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第7章 光ある文化祭 ─優しさと後悔の罪─
100・3時間目 恋人と従妹がいる文化祭
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鷹乃と別れたあと、俺は先程同様、二人の人物を探していた。
しかし、去年は昼間はメイドカフェをやっていたから室内でいたから分からなかったが、グラウンドの人混みは半端じゃない。
三年生の露店を食べる人やどこに行こうかと移動している人が多すぎて、結構探すのに苦労する。
「……集合場所決めときゃよかったな」
去年は誘ってはいなかったが、二人の人物──小春と南──はたまたま出会って一緒にきた。
それがキッカケで仲良くなった二人は今年は一緒にくると小春から電話が入ったのだが、その二人は見つからない。
いったいどこにいるのか俺はがむしゃらに探しているが、一行に二人は見つからない。
「どこにいるんだよ……」
俺は半分焦り、半分心配を持ちながら、校門前にたどり着き、キョロキョロとそこから見てみると、
「「わあっ!」」
と二重の女子の声が聞こえて、ピョコンと小春と南が校門前でいた。
「……よかった。どこにいたんだ?」
俺は心配しながらそう訪ねると、
「敦志君、反応薄いね……」
「あつにい、それはないわー。ほんまにその反応はないわー」
小春からは苦笑を、南からはジト目で言われた。
「あぁ、ごめんて。いやでもよかった。二人ともちゃんと来てくれて」
「なんや? ウチらがこうへんと思ってたん?」
「そんな薄情なことしないよ。敦志君の文化祭だよ? 彼氏の文化祭だよ? 楽しみに決まってるから行かないわけないじゃん!」
南から再びジト目を向けられる。そして小春はその気持ちは嬉しいが、こんな場所──結構人が集まっているところで言われるとめちゃくちゃ恥ずかしいから止めてほしい。
あぁ、そこの女子のグループとかすごい顔になってるし!
なんで高橋なんぞにあんな可愛い彼女がいるのよって顔してるし。
「……とりあえず、色々なところ見て回ろうぜ?」
「うんっ!」
「あっ、まってや! もー、二人のペースで行かんといてー!」
置いてきぼりになりかけた南が慌ててついてくる。ごめんて。
……今更だが、南もちゃんとした服装を持っているんだなって思った。
小春は、秋らしく白の薄手のブラウスの上に紫のカーディガン、薄いベージュのスカートといういかにも小春らしく、とても似合ってる……もっと言うなら、宇宙一似合ってる服装だ。
南はいつもの半袖短パンという小学生が着ていそうな格好だと思っていたのだが、いつ買ってもらったのか可愛らしい秋冬物のジャケットを着て、デニムのズボンというボーイッシュな雰囲気を漂わせていた。
南も成長したんだな。お兄ちゃん感動だよ。……従兄だけど。
そんな冗談はさておき、俺は教室に財布を置き忘れていたことを思いだし、その主旨を小春たちに伝えると、彼女らはついていくと言い出した。
俺は自由に回っていていいと言ったが、小春は裕太や遼太郎に挨拶したいからと言って、俺は彼女らと教室に行くことにした。
挨拶か……結婚の挨拶かな?
なんて俺のアホな妄想は早く現実になってくれともう見えない星に願っておいた。
俺と小春と南は他愛もない会話を挟みながら、階段を上り、教室まで歩いたのだった。
しかし、去年は昼間はメイドカフェをやっていたから室内でいたから分からなかったが、グラウンドの人混みは半端じゃない。
三年生の露店を食べる人やどこに行こうかと移動している人が多すぎて、結構探すのに苦労する。
「……集合場所決めときゃよかったな」
去年は誘ってはいなかったが、二人の人物──小春と南──はたまたま出会って一緒にきた。
それがキッカケで仲良くなった二人は今年は一緒にくると小春から電話が入ったのだが、その二人は見つからない。
いったいどこにいるのか俺はがむしゃらに探しているが、一行に二人は見つからない。
「どこにいるんだよ……」
俺は半分焦り、半分心配を持ちながら、校門前にたどり着き、キョロキョロとそこから見てみると、
「「わあっ!」」
と二重の女子の声が聞こえて、ピョコンと小春と南が校門前でいた。
「……よかった。どこにいたんだ?」
俺は心配しながらそう訪ねると、
「敦志君、反応薄いね……」
「あつにい、それはないわー。ほんまにその反応はないわー」
小春からは苦笑を、南からはジト目で言われた。
「あぁ、ごめんて。いやでもよかった。二人ともちゃんと来てくれて」
「なんや? ウチらがこうへんと思ってたん?」
「そんな薄情なことしないよ。敦志君の文化祭だよ? 彼氏の文化祭だよ? 楽しみに決まってるから行かないわけないじゃん!」
南から再びジト目を向けられる。そして小春はその気持ちは嬉しいが、こんな場所──結構人が集まっているところで言われるとめちゃくちゃ恥ずかしいから止めてほしい。
あぁ、そこの女子のグループとかすごい顔になってるし!
なんで高橋なんぞにあんな可愛い彼女がいるのよって顔してるし。
「……とりあえず、色々なところ見て回ろうぜ?」
「うんっ!」
「あっ、まってや! もー、二人のペースで行かんといてー!」
置いてきぼりになりかけた南が慌ててついてくる。ごめんて。
……今更だが、南もちゃんとした服装を持っているんだなって思った。
小春は、秋らしく白の薄手のブラウスの上に紫のカーディガン、薄いベージュのスカートといういかにも小春らしく、とても似合ってる……もっと言うなら、宇宙一似合ってる服装だ。
南はいつもの半袖短パンという小学生が着ていそうな格好だと思っていたのだが、いつ買ってもらったのか可愛らしい秋冬物のジャケットを着て、デニムのズボンというボーイッシュな雰囲気を漂わせていた。
南も成長したんだな。お兄ちゃん感動だよ。……従兄だけど。
そんな冗談はさておき、俺は教室に財布を置き忘れていたことを思いだし、その主旨を小春たちに伝えると、彼女らはついていくと言い出した。
俺は自由に回っていていいと言ったが、小春は裕太や遼太郎に挨拶したいからと言って、俺は彼女らと教室に行くことにした。
挨拶か……結婚の挨拶かな?
なんて俺のアホな妄想は早く現実になってくれともう見えない星に願っておいた。
俺と小春と南は他愛もない会話を挟みながら、階段を上り、教室まで歩いたのだった。
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