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一章
お手紙拝見します
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とりあえず丸く(?)場が収まったので、ダイニングから続く居間に騎士さん達を案内する。
簡素だけど応接用の椅子に腰掛けてもらい、コーヒーは出せないので紅茶をお出しした。
「いや、お構い無く。
我らは書状の返答を受け取り次第出立しなければならないんだ」
若い方の騎士さん、確かヤノスさんが遠慮する。
年配のイムジスさんは、むっつりと黙ったままだ。組んだ両腕の上で、指をせわしなくトントンと動かしている。
「そうなんですね。急いでいるところ申し訳ないんですけど、先にコーヒー淹れてあげたいので少し待って欲しいです。でないと、また」
「タリュス。いーから、こっち来い。湯沸いた」
僕の謝罪を遮ってサークがやかんの前に立ったまま呼ぶ。はーいと返事をして、僕は台所に向かった。
座って待てないくらい、楽しみみたい。
眉間に皺を寄せて湯気をたてるやかんを睨んでるから、他人にはそうは見えないだろうけど。
丁寧にコーヒーを淹れ、サークに白いマグカップを渡すと、薫りを満足そうに嗅いでからダイニングの席につく。
ゆったりと足を組んでコーヒーを飲んでいるサークの姿は、さっき雷撃を纏わせて壁を殴ってぶち切れてた人物とは思えない。
「全く魔術師というのは訳が解らん。
我が国に魔術師団が無いのは本当に幸いだな」
「そうですね……
しかし近年の魔獣の発生を考えると、やはり遠距離からも攻撃出来るという魔術師がいれば、被害を抑えやすいとは思いますが」
「ふん、軟弱者めが。我らの剣に勝るものなどないわ」
サークが同じ応接テーブルに着かないので、二人は焦りながらも待ってくれている。
とりあえず時間稼ぎになればと思い、僕は応接テーブルにクッキーも出してみた。
意外にもイムジスさんがクッキーに先に手を伸ばした。甘いもの好きなのかな?
「む、これは美味いな。どこの店の物だ?」
「本当ですね。甘すぎず食べやすいですよ。非番なら買い求めに行ったんですが」
つられるようにクッキーを食べたヤノスさんにも好評のようだ。
「美味いに決まってんだろ。タリュス謹製なんだからな」
褒められると嬉しいけど、ちょっと恥ずかしいな。
立ったままモジモジしている僕を、マグカップを持った手で指しながらサークが事も無げに言う。
驚いた様子で僕を見た二人が、なぜか動きを止めて見つめてくる。
そんなに見ないで欲しいです。絶対ほっぺた赤くなってるし。
「はぁ……その……なんとも……美し……いや」
「何だよはっきり言えよ」
気のせいか、ヤノスさんがわずかに頬を染めている。な、なんで?
「髪で顔が隠れていたから最初は気づかなかったが、良く見れば大層な美人だな」
さくさくとクッキーを食べたイムジスさんが、僕を見ながら頷く。
「料理も得意となれば、嫁にと望む者も多くなるだろうな。
どうだヤノス、ちと年齢差はあるが何かの縁と思って、早めに縁談を申し込んでは」
「ちょ、やめて下さいよイムジスさん!
あ、いや君が嫌だとかそうではなくて、その」
え、待って。その流れは……
ひきつり笑顔で固まる僕に、ニヤニヤとサークが近づいてきて肩に腕を回す。
もうコーヒーを飲み干したようで、機嫌がすこぶる良いようだ。
「だとよ、どうすんだ?
騎士団のガキに嫁ぐのか?」
もーっ、意地悪なんだから……
僕は咳払いひとつしてから、気持ち虚ろな目で二人に向き直る。
「あーっと、嫁には行けません。
僕、男なので」
宣言すると、さらにまじまじと見つめてきた。
そんなに女顔かなあ……
間違われるのはしょっちゅうだけど、傷つかないわけじゃないんだよ!?
