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第9章 最後の桜と変わる雰囲気

127時間目 これからのこと

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 んんー、進路か。俺ってしたいこととか無いんだよな……。進路希望調査の紙を見つめながら、俺はそんなことを考えていた。

 正直、進路のことはボヤっとしか頭のなかに無くて、実感がないのだ。そっか。高校でたらすぐにでも働くこと出来る年齢なんだよな。大人にならなきゃいけない年齢なんだよな。

 進路のことを考えているとやっぱり、思うのは小春こはるとの将来についてだ。学生の付き合いは遊びだなんてよく言われるけど、絶対そんなことはない。遊びなら、例えば、束縛が激しい相手のせいで苦しむなんてニュースがでないからだ。事件や問題になっている時点で遊びの恋なんてものはないのだ。

 俺は束縛なんてしないし、むしろ、自由にしていると思う。嫉妬なんて微塵も沸いてこない。

 小春とこれから、俺はどうしていきたいのか。それを考え、行動に移すまでの時間が刻々と迫ってきているだろう。

 きっと、この日常や悩んでいる時間はほんの一瞬で気がつけば受験も終わって新しい未来に皆進もうとしている。

 俺は、なにをするどうする。

 小春となにをしたいどうしたい。

 ……まだ答えはでないけど、小春と真摯に向き合って、生きていく覚悟は出来ている。

 お互いの悩みを分かち合い、二人で寄り添って生きていくことは、頭に浮かんでいる。

『敦志君なら大丈夫』

 クリスマスデートのときに小春が言ってくれた言葉をココ最近、未来のことで不安になったとき、思い出すようにしている。

 これを思い出すだけで、いつでも身近に彼女を感じられる。一時期は遠距離恋愛だということに気がついて正直、普通に恋愛を出来ているヤツらを羨んだりしたけど、距離があるこそ、会ったときに前より素敵な人になって会いたいと思うようになった。距離があるからこそ、一緒に居てくれていることが当たり前じゃないと認識させられた。

 どんなに辛いことがあったって、大切な人といるだけで笑い話に変えられるような気がする。

 考えたが答えが出なかったので、俺は親に聞くことにした。これまで俺を育ててくれた親に感謝の思いも込めて、相談することにした。

 俺のことを一番分かっていて、俺が知らないことも分かっていて、誰よりも俺が大事な両親。

 二人はどんな答えをだしてくれるのだろうか。

 批判は恐れない。否定は納得するまで意見を聞く。

 肯定は理由を何度も聞く。それが俺のやり方でスタンスだ。

 これからのことはまだ、誰にも分からない。どうなるかは知らない。けど、大事な友人たちが居てくれることで俺はいつも笑顔だったし、本当に大好きな彼女のおかげで大切なものに気がついて、幸せに満ち溢れている。

 きっと、こんなありふれた当たり前の幸せは、他にない。最高すぎるぜ。この人生。

 だけど、もっともっと、幸せにしてやる。なってやる。自分を幸せに出来るのは自分だけだから。
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