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第2章 商い篇

第14話 要望

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side:加藤菜穂



「おいっ!この最高に旨い酒は何じゃ?」

「えっと、ビールっていうお酒ですね、6本セットで銀貨2枚で売ろうと思うんですけど」

「はぁぁっ?!銀貨2枚じゃと!」


ひぃぃぃ(汗)

お店でお酒を売る為に、ドワーフのロベルトさんにビールを試飲して貰ったんだけど、急に大きな声を出して迫って来ないで欲しい


「やっぱり高いですよね」

「待て待て!逆じゃ、こんなに旨い酒が6本で銀貨2枚など安すぎるんじゃ!酒場のエールでさえダンジョンに持って来たら1杯銀貨2枚でも売れるんじゃぞ。お前さん達は酒場を潰す気か?」


酒場を潰す気は全く無いけど、ビールの価値が全然分からない

とりあえず異世界アニメだとビールの価値がどうなってるのか聞こうと、隣に居るみっちゃんを見てみるけど、、、無理そうやね

みっちゃんは顔を横にブンブン振って、捨てられた子犬のような目をしているんだもの


「酒場を潰す気はありませんが、ビールの値段は私の住んでいた場所に合わせただけなので」

「むうっ、そういう事なら納得だが、仮にビールを街の酒場で売るにしても6本で銀貨2枚は安過ぎる。せめて銀貨4枚じゃな、それ以下の値段ではエールが売れず酒場が潰れてしまう。」


「それならとりあえずビール6本を1セットにして銀貨5枚で試しに売ってみます。」

「銀貨5枚でもまだ安いんじゃが、まぁええじゃろう。ではさっそく100セット頼む♪」

「えっ?、、、100セットですか?100本ではなくて?」

「うむ、100セットで間違い無いぞ」

「まさか1日で飲むんですか?」

「ガハハハハハハハ!ワシがいかに酒好きでも1日では飲めんぞ♪まぁ工房の皆で飲めば2~3日で飲み干す量だがな(笑)」

「在庫を確認するのでちょっと待ってて下さい」

「おうっ、先に片付けをしとるから急がんでええぞ」


「はい、では後程。みっちゃん会議するで!」

「うん」



私は今後の相談の為にみっちゃんを連れていったん家に戻って来た


「ふぅー、いきなり100セットはびっくりしたね(笑)ビールの値段が分からんから直ぐに返事はせんかったけど、幾らやった?」

「ビール6本セットで1200円やったよ。それで私達がネットショップで1日に使えるのが最大10万mp。1mp=10円で約100万円って事になるから、毎日100セット買っても余裕やね♪」

「でも商品が送られて来るベランダの物置きは、ビール10セットも入らんのちゃう?100セット買うだけでけっこう時間かりそうやし、ベランダからお店までは、みっちゃんと2人でお店まで運ばなあかんから、、、かなりしんどそうやね(汗)」

「あ゛っ!」


ふふっ、みっちゃんの驚いてる顔も可愛いなぁ♪

おっと、呑気に眺めてる場合じゃなかった!


「はい、そこで提案がありまーす。ベランダかお店のどっちに商品を送るか選べるように要望を送ろう!」

「要望を送るってまさか、謎の観察者に?」

「うん、前回もメールフォームから要望送って色々改善してくれたし、今回も行けるって♪」

「確かにそういう要望は聞いてくれそうやけど」

「それからビール100セットは流石に多いから、とりあえず20セットにして支払いを金貨にして貰おう。おまけでポテチとか付けたら良いと思うねんけど」


「お店で売ってるジャーキーは美味しかったみたいやし、ポテチも喜んでくれると思う。」

「じゃあさっそく要望を送信っと、忘れる所やったけどドワーフが作る火酒って知ってる?」

「知ってるっていうか、小説とかアニメではよく出て来るけど」

「そうなんや、ビールとか日本酒とは違うの?」

「えっと、火酒を飲んだら『喉を焼く』って表現されてたからウィスキーとかテキーラみたいな強いお酒に似てると思う」

「じゃあウィスキーも商品候補にしとこう」



『ピロロロロン、ピロロロロン』

「「来たっ!」」


着信音が鳴ったのでさっそくメールを確認すると『ご要望通りに』と書いてあった

ビールを20セット購入してっと、、、おおっ!

ちゃんとベランダかお店に送るか選べるようになってる♪

お店を選んで、、、『ゴトッ!』


「きゃっ?!」

「みっちゃん大丈夫?!」

「大丈夫、びっくりしただけやから」


ふぅー、危なかった(汗)

何も考えずにビール買ったら、みっちゃんの直ぐ横に送られて来るとは

これはお店にも物置きを置いて、そこに送って貰うようにせなあかんね

物置きと台車を追加で購入、、、『ゴトッゴトッ』

良し!


台車にビールを乗せてレッツゴー♪





つづく。
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