しんでいたNightmareは、俺達にア
リスの行動を監視するようにと任務を受けていた。
アリスが俺を求めて来た事に驚いた。
アリスはジャックの事が好きなのに俺と寝るのか?
俺はアリスを抱いた。
アリスの体は男を知っていた。
ジャックがアリスを抱いた可能性は低くかった。
アリスにベタ惚れだったジャックが、簡単にアリスを抱けるとは思っていなかったからだ。
アリスを抱いた後、ベットで横になっているアリス
に尋ねた事があった。
「アリスはジャックと寝ないのか?」
「ジャックはあたしに触れないもの。それに…。」
「それに?」
俺が聞き返すとアリスは意地悪な顔をして微笑んだ。
「ジャックの事は大好きなの。ジャックもあたしの事が大好きなの。だからもっともっとあたしで心を支配したいの。こうやってジャック以外の男と寝るのもあたしの寂しさを紛らわすのに必要なモノなの。」
俺が今まで見て来たアリスもアリスで、目の前にいるのもアリス。
多重人格と言うよりはアリスがジャックの事を支配したい気持ちが強いのが分かった。
だが、この女は危険だ。
何か他にも考えている事があるんだと直感した。
その直感が今になって当たるとは思わなかった。
「とにかく、今はゼロを休ませる事が先だ。」
「そうね。話をするのはゼロが起きてからにしましょ。」
俺達はゼロの眠っている部屋を後にし、長い廊下を歩き始めた。
「ゼロ。少し体に触れるよ。」
帽子屋はそう言ってボクの体を抱き上げた。
「ここは…どこなんだ?」
「少し寝てなさい。」
インディバーがそう言ってボクの瞼に触れた。
瞼が凄く重い…。
眠くなって来た…。
ボクは重くなった瞼に抵抗出来ずに、瞼を閉じた。
帽子屋の足取りがゆっくりなのでボクが眠りに落ちるのに時間は掛からなかった。
「ん…。」
瞼を開けると青色の天井が見えた。
ボクは動かない体を起こさずに視線だけ周りに向けて見た。
高級ホテルのような内装で、青色がかなり使われている部屋だった。
小さな青い蝶がボクの周りを飛んでいた。
ふかふかのベットはボクの体を包んでいて、初めて入った部屋なのにかなりリラックス出来ている。
青い蝶に手を伸ばすと指に触れた瞬間、消えてしまった。
ガチャッ。
「ゼーロ。調子は?」
扉の外から現れたのは湯気の立ったマグカップを持った帽子屋だった。
「…。どれぐらい寝てた?」
「2時間ぐらいだよ。もう少し寝てても良いくらい。」
2時間か…。
そんなに寝てなかったのか。
「まだ寝とけ。ほら、これ飲んで寝ろ。」
そう言って帽子屋が差し出して来たのはホットミルクだった。
あのマグカップはホットミルクだったのか。
帽子屋からホットミルクを受け取り口を付けた。
蜂蜜の香りが鼻を通った。
「あったかい…。」
「怪我が治るまでここにいたら良い。」
体の中がポカポカして、眠たくなって来た。
帽子屋はうとうとしているボクを見て、ボクの手に持っているマグカップをソッと机に置いた。
そして、ボクの体を優しくベットに倒し布団を掛けてくれた。
ポンポンッと赤ん坊を寝かすようにボクの体を優しく叩いた。
ポンポンッ。
あ…。
凄く安心する。
ボクはいつの間にか眠ってしまっていた。
マッドハッターside
俺がゼロの事を寝かせていると、ニヤニヤしながらインディバーが部屋に入って来た。
「アンタにそんな事が出来たなんてねぇ…。」
「うるさいよインディバー。」
俺はソッとゼロの体から手を離し部屋を出た。
「もうすぐ帰って来るみたいよボス。」
「本当か?」
「えぇ。さっきパソコンにメッセージが届いたの。」
「うちのボスは何処で何をしてるんだか…。」
「ボスがゼロの事を気にしてる事だけしか分からないわね。」
Night mareの助言は絶対に当たる。
Night mareが俺達にゼロの存在を教え、ゼロの事を守るように言われた。
誰かがこの世界の秩序を乱した事。
この世界の時計の針の動きを変えてしまった事。
俺達Night'sはこの世界の仕組みを守る組織。
Magic Cardを作ったのもこの世界に広まる魔法を
溢れさせないようにする為に、魔法をCardに閉じ込めた。
本来、魔法なんてものが自由に使われる事なんてない。
沢山の人間が使えてしまえば、この世界は壊れてしまう。
人同士の争いを招く種なのだ。
殺し屋として生きていた俺と夜の世界で働いてたインディバーをNight'sに入れてくれた。
6年前の俺とインディバーは誰かの下で働く事を嫌った。
俺は人を信じる事が出来なかった。
何度も裏切られて、傷付いて。
裏切らないのは一夜限りの女だけ。
女を抱いている時と殺しの仕事が俺を必要とした。
淡々と殺しの仕事をする俺は利用価値があったのだろう。
殺し屋の人間同士はお互いを利用し合う。
心を許す事なんてなかったんだ。
帽子屋をしながら殺しの仕事をしていた俺は、殺し帰りに偶然にNightmareと出会った。
「殺しの帰りか?」
「あ?お前に関係ないだろ。」
無神経な事を聞いてくるこの男に腹が立った。
初対面でこんな事を聞いてくるか?