僕の容姿はというと、金色の少し癖のある多毛の髪を、耳の部分だけ顎の辺りまで長くして後ろは襟足で短く整えている。
目は濃い外洋の蒼い色で、肌は白い。
日に焼けにくいらしく、赤くなりはしないが黒くもならない。せめて小麦色に焼ければ、この女顔も少しは男らしくなるだろうに。
体格も、毎日鍛えているのに女の子よりも華奢だ。
貧相な体型に見られるのが嫌で、少し大きめの襟のついたボタンシャツをエプロンの下に着ている。
下は動きやすいように、膝下までの長さのズボン。
騎士さん達みたいに、筋肉ある人が本当に羨ましい。
成長期前のはず……だから、長身のサークと並ぶと頭ひとつ半低い。
まだ十四歳なので、僕だって今後男らしく逞しくなる。予定なんだけど。
残念ながら初対面で必ず女の子扱いされてしまうのは、まだ声変わりしていないからかもしれない。
美人という評価は頂くけど、それはともかくせめて男に見られたい。
ちなみに、サークは自称二十五歳。
いつ誰に聞かれても、僕と会ってから何年経っても二十五歳と答えるので、実年齢は不詳だ。
実際にもっと子供の頃から一緒にいるけど、全く歳をとっていないように見える。
魔術師っていう特殊な職業だから、身体に特別な術でもかけているのかもだけど、本人は見た目に頓着する性格でもないし、本当のところはわからない。
「ま、タリュスが本当に女だとしても、どのみちお前にはやらねえよ。
俺を越える位の奴じゃねえとな」
意気揚々と、魔術師最高の地位を持つサークがいち騎士のヤノスさんに宣言した。
ほんともう、この話題ほんとに好きみたいだね!いつもイキイキして僕をからかってくるしね!
「それは、何というか……残念です」
何で結構がっかりしてるのヤノスさん……
イムジスさんも、ポンて肩叩いて。
慰めてるの?それは。乗り気だったの……?
お気に入りの話題で更に気分がいいのか、コーヒーのお陰で目が覚めたのか。
ようやくサークが応接テーブルについた。
どっかりと深くソファーに体を沈ませて長い足を組む。
「んで?アズヴァルド王家からの書状を見せて貰おうか」
待たせた挙げ句に、尊大な態度。
ああほら、イムジスさんのこめかみに青筋が……
「貴様……我が国の王から直々の御言葉であるぞ。
受け取るに相応の態度も取れんのか」
「はっ。
生憎、魔術師ってもんは総じて国家に属してないんでな。一応住まいは構えちゃいるが、従う責務もねえ。
もっと言えば手紙ごとき見てやる義理も無いんだが、お前ら帰す為だ。
おら早く出せよ」
肘掛けに頬杖をついて、ひらひらと左手を差し出す不遜極まりない態度に、僕は天井を仰いで溜息をついた。
一応サークが応対してくれたので、ダイニングテーブルについて様子を見ることにしたけど、大丈夫かな?
お湯を沸かすついでに温めたホットミルクを飲みながら、僕は騎士さん二人が怒り出さないか見守る。
それにしても、朝ごはんのオムレツは作りかけだし、お腹すいたなあ。
確かに早く帰って欲しいかも。
尚も不満そうなイムジスさんではあったし、ヤノスさんもさすがにむっとしたようだが話が進まないと判断したようで、懐から細長い筒を取り出した。
引っぱると抜ける形状の蓋がしてあり、そこに国の印が刻印されている。
差し出されたそれをサークはつまらなそうに受け取って、何か呟いた後で蓋を開け、中身を読み出した。
蓋を開ける前に、うっすらと青く筒が燐光を発したように見えたがすぐに消える。
特別性能のいい僕の耳が、「何だこのちゃちい封印。いらねーだろ」というサークの呟きを捕らえていたが、黙っておく。
騎士さん達は聞き取れなかったようだし、また評価をわざわざ下げる事もないだろう。
ともあれようやく当初の目的を果たした騎士さん達は、サークが手紙を読み終えるのを黙して見つめている。
彼らはこの後、サークが返答の手紙を書いたら王様に届けるまでがお役目なんだろうな。
……大人しく返事を書くといいけど。
何となく展開が読めている僕は、コクリとホットミルクを飲みながらこっそりと嘆息する。
そして手紙を読み終えたサークは、パサリと無造作にそれをテーブルの上に放り投げた。
「なっ……無礼であるぞ!我が王直筆の書面をこの様に扱うなど!」
「あーうるっせぇ。大した事書いてねんだし、いいんだよ。何なら見るか?中身」
「そ、その様なことが出来るか!我らの首が飛んでしまう」
怒るイムジスさんと狼狽するヤノスさんを鼻で笑い、サークは放り投げた手紙に右手をかざした。
人差し指に嵌めている指輪の、深紅の宝石部分が淡く紅い輝きを放ち始める。
すると、手紙からふわりと同じ光が浮き上がり始めた。
書かれていた文字が、紙からするすると剥がされて宙に留まり浮いているのだ。
驚いて固まる騎士さん達の目の前で、それは明滅しながら音を発し始める。
『久しく顔を見ていないが変わりはないか?
