この恋は無双

ぽめた

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二章

ドリアードと再会しました

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 さて、自分の気持ちを自覚した所で、困った事がある。

 再び馬車に揺られながら、視線を落ち着かなくさ迷わせる僕は、対面に座ったサークに不思議そうに眺められるはめになった。

 恋をしているのだと指摘された途端に、同じ空間にいるだけでどきどきしてしまっている。
 なので、あんまり見ないで欲しい。
 気まずいし恥ずかしい。
 どこか変なところがないかと、つい髪などしきりに触って整える。

 失念していたのだけど、昼食が済んだらまた馬車の人員の入れ替えをする予定だったのだ。

 今度はエルトールさんとマルーセルさんがウィル様の馬車に乗り、サークとルーナがこちらに乗る事になっていた。
 そして同乗者がもうひとり。

 僕達の乗る馬車が、街道の端に寄せられてゆっくりと停車する。
 辺りは鬱蒼とした森で、昼を過ぎた頃だというのに薄暗い。

 ここは例の襲撃された森の中。
 ドリアードに拘束されているはずの、例の野党が捕らえられたままなのかを確認するのだ。

 ウィル様とルーベンス皇子の馬車は先に王城へと向かい、着き次第調査と野党を捕らえるため、騎士を派遣する事になっていた。

「はぁ、長かったわ。
 このあたりだったかしら?タリュス」

 うん、と腰を伸ばして、緑玉のつり目がちの大きな瞳で僕を見上げてくるのはリファ様だ。
 僕は馬車を降りるリファ様に手を貸す為、先に降りていたので、周囲を確かめて頷く。

「うん。クレードルさん凄いね、あんなに早い速度で移動してたのに、ちゃんと場所を覚えててくれたんだね」

「まあそりゃあ仕事柄な」

 御者台の上にいるクレードルさんが得意げに答える。

 確かにこのあたり一帯には交戦した形跡があり、剥き出しの固い土の地面になにかを引き摺った痕がたくさん残っていた。
 自分が引き起こした事だけど、荒ぶる樹人の残した痕のおびただしい数に、さすがに背筋が寒くなる。

「しかし、なんで着いてきた?お前」

 のそりと馬車から長身を乗りだし、黒皮の手袋を嵌めながら、サークがリファ様にあからさまに迷惑そうな視線を投げる。

「お、おま……おまえ……!?」

 ああ……しまった。
 昼食の後からさっきまで、馬車の中のリファ様は眠っていたから、サークと長時間一緒にいるのはこれがほぼ初めてだ。

 案の定いつも通りの相棒は、隣国のやんごとなき姫君をあっさりお前呼ばわりしてしまった。
 リファ様が憤慨するのも当然だ。

 大人しく彼女が王城へ戻ってくれてたら、被害は最小限で済んだろうに……

 何故かリファ様が突然、リウさんと交代すると言って、僕達の馬車に乗り込んで来てしまったのだ。

 その時のルーベンス皇子の笑顔は大変恐ろしかった。
 相当不満そうなのに、リファ様の希望を全否定しないで、当人の意思を尊重するあたりはいいお兄さんなんだろう。
 何故か僕は物凄く睨まれたけど……

「こ、この無礼者!わたくしを誰だと……!」

「うるっせぇ。文句があんなら走って兄貴の後追っかけろ。
 言っとくがここでお前が面白い事なんかなんもねぇぞ」

 くい、と服の裾を引かれて見下ろすと、ルーナが呆れたようにサークを見ていた。
 本当にあれがいいのか?と視線が訴えている。

 確かにこの言動には困る事もあるけど、これがサークなんだからもう仕方ない。
 出会ったときからこの通りだし。
 慣れって怖い。

 ちなみに、リファ様に不敬をはたらいたサークに挑みかかるはずの騎士さんは一人もいない。
 自分と僕が居れば警護の必要はないからと、サークが追い払ったからだ。

 ルーベンス皇子はリファ様が残るのは危険だなんだとかなりごねたけど、ウィル様がサークと僕の腕に太鼓判を押してくれたので、渋々ながら引き下がった。

 僕がこれからドリアードをまた喚ぶ為に、目撃者を減らしたかったんだけど……
 まさかリファ様が来るとは思わなかった。

 どうにかルーベンス皇子の馬車に戻るように説得もしたけど、リファ様は頑として譲らなかった。
 リウさんなら口が固そうだし、魔術の心得もない普通の人だから、同乗してても良さそうだと判断してたんだけど。

