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第2章【交わる二人の歯車】

12罪‬ 一番じゃないと③ ‪‪❤︎‬

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「……心は雪ちゃんのものでも、体は私のものよ――そうでしょう?」

 そう言って、静はヴェルの首に手を回し引き寄せた。顔が近づき、唇が重なり合った。

「本物のキスを教えてあげるわ――」
「――んっ」

 静がぽつりと呟いたのと同時に、触れた唇が静の舌でこじ開けられ舌がねじ込まれ、口内を動き回る静の舌がヴェルの舌を見つけ出し、絡みつく。
 二度目の濃厚な口づけに、ヴェルは前に教え込まれた快感を思い出した。ぞくりとした感覚を覚え、ヴェルのペニスがむくりと反応を示した。少しずつ硬くなるソレに静は手を伸ばした。

「体は正直ね」
「そう教え込んだのは……誰だっけ?」
「私、ね。私の体を欲するようにしてあげたんだもの」

 ヴェルの服の中に手を差し込むと、指先だけで彼の肌をなぞる。そのくすぐったいような快感に、ヴェルの体はビクッと震えた。静の指は敏感な場所を避けるように肌を滑る。

「けれど、毎回毎回私がヴェルくんを攻めるのは面白くないわ。これじゃあ、私がヴェルくんを欲しているようじゃない」

 その通りだろ、とツッコミを入れたくなる気持ちを堪え、ヴェルは静を真っすぐ見つめた。そのヴェルの視線を静も真正面から受け止め、にこりと笑った。

「ね、ヴェルくんだってデキるでしょう?」
「……ッ。俺に、あんたを気持ちよくさせろ……と?」
「ええ、そうよ。だって、私はあなたに一番に扱ってほしい……って言ったわよね? このままじゃ、私がヴェルくんを一番に扱ってるようにしか思えないわ」

 吐息交じりにヴェルの耳元で囁いた。その熱い吐息に、ヴェルはびくっと体をはじけさせる。その様子に静は満足気に口元を歪めると、ツツツ――……とヴェルの脇腹のあたりを指の腹でなぞり下へと手を伸ばしていく。

「別に、心までちょうだいなんて言ってないのよ」

 そう言いながら、静はヴェルのペニスを服の上からきゅっと握った。快感に高ぶったソレは熱く硬くそそり立っていて、静の手のひらに広がる硬さにぺろりと舌なめずりをした。その姿が妖艶で、嫌に目につく。

「く、そ……ッ」
「ふふふ……それでいいのよ」

 ヴェルには静の願い通りに、望むままに、思い通りに行動するしかなかった。
 低く小さく吐き捨てるように声を漏らすと、ヴェルは片腕で自分の体重を支え――静の服をたくし上げると、そこからこぼれんばかりに現れた大きな胸をワシっと右手で掴んだ。柔らかく大きな胸はヴェルの手のひらからこぼれんばかりに溢れ出る。

「ほら……私を気持ちよくして……?」
「…………ッ」

 ヴェルの両頬を静の両手が覆うように触れ、甘く囁くその声に視線を逸らしたい衝動に駆られた。けれど、そんなことはヴェルには許されておらず、ヴェルができることはただ静の望むままに彼女を愛撫し、絶頂させるしかなかった。
 悔しそうに表情を歪めると、ヴェルは手で触れていない方の静の胸に顔を近寄らせた。鼻先に静の胸が近づき、一瞬戸惑ってからヴェルはその胸の頂きにある乳首に舌を這わせた。

「ん……」
「あっ……ん……」

 鼻から息を漏らしながら、ヴェルは静の乳首を舌でコロコロと転がした。主張をしていなかった乳首は次第に硬さを帯び、ヴェルの舌先にその存在感をアピールした。
 硬くなっていく乳首を舌で転がしたり舌先で弾いたり、じゅっと音を立てて吸ったり歯を軽く立てて甘噛みをしたり、さまざまな刺激をヴェルは静に与えていった。胸を掴んでいたヴェルの手も、舌に負けじと乳首をいじり、指ではじき、人差し指と親指でぎゅっとつまむ。そのたびに、ヴェルに組み敷かれた静は甘い声を上げた。

「んっ……気持ち、いいわ……」

 嬉しそうにうっとりとした表情を浮かべ、静はその快感に体をくねらせた。次第に快感が強くなっていったのか、静は両膝をすり合わせるようにして腰を動かし始めた。それは触れてほしい合図。それは、より一層強い快感を求める動きだった。
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