【完結】異世界に来たっぽいんだけど、好きな人と一緒に居れるなら問題ありません。（加筆版）

第１章 無人島篇

第１１話 状況確認

side：桜井美智瑠



日記を読み終えた私となっちゃんは、日記を書いた人のアドバイス通りに

いったん落ち着いて、冷静に状況を整理してみる事にした。



私たちが今居るこの部屋は、どうやらmpを消費する事で、電気、ガス、水道を作り出す仕組みになっているっぽい

mpの残量を表示するパネルには『３９９７８mp』となっていて

私となっちゃんのmpの合計って事になるのかな？


異世界を題材にしたアニメや小説の設定をそのまま当てはめるなら

この部屋は日記を書いた人の魔法、もしくはユニークスキルで作り出したか、元々あった場所から呼び出したって事になると思う

でも、マンションから１部屋だけが突然消えたら相当な騒ぎになると思うけど、そんなニュースがあった記憶は無い

となると何でも造り出せる『創造スキル』とかそれに類似する能力の可能性がある

アニメや小説だと『創造スキル』のような能力は、いわゆるチートと呼ばれる最も強力な能力に分類される


だけどここで疑問が出てきた

この部屋はmpを消費して電気、ガス、水道を作り出す仕様なのに日記を書いた人は、この部屋を作り出してから１日程度で水道が使えなくなったと書いている

こんな凄い能力の持ち主のmpがそんなに少ないはずが無いと思う、確める術が無いから推測だけど

この部屋を作り出して維持するには相当なmpが必要で、常にmpを消費し続けている状態だったのでは？

少しだけmpが残っていたから最初だけ水道が使えていて

mpを使い果たした後は、mpが回復する度に次々と部屋の維持に使われていたとすれば、いちおう辻褄は合う。


おそらくこの部屋を作り出した人は能力を使った自覚が無い

だったら無意識に能力を解除してしまう可能性も充分にあるのでは？

そしたらこの部屋は消えてしまう？

それとも私となっちゃんのmpを消費してこのまま維持されるのだろうか？


とりあえず今は私となっちゃんのmpを消費して部屋は維持されると考えて

やはり問題は食料だろう、食料もmpを消費して出ないのかな？

この部屋には炊飯器があるから、スイッチを入れたら炊きたてのご飯が出来るかもしれない

という事でさっそく試している、空炊きが恐いから１合分の水だけ入れて炊飯器のスイッチを入れて様子を見ている

しばらくして『ゴポゴポ』と音がして水が沸騰しているのが分かる、でも湯気が出てはいるんだけどお米の匂いは全くしない

炊飯器の蓋を開けて確認してみるもお湯が出来ていただけだった、やはりそんなに都合良くはいかないか（悲）



次に

改めて部屋の中を隅々まで調べる事にした、もしかしたら食料や役に立つ物があるかもしれないからだ




期待はしていなかったけれど、やはり食料は無かった

その代わりトイレットペーパーやシャンプー、リンス、洗剤等々は洗濯機の横にあった棚にびっしりと入れられていた

トイレットペーパーは本当に助かる！

今朝までは小の方は茂みでなんとか出来たけど、％＃＆の方は我慢してたから（恥）


食料は無かったけど、トイレとお風呂があって布団で寝られるだけで今の私達には天国だ♪


「みっちゃーん、疲れたから今日はもうお風呂入って寝ぇへん？」

「そうやね、なっちゃんが先にお風呂入ってええよ」

「一緒に入るんやからみっちゃんも早く服脱いでよ」

「え？！なっ、なななななな何で一緒に入るの？」

「急に水道が使えんようになるかもしれんやん、それにお湯を沸かすのって凄いmp消費するかもしれんし、確認出来るまでは慎重にいかんと

だから、ほら！早く服脱いで！」 



ひぃぃぃ！

なっちゃーん、私の服を脱がすのは止めてぇー（恥）




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side：加藤菜穂



ふふっ

みっちゃんに元気を出して欲しくて少し強引にお風呂に誘ってみたら、恥ずかしそうにはしてるけどそこまで嫌がってはない、、、と思う

もし本気で嫌がってたら、後で土下座して謝るつもりやけど

あっ、あかん！

服を脱がしてる時のみっちゃんのリアクションが可愛い過ぎて、もっと色々したくなるやん！

私がみっちゃんの体を洗ってあげるのが良いんじゃない？

ここはお風呂やから体を洗うなんてめっちゃ自然な事やん

でも焦ったらあかん！

ここは慎重に行動して、みっちゃんとの距離を縮めるぞぉー♪





つづく。