 僕は小さく溜め息をついてから、サークを睨みつけているリファ様の肩をぽんぽんと叩いた。

「リファ様落ち着いて。
 ごめんね、これがサークの平常運転なんだ。
 初めての扱いされると思うけど許してね」

「っゆ、許せる訳ないでしょう!?
 お前、謝りなさい!そうよ、昨日のお兄様への暴言も忘れてなくてよ!」

「んなもん忘れた。
 いい加減にしねぇと口利けなくするぞ」

「もう、日が暮れちゃうからそれくらいにしてね二人とも。
 僕達はこれから森に入るけど、リファ様も着いてくるの?
 クレードルさんと馬車で待っててもいいよ?」

「タリュスが行くならわたくしも行くわ。
 この無礼者の方を置いていくべきよ」

 何故かえへんと胸を張ってリファ様が告げる。

 うーん、待っててくれていいんだけど。
 先に対策した方がいいかな。

 僕はリファ様と真っ直ぐ対面して、じっと緑玉の瞳を見つめた。
 たじろぐリファ様に、言葉を選んで語りかける。

「ついてきてもいいんだけど、約束してくれないかな。
 僕の使う力の事、秘密にしてほしい」

「タリュスの力を?」

「うん……少しね、魔術と違うんだ。
 詳しく言えないんだけど、僕はそれを知られたくない。
 もしリファ様がお兄さんとかエルトールさんに詳しく話したら、魔術を学んでいる人には違いがすぐに解る」

「へぇ……それを知られるのが、そんなに困ることなの?」

「とっても困る。だからお願い。
 僕の力を広言しないで欲しいんだ」

 僕の意図を推し量るように、リファ様がじっと見つめ返してくる。

 暫くしてから、リファ様はすっと右手の甲を僕に向かって差し出してきた。

「わたくしに広言して欲しくないのなら、忠誠を誓いなさい。
 そうしたら黙っていてあげてもいいわ」

 ……これは、ええと何だっけ。
 多分あれかな。騎士が王族に忠誠心を表す儀式。

「こらガキ。タリュスに何さそうとしてんだ」

「っ、がきっ……ふん、お前は黙っていなさい」

「姫様?友達同士の約束とかじゃダメなんですかー?」

「嫌よ。
 タリュスが誓ってくれないなら約束できないわ」

 手を差し出したまま、リファ様がつんと顎を上げる。

「おいやめとけタリュス。
 そんなもんいちいち相手しなくていいぞ」

 サークが制止してくれるけど、やらないと本当に約束してくれなさそうだ。

 僕はちょっと迷ってから覚悟を決めた。

 リファ様の前に片膝をつく。
 息を飲むリファ様の、その小さな白い手をそっと取り上げた。

 唇を柔らかな手の甲に優しく押し当てて、数回呼吸をしてから、すっと視線を上げる。

「高貴なディスティアの姫君である貴女に、卑しき私が触れることをどうかお許し下さい。
 今この時、私は貴女に最大限の親愛を捧げる事を誓います」

 ざあ、と風が木々を揺らしていく音がして、たなびく枝葉の隙間からきらきらと陽光が僕達の頭上に降り注ぐ。

 リファ様の長い銀色の髪が風に踊って、硬質な輝きを弾いた。

 きれいだな。
 そんな場合ではないけど、つい微笑んだ。

 リファ様の緑玉の瞳が数度瞬いてから、その白い頬がぼっと火が点いたように赤く染まる。

 そのまま固まって動かないリファ様を見上げながら、僕もどうしていいかわからなくなってきて、どんどん恥ずかしくなり頬に熱が集まる。

 ひゅう、と横手から口笛の音がした。

「やるなあタリュス君。
 きらきらした花とか光とか、幻が見えちゃったけど気のせいかな」

「……タリュスの可能性甘く見てたな……
 ったく、あんな真似どこで覚えて来たんだか」

「今の内にしっかり教育しとかないと、国を傾けかねないなぁ。頼んだぜ兄さん」

「手に負える気がしねぇ」

 クレードルさんとサークが何やら難しい顔をしている隣で、ルーナがいい笑顔でぐっと親指を立てた拳を突きだしてきた。
 なんなの、もう……

「えと、これでいいかな?」

 困った僕は首を傾けて声をかけてみる。

 はっと我に返ったリファ様が、慌てて手を離し、顔を背けた。

「そ、そうね。
 いいわ、約束してあげる」

「ん、ありがと」

 安堵して立ち上がると、隣に並んできたサークが、うろんげな眼差しで僕を見下ろしてきた。

「あんな芸当いつ覚えた?」

「えっとね、行儀作法の先生から。雑談の合間に教えてくれたんだよ。
 まさか使う日がくるとは思わなかったけど、ウィル様の言った通りだね。
 何でも覚えておいて損はないって」

