上 下
38 / 50
第3章

第38話 日本臨時政府

しおりを挟む
 ヘリポートには大量の弾薬や重火器類が並べられていて、どんどんCH-47Jに積み込みをしていった。その横で白峰は飛行経路の確認を念入りにしていた。

「もう積載容量ギリギリです!積めません!」
「わかった、余った分は次回に回すから置いといて!」
「了解」

 私は諜報部のユリとカミナに完全武装を指示していた、彼女たちは大急ぎで着替えてきた。

「今終わりました!」
「急がしてごめん!すぐに出発するよ」
「「はい!」」

 そこに櫻木が大慌てで走ってきた、その顔はいったいこれは何事だ!という顔つきだった。

「おい!何があった!今日の飛行計画はないはずだぞ」
「全員搭乗!エンジン始動!」

 白峰はすぐに乗り込むとエンジンをスタートさせた、ユリとカミナが後ろから機体に搭乗していく。二人が乗ったのを確認すると扉はしめられた。

「準備いいね!今から私も乗り込む!」
「結衣!聞いてるのか!何がった!!」
「精細は無線で!今は時間が優先!」

 私は彼にそういうとヘリに乗り込んだ

「飛行経路確認できた?」
「問題ないよ」
「OK、なら行こう!離陸!」
「了解、テイクオフ」

 その後到着までおよそ4時間、長い旅になりそうだった。私は無線で櫻木に訳を話すと、櫻木も納得してくれたみたいで、最後にはいい判断だとほめられる始末だった。

 そのまま順調に飛行は進み、到着残り1時間となった。

「もうそろから、無線を入れろ、もしかしたら応答するかもしれない」
「無線OKです」
「こちら民間軍事会社S、だれか聞こえるなら応答してください。繰り返します、こちら民間軍事会社S、だれか聞こえるなら応答してください」

 そうして何度か呼びかけているとやっと反応があった。

「・・・・こ・・ら・・にほ・・・じ・・ふ」
「よく聞こえない」

 そうして数分待つこと・・・。

「あーあー、こちら日本国臨時政府、聞こえているか」
「こちら民間軍事会社S、よく聞こえています。至急そちらの村に着陸できる場所を確保してください、残り20分で上空につきます」
「何を言っている?着陸するだと」
「はい、あなた方にはなければいけないものを持ってきています」
「・・・・わかった、そのあと時間はあるかね」
「もちろんです」
「では、許可をしよう」

 私はそれと同時に無線を切った。

 同時刻日本臨時政府滞在村、本部

「なに?民間軍事会社を名乗るものから無線があった?」
「はい、着陸を要請してきましたが、確認せずに許可をだしましたがいいですか?」
「もちろんだ!我々のおかれている立場をわかっているだろう」
「はい、それはもちろんですか・・・」
「どうした?」
「この世界に私たち以外にもあの世界からの住民が来ているなんて」
「たぶんつい最近来たのだろう・・・」

 二人の会話はそこで終わった・・・。二人はそのまま外に出て周りを見回した

「やっぱりはったりですかね」
「いや、こんな世界だはったりはないだろう」

 と話していると北の見張りをしていた陸上自衛隊員が走ってきた。

「報告します!北のほうからヘリの音が聞こえます!」
「なに!本当か!」
「はい!間違いありません!!」
「あの無線ははったりではなかったのか・・・」
「これで私たちは救われますね」
「未確認機接近!もうすぐ見えます!」

「もうそろ上空だな、ヘリのライトつけろ」
「了解」

 そうして私たちはヘリのライトをつけた、ちょうど照らした先にさっきの二人組が立っていた。そのうちの片方の男が何を言っているかわからなかったが口を開いていた。

「CH・・・47J・・・なんでここに!」
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

処理中です...