18 / 33
国境の街レゲンダ
第十七話 落ち込む騎士はすぐ笑う
しおりを挟む
寝室には真新しい木の衝立が用意され、元あったライラのベッドと勝手に運び込まれたバーンズのベッドを完全に仕切っていた。
ライラとバーンズがエルダーの店に行っている間に運び込まれ、しれっと鎮座しているのだ。
さすがにこれはないだろうと抗議したライラだが、時間も時間だったが、こともあろうにバーンズが宿を引き払ってしまったと聞き、項垂れながらも承諾したのだった。
――今日はずっと一緒に行動してたのに、いつ宿を引き払ったんだ?
ライラのそんな疑問は闇に葬り去られた。
広いとは言えない部屋に、寄り添うようにベッドがふたつ。遮るものは衝立のみ。その隔てられたベッドには、それぞれライラとバーンズが寝っころがっている。
夜も更け、明かりは頼りなく天井からぶら下がる小さなランプのみ。ちょうど衝立の真上にあるランプの中の油が切れれば闇に包まれる。
肌を重ねたことがあるとはいえ、バーンズが傍にいるという異常事態に、すやすやと寝られることができるほどライラも豪胆ではない。むしろ襲われるのではという不安を抱えている。
ライラは女性だ。バーンズに力で迫られれば押し倒されてしまうだろう。そんなことはないとライラは信じたいが、壁ドンをしてくるバーンズが襲ってこない確証はない。
――若さ丸出しで盛った猫みたいだったからなぁ。
不安を打ち消したい思考に浸っている内に、あの夜の記憶までも掘り起こしてしまったライラは悶々と衝立を睨んでいた。
「はぁ」
だが衝立の向こうから聞こえてくるのはため息ばかりだった。
エルダーの店に行ってからバーンズが落ち込んでいたのは見ているので、ライラも気にはしている。その落ち込みようが、ライラの感じている以上であるのが気がかりだった。
「ふぅ」
はぁ、から、ふぅ、に変わったところでため息には違いない。ライラは薄暗い中、衝立の向こうに意識を向けた。
「どうしたんだい。バーンズ君らしくないねぇ。確かに今日はミューズに先を越されちゃったけど、職人の居場所は手に入れたわけだし、収穫がなかったわけじゃないんだよ」
ライラはたまらず声をかけたが応答はない。若いバーンズは挫折に慣れてないのかも、とライラは感じた。
――若くして騎士になるくらい有能なのか、良いところの出なのか知らないけど。そういや年齢を聞いてないね。
ミューズに出し抜かれたことを気にしているのか落ち込んでいるバーンズが気になって仕方がない。抜けているようなへらっとしたあの顔が伏せ目がちしているなど、あまり見たくはないライラだ。
あーもーどーしよーと、乙女の心などとうに置き去りにしてきた年齢なのに、もだもだとライラは悩んだ。悩んだ末に言い訳を見つけた。
――仕方がない、おねえさんが一肌脱いであげよう。
といっても物理的に脱ぐつもりはさらさらないライラだ。よっこいせとベッドから立ち上がり衝立の脇をすり抜ける。すると仰向けに寝て薄暗い部屋の天井をぼんやりと眺めているバーンズが目に入った。暗くて表情は見えないが、冴えない顔になっているんだろうとライラが感じるほど、空気が重い。
「起きてる?」
バーンズがわずかに顔を動かす気配がした。
「……あれ、ライラさん、どうしました?」
一瞬、戸惑ったように声を詰まらせながらも、バーンズが普通に答えてくる。ライラの声が耳に入っていなかったようで、そのことがバーンズの抱えている問題が深いことを示していた。
ライラは「重症だなぁ」と小さく息を吐いた。
「バーンズ君が落ち込んでるからお姉さんが話でも聞いてあげようかと思ってさ。悩みがあったら外に吐き出してごらんよ。少しは楽になるよ」
ニッと口に弧を描いたライラはバーンズの頭の横に腰をおろした。ライラのベッドよりは柔らかいのか、ふにっとお尻が沈み込み、バーンズの頭も揺れる。
「いえ、大丈夫ですよ。僕が落ち込んでるように見えます?」
「何かが気になっちゃってあたしの声も耳に入ってなかったみたいだけど?」
強がりの笑みを浮かべるバーンズの頭にそっと手をやったライラが、ポンポンと優しくたたく。薄暗い中、バーンズの碧い瞳がくりっと向きを変えライラを捕らえた後、その視線を逸らした。