時々魔術師ギルドに確認した際には、息災だとは聞いているが』
若い溌剌とした男の人の声だ。
随分と砕けた口調に聞き覚えのある声。
ヤノスさんが驚いて呟く。
「これは……陛下のお声か?信じられん……」
『万が一君に何かあればマクヴィス少年は私の側に仕えさせるから、安心していていいぞ』
「えっ僕!?」
突然呼ばれたので反射的に大きな声が出てしまう。
『ところで君にこうして手紙を送ったのは、予想がついてるだろうが頼み事だ。
このところ魔獣が君達の住んでいる地域に近い辺りで多く発生している。
そこへ行って魔獣を殲滅してきて欲しい』
まるでお使いを頼むように軽いノリで頼んでくる。
一応魔獣って相当危険なんだけど。
凶悪な種類になれば、一晩で町ひとつ壊滅させるくらいには危険なんだけど。
『手紙を持たせた第六騎士団を討伐には向かわせているが、特段に魔術へ対策を打ってないのでな。
報酬は、そうだな……君が以前来たときに侵入しようとして失敗した、禁書庫の閲覧をひと月許可しよう。
あとはマクヴィス少年が貧しい思いをしないように、大金貨二百枚をつける』
「大金貨二百枚!?こ奴ごときにそのような大金を」
「イムジスさん、僕の給金一年分です……本気なんですかね、陛下……」
あ、ヤノスさんがしょんぼりしてる。
まだ若いんだし、これから頑張って武功をたてて出世して、お給料たくさん貰ってね。
ちなみにこの家のお財布を握っているのはサークだ。
僕には月に一度生活費と「お小遣い」が渡されるけど、僕は仕事の報酬として受け取っているつもりだ。
だってヤノスさんのひと月分の給金の倍額を貰って「お小遣い」とは言えないよね?
『魔獣の殲滅ついでに、原因も調べておいてくれ。そうしたらギルドにきちんと仕事をしたと報告しておく。
いくら君でも除籍されないように実績が必要だろう?
調査結果だが城まで報告に来るように。その時に禁書庫の鍵と報酬を渡す。
勿論マクヴィス少年を連れてだ。一人で来ても城には入れないからそのつもりでな。
現場の詳しい位置はそこにいる部下から聞いて欲しい。ではよろしく』
そこで手紙の内容は終わりのようで、光輝く流麗な文字は声を発しなくなり、するするとまた紙の上に戻っていった。
「な。大した事ないだろうが。
お前らに場所を聞けっつう位だから、俺が手紙の内容をお前らに話すなり読ますなりする前提だろ。
返答の手紙なんざ始めから必要ないんだよ。
つうか相変わらず生意気だなあのクソガキ」
「充分大事ですよ!場所を教えるだけで良かったじゃないですか今の!
陛下の書状の詳しい内容まで知ったとわかったら隊規違反で厳罰を受けるではないですか!」
「黙ってりゃわかんねぇだろそんなの。
それとも言いふらすつもりか?
自分の給金の年額を魔術師にあっさり渡す陛下はどうかしてるとかな」
「そ、そんな事はしませんよ……」
まあ、普通は進んで話したりしないよね。
でももしお酒が入ったりした時に、はずみで同僚とかに話しちゃうかも知れない。
人の口に戸は立てられないものだ。
「貴様への報酬については納得いかんが、魔獣討伐の依頼だと?
陛下は我らでは任務を果たせないとお思いなのか。
陛下を御守りすると剣に誓い、命を捧げた我らが力不足だと仰るのか」
「力不足っつうか、お前らじゃ力押ししか脳のない種類の相手が関の山だろ。
この国には基本魔獣が現れることも滅多にないから知らねぇだろうが、魔術がなけりゃ対抗できないような攻撃方法を持つ個体も存在する。
先見隊の報告か何かで、脳筋の個体じゃないと判断したから慌てて俺に依頼してんじゃねえの」
憤りを露にするイムジスさんに説明していくサーク。
言い方はあれだけど、誤解を生まないようにしているのかな?
