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第7章 君がいたから
第7章 第33話 中学生最後の冬
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冬。
とうとう、冬がやって来た。
この季節に真っ先に思い付くものは、クリスマスだ。
クリスマスは、彼女彼氏がいるやつらがイチャイチャしあう時期だと、俺は、考えている。
そして、俺の考え方が変わった。
俺は、嫌われているんじゃない。
陰キャラな、自分を認めたくなかっただけなのだ。
受験まで、数ヶ月だが、リア充とか、いうやつらは、遊んでおけばいい。
少なからず、努力は残ると、思うのだ。
結果は、どうあれ、希望の種は残ると思うのだ。
今日も、暖房が効いた俺のリビングで、凜花姉との、お勉強会だ。
「あんた、もうすぐ、クリスマスなのに、なんにも、ないの?」
「無いですが、何か?」
凜花姉は、呆れたと、いう表情で、こう続けた。
「彼女...いや、杏ちゃんと、クリスマスイチャイチャ出来なくてもさ、友達...名前なんだっけ?あ、山崎君と、遊びなよ。今のあんたは、勉強除いたら、引きこもり状態だよ。」
なんで、花園さんの名前をだすんだよ、と、思うが、本当にそうだなと、思う。
今の俺は、学校に行くことを除いたら、全く外に出ていないし、運動すらしていない。
その他の外出は、お菓子購入の際に、コンビニを寄るだけだ。
「んな、こと言われても、遊びにいく相手なんて、居ねぇだろ。」
俺が、こんな事を言うと、沈黙の時間が、流れる。
なんとなく、空気を読んで、何かを言える雰囲気でも、無い。
「...クリスマス、予定無いなら、私と過ごしてよ。」
ちょっと、驚いた。
凜花姉でも、こんな顔をするんだな。
頬を赤らめ、体を少し、モジモジさしている。
ドキッとしてしまうのは、男の生理的な現象だ。
「分かりましたよ。金貯めときまーす。」
「私、彼氏と別れたんだよ。」
ボソッと、呟いたその言葉に、大いに反応した。
「は...?姉ちゃん、彼氏居たの?」
なぜか、呼び方が、昔に戻る。
「そう。隠していたけど、居たよ。皆には、内緒にしていたけどね。」
「だからね、楓ちゃんには、彼女を作って、幸せになって欲しい。」
「ごめんね、今日は、ちょっと、帰る、ね。」
ドアがバタリと、音を立てて閉まる。
あの様子だと、最近別れたように、見える。
勘だけど。
凜花姉は、いつも、バカみたいに笑っていると、思っていた。
たとえ、何があっても。
俺が小学生の時に、俺のばあちゃんが、死んでしまった時に、笑わせてくれたのは、凜花姉だった。
ばあちゃんっ子だった俺を、悲しみから、立ち直らせてくれた。
凜花姉は、一時期、荒れていたと噂になっているけど、俺には、そんな素振りを全く見せなかった。
「ずっと、我慢していたんだな。」
優しい嘘をつき続けてくれたんだな。
リビングに、一人残った俺は、凜花姉に、謝る事を、決め、そして、花園さんへの想いを確かな物にした。
俺は、もう、誰も傷つけない。
だから、そのためには、
頑張らなきゃいけないんだ。
とうとう、冬がやって来た。
この季節に真っ先に思い付くものは、クリスマスだ。
クリスマスは、彼女彼氏がいるやつらがイチャイチャしあう時期だと、俺は、考えている。
そして、俺の考え方が変わった。
俺は、嫌われているんじゃない。
陰キャラな、自分を認めたくなかっただけなのだ。
受験まで、数ヶ月だが、リア充とか、いうやつらは、遊んでおけばいい。
少なからず、努力は残ると、思うのだ。
結果は、どうあれ、希望の種は残ると思うのだ。
今日も、暖房が効いた俺のリビングで、凜花姉との、お勉強会だ。
「あんた、もうすぐ、クリスマスなのに、なんにも、ないの?」
「無いですが、何か?」
凜花姉は、呆れたと、いう表情で、こう続けた。
「彼女...いや、杏ちゃんと、クリスマスイチャイチャ出来なくてもさ、友達...名前なんだっけ?あ、山崎君と、遊びなよ。今のあんたは、勉強除いたら、引きこもり状態だよ。」
なんで、花園さんの名前をだすんだよ、と、思うが、本当にそうだなと、思う。
今の俺は、学校に行くことを除いたら、全く外に出ていないし、運動すらしていない。
その他の外出は、お菓子購入の際に、コンビニを寄るだけだ。
「んな、こと言われても、遊びにいく相手なんて、居ねぇだろ。」
俺が、こんな事を言うと、沈黙の時間が、流れる。
なんとなく、空気を読んで、何かを言える雰囲気でも、無い。
「...クリスマス、予定無いなら、私と過ごしてよ。」
ちょっと、驚いた。
凜花姉でも、こんな顔をするんだな。
頬を赤らめ、体を少し、モジモジさしている。
ドキッとしてしまうのは、男の生理的な現象だ。
「分かりましたよ。金貯めときまーす。」
「私、彼氏と別れたんだよ。」
ボソッと、呟いたその言葉に、大いに反応した。
「は...?姉ちゃん、彼氏居たの?」
なぜか、呼び方が、昔に戻る。
「そう。隠していたけど、居たよ。皆には、内緒にしていたけどね。」
「だからね、楓ちゃんには、彼女を作って、幸せになって欲しい。」
「ごめんね、今日は、ちょっと、帰る、ね。」
ドアがバタリと、音を立てて閉まる。
あの様子だと、最近別れたように、見える。
勘だけど。
凜花姉は、いつも、バカみたいに笑っていると、思っていた。
たとえ、何があっても。
俺が小学生の時に、俺のばあちゃんが、死んでしまった時に、笑わせてくれたのは、凜花姉だった。
ばあちゃんっ子だった俺を、悲しみから、立ち直らせてくれた。
凜花姉は、一時期、荒れていたと噂になっているけど、俺には、そんな素振りを全く見せなかった。
「ずっと、我慢していたんだな。」
優しい嘘をつき続けてくれたんだな。
リビングに、一人残った俺は、凜花姉に、謝る事を、決め、そして、花園さんへの想いを確かな物にした。
俺は、もう、誰も傷つけない。
だから、そのためには、
頑張らなきゃいけないんだ。
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