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第4話、別れの時間が来たようです。
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side:ジャクリーン
「ジャクリーン様、我等の力及ばず無念でございます。」
「「「「「くっ!」」」」」
本日は私がグロンクヴィスト王国に帰る日です。
目の前で悔しそうにうなだれている皆はこの数日、私がバルフェンバーグ王国に留まれるように
陛下を説得したり、有力貴族の助力を得たりと様々なアプローチをしていましたが
努力の甲斐無く私はグロンクヴィスト王国に帰る事になってしまいました。
今後、バルフェンバーグ王国とグロンクヴィスト王国がどうなるかは私の父であり、グロンクヴィスト王国の王でもある
エルネスト・グロンクヴィスト国王陛下の判断次第です。
「皆の者顔を上げて下さい。此度の事は誠に残念ではありますが時間切れです。
私はこれからも平和的解決を模索しますので、皆もおかしな事は考えず最後まで諦めてはなりません。これは王妃としての最後のお願いです。」
「重ね重ね無念でございます。」
「「「「「うぅっ(泣)」」」」」
近い将来このように優秀な忠臣達を戦で失うかもしれないと思うと、私も無念でなりません。
「ジャクリーン様、馬車の用意が出来ましたのでそろそろ」
「ありがとう、皆も達者で」
「はっ!グロンクヴィスト王国までは近衛隊が責任を持ってお送り致しますので御安心下さい!」
「街道は既に第1師団が安全を確保しております!」
「殿(しんがり)は我等第8師団にお任せ下され!」
「第12、13、14、15師団は山狩りをして潜んでいた野党を殲滅しましたが、残党が居る可能性を考慮して引き続き山狩りを継続中でございます!」
えぇーっと、突っこみ所が多すぎて何から聞けば良いのでしょう
百歩譲って街道の安全確保は分かります、しかし馬車で移動するだけなのに山狩りまでは不要でしょう。
しかも野党ごときに4個師団を投入するなど過剰戦力にもほどがあります、私はこれから何処かの国を滅ぼしに行くのでしょうか(汗)
「あっ、あの、私は実家に帰るだけなのですけど、もしかして皆さんは何か勘違いをされているのでは?」
「とんでもございません、今回はジャクリーン様を慕う者達が個人的に集まっただけでございますれば、これも総てはジャクリーン様の人徳の成せる事かと♪」
はい!
意味が分かりません
たった3ヶ月居ただけのお飾りの第2王妃を慕う理由があるとは思えません
まぁ視察名目でほぼ全ての大臣、師団長、隊長クラスの者には会いましたけど
「わはははは♪ジャクリーン様が驚いておられるのなら我等も馳せ参じた甲斐があると言うものです。今まで王族が視察に来て労いの言葉をかけて下さるなど、ジャクリーン様が初めてで御座いましたからな
隊長クラスは勿論、一般兵も喜んでおりましたぞ!」
まさかそんな事で?
グロンクヴィスト王国では当たり前のようにしていた事なのですけど
これで確信しました、元夫のスコットは兵から全く慕われて無いという事が
これなら無駄な血を流さず平和的解決も可能かもしれません!
「皆の忠義に応える為にも、急いでグロンクヴィスト王国に帰ります!」
「「「「「はっ!」」」」」
つづく。
「ジャクリーン様、我等の力及ばず無念でございます。」
「「「「「くっ!」」」」」
本日は私がグロンクヴィスト王国に帰る日です。
目の前で悔しそうにうなだれている皆はこの数日、私がバルフェンバーグ王国に留まれるように
陛下を説得したり、有力貴族の助力を得たりと様々なアプローチをしていましたが
努力の甲斐無く私はグロンクヴィスト王国に帰る事になってしまいました。
今後、バルフェンバーグ王国とグロンクヴィスト王国がどうなるかは私の父であり、グロンクヴィスト王国の王でもある
エルネスト・グロンクヴィスト国王陛下の判断次第です。
「皆の者顔を上げて下さい。此度の事は誠に残念ではありますが時間切れです。
私はこれからも平和的解決を模索しますので、皆もおかしな事は考えず最後まで諦めてはなりません。これは王妃としての最後のお願いです。」
「重ね重ね無念でございます。」
「「「「「うぅっ(泣)」」」」」
近い将来このように優秀な忠臣達を戦で失うかもしれないと思うと、私も無念でなりません。
「ジャクリーン様、馬車の用意が出来ましたのでそろそろ」
「ありがとう、皆も達者で」
「はっ!グロンクヴィスト王国までは近衛隊が責任を持ってお送り致しますので御安心下さい!」
「街道は既に第1師団が安全を確保しております!」
「殿(しんがり)は我等第8師団にお任せ下され!」
「第12、13、14、15師団は山狩りをして潜んでいた野党を殲滅しましたが、残党が居る可能性を考慮して引き続き山狩りを継続中でございます!」
えぇーっと、突っこみ所が多すぎて何から聞けば良いのでしょう
百歩譲って街道の安全確保は分かります、しかし馬車で移動するだけなのに山狩りまでは不要でしょう。
しかも野党ごときに4個師団を投入するなど過剰戦力にもほどがあります、私はこれから何処かの国を滅ぼしに行くのでしょうか(汗)
「あっ、あの、私は実家に帰るだけなのですけど、もしかして皆さんは何か勘違いをされているのでは?」
「とんでもございません、今回はジャクリーン様を慕う者達が個人的に集まっただけでございますれば、これも総てはジャクリーン様の人徳の成せる事かと♪」
はい!
意味が分かりません
たった3ヶ月居ただけのお飾りの第2王妃を慕う理由があるとは思えません
まぁ視察名目でほぼ全ての大臣、師団長、隊長クラスの者には会いましたけど
「わはははは♪ジャクリーン様が驚いておられるのなら我等も馳せ参じた甲斐があると言うものです。今まで王族が視察に来て労いの言葉をかけて下さるなど、ジャクリーン様が初めてで御座いましたからな
隊長クラスは勿論、一般兵も喜んでおりましたぞ!」
まさかそんな事で?
グロンクヴィスト王国では当たり前のようにしていた事なのですけど
これで確信しました、元夫のスコットは兵から全く慕われて無いという事が
これなら無駄な血を流さず平和的解決も可能かもしれません!
「皆の忠義に応える為にも、急いでグロンクヴィスト王国に帰ります!」
「「「「「はっ!」」」」」
つづく。
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