「まあ……ともかく今の内容からすると、我らは王都に戻る必要はなさそうですね。
イムジスさん、彼らを連れてすぐに出立しましょう。
あまり本隊から離れると、魔獣との戦闘に間に合わなくなるかもしれませんよ」
我に返ったヤノスさんが慌てて立ち上がる。うむ、と頷いてイムジスさんも続いた。
「逸るのもいーけどよ。依頼を受けたとは言ってねぇぞ」
冷えたサークの声に驚いて、騎士さん二人が玄関に向けていた足を止めた。
今の流れからいくと、依頼を受けて当然みたいな空気なんだけど、僕の相棒は残念ながらそんなに素直な性格をしていないんだよね。
「何だと貴様!王命を違えると言うのか!?」
「王命だと?これはあくまで奴個人から俺という魔術師への依頼だ。
言ったろうが、俺ら魔術師は国家に属さない。力を借りたきゃギルドに依頼するか、個人同士での契約だ」
アズヴァルド王国を含めて、この大陸には四つの国があるけど、国境を越えて活動する魔術師ギルドという組織がある。
この大陸中心部にある巨大な湖、セス湖にある孤島に大きな搭を擁する町があって、魔術を扱う人達を統べる施設がある。それは通称魔術師の搭と呼ばれていた。
魔術師と呼ばれる人は必ずギルドに登録をしていて、能力に基づいた階級付けがされる。
魔術師が必要な事件などがあれば、各都市にあるギルドに依頼して、相応の階級の魔術師を派遣してもらうのだ。
サークみたいに個人間の契約で仕事をする魔術師の方が稀なんだそう。
魔術師だって生活があるから、自然と仕事が集まるギルドからの依頼を受ける方が効率がいい。
僕達にもギルドから仕事はくるんだけど、最高位の魔術師であるサークが必要とされる事件はこのところないらしくて、実は今回の依頼は半年ぶりの仕事になる。
収入の事が気になって、以前サークに仕事をしなくていいのかと聞いたら、普通の魔術師と別の仕事を上司経由で受けてるそうで、その報酬を得ているから心配しないで大丈夫だと言われたけど。
「ねえ、サーク。
この依頼、受けないつもりなの?」
僕はダイニングテーブルから離れて、ソファーに腰かけるサークの隣に立って聞いてみた。
サークは心底面倒くさそうな顔で僕をちらりと見上げてくる。
「別に魔獣退治程度、どうって事ないけどな。
あいつと顔合わせるのが面倒くさい。
報告に行って城にひと月滞在とか、ついでに厄介事を押し付けられる予感しかねえな」
「でも禁書庫には昔から興味あるんでしょ?
なら行こうよ。
僕も久しぶりに王都に行きたいな。
前に連れていってくれた時に泊まってた宿屋さんにも、顔を出したいし」
ぽすんとサークの隣に座って、不服そうな横顔に訴えかける。
「賑やかな街はちょっと苦手だけど……
あれから僕だって鍛えたんだしもう大丈夫。
前に色々あったから、心配してくれたんでしょ?
それとさ……魔獣の危険度はまだ分からないけど、サークを頼るくらいの相手なんだよね。
だったら、騎士さん達が危なくないように、ちゃんと全員が無事に家族の待ってる家に帰れるように守ってあげたい。
ね、一緒に行こう?」
金色の瞳が、横目のまま僕を静かに見つめてきた。
少しの間沈黙したサークは、大きな溜息をついてソファーに背を投げ出す。
「……分かった」
「ほんと!?良かった、ありがとうサーク!
大好き!」
気持ちが伝わったみたいだ、良かったあ。
僕は嬉しくなって、サークの柔らかな紫髪の頭をお礼にくしゃくしゃと撫でてあげた。
サークは払いのけるでもなく、観念したようにされるがまま。
「じゃあ、僕達もこれから準備するので……
あれ?お二人とも、どうしたんですか?」
意気揚々と騎士さん達を振り返った僕は、奇妙な光景に首を傾げた。
ヤノスさんは両膝をつき、両手を組んだ祈りの姿勢で天を仰いでいるし、イムジスさんは立ったままだけど右手で目頭を押さえて俯いている。
「何でもない……ただちょっと、君が産まれてくれた事に、神へ感謝の祈りを捧げずにいられなくて……」
「はあ……?」
ヤノスさんの返答の意味がよくわからず曖昧な返事をすると、突然イムジスさんが近づいてきて僕の両肩をがっしりと捕まえた。
な、なんで凄い顔で滂沱の涙を流してるの?こ、怖いよ?
「マクヴィス少年!君の博愛の精神には感服したぞ!
我ら第六騎士団が必ず魔獣退治を完遂し、無事にイグニシオン氏をここに送り届けると誓おう!