「……余計なこと教えやがって……」

 舌打ちしそうな苦い顔で呟く。

「ったく、余計な時間食っちまったな。
 こっちでいいのか、タリュス」

「あ、うん。少し中に入ってから初めていい?」

「ああ」

「リファ様、行こう」

 僕は側でぼうっとしているリファ様と手を繋ぐ。昨日みたいに、闇雲に先導されないためだ。

 リファ様はびくっと身を強張らせたけど、大人しくついてきてくれた。
 その隣にルーナが並び、サークの服の裾を掴んでいる。

「おいおい、ルーナ君も連れてくのか?」

「こいつがそうしたいんだから、別にいい」

 慌てるクレードルさんを軽くあしらって、サークは歩き出す。
 ルーナこそ馬車に置いていきそうなものだけど、すんなりと同行を受け入れるのが意外だった。

 ともあれ僕達は街道を離れて森の中を進む。
 暫く歩いてから、僕はくいっとサークの腕を引いた。

「そろそろいいかも。一応防護してくれる?」

「わかった。
 我が名と血の盟約の許、呼びかけに応えよウンディーネ。アクアウォール」

 サークが低く唱えると、僕達の周囲に薄い水の壁が現れた。
 何度も目にした魔術なのに、違和感を覚えて、じっと流動する壁を見つめてから思い至る。

 そうだ、ルーナの使っていた防音の膜に似ているんだ。

「どうした、まじまじと見て」

「……何でもない」

 僕はリファ様の手を離して、ふるふると首を横に振る。
 なんだか気になるけど、魔術にあかるくないから、どう追及したらいいのかもわからない。

 ひとまず疑念は置いておく事にして、僕はドリアードを喚ぶ。

『おいで、ドリアード。約束通り会いに来たよ。
 君の愛らしい姿をもう一度見せて』

 ざわり、と今度は風もないのに木々が揺れる。

 蝋燭の灯りのような、幾つもの光が宙に浮かび上がり、僕達の眼前で収縮していく。

 やがて光は小さな人の形を成した。
 若葉色に色彩を宿していき、瞬きの間にドリアードが空中に姿を現す。

『タリュスティン、またアえた、うれシイ』

『僕も会えて嬉しいよ。
 今日もとっても可愛いね』

 樹木の肌に、今日は太い柳の葉のような髪。
 姿を現したドリアードが、もじもじと体を捩っている。

「来たのか?」

「うん。サークには解る?」

「その辺に高密度の魔力が留まってるのは解る」

 顎をしゃくってドリアードのいる空間を示され、僕は違和感を覚えた。
 大地の精霊が型どるユニコーンのように、聖霊が僕の魔力を使って姿を現せば、声は聞こえないようだけど、サークが背に乗せて貰ったように触れることが出来る。

 勿論、僕が側で多くの魔力を与えるのが不可欠の条件だ。
 今は昨日と同じ量の、ドリアードの姿が見えてもおかしくない魔力を流しているのに、サークに見えていないのはおかしい。

『ドリアード、あれから何かあった?
 それと、あなたが捕まえてくれた悪い奴等はどこにいるか教えてくれる?』

『もっトおくデつかまエテたケド、にげタ。
 なかマがイタ。あたシ、タリュスティンいなイかラなにもでキなかッタノ』

 しゅんとドリアードが肩を落とした。

 どうも最初に喚んだ時より消耗している。
 だから僕が魔力を与えているのに、サーク達に見えないくらい力が不足しているのかも。
 言葉もより片言で、発音がおぼつかない様子だ。