頼りなさげな明るさが取り柄のバーンズ君らしくないなぁ、とライラは心でぼやいた。
「いまなら特別にお姉さんが悩みを聞いてしんぜよう。こんなことはなかなかないぞ?」
促すように、ライラはまたポンポンと頭を叩く。バーンズの青い瞳の視線と絡まるが、その綺麗な目を閉じれらてしまった。頑固に拒否するバーンズに内心呆れながらもライラは諦めずに言葉を促す。
「そう考え込まれてもね、あたしも困るんだ。バーンズ君とミューズ閣下。どっちに勝って欲しいかと言えばね、君が勝つ方が、あたし的にもまだましなのさ」
ライラの言葉に、ふっとバーンズの目が開いた。
「いまとなっちゃあたしの意志なんて関係なく物事が動いちゃって、どうしたっていい結果にはなりそうもないんだ。ミューズが逃げ切ったらあたしには監視がついて飼い殺しだろうし。そうなったら酒も飲みに行けやしない。まだバーンズ君が勝ってくれた方が、あたしには救いなんだけどねえ」
ライラは大げさにため息をこぼしつつ、バーンズから視線をずらした。
バーンズがここレゲンダで頼っているのはライラだけなのだ。ミューズはその邪魔をするためにライラを引き入れようとしている。
ふたりの男に取り合いされているライラだが、実際はありがたくない取り合いだった。もはや自身の意志など考慮もされず、ただ事態の推移を見守っていることしかできないのだ。
であれば、なるべくましな方に転がしたいと思うのが人間である。ライラとしては、後妻にすると言ったミューズに引き取られて自由をなくすよりは、住民の非難を受けることになるかもしれないが、バーンズについた方がましだった。
仮に真実を知ったがゆえにレゲンダから連れ去られても、医師として生きては行けるだろうし、酒も飲めるだろう、と。
それに、あてにしているわけではないが、バーンズは〝守る〟と言った。騎士が言ったのだから、と駄々をこねてみる価値もあるだろう、という打算もある。王都の事は良く知らないが、騎士なんだからそれなりの地位があるだろ、というライラの勝手な思い込みでもあるのだが。
「それについては申し訳なく……」
むくりと上半身を起こしたバーンズが、濁しながら呟いた。即座に振り返ったライラは彼の鼻をつまむ。
「やっと起きたかい」
驚いて青い瞳を大きくしたバーンズに、ライラはつまんだ鼻をむにむにと左右に動かす。
「君が何に思い悩んでるのか知らないけどさ、このままじゃあたしも枕を高くして寝られないんだよ」
言いながら、鼻をむにむにする。
「もうバーンズ君とは運命共同体なんだよ、あたしは。ミューズに逃げ切られたらあたしは今後お酒が飲めないじゃないか。お酒のない人生なんか真っ暗で、あたしはごめんだよ」
内容はともかくとして、ライラは真面目にそう思っている。色々と失い諦めた結果、残ったのが煙管と酒なのだ。それを取り上げられたら、ライラは楽しみがなくなってしまう。
それだけは勘弁と、バーンズを気遣う気持ちとは別に、切に思っている。
ライラが語る内容が予想の斜め上なのか、バーンズの目は、あからさまにきょとんとしていた。
そして鼻声で笑い出した。
「あはは、そうですよね。ライラさんが困っちゃうんじゃ、僕が頑張らないといけないですよね」
鼻声のバーンズがへらっと笑った。
「頑張ったらご褒美もらえるんなら、僕、頑張っちゃうんですけど」
ライラは眉を歪めながらバーンズを見つめた。彼の青い瞳は期待にきらきらと光っているように見える。
「……何がご希望なのかな、バーンズ君」
「ご褒美はライラさんで!」
満面の笑顔のバーンズを見て、ライラは肺の中を空にするため息を吐いた。
「……十年早い!」
「あいててて、引っ張らないでください! 鼻がもげちゃいます!」
「もげたら施術で縫い付けるから問題ない」
「施術はちょっと……」
「まぁ、きちんと片づけられたら考え――」
「――言質は取りましたからね!」
本気で喜んでいるとしか思えないバーンズを見て、ライラは肩の力が抜けるのを感じた。
――心配したあたしが間違ってたのか?
