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第十話
しおりを挟む「あ、ラウ。お風呂どうだった?」
相変わらずの大きさにもはや恐怖を感じながらお風呂を済ませると身軽な格好をしたルーンが窓際に腰掛けていた。う、色気が……。
「お風呂は広すぎてちょっと一人じゃ寂しかったなぁ。」
「じゃあ僕も一緒に入ればよかった?」
「……。」
スッとなんの躊躇いもなく剣を抜く。
「ルーン、最後に言い残したこと何かある?」
「冗談だってモウイイマセン。」
「あ、ラウラこれあげるよ。せっかく結婚したんだから。」
そういって差し出されたのは守護のお守りだ。めっちゃ高いやつ。
「ルーンこれってすごい高い、やつ……」
これだけでお城が買えるよ?!
「あ、大丈夫これ作ったの僕だからお金はかかってないよ。」
ルーンがそう言い終わるのが早いか否やバンと大きな爆発音がした。
「何事?!」
『結界』
「……ラウ、どうやら招かれざるお客様だ。四人。二人任せても大丈夫そう?」
招かれざる……賊か。
「……勿論。ちょうどいい運動じゃないか。」
「これはこれはこの屋敷には二人しかいないのか。つまんねえなぁ。お、片方は女か。おい、お前ら女は生きて捕えろ。男の方は殺せ。」
『はい、ボス』
「初夜を邪魔するなんて無粋な奴らだね。」
『結晶化』
「きかねぇなぁ!」
「ラウ」
「私のルーンがいて勝てると思わないことだね。」
「なっ、はや。」
縮地で一気に後ろに回り込んで二人。品のない喚き声が聞こえる。
「あとはルーンだけだよ。」
『水球』
『真空』
すると瞬く間に賊たちは意識を失った。
「……こいつらどうするの?」
呆気ない。
「うーん、あっそうだ!知り合いにいいのがいるからそこに送っておくよ。」
『転移』
「よしこれで邪魔をする奴はいなくなったね。さて、そろそろ寝ようか。屋敷はどうせ寝てる間に勝手に直るから大丈夫だよ。ほら、おいで。」
急に殺戮モードから初夜モードになった……。切り替えの早さ恐ろしい。本当に戦闘?があったのか疑いたくなってくる切り替えの早さだ。やっぱりルーンはどこかおかしい。
「あぁ、ベッドに入るのにそのガウンはいらないよねってその格好はちょっと扇状的すぎない?僕試されてる?」
まずい。このガウンの下は、母様に無理やり持たされて着ざる終えなかったベビードールが……。
「母様がこれ以外の夜着全部抜いちゃって、これしかなかったの!」
恥ずかしさで顔が赤くなる。どうにかしてルーンの反応を伺おうと顔を見ると今までに見たことがないような顔をしていた。
「ねぇ、ラウ。それはもう誘ってると見ていいよね。」
その言葉の後には柔らかなキスが降ってきて、ルーンの気持ちを思い知らされたのだった。
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