8 / 10
第8話 初めてのデート
しおりを挟む
沙織ちゃんと2回目のお散歩デート。
ソクラテスはリードを持った沙織ちゃんをグイグイ引っ張った。
(沙織ちゃん、沙織ちゃん、ワテ、めっちゃ思いっ切り走りたいねん、いっしょに走ってくれへんかあ!)
「こらこら、ソクラテス、そんなに引っ張らないでよー。結構チカラあるのね?」
幸一はソクラテスの気持ちが分かっていたので、沙織ちゃんにそれを伝えた。
「ソクラテスはたぶん走りたいんだと思うよ、公園で思いっきり走らせてあげようよ」
「そうなの? じゃあこの前の公園に行きましょうか?」
ソクラテスは幸一を見詰めた。
(幸一、ようゆうてくれた、おおきにな!)
公園に着いてリードを外すとソクラテスは競走馬のように走り出した。
「幸一君の言ったとおりね? ソクラテス、すごく楽しそう」
「今日も天気がいいから良かったよ」
「でも大丈夫なの? リードを外しても?」
「ソクラテスは大丈夫なんだ、だってソクラテスは僕と話が・・・」
「えっ、ソクラテスは幸一君と話が出来るの!」
「僕と話が出来るような関係だと言う意味だよ。でも、犬と話が出来たらいいけどね?」
「そうね? ソクラテスと話が出来たら楽しいだろうなあ」
幸一は危うくソクラテスと話が出来ると言いそうになった。
ソクラテスも気が済んだようで、軽やかに幸一たちのところに戻って来た。
「おかえりソクラテス、楽しかった?」
沙織ちゃんはソクラテスの顔をもみくちゃにした。
そんなデレデレのソクラテスに幸一は嫉妬した。
(僕も犬になりたいよ、いいなあソクラテスは)
帰り道、沙織ちゃんが言った。
「今日も楽しかったなあ、ねえ幸一君、今度、一緒にご飯にいかない?」
幸一とソクラテスは思わず立ち止まり、ソクラテスは緊張のあまり、すぐに近くの電柱にオシッコをしてしまった。
「い、いいね? いいねご飯、沙織ちゃんは何が食べたいの?」
「そうだなあ、お好み焼きとかはどう?」
「うん、お好み焼きにしよう! どこかお勧めはあるの?」
「特にないけど幸一君はいいお店知ってるの?」
「調べておくよ、美味しいお好み焼きの店」
「じゃあよろしくね? いつにする?」
少し前かがみになって微笑む沙織ちゃん。
ヤバイ、胸の谷間と水色のブラジャーが浮いているのが見えている!
キュート&セクシー!
「明後日だと助かるんだけど、バイトが休みだから」
「じゃあ明後日、講義が終わったらね?」
幸一は夢を見ているようだった。
一緒に散歩するだけでもしあわせなのに、沙織ちゃんとお好み焼きデートだなんて!
クリスマスと誕生日とバレンタインとハロウィンが一緒に来たような気分だった。
家に帰ると幸一は、ソクラテスに前足で肩をポンポンされた。
「良かったやないか? 幸一。
憧れの沙織ちゃんと遂に交尾出来る日が来たやないか! このスケベ!」
「交尾はまだ早いよ。でもうれしいな、沙織ちゃんと初デートだよ? ソクラテス!」
幸一はソクラテスの背中を撫でた。
「ホンマに良かったな? はよう店を決めんといかんな?」
「調べてみるよ」
「何でも物事は最初が肝心や、しっかりとした、交尾までのシュミレーションを考えなあかんで?
ええか幸一? まずは場所や、どんなプロセスで交尾まで進むかや。
ようするに交尾をするホテルまでのルートを頭に叩き込んでおけっちゅうこっちゃ。
お好み焼きを食べながらする会話も重要やで。
その点、幸一は話題も豊富やし、何よりもあんさんのええところはしゃべりすぎないところや。
アホな奴ほど自分ばーっかり話しをしてけつかるよってな? これは最悪や。
ええな幸一、いかに相手と気持ちよく話しをするかが勝負や!
人は心を開いた人間には自分をもっと語りたいもんや。自分をもっと知って欲しいという心理が働く。
ここまで来れば交尾は50%成功したも同然やで。
話が盛り上がり、酒も入ればあとはそのままベッドインや。
だが気を抜いたらあかんで、沙織ちゃんの貞操は固いさかいな?
「それならしょうがないわね?」と自分自身を納得させられる「大儀名分」が女には必要なんや。
まあその辺はその場の雰囲気でアドリブしかないけどな?」
「明後日が楽しみだなあ」
そしてデート当日がやって来た。
大学のキャンパスを出ると、すぐに沙織ちゃんが訊いて来た。
「どうする? エッチしてからご飯? それともご飯食べてからエッチがいい?」
幸一はその場に倒れそうになった。
ソクラテスの心配は杞憂に終わった。
「ど、どっちでもいいよ」
「そう、じゃあまずホテルでやってからにしようか?
その方がお腹も空いてご飯も美味しいから」
「いいの、僕でも?」
幸一は童貞だったので、つい余計な事を口走ってしまった。
幸一は女心を読めない奴だった。
「あたり前でしょー、私、幸一君のこと好きよ。
幸一君と結婚して、ソクラテスと一緒に暮らしたいと思っているの。
だってヤリたいんでしょう? 私と?」
沙織ちゃんはクスッと笑った。
その仕草がとてもキュートだった。
その日、幸一は沙織ちゃんのご指導の元、無事、童貞を卒業することが出来た。
男のしあわせは「われ欲す」
女のしあわせは「彼欲す」である
ニーチェ(哲学者)
ソクラテスはリードを持った沙織ちゃんをグイグイ引っ張った。
(沙織ちゃん、沙織ちゃん、ワテ、めっちゃ思いっ切り走りたいねん、いっしょに走ってくれへんかあ!)
