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第2章

15ライラの元へ

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ライラの家族を説得するのは、かなり時間がかかると思っている。それなのに侯爵家がちょっかい出してきたら面倒だ。

急いで戻らないと、本当に逃げられそうだ。運命以外のアルファと番う事だって出来ないわけじゃない。大丈夫だ、約束したのだから。

そう、思っても陛下の言葉が胸に突き刺さったままだ。

オメガと言うだけで愛玩動物にしたがる者がいる。
奴隷のように売買する闇市もある。何度潰しても、何処かで闇市は、開かれてしまうのだ。

男のオメガ……だ。
女に比べれば、丈夫だろう。だからこそ、酷い扱いを受けかねない。何度も孕まされたり……嫌だ。ライラに触れられたくない。

あれだけ美しい人だ。

最強の家族に守られていたとしても、平民なのだ。身分を盾にされれば───
屈したりするだろうか?

家族を人質に?
いや、元S級の冒険者の両親だな。返り討ちに合わせるのでは無いか?
じゃあ、ライラを誘拐?それは無理じゃないか?魔道具とかで拘束してからか。不意をつかれることもあるよ、ね?

「心配する必要ありますか?」

レンドルに声をかけられて、思わず睨みつけた。

「不意をつかれたり、油断したら、危険だろう?」

「あの家族がですか?誰かに襲われても、自分たちで締め上げそうです。心配するなら、ヒートの時でしょうけどね。お兄さんの防御は強いですよ?」

確かにそうなんだが……
「用心に越したことはない」

「ジェイが、ライラ様のお兄さんより強いといいですね」

「お前」

「冒険者ランク、上ですよね?ランク上げしてないだけだと思いますよ。確か、強制クエストをやりたくないとか……ライラ様を守るとかなんとか……ですよね?」

痛いところを突いてくるな。

「もっと、レベルを上げてみせる。ギルドマスターにも実践をだな」

「いや~お兄さんは、ギルマスに習ってる可能性ありですよね。誘拐より、逃げられる方が可能性が高いですね。あの家族……特に母親は、相当な魔術師です」


「お前、一体誰の味方だ?」

「強いて言えば、マリナ・ベルモンドさんのファンです。美魔女ですよ。あんな大きな息子がいても姉にしか見えません。現役時代の武勇伝……魔術を教わりたいのです。ぜひ、ジェイからもライラ様を守る為に側近のに指導して下さるように言って下さい」

「は?」

「貴方は、ギルマスと父親に習う。そして私は、マリナ様に指導してもらう。なんて素晴らしい」


「お前な、陛下にも言われたんだ。貴重な男オメガだと」

「もちろんです。ライラ様がのは、この先も変わりません。あの家族を味方に付けるのは最優先なんです。あの家族ごと王宮に連れていくそれが一番ライラ様にとって、必要なんです」


至極当然なことだ……だが、それを受け入れてもらえるのだろうか?










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