上 下
42 / 244
第2章EX ~高校1年の夏の最後の1日~

30・1時間目 夏休み最後の買い物

しおりを挟む
朝。
今日は高校の登校日だ。
そう、夏休みが終わった。
そして、俺は昨日の事を思い出していた。
俺は昨日、朝早くのまだ太陽も出ていない時間帯から夏休みの宿題を開始し、3時間くらいかかってようやく終わった。
そして、寝てしまったんだよな。
それから、電話の着信音で起こされて出てみると山内から電話が来た。
それの内容は『夏休み最後だし、買い物に行かないか?』だった。
俺は断る理由もないので行く準備をした。
そして、約束の昼頃に、俺は山内の家に徒歩で行った。
普段は自転車なのになぜ徒歩かって?
それは山内から送られたLINEに『自転車じゃなくて徒歩で来てー! 電車で行くからー』と送られてきたためだ。
それに従い俺は行ったわけだが、今頃眠気が襲ってきた。
朝早くから起きたせいだろうか。
だが、それにしても少し寝たのにと卑屈っぽくなる。
そうこうしているうちに、山内の家に着いたのだった。
住宅街の十字路を曲がると、そこには先客が立っていた。
その先客は俺に気付くと笑顔を振りまいてこちらに来た。
「おっはよー! 敦志! 今日で夏休み終わりだねぇ! いやぁー! ほんっと楽しかったよ!」
「おはよ。 今日もテンション高いな・・・。 今日は買い物行くんだろ?」
「うん。 買い物だね。 さぁて、なに買おっかなー!」
「お前はそうだな・・・。 ヘアピンとかどうだ? 似合いそう」
「敦志?! 意地悪くない? 恥ずかしいこと思い出させる天才だね! 敦志はサングラスあったら完璧だね。 どんな不良も格好だけで勝てそう」
「おいこら! おまっ・・・ はよ」
俺たちが雑談している間に山内が降りてきていた。
彼の服装は爽やかな水色と白のシャツでズボンはジーンズ。
首にはハワイかどこかで買っただろう貝殻のネックレスが着いている。
ちなみに、三石は赤を基調としたグラデーションが綺麗なシャツに黒色のズボンを着ている。
俺は至って普通のユニクロで買ったメロンパンが印刷されたTシャツに家族で沖縄に行ったときに親父が履いていたアロハ~な感じのズボンだ。
「おはよう。 さて、行こうか」
「そうだな。 電車か・・・。 久しぶりに乗るなぁ・・・」
「家から高校もバイト先も近いし、僕ら遊ぶのもこの辺りだからね。 今回は遠出をしようかなって」
「良いねぇ! じゃ、早速いこー!」
最寄りの電車に乗ってそれに揺られること約30分。
地下から地上に出る瞬間、あの風が一気に入ってくるような感覚は夏の暑さも和らげてくれる。
地上にでると太陽が一気に眩しく感じる。
「あつー! 今日ってこんな暑かったっけ?」
「まぁ、暑いな。 なんか天気予報では今年一番の暑さとか言ってた」
「へぇー。 俺アクエリ買おうっと! 敦志、山内、何かいる?」
「んじゃ、コーラで」
「それじゃあ、うーん、スコールお願い」
「あーい」
三石が自動販売機でジュースを買ってくれている間に俺と山内で今日の打ち合わせをする。
「それじゃあ、今日はまずこの地域最大のショッピングセンターに行くよ! それから僕イチオシのオシャレなランチが食べれる所があるからそこに行くよ。 夜はそうだな、ファーストフード店でも行こうか」
「そうだな。 しかし、腹へってたまらんわ。 昼飯が楽しみだな」
「ふふふ、期待しといてよ」
こうして会話をしているうちに三石が戻ってきて歩みを進めるのであった。
しおりを挟む

処理中です...