心の内を見せないバーンズに、抜けの良いお仕置きのデコピンの音が響いた。
ライラとバーンズがエルダーの店に行っている間に運び込まれ、しれっと鎮座しているのだ。
さすがにこれはないだろうと抗議したライラだが、時間も時間だったが、こともあろうにバーンズが宿を引き払ってしまったと聞き、項垂れながらも承諾したのだった。
――今日はずっと一緒に行動してたのに、いつ宿を引き払ったんだ?
ライラのそんな疑問は闇に葬り去られた。
広いとは言えない部屋に、寄り添うようにベッドがふたつ。遮るものは衝立のみ。その隔てられたベッドには、それぞれライラとバーンズが寝っころがっている。
夜も更け、明かりは頼りなく天井からぶら下がる小さなランプのみ。ちょうど衝立の真上にあるランプの中の油が切れれば闇に包まれる。
肌を重ねたことがあるとはいえ、バーンズが傍にいるという異常事態に、すやすやと寝られることができるほどライラも豪胆ではない。むしろ襲われるのではという不安を抱えている。
ライラは女性だ。バーンズに力で迫られれば押し倒されてしまうだろう。そんなことはないとライラは信じたいが、壁ドンをしてくるバーンズが襲ってこない確証はない。
――若さ丸出しで盛った猫みたいだったからなぁ。
不安を打ち消したい思考に浸っている内に、あの夜の記憶までも掘り起こしてしまったライラは悶々と衝立を睨んでいた。
「はぁ」
だが衝立の向こうから聞こえてくるのはため息ばかりだった。
エルダーの店に行ってからバーンズが落ち込んでいたのは見ているので、ライラも気にはしている。その落ち込みようが、ライラの感じている以上であるのが気がかりだった。
「ふぅ」
はぁ、から、ふぅ、に変わったところでため息には違いない。ライラは薄暗い中、衝立の向こうに意識を向けた。
「どうしたんだい。バーンズ君らしくないねぇ。確かに今日はミューズに先を越されちゃったけど、職人の居場所は手に入れたわけだし、収穫がなかったわけじゃないんだよ」
ライラはたまらず声をかけたが応答はない。若いバーンズは挫折に慣れてないのかも、とライラは感じた。
――若くして騎士になるくらい有能なのか、良いところの出なのか知らないけど。そういや年齢を聞いてないね。
ミューズに出し抜かれたことを気にしているのか落ち込んでいるバーンズが気になって仕方がない。抜けているようなへらっとしたあの顔が伏せ目がちしているなど、あまり見たくはないライラだ。
あーもーどーしよーと、乙女の心などとうに置き去りにしてきた年齢なのに、もだもだとライラは悩んだ。悩んだ末に言い訳を見つけた。
――仕方がない、おねえさんが一肌脱いであげよう。
といっても物理的に脱ぐつもりはさらさらないライラだ。よっこいせとベッドから立ち上がり衝立の脇をすり抜ける。すると仰向けに寝て薄暗い部屋の天井をぼんやりと眺めているバーンズが目に入った。暗くて表情は見えないが、冴えない顔になっているんだろうとライラが感じるほど、空気が重い。
「起きてる?」
バーンズがわずかに顔を動かす気配がした。
「……あれ、ライラさん、どうしました?」
一瞬、戸惑ったように声を詰まらせながらも、バーンズが普通に答えてくる。ライラの声が耳に入っていなかったようで、そのことがバーンズの抱えている問題が深いことを示していた。
ライラは「重症だなぁ」と小さく息を吐いた。
「バーンズ君が落ち込んでるからお姉さんが話でも聞いてあげようかと思ってさ。悩みがあったら外に吐き出してごらんよ。少しは楽になるよ」
ニッと口に弧を描いたライラはバーンズの頭の横に腰をおろした。ライラのベッドよりは柔らかいのか、ふにっとお尻が沈み込み、バーンズの頭も揺れる。
「いえ、大丈夫ですよ。僕が落ち込んでるように見えます?」
「何かが気になっちゃってあたしの声も耳に入ってなかったみたいだけど?」
強がりの笑みを浮かべるバーンズの頭にそっと手をやったライラが、ポンポンと優しくたたく。薄暗い中、バーンズの碧い瞳がくりっと向きを変えライラを捕らえた後、その視線を逸らした。
頼りなさげな明るさが取り柄のバーンズ君らしくないなぁ、とライラは心でぼやいた。