だから君は安心して帰りを待つといい!」
「コラおっさん。どさくさにタリュスに触るんじゃねえ」
瞬時に立ち上がったサークは、イムジスさんを僕からべりっと引き剥がした。
ああ、びっくりしたあ。
サークはがしがしと後ろ頭を掻きながら、うろんげに騎士さん二人を見遣る。
「俺を送り届けるから待ってろだ?何寝惚けてんだよ。
タリュスは小間使いじゃねえって何度言わせる。
俺の相棒なんだから一緒に行くに決まってんだろ」
「ああ、やっぱりそうだった?おかしいなと思ったんだよね……
自己紹介はしといたはずなんだけど……
ねえサーク。僕王都に行ったらこのエプロン新しくしようかな。
もうちょっと大人っぽいデザインの物が欲しいな」
小間使い扱いされる原因かもしれない、くまさんアップリケのかわいいエプロン。
裾をちょっとつまんでサークを見上げると、ふるふると頭を振られた。
「それはタリュスに一番似合うから新しくしなくていい」
「ええーっ……そんなぁ……」
何故か騎士さん達も、力強くうんうんと頷いている。
なにがそんなにいけないんだろう……
ともかくも、こうして僕達は半年ぶりに仕事の依頼を受ける事になったのだった。
簡素だけど応接用の椅子に腰掛けてもらい、コーヒーは出せないので紅茶をお出しした。
「いや、お構い無く。
我らは書状の返答を受け取り次第出立しなければならないんだ」
若い方の騎士さん、確かヤノスさんが遠慮する。
年配のイムジスさんは、むっつりと黙ったままだ。組んだ両腕の上で、指をせわしなくトントンと動かしている。
「そうなんですね。急いでいるところ申し訳ないんですけど、先にコーヒー淹れてあげたいので少し待って欲しいです。でないと、また」
「タリュス。いーから、こっち来い。湯沸いた」
僕の謝罪を遮ってサークがやかんの前に立ったまま呼ぶ。はーいと返事をして、僕は台所に向かった。
座って待てないくらい、楽しみみたい。
眉間に皺を寄せて湯気をたてるやかんを睨んでるから、他人にはそうは見えないだろうけど。
丁寧にコーヒーを淹れ、サークに白いマグカップを渡すと、薫りを満足そうに嗅いでからダイニングの席につく。
ゆったりと足を組んでコーヒーを飲んでいるサークの姿は、さっき雷撃を纏わせて壁を殴ってぶち切れてた人物とは思えない。
「全く魔術師というのは訳が解らん。
我が国に魔術師団が無いのは本当に幸いだな」
「そうですね……
しかし近年の魔獣の発生を考えると、やはり遠距離からも攻撃出来るという魔術師がいれば、被害を抑えやすいとは思いますが」
「ふん、軟弱者めが。我らの剣に勝るものなどないわ」
サークが同じ応接テーブルに着かないので、二人は焦りながらも待ってくれている。
とりあえず時間稼ぎになればと思い、僕は応接テーブルにクッキーも出してみた。
意外にもイムジスさんがクッキーに先に手を伸ばした。甘いもの好きなのかな?
「む、これは美味いな。どこの店の物だ?」
「本当ですね。甘すぎず食べやすいですよ。非番なら買い求めに行ったんですが」
つられるようにクッキーを食べたヤノスさんにも好評のようだ。
「美味いに決まってんだろ。タリュス謹製なんだからな」
褒められると嬉しいけど、ちょっと恥ずかしいな。
立ったままモジモジしている僕を、マグカップを持った手で指しながらサークが事も無げに言う。
驚いた様子で僕を見た二人が、なぜか動きを止めて見つめてくる。
そんなに見ないで欲しいです。絶対ほっぺた赤くなってるし。
「はぁ……その……なんとも……美し……いや」
「何だよはっきり言えよ」
気のせいか、ヤノスさんがわずかに頬を染めている。な、なんで?
「髪で顔が隠れていたから最初は気づかなかったが、良く見れば大層な美人だな」
さくさくとクッキーを食べたイムジスさんが、僕を見ながら頷く。
「料理も得意となれば、嫁にと望む者も多くなるだろうな。
どうだヤノス、ちと年齢差はあるが何かの縁と思って、早めに縁談を申し込んでは」
「ちょ、やめて下さいよイムジスさん!
あ、いや君が嫌だとかそうではなくて、その」
え、待って。その流れは……
ひきつり笑顔で固まる僕に、ニヤニヤとサークが近づいてきて肩に腕を回す。
もうコーヒーを飲み干したようで、機嫌がすこぶる良いようだ。
「だとよ、どうすんだ?
騎士団のガキに嫁ぐのか?」
もーっ、意地悪なんだから……
僕は咳払いひとつしてから、気持ち虚ろな目で二人に向き直る。
「あーっと、嫁には行けません。
僕、男なので」
宣言すると、さらにまじまじと見つめてきた。
そんなに女顔かなあ……
間違われるのはしょっちゅうだけど、傷つかないわけじゃないんだよ!?
僕の容姿はというと、金色の少し癖のある多毛の髪を、耳の部分だけ顎の辺りまで長くして後ろは襟足で短く整えている。
目は濃い外洋の蒼い色で、肌は白い。
日に焼けにくいらしく、赤くなりはしないが黒くもならない。せめて小麦色に焼ければ、この女顔も少しは男らしくなるだろうに。
体格も、毎日鍛えているのに女の子よりも華奢だ。
貧相な体型に見られるのが嫌で、少し大きめの襟のついたボタンシャツをエプロンの下に着ている。
下は動きやすいように、膝下までの長さのズボン。
騎士さん達みたいに、筋肉ある人が本当に羨ましい。
成長期前のはず……だから、長身のサークと並ぶと頭ひとつ半低い。
まだ十四歳なので、僕だって今後男らしく逞しくなる。予定なんだけど。
残念ながら初対面で必ず女の子扱いされてしまうのは、まだ声変わりしていないからかもしれない。
美人という評価は頂くけど、それはともかくせめて男に見られたい。
ちなみに、サークは自称二十五歳。
いつ誰に聞かれても、僕と会ってから何年経っても二十五歳と答えるので、実年齢は不詳だ。
実際にもっと子供の頃から一緒にいるけど、全く歳をとっていないように見える。
魔術師っていう特殊な職業だから、身体に特別な術でもかけているのかもだけど、本人は見た目に頓着する性格でもないし、本当のところはわからない。
「ま、タリュスが本当に女だとしても、どのみちお前にはやらねえよ。
俺を越える位の奴じゃねえとな」
意気揚々と、魔術師最高の地位を持つサークがいち騎士のヤノスさんに宣言した。
ほんともう、この話題ほんとに好きみたいだね!いつもイキイキして僕をからかってくるしね!
