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六章
やっと捕まえた
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「っわー……あれ、距離近すぎないか」
私の隣でイリアスが呟いた。彼は聖女の警護役を保って、まだ剣を構えたままだ。
「……近いですね……ライリー殿下も魔術師の皆さんも、どうしちゃったんでしょう。
ねえジュリア、みんな怪我とかしていないのかしら」
リュシールが不安げに応えてから、私を見てきた。
「それはないみたい。
魔術の事とかよくわからないけど、物凄い力が使われてたのは感じたわ。タリュス君のね」
「魔術師狩りは殿下を口説きに来たのか?」
「……違うと言い切りたいけど……
あれは完全に落ちたわね」
きらびやかな衣装の魔術師達に囲まれてかしずかれたタリュス君こそ、彼らの王様みたいにみえる。
どうにか抵抗するように身動ぎをしていたライリー殿下も、タリュス君に口許を塞がれた瞬間にくたりと崩れて馬首にもたれ掛かってしまった。
それが合図だったように、他の魔術師達もばたばたと倒れていく。まるでドミノみたいだ。
「あ、いけない」
タリュス君が浮遊したままふわりとライリー殿下から身を離したので、私は慌てて駆け出した。
眺めているのはもうおしまい。
「こらまたお前は!」
「ジュリアっ!」
「大丈夫だからそこにいて!」
背後に叫びながら足はとめない。両手に力を集めるのに忙しいからだ。
早くしないと逃げられる。
私は十分に集めた法力を右手に乗せて、ボールを投げるように振り抜いた。
煌めく銀色の紐状の光が一直線にタリュス君へと伸びていく。
迫りくる物に気が付いた彼は此方に驚いた顔を向けて、着地と同時に左手を突きだした。
光る紐が翳された掌の直前でばしんと弾かれ、同じ銀色がぶつかり合う。
くるりと私は手首を回転させて、タリュス君を囲む目に見えない壁へ何重にも光の紐を絡み付かせた。
光の紐は抵抗されてばちばちと火花を散らす。
銀色だけでなく、時折四色の鮮やかな光も混じって花火のようだ。
跳ね返される力を感じながらも構わず距離を詰めて、ついにあと数歩の所まで私は迫る。
移動出来ずに眉根を寄せるタリュス君を視界におさめた瞬間、私は足を止めて踏ん張り、ぐいっと紐を引き寄せ高らかに宣言した。
「捕ったあ!」
法力をたくさん込めた私の放った紐は、狙い通りタリュス君の背後から鋭く壁を突き抜けて、彼の左腕にぐるぐると絡みついた。
「逃がさないわよタリュス君。
たくさん魔力を失った後だから動けないはずよね」
「……確かに。
オレの壁を破ったのはあんたが初めて。
誇っていいよ聖女様」
苦笑いしながら、タリュス君はあっさり自身を守る壁を取り払った。
褒められた事と、これまで誰も捕まえられなかった彼の身動きを封じた事で嬉しくなり、頬が紅潮するのを感じる。
「じっとしてると思ったら、オレが疲れるのを待ってた訳だ」
「狩りをするときだってそうでしょ?大きい獲物を捕まえるならまず弱らせてから、一気に叩くわ。
私は攻撃する手段を持ってないもの。
タリュス君を捕まえるなら、魔術師とぶつからせて弱った所を狙う方が確実だと思ったのよ」
「この光る紐は?
物凄い強度だから相手を傷付けれそうだけど」
「それはおしおき紐だから無理」
「…………何?」
「話を聞かない人を捕まえて、改心するまで拘束するのが用途なの。
だからぶつけても締めても怪我はしないのよ」
「……確かに痛くないし解けないけどさ。
名付けのセンスはどうなの」
「い、いいじゃない解りやすくて」
本当は神様から授かった正式な名前があるけど、失われた古代神聖語で発音が難しい上に長たらしいから、私が勝手につけたのだ。
「それより約束よ。捕まえたんだから、逃げないで話を聞いてね」
「わかってる。
で?そんな必死になってどうしたの」
少しだけ嘲るような笑みを唇に乗せて小首を傾げる様が、とっても絵になる。
見とれそうになるのを咳払いして堪えて、私はまっすぐにタリュス君を見上げた。
「タリュス君。あなた、御使い……よね」
「みつかい?」
「そう。神様が決めた聖女の伴侶」
タリュス君がぴくりと片眉を跳ね上げる。
「覚えているはずよ。
神様が選んだ、女神の形代である聖女と対をなす役目。
護り、癒し、浄化の力を分かち合う存在がいるから、探して見つけなさいって声を聞いたでしょう?」
「……へえ。ちなみに、見つけたらどうなるの」
「欠けていた互いは完全な物となって、ふたりは新しく神様の声を聞き、神様の愛する人々を守り導く存在になる。
あとは……もうひとつ」
口ごもった私を、眉根を寄せたタリュス君はそれでも待ってくれる。
だから勇気を振り絞って、ぐいっとタリュス君のコートの胸元にしがみついた。
「ふ、ふたりは夫婦になるの。
聖女と御使いに選ばれた二人の血縁はそうやって、次代に紡がれていくのよ。
強い法力を得られる子孫を残して、遠い未来でまた同じ役目を持つ人が現れるように繋ぐのが役目だから」
「……ジュリアはそれがオレだって言うのか。
なんで」
「女の勘!」
「ふざけてるのか?」
「け、結婚相手の事なのよ!大真面目に決まってるじゃない!
