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第2章『お仕置き生活続行中』
第27話「困った父親」
しおりを挟むもうびっくりしたよ。
こっちの事は僕がちゃんとするのに……
まさか父上たちがレンヌに手を出す気だったとは。
余計な事をする前に気付いて良かった。
卒業するまでは待っててって!
でも、もうジュリアンも辺境行っちゃったし。
あとはシャルをどうにしかしたらもう良い?
「もともと、この国自体は恨みはないしね」
「……何です?」
ユベールの何気ない独り言に、リーゼが聞き返した。
「……父上の事だよ。リーゼは何か聞いていない? そもそも何でこの国なの」
「何でレンヌなのだろうとは、私も思いましたけど、陛下のなさる事ですし」
「もうかれこれ1年半も友達0人の学園生活を続けているけど、そもそも、僕の能力に合った学校ならこうはならなかったと思うんだけど」
「確かに国元にはお友達、大勢いらっしゃいましたね。子供の頃は……」
そうだよ。
僕は別に引っ込み思案とかじゃないし。
カイトゥスに帰れば、同年代の友人は大勢いるはず。
まあ、ずっと帰ってないから、忘れられているかもしれないけど。
「ジュスティーナが急に現れるから、びっくりしたよ。レンヌを三日で焼き尽くしますとか、相変わらず物騒な事言ってたけどね」
「あの方らしいですね。それでどうするのですか?」
「ジュリアンはもういいかなって。辺境に引っ込んでいるならこれ以上は、大してする事もないし。シャルをどうにかしたら、仕返しはもう終ろうかなって」
「皇帝陛下がご納得なさるとは思えませんけどね」
顎にて手を当てて『う~ん』と言う。考えてもみてもやはり答えは変わらないようだ。
「心配するなら僕を他の国に遣ってくれたら良かったのに」
「そうですね。こう言っては何ですが、庶子のユベールさまを構いすぎですよね。皇帝陛下は。それに皇妃さまもそうですし」
そうなんだよな。
父上は血縁だからまだ分からなくもないけど。
皇妃さまは、僕とは血が繋がっていない。
シーア姉さまと親しくなったのも、元は皇妃さまのお陰だし。
亡くなった兄上たちとも親しかったけど。
それも全て皇妃さまのお陰なんだよね。
何で?
腑に落ちない。
―――
お世辞にも趣味が良いとは言えない邸宅の、二階部分の窓際にシャルリーヌの姿があった。
ここ最近はその場所が彼女の定位置になりつつある。
この邸宅に捕らわれてからは、シャルリーヌが自由に行き来できるのは彼女の部屋のみだった。
だから、せめて外の世界が見える窓際が、定位置になりつつあるのだ。
「今日はいい天気だよ。シャルリーヌ、窓際から見える景色も素晴しいだろう?」
口では当たり障りの無い言葉を言いながらも、老人の手や、指先は、いつものようにシャルリーヌの身体に触れている。
ジェドとは違って、だいぶねちっこい触り方をする。
シャルリーヌはこういう風にされるのが、本当に嫌だと思っていた。
どっちにしろ嫌は嫌だが、まだジェドのほうがましだと思っている。
何より嫌なのが、慣らされてしまって、最初ほど嫌だと感じずに受け入れてしまっている事だ。
自分が別の何かに作り変えられているようで、心底、嫌になる。
この何も無い、何も出来ない場所で、シャルリーヌはいつもそう考えていた。
これならいっそ純潔を奪われているほうが、よほど諦めがついたかもしれないのに。
来る日も来る日も、聞きたくもない話を聞かされながら、ただ、舐め回されて、触られるだけだった。
(この爺さんは何がしたいのよ……いつまで待っても誰も助けに来ないし、私がここに居るのをきっと、誰も知らないんだ。ユベールもそうなの? うん。そうよ、知っているなら。もう助けに来てくれているはず……あぁ、ユベール……)
「そろそろ、お前もいい感じに仕上がったね? ほほほほほ」
そう言ってシャルリーヌのある部分を強く摘まんだ。
「……んッ……痛いわねッ……」
「その割には喜んでいるようじゃが? お前はこういう癖があったのか」
(好きに言えばいい。自分が穢れ切っているのを……私は良く分かっているから、元の自分に戻れるとは思っていないわ。でも、貴方は私を受け入れる? 受け入れてくれる? いつか助けに来てくれたら、私は貴方にそう尋ねたい。でも、それはいつなの?)
*****
シャルリーヌは基本、放置プレイです(´ー+`)
*****
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