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序章

第1話:転生

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「························い!!」

  この寝言でルイは飛び起きた。はああと大きなため息をつく。ここで、ルイは大事なことに気づく。
 
 「···なんか···いや、全然違うぞ。何だここ」
 
 そこは、ルイのオタク自分部屋ではなかった。中世の王族か、貴族が住んでいるような、絢爛豪華できらびやかな高貴な部屋。その部屋の、カーテン付きベッドに座り込んでいる。
 
 「はっ、まさか、俺にも今話題の異世界転生というやつがやってきたのか!!よっしゃあああああ!!!ハーレムキタコレエエエエエエエ!!!·········それで、俺にいきなり抱きついてくるであろう巨乳清楚系美女は?」

  喜ぶルイをよそに、巨乳清楚系美女が部屋に入ってくる。
 
 「目が覚めましたか。一条瑠衣様。私は抱きつきはしませんが······」
 といいつつ、照れる様子も何も無い。
 
 「君は?何で、俺の名前を知ってるの?」
 
 「知らないはずがないでありませんか。あ、私の名前は、ルエラズアです」
 
 勝手に話を進めてしまうルエラズアに動揺を隠せないルイ。
 
 「いや、何で知ってるのが常識みたいになってんの?てか、ルエラズアて······言いにくいな。他の言い方ないの?」
 
 「もちろん、存じ上げておりますよ。なぜなら、あなたはこの世界を救うために召喚された勇者様なのですから。ああ、あと私のことは、ルエラとお呼びください」
 
 ルイは、耳を疑った。
 ――は·········?勇者?え?
 
 「はあああああああああああ!?え?ハーレムもののコメディ一じゃないの!?」
 
 「ハーレム?コメディー?何をおっしゃっているのです?勇者様」
 
 と、勇者―――ルイに向かってルエラは笑う。

「じゃあ、戦うってこと?なんか.....悪そうなやつと!!」

「そうですね。そうなります」

「嘘だろ·········」

言葉を失い、呆然と立ち尽くしているルイをよそに、

「ええ、ですので、詳しくご説明いたします。こちらへどうぞ。勇者、ルイ様」

まるで、マニュアルがあるかのように淡々と進めるルエラ。

「終わった···············異世界に転生されて、美少女達に囲まれるのが夢だったのに······」
 



―――俺の、異世界での物語が始まった。
 
 
 
 
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