……確めるやり方だって、知ってる。
相手を見定めるのは聖女の役目だから、御使いは探すことしか知らないけど……」
私は襟元のブローチを外して握りしめ、きゅっと唇を引き結んで、紺碧の大きな瞳を見上げる。
「これを受け取って欲しいの。あとは触れるだけでいい。
聖女の贈るアイリスを受け取った男性が御使いで、ふたりの身体の一部が触れあえば、神様がそのひとだって教えてくれる。
……だから、タリュス君。確かめさせて欲しいの。貴方を初めて見たあの日に感じた浄化の力は、言ったとおり私と同じ位の大きなものだった。
あれからも世界中を巡礼で訪れたけど、あなた以上の力を感じる人はいなかったから、忘れられなくて。
白金の魔術師を敵に回してでも、タリュス君が御使いのか、あの時確めておけば良かったって何度も何度も後悔したの」
どきどきと鼓動が高鳴る。
緊張で声が震えて、瞳の端に薄く涙が浮かんできたけど。
やっと伝えたかった想いが言えるから。
今言わなきゃいけないから。
「私はタリュス君となら夫婦になりたいって思った。
だから今度こそ確かめたい。
あなたが御使いなのかどうか」
「……ジュリア。生憎だけどオレは神の声なんて聞いたことがない。覚えてもいない。
教会に祈りに行ったこともないし、それどころか……魔術師と……暮らしてたオレにとっては敵対する組織だった。
なのに癒しとか護りとか、なんでそんな力があるのかわからないんだ。
それでもオレが教会にとって重要な存在だって言うのか」
「違ったなら諦めるから。お願い」
ブローチを差し出した指先が震える。
聖女が愛を込めて贈るアイリスを、御使いが受け取り神様に認められる、これは神聖な儀式。
彼だったらいいのに。
ずっとそれだけを考えて、また会えやしないかと巡礼にかこつけてタリュス君を探し続けてきた。
一目惚れ、なんだと思う。
これは私の、一世一代の告白なのだ。
私の隣でイリアスが呟いた。彼は聖女の警護役を保って、まだ剣を構えたままだ。
「……近いですね……ライリー殿下も魔術師の皆さんも、どうしちゃったんでしょう。
ねえジュリア、みんな怪我とかしていないのかしら」
リュシールが不安げに応えてから、私を見てきた。
「それはないみたい。
魔術の事とかよくわからないけど、物凄い力が使われてたのは感じたわ。タリュス君のね」
「魔術師狩りは殿下を口説きに来たのか?」
「……違うと言い切りたいけど……
あれは完全に落ちたわね」
きらびやかな衣装の魔術師達に囲まれてかしずかれたタリュス君こそ、彼らの王様みたいにみえる。
どうにか抵抗するように身動ぎをしていたライリー殿下も、タリュス君に口許を塞がれた瞬間にくたりと崩れて馬首にもたれ掛かってしまった。
それが合図だったように、他の魔術師達もばたばたと倒れていく。まるでドミノみたいだ。
「あ、いけない」
タリュス君が浮遊したままふわりとライリー殿下から身を離したので、私は慌てて駆け出した。
眺めているのはもうおしまい。
「こらまたお前は!」
「ジュリアっ!」
「大丈夫だからそこにいて!」
背後に叫びながら足はとめない。両手に力を集めるのに忙しいからだ。
早くしないと逃げられる。
私は十分に集めた法力を右手に乗せて、ボールを投げるように振り抜いた。
煌めく銀色の紐状の光が一直線にタリュス君へと伸びていく。
迫りくる物に気が付いた彼は此方に驚いた顔を向けて、着地と同時に左手を突きだした。
光る紐が翳された掌の直前でばしんと弾かれ、同じ銀色がぶつかり合う。
くるりと私は手首を回転させて、タリュス君を囲む目に見えない壁へ何重にも光の紐を絡み付かせた。
光の紐は抵抗されてばちばちと火花を散らす。
銀色だけでなく、時折四色の鮮やかな光も混じって花火のようだ。
跳ね返される力を感じながらも構わず距離を詰めて、ついにあと数歩の所まで私は迫る。
移動出来ずに眉根を寄せるタリュス君を視界におさめた瞬間、私は足を止めて踏ん張り、ぐいっと紐を引き寄せ高らかに宣言した。
「捕ったあ!」
法力をたくさん込めた私の放った紐は、狙い通りタリュス君の背後から鋭く壁を突き抜けて、彼の左腕にぐるぐると絡みついた。
「逃がさないわよタリュス君。
たくさん魔力を失った後だから動けないはずよね」
「……確かに。
オレの壁を破ったのはあんたが初めて。
誇っていいよ聖女様」
苦笑いしながら、タリュス君はあっさり自身を守る壁を取り払った。
褒められた事と、これまで誰も捕まえられなかった彼の身動きを封じた事で嬉しくなり、頬が紅潮するのを感じる。
「じっとしてると思ったら、オレが疲れるのを待ってた訳だ」
「狩りをするときだってそうでしょ?大きい獲物を捕まえるならまず弱らせてから、一気に叩くわ。
私は攻撃する手段を持ってないもの。
タリュス君を捕まえるなら、魔術師とぶつからせて弱った所を狙う方が確実だと思ったのよ」
「この光る紐は?