「それは、何というか……残念です」
何で結構がっかりしてるのヤノスさん……
イムジスさんも、ポンて肩叩いて。
慰めてるの?それは。乗り気だったの……?
お気に入りの話題で更に気分がいいのか、コーヒーのお陰で目が覚めたのか。
ようやくサークが応接テーブルについた。
どっかりと深くソファーに体を沈ませて長い足を組む。
「んで?アズヴァルド王家からの書状を見せて貰おうか」
待たせた挙げ句に、尊大な態度。
ああほら、イムジスさんのこめかみに青筋が……
「貴様……我が国の王から直々の御言葉であるぞ。
受け取るに相応の態度も取れんのか」
「はっ。
生憎、魔術師ってもんは総じて国家に属してないんでな。一応住まいは構えちゃいるが、従う責務もねえ。
もっと言えば手紙ごとき見てやる義理も無いんだが、お前ら帰す為だ。
おら早く出せよ」
肘掛けに頬杖をついて、ひらひらと左手を差し出す不遜極まりない態度に、僕は天井を仰いで溜息をついた。
一応サークが応対してくれたので、ダイニングテーブルについて様子を見ることにしたけど、大丈夫かな?
お湯を沸かすついでに温めたホットミルクを飲みながら、僕は騎士さん二人が怒り出さないか見守る。
それにしても、朝ごはんのオムレツは作りかけだし、お腹すいたなあ。
確かに早く帰って欲しいかも。
尚も不満そうなイムジスさんではあったし、ヤノスさんもさすがにむっとしたようだが話が進まないと判断したようで、懐から細長い筒を取り出した。
引っぱると抜ける形状の蓋がしてあり、そこに国の印が刻印されている。
差し出されたそれをサークはつまらなそうに受け取って、何か呟いた後で蓋を開け、中身を読み出した。
蓋を開ける前に、うっすらと青く筒が燐光を発したように見えたがすぐに消える。
特別性能のいい僕の耳が、「何だこのちゃちい封印。いらねーだろ」というサークの呟きを捕らえていたが、黙っておく。
騎士さん達は聞き取れなかったようだし、また評価をわざわざ下げる事もないだろう。
ともあれようやく当初の目的を果たした騎士さん達は、サークが手紙を読み終えるのを黙して見つめている。
彼らはこの後、サークが返答の手紙を書いたら王様に届けるまでがお役目なんだろうな。
……大人しく返事を書くといいけど。
何となく展開が読めている僕は、コクリとホットミルクを飲みながらこっそりと嘆息する。
そして手紙を読み終えたサークは、パサリと無造作にそれをテーブルの上に放り投げた。
「なっ……無礼であるぞ!我が王直筆の書面をこの様に扱うなど!」
「あーうるっせぇ。大した事書いてねんだし、いいんだよ。何なら見るか?中身」
「そ、その様なことが出来るか!我らの首が飛んでしまう」
怒るイムジスさんと狼狽するヤノスさんを鼻で笑い、サークは放り投げた手紙に右手をかざした。
人差し指に嵌めている指輪の、深紅の宝石部分が淡く紅い輝きを放ち始める。
すると、手紙からふわりと同じ光が浮き上がり始めた。
書かれていた文字が、紙からするすると剥がされて宙に留まり浮いているのだ。
驚いて固まる騎士さん達の目の前で、それは明滅しながら音を発し始める。
『久しく顔を見ていないが変わりはないか?
