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第1章 青春のスタートライン ~始まりの高校生活~

9時間目 始まりの体育大会

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『これから、体育大会を開会します。 一同、校歌斉唱』
歌詞がうる覚えの校歌をなんとか歌う。
だが、もちろんのこと、知らない歌なので歌詞どころか音程すらあっているかどうかが不明だ。
現在時刻は10時。
ここ、清王高校の体育大会が今始まる。
ここでは、赤チームVS白チームでの学年を越えた勝負がある。
例えば、体育大会、運動会お馴染みのリレー、大縄飛びを初め、ダンス部によるダンスや、部活動対抗リレーも見処で注目ポイントだ。
小・中と運動会、体育大会ではそこそこの活躍しか出来ず、不完全燃焼でいた俺は、今年こそはと熱意を燃やしている。
この熱意だけなら、他の部活動や生徒にも誰にも負けない自信がある。
そして、あの二人はというと、山内は、イケメンで運動神経抜群なのでスイスーイとラジオ体操及び、その他の運動をこなし、また、女子のひそひそ話が聞こえてきた。
もう、1ヶ月近く一緒に居るので慣れた。
自分が言われていないとふと思うと悲しいが、それは仕方ないとなるのである。
彼女いるな これは。
一方、三石はというと、やはりあれから寝ていないのか目をキラキラさせて今か今かと自分がでる種目を待っている。
もう、完全に女子だ。
体育が楽しみすぎていてもたってもいられない女子だ。
そんな事を思いながら、開会式を終わらせ各自生徒席に戻るのだった。
「いやぁ、今日も暑いね」
と、山内が汗を少しかきながらも、爽やかさを残している。
まるで、少女漫画の主人公のようだ。
「そうだな。ていうか、まさか同じ赤チームだったとはな」
俺は、あちぃと呟きながら、ハチマキを結び直す。
「おっし! 頑張ろ!」
「「うん!」」
握りこぶしを、スッと差し出す。
二人とも意味に気づいたようで、コツンとグータッチを交わした。
そして、またもや、女子達の歓声が、黄色い歓声が聞こえた。
「・・・モテまくりだな」
と、俺が呟くと、
「・・・ごめんな。 あ~! モテまくりだと生きるのも辛いよ」
と、彼が懇願のような声で言うと、俺と三石は二人で見合って、
「「俺もそんな事1度でいいから言ってみたいなぁ!!」」
と、男の懇願と欲望を二人でさらけだしたのであった。
モテまくりって、ハーレムかよ。
          ー
『プログラム1番。 50メートル走に出場する選手は、待機場所に集合してください』
「これは、誰もでないよね?」
と、山内が聞く。
「でないな。 俺は、この次の100メートル走からでるから」
「俺もでないよー! 俺は、クラス対抗リレーにでるから。 いやぁ、燃えてきたー!」
イスに座りながら、喋る俺達。
まだまだ太陽が輝いている。
それは、俺達の友情を、見守るかのように光っていた。
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