物凄い強度だから相手を傷付けれそうだけど」
「それはおしおき紐だから無理」
「…………何?」
「話を聞かない人を捕まえて、改心するまで拘束するのが用途なの。
だからぶつけても締めても怪我はしないのよ」
「……確かに痛くないし解けないけどさ。
名付けのセンスはどうなの」
「い、いいじゃない解りやすくて」
本当は神様から授かった正式な名前があるけど、失われた古代神聖語で発音が難しい上に長たらしいから、私が勝手につけたのだ。
「それより約束よ。捕まえたんだから、逃げないで話を聞いてね」
「わかってる。
で?そんな必死になってどうしたの」
少しだけ嘲るような笑みを唇に乗せて小首を傾げる様が、とっても絵になる。
見とれそうになるのを咳払いして堪えて、私はまっすぐにタリュス君を見上げた。
「タリュス君。あなた、御使い……よね」
「みつかい?」
「そう。神様が決めた聖女の伴侶」
タリュス君がぴくりと片眉を跳ね上げる。
「覚えているはずよ。
神様が選んだ、女神の形代である聖女と対をなす役目。
護り、癒し、浄化の力を分かち合う存在がいるから、探して見つけなさいって声を聞いたでしょう?」
「……へえ。ちなみに、見つけたらどうなるの」
「欠けていた互いは完全な物となって、ふたりは新しく神様の声を聞き、神様の愛する人々を守り導く存在になる。
あとは……もうひとつ」
口ごもった私を、眉根を寄せたタリュス君はそれでも待ってくれる。
だから勇気を振り絞って、ぐいっとタリュス君のコートの胸元にしがみついた。
「ふ、ふたりは夫婦になるの。
聖女と御使いに選ばれた二人の血縁はそうやって、次代に紡がれていくのよ。
強い法力を得られる子孫を残して、遠い未来でまた同じ役目を持つ人が現れるように繋ぐのが役目だから」
「……ジュリアはそれがオレだって言うのか。
なんで」
「女の勘!」
「ふざけてるのか?」
「け、結婚相手の事なのよ!大真面目に決まってるじゃない!
……確めるやり方だって、知ってる。
相手を見定めるのは聖女の役目だから、御使いは探すことしか知らないけど……」
私は襟元のブローチを外して握りしめ、きゅっと唇を引き結んで、紺碧の大きな瞳を見上げる。
「これを受け取って欲しいの。あとは触れるだけでいい。
聖女の贈るアイリスを受け取った男性が御使いで、ふたりの身体の一部が触れあえば、神様がそのひとだって教えてくれる。
……だから、タリュス君。確かめさせて欲しいの。貴方を初めて見たあの日に感じた浄化の力は、言ったとおり私と同じ位の大きなものだった。
あれからも世界中を巡礼で訪れたけど、あなた以上の力を感じる人はいなかったから、忘れられなくて。
白金の魔術師を敵に回してでも、タリュス君が御使いのか、あの時確めておけば良かったって何度も何度も後悔したの」
どきどきと鼓動が高鳴る。
緊張で声が震えて、瞳の端に薄く涙が浮かんできたけど。
やっと伝えたかった想いが言えるから。
今言わなきゃいけないから。
「私はタリュス君となら夫婦になりたいって思った。
だから今度こそ確かめたい。
あなたが御使いなのかどうか」
「……ジュリア。生憎だけどオレは神の声なんて聞いたことがない。覚えてもいない。
教会に祈りに行ったこともないし、それどころか……魔術師と……暮らしてたオレにとっては敵対する組織だった。
なのに癒しとか護りとか、なんでそんな力があるのかわからないんだ。
それでもオレが教会にとって重要な存在だって言うのか」
「違ったなら諦めるから。お願い」
ブローチを差し出した指先が震える。
聖女が愛を込めて贈るアイリスを、御使いが受け取り神様に認められる、これは神聖な儀式。
彼だったらいいのに。
ずっとそれだけを考えて、また会えやしないかと巡礼にかこつけてタリュス君を探し続けてきた。
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