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最終話
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「──リーファリナ様! お久しぶりでございます……!」
「ブリジット嬢、来て下さって嬉しいわ。ティファ嬢もお久しぶりね。お二人とも元気にされていたかしら?」
「はい。リーファリナ様もお変わりなく、お元気そうで安心致しました」
あれから、二年が経った。
ルーカスが言っていた通り、サジュラタナ王国の王女、リーファリナは帝国の第二皇子と婚約を結び、皇太子が行っていた不正や悪逆非道な行いを白日のもとに晒して第二皇子を皇太子へと押し上げた。
そしてイェルガは帝国を混乱させた罪で罰を受けて数ヶ月間の謹慎、ノーズビート侯爵家への制裁が行われ、イェルガは国内で貴族達から犬猿される存在となった。
イェルガが力の強い魔法士と言う事もあり、皇帝は命を取るまでの罰は与えなかったが、皇太子へと押し上げたリーファリナの手腕でイェルガを魔法研究所の研究者として研究所に閉じ込める事に成功した。
これでもうイェルガは自由に帝国内を歩く事は出来ない。
この二年間は政戦とも言える程、帝国内部は大きく荒れていたが、第二皇子が名実共に帝国の次期皇帝と認められ、元第一皇子の派閥であった貴族達を大人しくさせた事もあってリーファリナはブリジットとティファを帝国に招待したのだ。
「まさかお声を掛けて頂けるなんて……! とても嬉しいです、それに、この度はおめでとうございます!」
ブリジットの言葉にリーファリナは美しく微笑む。
ブリジットとティファ以外にも、サジュラタナ王国の招待客は多い。
何故ならば今日は──。
「お久しぶりです、リーファリナ様。それと、ご結婚、おめでとうございます」
「あら、ラスフィールド卿。やっぱりブリジット嬢を追って来たのね。お祝いの言葉、ありがとう」
ルーカスの不機嫌そうな表情にリーファリナはおかしそうに笑い声を上げてしまう。
そう、今日は帝国の皇太子とサジュラタナ王国の元王女であるリーファリナの婚姻式だ。
婚姻式にはサジュラタナの貴族を多く招待していたが、招待したのは殆ど家門の長である当主とその夫人のみ。
ブリジットとティファはリーファリナが個人的に招待した。
そしてルーカスは次男であるため招待客に名前は乗っていなかったのだが、ブリジットに必ず着いて来るだろうと読んでいたリーファリナはおかしそうに笑みを深める。
「ラスフィールド卿は絶対にブリジット嬢に着いて来ると思っていたわ。けれど、ごめんなさいね? 今は女性だけでお話をしたいの。男性はさっさと出て行って?」
「──っ、リっ、リーファリナ様っ!」
にっこりと笑顔で「出ていけ」と口にするリーファリナに、ルーカスは慌てて口を開く。
「ブリジットに余計な事を吹き込まないで下さいよっ! ブリジットは昔から興味があるものに対して暴走する癖が……っ」
「まあっ! 暴走なんて……っ!」
ルーカスの言葉にブリジットは眉を吊り上げてむっと唇を尖らせる。
二人のそんな仲睦まじそうな様子に、リーファリナは嬉しそうに笑った。
「ふふっ、ふふふ……! ティファ嬢、ブリジット嬢とラスフィールド卿は相変わらずなのね?」
「ええ、そうなんですリーファリナ様。見ているこっちが胸焼けしてしまいそうな程! 私も早く素敵な婚約者が出来ると良いのですが……」
「あら。ティファ嬢は今年十九でしょう? そろそろ決まっても良さそうだけれど……」
「そうなのですが……中々お父様のお眼鏡に適う方がいらっしゃらず……」
「あらあら……シトニー侯爵も相変わらずのようね……。っ! そうだわ、帝国にとっても素敵な近衛騎士がいるんだけどね……年はティファ嬢と同い年の十九歳で……、お顔立ちも整っていると思うわ。けれど、少しだけ無愛想で令嬢達から怖がられていて未だに婚約者が居ない可哀想な人がいるの……。私の護衛騎士なんだけれど……ほら、そこの扉に居る」
「──えっ!」
リーファリナの言葉に、ティファはぐりっ、と勢い良く扉の方に顔を向ける。
そこには、突然リーファリナとティファから視線を向けられて困惑している近衛騎士が立っていて。
会話は聞こえて居なかったのだろう。
戸惑うような表情を浮かべてはいるが、確かにリーファリナが口にした通りとても顔立ちは整っている。
「じ、実は案内して下さった騎士の方があの方で……とても素敵な方、と思っていたのです……!」
「あらあらあら!」
ティファの照れたような表情と言葉に、リーファリナは嬉しそうに目を輝かせた。
「リーファリナ様……っ! そうやってブリジットも勧誘しないで下さいよ……! 私たちは数ヶ月後に式を控えているのですっ」
「だって、お友達が傍に居てくれたら楽しいじゃない? それより! 貴方達やっと結婚するのね。おめでとう。当日お祝いに行けないのが残念だわ……」
残念そうにするリーファリナに、それまで言い合いをしていたブリジットとルーカスは照れくさそうに顔を見合せた。
「──はい。私の学院の卒業に合わせて……」
「ふふ、そうだったのね。おめでとう。じゃあ、ブリジット嬢。結婚した後落ち着いたら帝国に遊びにおいでなさいな。貴女が興味のある魔法が、この国では至る所で目にできるわ」
「えっ! 本当ですか、リーファリナ様!」
リーファリナの言葉を聞いた途端、キラキラと目を輝かせるブリジットに、ルーカスが顔色を悪くさせる。
ブリジットの奔放な性格を考えれば、本当に「ちょっと出掛けて来ます」と言う軽い気持ちで帝国にやって来てしまいそうだ。
ブリジットを慌てて止めようとするルーカスを適当にあしらうブリジットを見て、リーファリナは声を上げてとても楽しそうに笑った。
─終─
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本編が終わってからもお読み頂きありがとうございます!
王女リーファリナと第二王子のお話まで!✨嬉しいです、ありがとうございます(๑•̀ㅂ•́)و✧いつかどこかで書きたいなぁ、とは思っているのですが中々難しく…💦申し訳ございません💦
最新作もお読み頂きありがとうございます!
これからも頑張ります、嬉しいお言葉沢山ありがとうございます✨
コメントありがとうございます!✨
そしてブリジットとルーカスの2人にもそう言って頂けて嬉しいです❁⃘*.゚
きっと2人はおじいちゃん、おばあちゃんになるまで楽しく仲良く過ごすと思います😊✨
わあ!王女リーファも気に入って頂けて嬉しいです!
めちゃめちゃ出来る王族!✨確かに女王にもなれそうです(๑•̀ㅂ•́)و✧
凄いカッコイイ人なので、ルーカスも尊敬してあれこれ引き合いに出しちゃいましたね( ◜ω◝ )💦
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