『あなたは悪くないよ。
 悪い奴らの仲間が来るまで捕まえててくれて、ありがとう』

「そいつら、仲間がいんのか。逃げたんだな?」

 精霊の声は聞こえなくても、僕の声はいつも通り聞こえるので、サークが内容から状況を把握する。

『あノにんゲンきらイ。まのちかラつかウ。
 あタシノなかマ、いっパいキズつけテなかマにがシた』

「……魔の力?魔術師がいたの?」

『まじゅツシ、しらナイ。でもウンディーネにいうコトきかせてルそのヒトと、ちかラにてル』

 さわ、と髪を揺らしてドリアードはサークを指差す。

「どうしようか、相手方に魔術師がいるみたい。
 攻撃されたみたいで弱ってるんだ。
 かわいそうに……」

「攻撃魔術が使える奴なら、この辺に結界のひとつも張ってるかもな。
 恐らく根城はこの近くだろうが」

 ということはもしかしたら、まだ近くにいるのかも。ざわりと背中に緊張が走る。

『言葉を話すのも辛いよね……ごめん。
 でも教えて欲しいことがあるんだ。
 僕の事を名前でなく呼んだよね。もう一度聞かせてくれないかな』

『タリュスティンではなイなまエ?
 精霊王ノ愛シ子のこト?』

 それだ。
 あんまりにも大層な冠言葉なので、覚えられなかった。

『どうして僕の事をそんなふうに呼ぶの?』

『とくべツな子なノ、あたシタチしってル。
 うまれタとキ、王さマからタまシイノしゅくふクうけタ。だかラアたしたチ、はなシできル』

 産まれた時から?
 なら、ルーナは何か知ってるんだろうか。
 でも僕が精霊と話せたり姿が見える事を教えたとき、初耳だって驚いてたはずだ。

「何の話してんだ、さっきから」

「あ、ごめん。気になる事があったから。
 聞いておきたいこと、何かある?」

「その逃げた野党と魔術師らしいのが何処にいるか、くらいだな。
 根城がこのあたりだとしても、範囲が広すぎて探すのは骨だ」

 確かにこの森はかなり広い。捜索隊を組んで端から探すにしても数日はかかるだろう。

 野党が何処にいるかドリアードに尋ねてみると、普段はいないが時折決まった方角から現れると教えてくれる。
 ドリアードが指し示すその方角は、王都の方を指していた。

「王都の中か、その近辺の街だな。人を売るなら妥当か」

 不快感もあらわに腕を組んでサークは呟く。

 とりあえず今は聞くことも無くなったので、僕はドリアードに別れを告げる。

『お話してくれてありがとう。
 あなたを傷つけた人達はきっと捕まえる。
 また会おうね』

『うン。あたシもはなセテうれしカっタ』

 さわりと柳の髪をひとつ揺らしてから、ドリアードの姿が空中に消えていく。
 ふう、と僕は緊張していた身体の力を抜いた。

「ご苦労さん。疲れたろ」

 サークが微笑みながら僕の肩をぽんと優しく叩く。
 たったそれだけの事なのに、どきりと心臓が跳ねる。
 こんなの、馴れてるはずなのに。

「う、ううん、大丈夫」

「取り敢えず馬車に戻るしかねぇか。
 ウィルが騎士を寄越しても、捕まえる奴が居ねえし」

「そうだね……しかたないか」

「タリュスのせいじゃないだろ。
 そんなにしょげんな」

「ふぅん、お前タリュスにはそんなに優しいのね。薄気味悪いわ」

 それまで黙していたリファ様が、突然攻撃的に口を開いた。
 微笑を一瞬で消し、じろりと金の瞳に不穏な光を宿してサークが応戦する。

「あ?俺の相棒なんだから特別で当然だ」

 うわ、やめてやめて……恥ずかしい。
 でも、特別だって。どうしようもなく嬉しい。

 僕のそんな複雑な心境を察したのか、ルーナがぽんぽんと僕の腰のあたりを叩いて、にやりと笑った。

 そんな会話をしながら馬車へ戻る僕達の耳に、森の静寂を破って悲鳴が届いた。

「今の……」

「あの御者だな」

 僕とサークは視線を交わし、次の瞬間にはサークが街道の方へと駆け出していた。

「そいつら任せたぞ!」

「うん!」

 短い会話の後で、僕はルーナとリファ様の手を取って近くに引き寄せ、風の精霊に喚びかけて防御壁を周囲に張る。

「な、何よ急に!?」

「クレードルさんに何かあったみたい。
 サークが先に行ったから、僕達は隠れて様子見するよ。音を立てないでね」

「何かって……また人さらい……?」

「まだわからない。距離があるからまだはっきり感じないけど、多分複数いる」

 不安げに僕の腕に捕まり直して身を寄せてくるリファ様。
 対照的に、どこか好戦的に目をすがめるルーナ。

 うーん、全く怯えてないあたり、僕のおかあさんは頼もしいな。

 僕達は街道を目指し歩みを進める。
 やがて密集して生い茂る木が途切れ、日の光が地面まで届く辺りまで来たとき、話し声が聞こえてきた。

 一際太い幹を持つ木の影に身を潜ませて、僕は無言で人差し指を立ててリファ様とルーナを隠れさせた。
 神妙な面持ちで頷くリファ様。

 二人を守るためここを離れる訳にはいかないけど、様子が気になる。
 僕は向こうから見えないよう注意しながら、声のする方をそっと窺い見ることにした。

 クレードルさん、どうか無事でいて。




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