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第49話 ルーファウスの憂鬱 その8
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side:ルーファウス
フィオナ嬢がドミニクと一緒に厨房に行ってしまい、ドノバンと2人きりになってしまった。
仕事以外でドノバンと話すような事も無いから、きな粉トーストでも食べよう。
「もぐもぐもぐもぐ、、ふむふむ、きな粉トーストは朝食にしても良いかもしれん、後でフィオナ嬢に頼んでおこう。」
「ルーファウスお前フィオナ嬢に本気で惚れたな?」
「惚れたと言えるかは分からんが、フィオナ嬢の事は好ましく思っている。一緒に暮らしていて苦痛を感じた事も無いし、この先もずっと一緒に居ても良いと考える程度には好きだな」
「恥じらいも無くよくそんな事が言えるよな。フィオナ嬢にゾッコンじゃねぇか」
「誰かを好きになるのに恥じらう必要が何処にあるんだ?」
「いや、まぁ、そうだけど、普通は恥じらうもんだろう?」
「ドノバン、貴様の言う普通は俺には分からん。それよりドミニクを子供扱いしてお節介をするのは止めろよ。」
「子供扱いしてる訳じゃねぇ、怪しげな粉を作るのを止めろと言ってるだけだ。」
「こんなに旨いきな粉トーストが食べらるのも、ドミニクが作ったきな粉のお陰だろう。
ドミニクは自分で店も経営して立派に自立している。違法な事など何も無い以上は他人がとやかく言うのは嫌がらせだぞ。」
「う゛っ(汗)、、、職場の上司を正論攻めで言い返せ無くするんじゃねぇよ!」
「ふんっ、ここは職場でも無いし仕事の時間でも無い。そもそも正論で攻められるような事をするなよ」
「はぁ~、分かったよ、仕事の事でドミニクに色々言うのは控える。」
「いや、控えるんじゃなくて止めろよ」
「他人から見たらドミニクの作る物は怪しさしか無いからな、違法と勘違いされるような物については注意していくぞ。
それよりもだ、お前フィオナ嬢と結婚するんだろ?」
「あぁ、フィオナ嬢が成人したら結婚するつもりだが、今さらそんな事を聞いてどうする?」
「どうするって事も無いんだが、ブルーム公爵家当主の結婚となればそれなり以上の豪華な結婚式になるだろ?
フィオナ嬢は他の貴族令嬢と違って無駄に豪華な事を嫌ってそうに見えるから、ちゃんと話し合ってるのか気になってな」
「確かにフィオナ嬢は他の貴族令嬢達とは考え方が違うようだ。式についてはこれから話し合うが、結婚式は親族だけで行うつもりだ。
幸いにもわざわざ結婚式に呼ぶほど親交のある奴も居ないし、両親も見栄を張る為だけの豪華な結婚式は望んで無い。」
「まぁお前とフィオナ嬢なら問題無いか。
それと結婚式の招待状は送って来なくていいぞ、式の日取りは直接教えてくれりゃあ良いからな」
「ん?結婚式は親族だけで行うと言っただろう。人の話はちゃんと聞けよ」
「待て待て!親族だけっつっても親友は招待しろよ!」
「いつから親友になったんだ?」
「親友じゃ無かったらこんなに頻繁に屋敷に遊びに来ねぇわ!」
「うーむ、親友の定義がよく分からん。後でフィオナ嬢に聞いて確認しておく。
それまで結婚式に親友を呼ぶかどうかは保留だ。」
「はぁ、フィオナ嬢なら俺に気を使って招待してくれるだろうが、招待されなくて文句を言ってくる奴等は居るだろうから、フィオナ嬢のフォローはちゃんとしてやれよ」
「当然だ。」
ドノバンの言う通り、ブルーム公爵家に対して常に付け入る隙を狙っている馬鹿は腐るほど居るからな
全て潰してしまえれば苦労は少ないのだが、王の許可も無く勝手は出来ん。