「いまなら特別にお姉さんが悩みを聞いてしんぜよう。こんなことはなかなかないぞ?」
促すように、ライラはまたポンポンと頭を叩く。バーンズの青い瞳の視線と絡まるが、その綺麗な目を閉じれらてしまった。頑固に拒否するバーンズに内心呆れながらもライラは諦めずに言葉を促す。
「そう考え込まれてもね、あたしも困るんだ。バーンズ君とミューズ閣下。どっちに勝って欲しいかと言えばね、君が勝つ方が、あたし的にもまだましなのさ」
ライラの言葉に、ふっとバーンズの目が開いた。
「いまとなっちゃあたしの意志なんて関係なく物事が動いちゃって、どうしたっていい結果にはなりそうもないんだ。ミューズが逃げ切ったらあたしには監視がついて飼い殺しだろうし。そうなったら酒も飲みに行けやしない。まだバーンズ君が勝ってくれた方が、あたしには救いなんだけどねえ」
ライラは大げさにため息をこぼしつつ、バーンズから視線をずらした。
バーンズがここレゲンダで頼っているのはライラだけなのだ。ミューズはその邪魔をするためにライラを引き入れようとしている。
ふたりの男に取り合いされているライラだが、実際はありがたくない取り合いだった。もはや自身の意志など考慮もされず、ただ事態の推移を見守っていることしかできないのだ。
であれば、なるべくましな方に転がしたいと思うのが人間である。ライラとしては、後妻にすると言ったミューズに引き取られて自由をなくすよりは、住民の非難を受けることになるかもしれないが、バーンズについた方がましだった。
仮に真実を知ったがゆえにレゲンダから連れ去られても、医師として生きては行けるだろうし、酒も飲めるだろう、と。
それに、あてにしているわけではないが、バーンズは〝守る〟と言った。騎士が言ったのだから、と駄々をこねてみる価値もあるだろう、という打算もある。王都の事は良く知らないが、騎士なんだからそれなりの地位があるだろ、というライラの勝手な思い込みでもあるのだが。
「それについては申し訳なく……」
むくりと上半身を起こしたバーンズが、濁しながら呟いた。即座に振り返ったライラは彼の鼻をつまむ。
「やっと起きたかい」
驚いて青い瞳を大きくしたバーンズに、ライラはつまんだ鼻をむにむにと左右に動かす。
「君が何に思い悩んでるのか知らないけどさ、このままじゃあたしも枕を高くして寝られないんだよ」
言いながら、鼻をむにむにする。
「もうバーンズ君とは運命共同体なんだよ、あたしは。ミューズに逃げ切られたらあたしは今後お酒が飲めないじゃないか。お酒のない人生なんか真っ暗で、あたしはごめんだよ」
内容はともかくとして、ライラは真面目にそう思っている。色々と失い諦めた結果、残ったのが煙管と酒なのだ。それを取り上げられたら、ライラは楽しみがなくなってしまう。
それだけは勘弁と、バーンズを気遣う気持ちとは別に、切に思っている。
ライラが語る内容が予想の斜め上なのか、バーンズの目は、あからさまにきょとんとしていた。
そして鼻声で笑い出した。
「あはは、そうですよね。ライラさんが困っちゃうんじゃ、僕が頑張らないといけないですよね」
鼻声のバーンズがへらっと笑った。
「頑張ったらご褒美もらえるんなら、僕、頑張っちゃうんですけど」
ライラは眉を歪めながらバーンズを見つめた。彼の青い瞳は期待にきらきらと光っているように見える。
「……何がご希望なのかな、バーンズ君」
「ご褒美はライラさんで!」
満面の笑顔のバーンズを見て、ライラは肺の中を空にするため息を吐いた。
「……十年早い!」
「あいててて、引っ張らないでください! 鼻がもげちゃいます!」
「もげたら施術で縫い付けるから問題ない」
「施術はちょっと……」
「まぁ、きちんと片づけられたら考え――」
「――言質は取りましたからね!」
本気で喜んでいるとしか思えないバーンズを見て、ライラは肩の力が抜けるのを感じた。
――心配したあたしが間違ってたのか?
心の内を見せないバーンズに、抜けの良いお仕置きのデコピンの音が響いた。
0
お気に入りに追加
307
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる