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第18話 余計な気遣い
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side:クラウス
リネットが屋敷にやって来てから1週間が経ったが、皆と仲良くやれているようで安心した。
当初はバーナード子爵が送り込んで来た刺客かスパイかもと疑っていたのだが、どちらも違うだろうな。
実際にリネットの体を触ったから分かる事だが、あれは全く訓練など受けていない体なのは明らかだ。
では我が家の内情を探りに来たスパイなのかといえば、それも違うだろう。
少しでも悪意があれば、カイザーがあれほど懐くはずが無い。
もしかしたら我が家に馴染むまでは行動を起こさないつもりなのかと思ったが、リネットは人見知りなのか自分から何かをする事はほぼ無い。
まぁ護衛のジュリアや屋敷の警備担当の奴等とは仲良くやっているようだから、問題は無いがな。
だがしかし
リネットがスパイだとすれば完全に失格だ。
スパイは良くも悪くも目立ってはいけない。
にも関わらず、リネットは人見知りで消極的な性格と思われて、屋敷で働く者達がとても心配している。
実際はリネットの方から積極的な子作りを提案してきたりと、必ずしも消極的な性格とは言えない、、、まぁ勢いに任せていたところは多分にあったのだろうが
これほど注目されてしまうと、逆に何も知らされずに目眩ましの目的で送り込まれた可能性はある。
どちらにしろリネットを疑う必要は無くなったと言って良いだろう。
コンコン
「クラウス様、デリラです。」
むむっ!
そろそろ寝ようかという時間に私室に来たのはメイド長のデリラ、その声を聞いて『またか?』という言葉が頭に浮かびうんざりする。
「入れ」
ガチャ
「夜分に失礼致します。本日分をお持ち致しました。くれぐれも破ったりしないようにお願い致します。」
「待てデリラ、ソレは不要だと毎回言ってるのだが、何故持って来るんだ?」
「健康な男性であれば適度に発散させる必要が御座います。ですが屋敷に娼婦を呼ぶ訳にもいきませんし、ましてや結婚が決まったクラウス様が娼館に行くなど言語道断です。
奥様になられる御方の物ならば誰憚る事もありませんので、御自由になさって下さい。」
「全く御自由にするつもりは無い!ちなみに、リネットに許可を取っているのか?」
「勿論で御座います。リネット様も男性の体の事はそれなりに理解されておられるようで、役に立つなら喜んで協力すると仰せでしたよ♪」
はぁ~
おそらくリネットが知ってるのは同じ孤児院に居た、思春期を迎えたばかりの男の子の事だろう。
男は老いても死ぬまで性欲は無くならない、などと言われる事もあるが、さすがに思春期を迎えたばかりの子供と一緒にされるのはなぁ
「では私はこれで失礼致します。」
「待てデリラ、ソレは持って帰れ」
バタンッ
チッ!
デリラめ、メイドなら主人の話を無視するんじねぇよ
はぁ~
デリラがベッドの横のテーブルに置いて行った物を見てため息が出る。
少しでも触って位置が変わると、俺が使ったと思われるから絶対に触らないようにしなければ!
だがしかし、見るだけなら問題は無いだろう。
いや、ベッドの横に置いてあるのだから、嫌でも目に入ってしまうのは仕方の無い事だ。
んーーー、、紐?
女性の下着にどのような種類があるのかは知らんが、デリラが置いて行ったリネットの下着は紐にしか見えない。
申し訳程度に布があるが、これは本当に下着なのだろうか?
そしてこの紐のような下着をリネットは着るのか?
紐下着などもはや下着の役割を担えないと思うのだが、、、
今度リネットに直接聞いてみれば良いか。
それよりも、女性の下着に様々な種類があるとは知らなかった。
男物の下着はデザインに多少の違いはあっても、基本的に同じ形で柄が違うだけだからな。
だがしかし
俺が知らないだけという可能性もある。
これは明日にでも下着屋に行って店主に聞いてみなければ!
つづく。
リネットが屋敷にやって来てから1週間が経ったが、皆と仲良くやれているようで安心した。
当初はバーナード子爵が送り込んで来た刺客かスパイかもと疑っていたのだが、どちらも違うだろうな。
実際にリネットの体を触ったから分かる事だが、あれは全く訓練など受けていない体なのは明らかだ。
では我が家の内情を探りに来たスパイなのかといえば、それも違うだろう。
少しでも悪意があれば、カイザーがあれほど懐くはずが無い。
もしかしたら我が家に馴染むまでは行動を起こさないつもりなのかと思ったが、リネットは人見知りなのか自分から何かをする事はほぼ無い。
まぁ護衛のジュリアや屋敷の警備担当の奴等とは仲良くやっているようだから、問題は無いがな。
だがしかし
リネットがスパイだとすれば完全に失格だ。
スパイは良くも悪くも目立ってはいけない。
にも関わらず、リネットは人見知りで消極的な性格と思われて、屋敷で働く者達がとても心配している。
実際はリネットの方から積極的な子作りを提案してきたりと、必ずしも消極的な性格とは言えない、、、まぁ勢いに任せていたところは多分にあったのだろうが
これほど注目されてしまうと、逆に何も知らされずに目眩ましの目的で送り込まれた可能性はある。
どちらにしろリネットを疑う必要は無くなったと言って良いだろう。
コンコン
「クラウス様、デリラです。」
むむっ!
そろそろ寝ようかという時間に私室に来たのはメイド長のデリラ、その声を聞いて『またか?』という言葉が頭に浮かびうんざりする。
「入れ」
ガチャ
「夜分に失礼致します。本日分をお持ち致しました。くれぐれも破ったりしないようにお願い致します。」
「待てデリラ、ソレは不要だと毎回言ってるのだが、何故持って来るんだ?」
「健康な男性であれば適度に発散させる必要が御座います。ですが屋敷に娼婦を呼ぶ訳にもいきませんし、ましてや結婚が決まったクラウス様が娼館に行くなど言語道断です。
奥様になられる御方の物ならば誰憚る事もありませんので、御自由になさって下さい。」
「全く御自由にするつもりは無い!ちなみに、リネットに許可を取っているのか?」
「勿論で御座います。リネット様も男性の体の事はそれなりに理解されておられるようで、役に立つなら喜んで協力すると仰せでしたよ♪」
はぁ~
おそらくリネットが知ってるのは同じ孤児院に居た、思春期を迎えたばかりの男の子の事だろう。
男は老いても死ぬまで性欲は無くならない、などと言われる事もあるが、さすがに思春期を迎えたばかりの子供と一緒にされるのはなぁ
「では私はこれで失礼致します。」
「待てデリラ、ソレは持って帰れ」
バタンッ
チッ!
デリラめ、メイドなら主人の話を無視するんじねぇよ
はぁ~
デリラがベッドの横のテーブルに置いて行った物を見てため息が出る。
少しでも触って位置が変わると、俺が使ったと思われるから絶対に触らないようにしなければ!
だがしかし、見るだけなら問題は無いだろう。
いや、ベッドの横に置いてあるのだから、嫌でも目に入ってしまうのは仕方の無い事だ。
んーーー、、紐?
女性の下着にどのような種類があるのかは知らんが、デリラが置いて行ったリネットの下着は紐にしか見えない。
申し訳程度に布があるが、これは本当に下着なのだろうか?
そしてこの紐のような下着をリネットは着るのか?
紐下着などもはや下着の役割を担えないと思うのだが、、、
今度リネットに直接聞いてみれば良いか。
それよりも、女性の下着に様々な種類があるとは知らなかった。
男物の下着はデザインに多少の違いはあっても、基本的に同じ形で柄が違うだけだからな。
だがしかし
俺が知らないだけという可能性もある。
これは明日にでも下着屋に行って店主に聞いてみなければ!
つづく。
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