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第2章 夏休みと青春 ~バイト尽くしの常夏!職は違えど楽しさは同じ!~

23時間目 やっぱりパーティー

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朝。
目が覚めた原因は雀の鳴き声でもなく、太陽の眩しい光でもない。
「今、何時だ・・・」
冷や汗をかきながら恐る恐る目覚まし時計を見る。
11時35分。
俺は、ため息をつきながらペチンと顔に手を当てた。
「うっわ・・・ 寝すぎた」
まぁ、来るのは夜の7時だからいいんだけど。
俺はイソイソとリビングに降りて、朝ごはんの玉子焼きと鮭の切り身、味噌汁、ご飯という和食を食べてから、夏休みに入って毎日やっている掃除、洗濯の一通りを終わらせ、そして、1週間に1度しかしない自分の部屋の掃除を掃除機で隅々まで綺麗にした。
そして、リビングから3人がのんびりできるだけの大きさの机を持ってきて、その上に昨日スーパーで買ったお菓子を置いた。
ドンという音と、ズシリとした重みが机にかかりキィと不快な音を立てた。
さて、来るまで何もない。
まだ1時間と少しぐらいしかたっていないため、やることが無さすぎたので昨日スーパーの帰りに気付いた夏休みの宿題を終わらすことにした。
まずは、国語。
俺はあまり国語は得意ではない。
特に古文は中学の時の復習をおろそかにしていたためか、知識があまりにも少なすぎるために全然できなかった。
漢字のプリントは書いて書いて書きまくった。
うん、適当。
英語は中学の時より幅が増えて、コミュニケーション英語。
ようは、話す事を重視した科目がある。
別に話すこと自体は苦手ではないのだが、発音が難しい。
そして、俺と山内は商業科なので簿記を頑張らなければいけない。
簿記の宿題20ページ分もある。
結局、夏休みの宿題は半分しか出来なかった。
「あああ・・・。 山内ィー。 三石ィー・・・。 教えてもらお」
いつの間にか夕方になっていたということはなかなか頑張っていたのだろうか。
「ピーンポーン! ピーンポーン!」
突如家のインターホンが鳴り、俺は配達か何かかなと下に降りていった。
ドアを開ける。
「はーい・・・ い?!」
なんとそこには山内裕太が居た。
えっ?
「おー! 敦志ー! 来ちゃったよー 三石がー」
バタン。
俺は見間違いもあったかも知れないのでドアを閉めた。
外からは、
「おーい! ちょっとまてー! マジか。 あけろー」
と、山内。
「わりぃ。 なんでこんな時間に?」
「いやぁ、ちょっとね、ゲームの準備をしに来たんだ」
「お、おう?」
とりあえず立ち話をする訳にもいかないのでリビングに入れさせた。
律儀におじゃましますと言っていた事に感心した。
「いやぁ、敦志ん家のリビング広いね」
「そうか? まぁ、ここは会場じゃねぇから、俺の部屋今スゲーキレーにしてるから楽しみにしてくれよ」
「これを置いといてくれないかい?」
「いいけど」
それは、中にケーキでも入っているのだろうか。
真っ白な紙袋があった。
「中開けちゃダメだよ」
「おう」
山内はジト目をして、
「絶対中を開けないでね」
と言い、出ていった。
俺は約束は守る主義なので白い紙袋をリビングの端のほうに置いた。
そして、自室に戻り、チョコパイを食べてそれから漫画を読んでいたらいつの間にか寝てしまった。
起きたのは無論、山内からの電話のコール音で起きた。
飛び起きた。
「はい・・・」
「今から行くからねー!」
と山内は、笑いながら言った。
三石の声も聞こえた。
「はいよ」
と答えて電話を切った。
俺は歯を磨き、チョコパイのゴミを片付けて、大きい机を勉強机に垂直に動かしていた。
後者はなんでしたのか分からない。
そして、
「ピーンポーン」
と本日2度目のインターホン。
下に降りて、ドアを開けると、真夏の夕日をたっぷりに浴びた白いロングコートを来た山内と夕日と同化するようなオレンジ色の服を来た三石が居た。
「「おじゃましますー!!」」
と二人は律儀に言って入ってきた。
俺は部屋へと案内をする。
そして、自室のドアの前で立ち止まった。
くるりと二人の方に向くと、
「ようこそ、高橋家へ」
と言い、ドアを開けた。
三石は、ワクワクと、山内は嬉しそうにニコニコしていた。
「「すげぇ!」」
と三石と山内の声が揃う。
「いいなー! 部屋にテレビがあってー!」
と三石。
「オシャレな服多いね。 いいなぁ!」
と山内。
実際、山内の方がオシャレだろうと思ったが声には出さなかった。
パーティーはすぐに開始した。
プリッツを3人でわけ合い、
テレビの広告に出ていた大人気の漫画が重版したりと、テレビに関しての事を話したり、コーラをイッキ飲みさせられたり、ポテトチップスは何派かと聞かれたり、ぬいぐるみを三石が欲しがったりとバカみたいな事を話し合いながら、時間は少しずつ過ぎていった。

まだまだ1時間しか経っていない。
これから、親友たちとのパーティーを楽しむ。
今日もいい日になりそうだ。
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