時々魔術師ギルドに確認した際には、息災だとは聞いているが』
若い溌剌とした男の人の声だ。
随分と砕けた口調に聞き覚えのある声。
ヤノスさんが驚いて呟く。
「これは……陛下のお声か?信じられん……」
『万が一君に何かあればマクヴィス少年は私の側に仕えさせるから、安心していていいぞ』
「えっ僕!?」
突然呼ばれたので反射的に大きな声が出てしまう。
『ところで君にこうして手紙を送ったのは、予想がついてるだろうが頼み事だ。
このところ魔獣が君達の住んでいる地域に近い辺りで多く発生している。
そこへ行って魔獣を殲滅してきて欲しい』
まるでお使いを頼むように軽いノリで頼んでくる。
一応魔獣って相当危険なんだけど。
凶悪な種類になれば、一晩で町ひとつ壊滅させるくらいには危険なんだけど。
『手紙を持たせた第六騎士団を討伐には向かわせているが、特段に魔術へ対策を打ってないのでな。
報酬は、そうだな……君が以前来たときに侵入しようとして失敗した、禁書庫の閲覧をひと月許可しよう。
あとはマクヴィス少年が貧しい思いをしないように、大金貨二百枚をつける』
「大金貨二百枚!?こ奴ごときにそのような大金を」
「イムジスさん、僕の給金一年分です……本気なんですかね、陛下……」
あ、ヤノスさんがしょんぼりしてる。
まだ若いんだし、これから頑張って武功をたてて出世して、お給料たくさん貰ってね。
ちなみにこの家のお財布を握っているのはサークだ。
僕には月に一度生活費と「お小遣い」が渡されるけど、僕は仕事の報酬として受け取っているつもりだ。
だってヤノスさんのひと月分の給金の倍額を貰って「お小遣い」とは言えないよね?
『魔獣の殲滅ついでに、原因も調べておいてくれ。そうしたらギルドにきちんと仕事をしたと報告しておく。
いくら君でも除籍されないように実績が必要だろう?
調査結果だが城まで報告に来るように。その時に禁書庫の鍵と報酬を渡す。
勿論マクヴィス少年を連れてだ。一人で来ても城には入れないからそのつもりでな。
現場の詳しい位置はそこにいる部下から聞いて欲しい。ではよろしく』
そこで手紙の内容は終わりのようで、光輝く流麗な文字は声を発しなくなり、するするとまた紙の上に戻っていった。
「な。大した事ないだろうが。
お前らに場所を聞けっつう位だから、俺が手紙の内容をお前らに話すなり読ますなりする前提だろ。
返答の手紙なんざ始めから必要ないんだよ。
つうか相変わらず生意気だなあのクソガキ」
「充分大事ですよ!場所を教えるだけで良かったじゃないですか今の!
陛下の書状の詳しい内容まで知ったとわかったら隊規違反で厳罰を受けるではないですか!」
「黙ってりゃわかんねぇだろそんなの。
それとも言いふらすつもりか?
自分の給金の年額を魔術師にあっさり渡す陛下はどうかしてるとかな」
「そ、そんな事はしませんよ……」
まあ、普通は進んで話したりしないよね。
でももしお酒が入ったりした時に、はずみで同僚とかに話しちゃうかも知れない。
人の口に戸は立てられないものだ。
「貴様への報酬については納得いかんが、魔獣討伐の依頼だと?
陛下は我らでは任務を果たせないとお思いなのか。
陛下を御守りすると剣に誓い、命を捧げた我らが力不足だと仰るのか」
「力不足っつうか、お前らじゃ力押ししか脳のない種類の相手が関の山だろ。
この国には基本魔獣が現れることも滅多にないから知らねぇだろうが、魔術がなけりゃ対抗できないような攻撃方法を持つ個体も存在する。
先見隊の報告か何かで、脳筋の個体じゃないと判断したから慌てて俺に依頼してんじゃねえの」
憤りを露にするイムジスさんに説明していくサーク。
言い方はあれだけど、誤解を生まないようにしているのかな?