本来なら喜ぶべき結婚も、諸々の事を考えると実に憂鬱だ。
つづく。
フィオナ嬢がドミニクと一緒に厨房に行ってしまい、ドノバンと2人きりになってしまった。
仕事以外でドノバンと話すような事も無いから、きな粉トーストでも食べよう。
「もぐもぐもぐもぐ、、ふむふむ、きな粉トーストは朝食にしても良いかもしれん、後でフィオナ嬢に頼んでおこう。」
「ルーファウスお前フィオナ嬢に本気で惚れたな?」
「惚れたと言えるかは分からんが、フィオナ嬢の事は好ましく思っている。一緒に暮らしていて苦痛を感じた事も無いし、この先もずっと一緒に居ても良いと考える程度には好きだな」
「恥じらいも無くよくそんな事が言えるよな。フィオナ嬢にゾッコンじゃねぇか」
「誰かを好きになるのに恥じらう必要が何処にあるんだ?」
「いや、まぁ、そうだけど、普通は恥じらうもんだろう?」
「ドノバン、貴様の言う普通は俺には分からん。それよりドミニクを子供扱いしてお節介をするのは止めろよ。」
「子供扱いしてる訳じゃねぇ、怪しげな粉を作るのを止めろと言ってるだけだ。」
「こんなに旨いきな粉トーストが食べらるのも、ドミニクが作ったきな粉のお陰だろう。
ドミニクは自分で店も経営して立派に自立している。違法な事など何も無い以上は他人がとやかく言うのは嫌がらせだぞ。」
「う゛っ(汗)、、、職場の上司を正論攻めで言い返せ無くするんじゃねぇよ!」
「ふんっ、ここは職場でも無いし仕事の時間でも無い。そもそも正論で攻められるような事をするなよ」
「はぁ~、分かったよ、仕事の事でドミニクに色々言うのは控える。」
「いや、控えるんじゃなくて止めろよ」
「他人から見たらドミニクの作る物は怪しさしか無いからな、違法と勘違いされるような物については注意していくぞ。
それよりもだ、お前フィオナ嬢と結婚するんだろ?」
「あぁ、フィオナ嬢が成人したら結婚するつもりだが、今さらそんな事を聞いてどうする?」
「どうするって事も無いんだが、ブルーム公爵家当主の結婚となればそれなり以上の豪華な結婚式になるだろ?
フィオナ嬢は他の貴族令嬢と違って無駄に豪華な事を嫌ってそうに見えるから、ちゃんと話し合ってるのか気になってな」
「確かにフィオナ嬢は他の貴族令嬢達とは考え方が違うようだ。式についてはこれから話し合うが、結婚式は親族だけで行うつもりだ。
幸いにもわざわざ結婚式に呼ぶほど親交のある奴も居ないし、両親も見栄を張る為だけの豪華な結婚式は望んで無い。」
「まぁお前とフィオナ嬢なら問題無いか。
それと結婚式の招待状は送って来なくていいぞ、式の日取りは直接教えてくれりゃあ良いからな」
「ん?結婚式は親族だけで行うと言っただろう。人の話はちゃんと聞けよ」
「待て待て!親族だけっつっても親友は招待しろよ!」
「いつから親友になったんだ?」
「親友じゃ無かったらこんなに頻繁に屋敷に遊びに来ねぇわ!」
「うーむ、親友の定義がよく分からん。後でフィオナ嬢に聞いて確認しておく。
それまで結婚式に親友を呼ぶかどうかは保留だ。」
「はぁ、フィオナ嬢なら俺に気を使って招待してくれるだろうが、招待されなくて文句を言ってくる奴等は居るだろうから、フィオナ嬢のフォローはちゃんとしてやれよ」
「当然だ。」
ドノバンの言う通り、ブルーム公爵家に対して常に付け入る隙を狙っている馬鹿は腐るほど居るからな
全て潰してしまえれば苦労は少ないのだが、王の許可も無く勝手は出来ん。
本来なら喜ぶべき結婚も、諸々の事を考えると実に憂鬱だ。
つづく。
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