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第7章 君がいたから

第7章 第32話 努力

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懇談会が終わった途端に飛び出したのは、キチンとした意味がある。
自分が、豊桜北高校に行けるという喜び。
そして、その事を凜花姉に行っておきたい気持ちが溢れでたのだ。
決して、変人では、ない。
「おー!良かったじゃんか!まぁ、懇談の相手が、藤井だったって事はざまぁだけど。」
大丈夫。
この人は悪気があって言っているんじゃない。
俺の怒りよ。
収まれ。
「まぁ、楓の努力があるからじゃない?楓は、やれば出来る子なんだから。」
お前は、母親か。
と、思いつつも、だされたお菓子は頂く。
今は、俺のリビングで、両親が居ないことをいいことに、お菓子パーティー&報告会を行っている。
コンビニのスイーツなんて、久しぶりに食べた。
俺は、チーズタルトを、凜花姉は、ミニチョコレートケーキを食べている。
コンビニのスイーツって、こんなにも充実してるんだな。
美味しい。
これからは、山崎には、これ買っていこう。
「で、あれから、どうなの?杏ちゃんとは?」
ケーキをつつきながら、だるそうに、爆弾発言を放った凜花姉を見る。
顔が急激に赤くなる。
「は?えっ?ちょっ!えっ?な、な、なんにも、なってないし!」
ケーキを食べながら、「ふーん」と興味なさそうに言っている。
急に言うんじゃねぇよ。
つーか、ここでする話題じゃねぇだろ。
「ま、あんたから、告白する勇気もないだろうしね。早く言わないと、杏ちゃん盗られちゃうかもよー?」
もうなにも言わない。
だが、頭の中は、あまりにもパニックを起こしていて、自分会議が始まっている。
花園さんに、告白すべきか。
今は、しないで、卒業間際にするのか。
そもそも、同じ高校行けるか、分からないぞ、落ちる可能性だって、捨てがたいぞ。
そんな会議中の頭をブンブンと、降り、気合いをいれるように、頬を両手で、パンと、叩く。
「あんたの努力と、時間と、好感度が試される時が来ているよ。がんばれ。では、私はここでー」
と、二階に逃げる凜花姉を見つめながら、放心状態で、立っていた。
努力次第で、変わるものだったら、苦労してねぇよ。
俺は、やっぱり、嫌われて...
今までの俺なら、「いる」と、答えている。
でも、山崎や、榊原、藤井先生や、凜花姉、花園さんと、出会ってここまで、来た俺なら、今の俺なら、きっと、こう言う。
俺は、どんな世界でもやっぱり俺は、嫌われていない。
咲希は、一度目は、確かにいじめられて自殺した。
だけど、俺のせいじゃないって、言ってくれた。
ハンカチを思い出す。
二度目は、事故なんだ。
俺のせいじゃない。
それに、神社でちゃんと、言ってくれたじゃないか。
『好きだ』って。
それに、メールだって、あった。
進級式まで、メールをくれた。
だから、俺のせいじゃなかった。
勝手に思い込んでいただけだったんだ。
だから、ここまで、来たら、今、好きになった子に想いを伝えるだけじゃないか。
受験が終わったら、努力の成果を見せる。
受験でも見せる。
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