神様の転生物語

kenzo

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1章、ブラームス王国

初依頼

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冒険者登録も出来たし早速リリに報告しないと。
「おい、ボウズ」
リリは何て言うかな?
「おいって!」
アル兄様カッコいいとか?うわー!うわー!
「コラ!無視してんじゃねー!(パン)」
「イテッ!何するんですか!いきなり人の頭を叩くなんて」
「うるせー、テメーが無視するからだ」
「人が幸せに浸ってる時に野郎の声何て聞こえる訳ないでしょ!」
「は?何逆ギレしてんだテメー」
「逆ではありません!リリの事を考えるのを邪魔されて怒るのは正しい事です、なので正ギレです」
「訳わかんねーよ、何だよリリって」
「な、アナタはリリを知らないのですか?あの天使を!正気ですか?!」
「うるせー!黙れぶっ殺すぞ、テメーもそのリリって奴も」
「あ?!(ブチ)」
「な、何だよ(な、なんだコイツ)」
「アナタはこの世に未練は無いのですか?」
「は?」
「未来永劫の苦痛を与えますよ」
(なんだこのガキの迫力は)
「俺はお前に良い話を持って来てやったんだぞ」
「良い話し?まぁ、良いでしょう聞きましょう」
「お前、偉そうだな」
「何を言ってるのですか、こんな可愛い子供を捕まえて、でも・・・リリの為なら僕は悪魔にも魔王にもなりますよ」
「お、おお」

「で、話ってなんです?」
「ああ、オメー登録したばっかりの新人冒険者だろ?」
「ええ、何を隠そうその通りです」
「俺はCランクのバズってんだ」
「はぁ、バズさん、僕はアルです」
「おおアルか、でな俺はボランティアで新人教育をしてんだ」
「へぇ、偉いんですね」
「まぁな、でな、明日からお前の面倒見てやろうかなってな、どうだ」
「それは有難いですが、何故僕なんです?」
「あー、それなぁ、聞いたんだがオメー、加護無しなんだって?」
「ええ、まぁ、そうですがどうしてそれを?」
「ギルドで聞いたんだ」
「受付さんですか?」
「おー、そうだ、彼女に頼まれてな加護無しは苦労するから手助けしてやってくれってな」
「成る程、加護を登録する事でこんな特典もあるんだ」
「あ、ああ、まあな」
「分かりました、明日から宜しくお願いします」
「ああ、じゃあ明日な」


はーぁ、やっぱり早起きは眠たいや。
でも、ムフフフ、思い出しても顔がニヤケる。
「アル兄様カッコいい」
いやー、力が湧いて来るってこの事なんだ。
父上、母上、兄上達も励ましてくれたし。
「がんばるぞー!おー!」
あ、変な子供じゃ無いですよ、只の可愛い5才児です。


「おはようございます」
おお、凄い混んでるし、しかも子供が多い。
「おーい、アル、こっちだ」
お、あれはバズさん
「おはようございますバズさん」
「おー、気合い入ってんな」
「バズさんは酒臭いですね」
おじさん、お口臭ーい!
「まぁな、昨日はちょっとした前祝いでな(バカな獲物を見つけたな)」
「それはおめでとうございます」
「お、おお、有り難うよ(めでてーのはテメーだよ)クク」
「依頼書はもう取ってある、ホレ、受け付けてこい」
「これはご親切に有り難うごさいます」
さて、受け付けてと、うわ、並んでるなー!

「次の方どうぞ」
「はい、お願いします」
「あら、アナタがアル君ね、バズから聞いてるわよ」
「宜しくお願いします」
「はい、えーと、荷運びと掃除、後は・・・、はい、確認しました。この依頼書を依頼者に、渡して達成欄の合否のどちらかに丸をして貰って下さい。それでは頑張って下さい」
「はい、有り難うごさいます」
よーしやるぞー!


「バズさん受付終わりました」
「おー、良しじゃあ行くか」
「はい」
さて、どこまで行くのかな?

ここは倉庫街かな

現場に到着するとガランと言う男が居た。
バズの仲間らしい。
子供相手だと足元を見る依頼主が居るらしく、その対策として大人のガランが依頼主と交渉をしてくれるらしい。
至れり尽くせりだ。
「よーし、じゃあ早速やるか」
「はい」

「この依頼はまずこの倉庫の中の荷物を、ホレその荷馬車に乗せるんだ、そしたら依頼主の店まで運んで指定された場所に降ろす」
「分かりました」
「じゃあ、俺達は他の仕事をしているからしっかり働けよ」
「はい」

人は見掛けに寄らず親切な人が居るものだ。
見掛けは胡散臭いけど、ププ
さて、やりますか!

