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第7章 光ある文化祭 ─優しさと後悔の罪─
97・5時間目 配役②
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主人公であるオオカミ少年の役は、裕太となった。
拓也はヒロインを軽蔑するクラスの男子役としてでたいと申し出たが、誰もそれに反論はなかったため、拓也はその役に決定した。
ちなみに、役決めを終えた瞬間、拓也は恋人である咲希とイチャイチャしてた。バカップルめ。
「次はヒロインだがー、誰にするー? んー、三石ー。お前いっとくかー?」
担任からの圧力勧誘を受けた遼太郎は、それに応じた。
あの人、それはよくないな。まぁ、この魔法少女役は男子のなかで中性的な見た目と声をしている遼太郎は適任と言えるだろう。
ちなみに、魔法少女であるヒロインは、地味な女子高校生。
ある日、魔法少女になるシャーペンを心優しい人しか見えない妖精からもらったというのが、原作の設定だ。
しかも、そのシャーペンは変身後に杖になるという中々リアリティーのある設定だ。
「俺がヒロインかー。プリ○ュアみたいな感じだよな! あこがれていたんだよなー!」
まぁ、分からんでもない。
俺も昔は、某有名ライダーにあこがれていた時期があったしな。
ところで、名前ちゃんと伏せててよかった。
最近のウェブ小説はこういうの厳しいから気を付けないとな。
まぁ、そんな茶番はとにかく、次は主人公の育て親である祖父役選びだ。
「だれかやりたい人はいるかー? 挙手がなかったら俺が推薦するぞー」
残念ながら、ヒロイン役に続いていなかった。
まぁ、誰がじいちゃん役したいんだって話だよな。
まぁ、俺は戦いに巻き込まれる名も無きサラリーマンA役で──
「高橋ー、どうだー?」
はぁ!?
裕太と遼太郎を除いた役者チーム全員が俺を見た。
二人は、ニヤニヤと俺を見ている。こいつら、最初から俺にこの役をさせる気だったな!
まぁ、別にじじいの役でも大丈夫だろ。なんで俺なのかは分からないけどさ。
「高橋は、結構貫禄のある見た目してるからなー」
藤木は、ニヤニヤと笑いながら、俺にそう言った。
あー、老け顔ですみませんねぇ? つーか、この担任、結構失礼だな。
「んじゃ、残りのやつらで配役決めてくかー」
藤木は、推薦で役を全て決めていく。
中には、それ失礼すぎるだろと思う推薦理由もあったが、さすがは、校内でも指折りの頼りにされる教師。
観察眼が鋭いのか、生徒ひとりひとりを丁寧に見ている証拠なのか、その生徒の性格を全て知っていた。
逆にここまでくると保護者のレベルである。
俺を含めた13人の配役が決まり、放課後までに印刷していたという台本を渡され、明日からの練習スケジュールの説明をされた。
「練習は明日からやっていくぞー、時間がないからよー。とりあえず、小物作成チームが衣装を作るまでは適当なTシャツかなんかを着て練習なー。忘れたら体操服でやらすからなー」
適当な返事をかえしたあと、俺たちはそこで解散となった。
──
「いやぁ、明日からの楽しみだねぇ!」
遼太郎がいつもよりテンションを高めで言う。
確かに役が決まったときも喜んでたもんな。魔法少女、絶対に似合いそう。
「明日から練習かー、台本丸覚えしなきゃねー」
劇をやったことがないけど、20分くらいの長さの劇だから、主人公やヒロインは高校生が覚えるにしては、かなり量はあるのだろう。
大変だなぁ。
「敦志は終盤頑張らないとね」
「そうだな」
俺の役は主に終盤がメインだ。
大事な仕事、きちんとしないとな!
遼太郎の言う通り、明日の練習が楽しみだ。
拓也はヒロインを軽蔑するクラスの男子役としてでたいと申し出たが、誰もそれに反論はなかったため、拓也はその役に決定した。
ちなみに、役決めを終えた瞬間、拓也は恋人である咲希とイチャイチャしてた。バカップルめ。
「次はヒロインだがー、誰にするー? んー、三石ー。お前いっとくかー?」
担任からの圧力勧誘を受けた遼太郎は、それに応じた。
あの人、それはよくないな。まぁ、この魔法少女役は男子のなかで中性的な見た目と声をしている遼太郎は適任と言えるだろう。
ちなみに、魔法少女であるヒロインは、地味な女子高校生。
ある日、魔法少女になるシャーペンを心優しい人しか見えない妖精からもらったというのが、原作の設定だ。
しかも、そのシャーペンは変身後に杖になるという中々リアリティーのある設定だ。
「俺がヒロインかー。プリ○ュアみたいな感じだよな! あこがれていたんだよなー!」
まぁ、分からんでもない。
俺も昔は、某有名ライダーにあこがれていた時期があったしな。
ところで、名前ちゃんと伏せててよかった。
最近のウェブ小説はこういうの厳しいから気を付けないとな。
まぁ、そんな茶番はとにかく、次は主人公の育て親である祖父役選びだ。
「だれかやりたい人はいるかー? 挙手がなかったら俺が推薦するぞー」
残念ながら、ヒロイン役に続いていなかった。
まぁ、誰がじいちゃん役したいんだって話だよな。
まぁ、俺は戦いに巻き込まれる名も無きサラリーマンA役で──
「高橋ー、どうだー?」
はぁ!?
裕太と遼太郎を除いた役者チーム全員が俺を見た。
二人は、ニヤニヤと俺を見ている。こいつら、最初から俺にこの役をさせる気だったな!
まぁ、別にじじいの役でも大丈夫だろ。なんで俺なのかは分からないけどさ。
「高橋は、結構貫禄のある見た目してるからなー」
藤木は、ニヤニヤと笑いながら、俺にそう言った。
あー、老け顔ですみませんねぇ? つーか、この担任、結構失礼だな。
「んじゃ、残りのやつらで配役決めてくかー」
藤木は、推薦で役を全て決めていく。
中には、それ失礼すぎるだろと思う推薦理由もあったが、さすがは、校内でも指折りの頼りにされる教師。
観察眼が鋭いのか、生徒ひとりひとりを丁寧に見ている証拠なのか、その生徒の性格を全て知っていた。
逆にここまでくると保護者のレベルである。
俺を含めた13人の配役が決まり、放課後までに印刷していたという台本を渡され、明日からの練習スケジュールの説明をされた。
「練習は明日からやっていくぞー、時間がないからよー。とりあえず、小物作成チームが衣装を作るまでは適当なTシャツかなんかを着て練習なー。忘れたら体操服でやらすからなー」
適当な返事をかえしたあと、俺たちはそこで解散となった。
──
「いやぁ、明日からの楽しみだねぇ!」
遼太郎がいつもよりテンションを高めで言う。
確かに役が決まったときも喜んでたもんな。魔法少女、絶対に似合いそう。
「明日から練習かー、台本丸覚えしなきゃねー」
劇をやったことがないけど、20分くらいの長さの劇だから、主人公やヒロインは高校生が覚えるにしては、かなり量はあるのだろう。
大変だなぁ。
「敦志は終盤頑張らないとね」
「そうだな」
俺の役は主に終盤がメインだ。
大事な仕事、きちんとしないとな!
遼太郎の言う通り、明日の練習が楽しみだ。
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