「えー。だって血塗れの服を見たら聞いちゃうだろ。殺しの仕事なんかより俺の所で働かね?」
「断る。」
「え!?即答!?」
「じゃあな。」
「おい!!待てよ!!」
これがNightmareとの出会いだった。
それからNightmareは何度も何度も俺達に会いに来た。
「いつになったらNight'sに入る気になるんだ?」
店にある帽子を被りながら俺に尋ねて来た。
「お前もしつこいな。入らないって何度も言ってるだろ。1年も同じ事言ってるぞ。」
「アハハハ!俺は諦めが悪いからな!何度だって誘うよマッドハッター。」
「…。どうして俺なんだ?」
「ん?」
「どうして俺を誘うんだ?」
何にもない俺をどうして誘うんだろう。
きっと、俺は欲しい言葉を聞きたかったんだ。
Nightmareの口から。
「俺がお前を必要としてるから。理由なんてそれだけで充分だろ?お前が欲しいから誘ってる。」
コイツはずっと俺が欲しかった言葉をサラッと言ってしまうんだ。
「ハハ…。降参だ。」
「あ?勝負してたか?俺達。」
「こっちの話だ。良いよNight'sに入ってやるよ。」
俺がそう言うもNightmareはパァッと顔が明るくなった。
「本当か!?うわぁ!!めちゃくちゃ嬉しい!宜しくな!!」
それからインディバーがNight'sに入り、俺達は3人で行動した。
Night'sに入ってからは俺の人生に光が差した。
俺はNightmareの役に立つ事が生き甲斐になっていた。
Nightmareが俺とインディバーを呼び出した。
「俺が帰って来るまでこの世界に来る女の子を守って欲しい。」
そう言って姿を消した。
Nightmareが俺達に頼み事をして来たのは初めてだ
った。
だから、俺はNightmareが帰って来るまでゼロを守る。
そんな事を考えていたら、インディバーが俺の肩を叩いて来た。
「1人で抱え込むんじゃないわよ。」
「分かってるよ。お前がそんな事言うなんてな。」
「Nightmareに惚れ込んだ者同士だもの。アリスはやっぱり…死んでなかったわね。」
「そうだな。アリスがEdenを作った事が確証に変わったな。」
アリスの行動を怪しんでいたNightmareは、俺達にア
リスの行動を監視するようにと任務を受けていた。
アリスが俺を求めて来た事に驚いた。
アリスはジャックの事が好きなのに俺と寝るのか?
俺はアリスを抱いた。
アリスの体は男を知っていた。
ジャックがアリスを抱いた可能性は低くかった。
アリスにベタ惚れだったジャックが、簡単にアリスを抱けるとは思っていなかったからだ。
アリスを抱いた後、ベットで横になっているアリス
に尋ねた事があった。
「アリスはジャックと寝ないのか?」
「ジャックはあたしに触れないもの。それに…。」
「それに?」
俺が聞き返すとアリスは意地悪な顔をして微笑んだ。
「ジャックの事は大好きなの。ジャックもあたしの事が大好きなの。だからもっともっとあたしで心を支配したいの。こうやってジャック以外の男と寝るのもあたしの寂しさを紛らわすのに必要なモノなの。」
俺が今まで見て来たアリスもアリスで、目の前にいるのもアリス。
多重人格と言うよりはアリスがジャックの事を支配したい気持ちが強いのが分かった。
だが、この女は危険だ。
何か他にも考えている事があるんだと直感した。
その直感が今になって当たるとは思わなかった。
「とにかく、今はゼロを休ませる事が先だ。」
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