これか結構多いな、ヨイショ!お、重!
ここは身体強化の出番だね!
『身体強化』っと!
ふん!むん!はっ!よっ!とうー!
ん?何この音?ミシミシ?・・・・・・あ!
荷馬車が悲鳴を上げてる。
ありゃ積みすぎた!過積載車だ! 
どうしよ、降ろすの面倒だし。
そうだ荷馬車に『強化』っと!
良しこれでバッチリだぜ!
ついでに馬君も強化して上げよう。
『強化』っと!うん、ざっと100馬力ってとこかな?馬一頭だけど。
うわー、それにしても積んだなぁ、大したものだ、うん、・・・これ崩れないかな?
えーい、大盤振る舞いだー!オートバランサー付けちゃえ。
作業終了ー!うーん、バズさん達まだ戻って来ないし、仕方無い、脳内メモリーのリリアルバムでも再生してるかな。

その後戻って来た二人と一緒に依頼主の店に荷馬車で向かい荷降ろしをした。
僕が作業をしている間にガランさんとバズさんが依頼主と交渉してくれている。

「待たせたな」
作業が終わって待っていた所にバズさんとガランさんが戻って来た。
何だか渋い顔をしている。
「悪い知らせだ」
「どうしましたか?」
「依頼失敗だ」
そんな・・・なんで
「どうしてですか?」
「仕事が雑すぎる、荷物の中身がメチャクチャだっとよ」
「そんな・・・」
「まぁ、初依頼はこんなもんだ、次からは気を付けろよ」
「・・・はい、すみません」
ショックだ、でも確かに勢いでやっつけた感があるかも。
次は気を付けよう!
「次はがんばります」
「おう、頼むぜ」


次に向かったのは魔道具屋だ。
製造現場の掃除らしい。
依頼主に預けられ二人は別の仕事に向かった。
「ここの掃除を頼む」
強面のザ職人って感じ人だ。
思わず「親方」って呼びたくなる。
親方は少し出てくると言って出ていった。
さて、まずは仕分けかな、
指先一つでホホイノホイっと!
次は、断捨離だー!
サッサと掃き、キュキュッと拭き拭き。
うーん、見違えたね、ヨシッと!
まだ親方は帰って来ないなぁ。
それにしても色々な魔道具が有って面白いかも。
これは何だろ?鑑定してみるかな。
へー結界を作る魔道具か、成る程ね、この聖霊文字が結界魔法を発生させてるのかな、じゃあこの聖霊文字を神聖文字に書き換えたら?
おお、パワーアップした!
よーし、他のヤツもやっちゃおー!

「戻ったぞ、どうだ」
「あ、お帰りなさい」
「問題は・・・てもう終わったのか!」
「はい終わりました」
「お前さん、ちっこいのに手際がいいな」
ウンウンと頷きながら部屋を見回してる。
「良し完了だ、依頼書出しな」
「すみません、依頼書はガランさんが持っているので」
「しょうがねえなぁ、奴が戻って来るまで適当に待ってな」
僕は外に出た。
では秘蔵のリリ画伯の絵でも観賞するかな。
無限収納(リリ専用)からリリの書いた絵の束をとりだす。

「おい、アル」
 「ん、あ、ガランさん」
「終わったぞ、行くぞ」
「あ、はい」
黙って歩くガランさんとバズさん、何だろう?
「アル」
魔道具屋さんから大分離れた所でガランさんが喋りだした。
「また、依頼失敗だ」
「えーそんなー!」
「あのオヤジ、相当怒ってたぜ」
「えー、そんな事無かったんだけど」
「バカか、子供相手に本気で怒る大人がいるか」
そうなのか、僕の代わりにガランさんが怒られたんだ。
「すみません」
「おお、気にするな、初めはこんなもんだ、次行くぞ」
うーん、イイ人だ。

結局、その後の依頼の3件も全部失敗だった。
働くって難しい物だと悟りを開いたアル5才。
良く良く考えれば前世も高校入学までだから働いた経験が無かったんだ。


ーーーある飲み屋にてーーー
「「「乾ー杯」」」
「いやー、只の小遣い稼ぎのつもりが飲み代にまでなるとはな」
「全くだ、加護無し様々だな」
「全くアンタ達見たいな悪党に捕まってあの子も可哀想だよ」
「テメーが言うんじゃねーよ、その金で飲んでる癖に」
「アタシはアンタ達に誘われて来ただけだよ、金の出所なんて知らないね」
「それにしても、あのガキも大したものだ、予想以上の働きだったらしくてどこも依頼の金額に上乗せしてくれたもんな、またあの子に頼んでくれってな、ククク」
「しかもギルドには依頼失敗って提出して違約金までせしめるんだからアンタの小狡さも中々のもんだよ」
「その恩恵を受けてんのはテメーらだろうが」
「全くだ」

こうしてガラン、バズ、デボラ(ギルド受付)の酒宴は続いた。



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