「こらこら、ソクラテス、そんなに引っ張らないでよー。結構チカラあるのね?」
幸一はソクラテスの気持ちが分かっていたので、沙織ちゃんにそれを伝えた。
「ソクラテスはたぶん走りたいんだと思うよ、公園で思いっきり走らせてあげようよ」
「そうなの? じゃあこの前の公園に行きましょうか?」
ソクラテスは幸一を見詰めた。
(幸一、ようゆうてくれた、おおきにな!)
公園に着いてリードを外すとソクラテスは競走馬のように走り出した。
「幸一君の言ったとおりね? ソクラテス、すごく楽しそう」
「今日も天気がいいから良かったよ」
「でも大丈夫なの? リードを外しても?」
「ソクラテスは大丈夫なんだ、だってソクラテスは僕と話が・・・」
「えっ、ソクラテスは幸一君と話が出来るの!」
「僕と話が出来るような関係だと言う意味だよ。でも、犬と話が出来たらいいけどね?」
「そうね? ソクラテスと話が出来たら楽しいだろうなあ」
幸一は危うくソクラテスと話が出来ると言いそうになった。
ソクラテスも気が済んだようで、軽やかに幸一たちのところに戻って来た。
「おかえりソクラテス、楽しかった?」
沙織ちゃんはソクラテスの顔をもみくちゃにした。
そんなデレデレのソクラテスに幸一は嫉妬した。
(僕も犬になりたいよ、いいなあソクラテスは)
帰り道、沙織ちゃんが言った。
「今日も楽しかったなあ、ねえ幸一君、今度、一緒にご飯にいかない?」
幸一とソクラテスは思わず立ち止まり、ソクラテスは緊張のあまり、すぐに近くの電柱にオシッコをしてしまった。
「い、いいね? いいねご飯、沙織ちゃんは何が食べたいの?」
「そうだなあ、お好み焼きとかはどう?」
「うん、お好み焼きにしよう! どこかお勧めはあるの?」
「特にないけど幸一君はいいお店知ってるの?」
「調べておくよ、美味しいお好み焼きの店」
「じゃあよろしくね? いつにする?」
少し前かがみになって微笑む沙織ちゃん。
ヤバイ、胸の谷間と水色のブラジャーが浮いているのが見えている!
キュート&セクシー!
「明後日だと助かるんだけど、バイトが休みだから」
「じゃあ明後日、講義が終わったらね?」
幸一は夢を見ているようだった。
一緒に散歩するだけでもしあわせなのに、沙織ちゃんとお好み焼きデートだなんて!
クリスマスと誕生日とバレンタインとハロウィンが一緒に来たような気分だった。
家に帰ると幸一は、ソクラテスに前足で肩をポンポンされた。
「良かったやないか? 幸一。
憧れの沙織ちゃんと遂に交尾出来る日が来たやないか! このスケベ!」
「交尾はまだ早いよ。でもうれしいな、沙織ちゃんと初デートだよ? ソクラテス!」
幸一はソクラテスの背中を撫でた。
「ホンマに良かったな? はよう店を決めんといかんな?」
「調べてみるよ」
「何でも物事は最初が肝心や、しっかりとした、交尾までのシュミレーションを考えなあかんで?
ええか幸一? まずは場所や、どんなプロセスで交尾まで進むかや。
ようするに交尾をするホテルまでのルートを頭に叩き込んでおけっちゅうこっちゃ。
お好み焼きを食べながらする会話も重要やで。
その点、幸一は話題も豊富やし、何よりもあんさんのええところはしゃべりすぎないところや。
アホな奴ほど自分ばーっかり話しをしてけつかるよってな? これは最悪や。
ええな幸一、いかに相手と気持ちよく話しをするかが勝負や!
人は心を開いた人間には自分をもっと語りたいもんや。自分をもっと知って欲しいという心理が働く。
ここまで来れば交尾は50%成功したも同然やで。
話が盛り上がり、酒も入ればあとはそのままベッドインや。
だが気を抜いたらあかんで、沙織ちゃんの貞操は固いさかいな?
「それならしょうがないわね?」と自分自身を納得させられる「大儀名分」が女には必要なんや。
まあその辺はその場の雰囲気でアドリブしかないけどな?」
「明後日が楽しみだなあ」
そしてデート当日がやって来た。
大学のキャンパスを出ると、すぐに沙織ちゃんが訊いて来た。
「どうする? エッチしてからご飯? それともご飯食べてからエッチがいい?」
幸一はその場に倒れそうになった。
ソクラテスの心配は杞憂に終わった。
「ど、どっちでもいいよ」
「そう、じゃあまずホテルでやってからにしようか?
その方がお腹も空いてご飯も美味しいから」
「いいの、僕でも?」
幸一は童貞だったので、つい余計な事を口走ってしまった。
幸一は女心を読めない奴だった。
「あたり前でしょー、私、幸一君のこと好きよ。
幸一君と結婚して、ソクラテスと一緒に暮らしたいと思っているの。
だってヤリたいんでしょう? 私と?」
沙織ちゃんはクスッと笑った。
その仕草がとてもキュートだった。
その日、幸一は沙織ちゃんのご指導の元、無事、童貞を卒業することが出来た。
男のしあわせは「われ欲す」
女のしあわせは「彼欲す」である
ニーチェ(哲学者)
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
★【完結】進め‼︎ 宇宙帆船『日本丸』(作品230720)
菊池昭仁
現代文学
元航海士だった私のマザーシップ 横浜に係留されている帆船『日本丸』が あの宇宙戦艦になったら面白いだろうなあというSF冒険・ギャグファンタジーです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる