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第2章

9 約束 ①

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終わったと思ってた。密着すれば、また反応してしまう。そうだよね……いつも5日は続くヒートだから。
3日でここまで落ち着いてるのは、王子のおかげだ。安心するこの匂い。シャツとか、欲しい。いっぱい欲しい。思わず、頬を擦り寄せて堪能してしまう。

中毒……にかかった人みたい。


待っている間に、服とか……貰えないかな?

​───何、馬鹿なこと言っているんだろう。
この匂いに包まれたい。包み込まれたい。離れがたくて、頭がおかしくなりそう。惹かれずにはいられない。

頭を撫でられて、伸ばした髪の毛に指が絡んでくる。耳を触られれば、その指の動きに切なくなってしまう。
触って欲しいのは、そこじゃなくて。

「​───あの」
なんて、伝えたらいいのだろう?
興奮状態では、ない。意識がハッキリしてる中での中程度の発情ヒート状態だ。

本能のままに、貪り合う訳ではなく、理性が軽く残っているので……どうしたら、いいのか分からない。

嫌われない?そんなことを考え始めたころに……
王子が、優しい顔をしていることに気がついた。

「今日は、意識が飛んでないから、恥ずかしい?あの状態は、色気が凄くて、俺も引っ張られた感じだったな」
また、頭を撫でてきた。輪郭をなぞられると、背中がゾクゾクしてお腹がキュンとしてきた。

首筋から、鎖骨へと下がる手が、小さく立って反応した乳首の先を見つけて……ころころと円を描き始めた。

「脱がしてとは、言わないんだな?」

「​───こんなに意識があったら、恥ずかしいに決まってる」

「じゃあ、もっと気持ち良くしてあげたら……違うかな?」

「なっ」
一気に下着ごと、ズボンが下げられた。

「なんだ、もう前も後ろも蜜が出始めたね」

両足を拡げられて、グチュグチュと音が響いく。上下にさすられて、上向いていくのが恥ずかしくても太ももで、隠せない。手を延ばして前を隠そうとしたら、シャツで、両手を拘束された。

腰の辺りにクッションが差し込まれて、王子の手で一気に追い詰められ、白濁が溢れる。
既に後ろは、びちょ濡れで簡単にその綺麗な指を飲み込んでしまう。奥を擦すられて、さらに溶かされていく。

「ん、んん」
恥ずかしくて、声を我慢してたら、脇を舐めてきた。

「や、やめて。く、すぐ……た……あ、やぁ、あん……あ、あ」

気持ちぃ。もっと、もっとって、腰を自ら動かしてしまう。
大丈夫?淫乱に見えたりする?やだ、もう、抵抗するだけ無駄だよね。指がさらに、増やされて……身体がピクっピクって反応してしまう。

脇を舐めてた唇が、唇の方に来て重なった。

暖かい魔力が、巡って幸せな気分に高揚していく。
もう、挿れてって、思うのに念入りに準備をされてるせいか、もう逃げたい。

「も、長い。やだ。もう、したくない。離して……こんなの、じれったいの、意地悪して、嫌がらせなんだ。もう、嫌いだ。離して!魔道具使う、もっやめ」

その一言で、指がずるりと抜かれる。

バキバキに反り上がっているそれが、後孔に充てられるのが見えた。

「魔道具なんて、使わせない」
グンと押し込まれて、下生えが触れたのが分かった。

「​───ぜん、ぶ?」

「ああ、上手に飲み込んだな。だが、もっと奥を気持ちよくしてあげる。俺を忘れないように」
一旦ずるりと抜けたかと思った瞬間に最奥を突かれた。

「あ、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
手を、拘束を外して……抱きつきたい。

「これ、いやら……手……抱きしめさせて……」

「いいよ」

手が自由になると、思わず胸にしがみついた。
速度が上がり、もう何も考えられなくなってしまう。

「ん、あああ」
足の指まで、痺れていく。
思わず、爪をたててしまった。

「ごめ、なさ」

「謝らないで」

また、唇が重なって……食べられてしまいそうなのに。苦しいのに。こんなに……多幸感に包まれていく。
オメガでも……幸せな時間があるんだって、経験出来てよかった。






ねぇ王子がいる間だけ、先のことなんて……考えなくていい?
大丈夫……期待なんてしないから。

俺が、認められる時なんてきっとこないけど。

「ライラ、好きだよ」

俺、笑えてるかな?

「待っている間に、シャツとか欲しいんだけど……もらえる?」

「​───そうか。番の匂いのする物があると安心するって聞いた事があるな。明日帰る前に色々見て選んでくれ」

明日まで……

「うん。ありがとう」

「少し寝るといい」
魔術?身体がサラサラになって、抱きしめられて、眠りについた。






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