「まあ……ともかく今の内容からすると、我らは王都に戻る必要はなさそうですね。
イムジスさん、彼らを連れてすぐに出立しましょう。
あまり本隊から離れると、魔獣との戦闘に間に合わなくなるかもしれませんよ」
我に返ったヤノスさんが慌てて立ち上がる。うむ、と頷いてイムジスさんも続いた。
「逸るのもいーけどよ。依頼を受けたとは言ってねぇぞ」
冷えたサークの声に驚いて、騎士さん二人が玄関に向けていた足を止めた。
今の流れからいくと、依頼を受けて当然みたいな空気なんだけど、僕の相棒は残念ながらそんなに素直な性格をしていないんだよね。
「何だと貴様!王命を違えると言うのか!?」
「王命だと?これはあくまで奴個人から俺という魔術師への依頼だ。
言ったろうが、俺ら魔術師は国家に属さない。力を借りたきゃギルドに依頼するか、個人同士での契約だ」
アズヴァルド王国を含めて、この大陸には四つの国があるけど、国境を越えて活動する魔術師ギルドという組織がある。
この大陸中心部にある巨大な湖、セス湖にある孤島に大きな搭を擁する町があって、魔術を扱う人達を統べる施設がある。それは通称魔術師の搭と呼ばれていた。
魔術師と呼ばれる人は必ずギルドに登録をしていて、能力に基づいた階級付けがされる。
魔術師が必要な事件などがあれば、各都市にあるギルドに依頼して、相応の階級の魔術師を派遣してもらうのだ。
サークみたいに個人間の契約で仕事をする魔術師の方が稀なんだそう。
魔術師だって生活があるから、自然と仕事が集まるギルドからの依頼を受ける方が効率がいい。
僕達にもギルドから仕事はくるんだけど、最高位の魔術師であるサークが必要とされる事件はこのところないらしくて、実は今回の依頼は半年ぶりの仕事になる。
収入の事が気になって、以前サークに仕事をしなくていいのかと聞いたら、普通の魔術師と別の仕事を上司経由で受けてるそうで、その報酬を得ているから心配しないで大丈夫だと言われたけど。
「ねえ、サーク。
この依頼、受けないつもりなの?」
僕はダイニングテーブルから離れて、ソファーに腰かけるサークの隣に立って聞いてみた。
サークは心底面倒くさそうな顔で僕をちらりと見上げてくる。
「別に魔獣退治程度、どうって事ないけどな。
あいつと顔合わせるのが面倒くさい。
報告に行って城にひと月滞在とか、ついでに厄介事を押し付けられる予感しかねえな」
「でも禁書庫には昔から興味あるんでしょ?
なら行こうよ。
僕も久しぶりに王都に行きたいな。
前に連れていってくれた時に泊まってた宿屋さんにも、顔を出したいし」
ぽすんとサークの隣に座って、不服そうな横顔に訴えかける。
「賑やかな街はちょっと苦手だけど……
あれから僕だって鍛えたんだしもう大丈夫。
前に色々あったから、心配してくれたんでしょ?
それとさ……魔獣の危険度はまだ分からないけど、サークを頼るくらいの相手なんだよね。
だったら、騎士さん達が危なくないように、ちゃんと全員が無事に家族の待ってる家に帰れるように守ってあげたい。
ね、一緒に行こう?」
金色の瞳が、横目のまま僕を静かに見つめてきた。
少しの間沈黙したサークは、大きな溜息をついてソファーに背を投げ出す。
「……分かった」
「ほんと!?良かった、ありがとうサーク!
大好き!」
気持ちが伝わったみたいだ、良かったあ。
僕は嬉しくなって、サークの柔らかな紫髪の頭をお礼にくしゃくしゃと撫でてあげた。
サークは払いのけるでもなく、観念したようにされるがまま。
「じゃあ、僕達もこれから準備するので……
あれ?お二人とも、どうしたんですか?」
意気揚々と騎士さん達を振り返った僕は、奇妙な光景に首を傾げた。
ヤノスさんは両膝をつき、両手を組んだ祈りの姿勢で天を仰いでいるし、イムジスさんは立ったままだけど右手で目頭を押さえて俯いている。
「何でもない……ただちょっと、君が産まれてくれた事に、神へ感謝の祈りを捧げずにいられなくて……」
「はあ……?」
ヤノスさんの返答の意味がよくわからず曖昧な返事をすると、突然イムジスさんが近づいてきて僕の両肩をがっしりと捕まえた。
な、なんで凄い顔で滂沱の涙を流してるの?こ、怖いよ?
「マクヴィス少年!君の博愛の精神には感服したぞ!
我ら第六騎士団が必ず魔獣退治を完遂し、無事にイグニシオン氏をここに送り届けると誓おう!
だから君は安心して帰りを待つといい!」
「コラおっさん。どさくさにタリュスに触るんじゃねえ」
瞬時に立ち上がったサークは、イムジスさんを僕からべりっと引き剥がした。
ああ、びっくりしたあ。
サークはがしがしと後ろ頭を掻きながら、うろんげに騎士さん二人を見遣る。
「俺を送り届けるから待ってろだ?何寝惚けてんだよ。
タリュスは小間使いじゃねえって何度言わせる。
俺の相棒なんだから一緒に行くに決まってんだろ」
「ああ、やっぱりそうだった?おかしいなと思ったんだよね……
自己紹介はしといたはずなんだけど……
ねえサーク。僕王都に行ったらこのエプロン新しくしようかな。
もうちょっと大人っぽいデザインの物が欲しいな」
小間使い扱いされる原因かもしれない、くまさんアップリケのかわいいエプロン。
裾をちょっとつまんでサークを見上げると、ふるふると頭を振られた。
「それはタリュスに一番似合うから新しくしなくていい」
「ええーっ……そんなぁ……」
何故か騎士さん達も、力強くうんうんと頷いている。
なにがそんなにいけないんだろう……
ともかくも、こうして僕達は半年ぶりに仕事の依頼を受ける事になったのだった。
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