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強制変更 その7

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春香が”確定ボタン”を押したことにより、身に着けているスカートからノイズが発し、ズボンになっていく…
と思っていたが、予想とは反対に長くなるどころか逆に、だんだんスカートが短くなっていってしまう。さらに丈が短くなったせいで、すべすべのふとももが徐々に露わになっていった…。
そして変化が止まり、確認するとスカートの裾は股下5㎝程度しか残っていなかったのだ。


「ちょっと待てっ!スカートがめっちゃ短くなっていってるんだけどっ…!?」

「そう?あたしには、肌色のズボンにしか見えないかなぁ?」


手で、ちょっとでもスカートの裾を必死で下ろそうしてみるが、ウエストがピッタリでこれ以上下げることは全くできず、大事なところはギリギリ隠れているようであるが、むっちりしたふとももは隠せずにいた。


「これのどこがズボンなんだよっ…!ほとんど足じゃねぇかっ…!」

「そんなこと言ったって、早く教室戻らないといけないのに、あんたがわがまま言うからでしょう?」
「次わがまま言うと、2㎝づつ短くしていくからね?」


さすがにこれ以上短くされるわけにもいかず、本気でやりかねない春香を怒らせないようするため、この格好で罰を我慢するしかなかった。
そして、春香が俺の右手を掴み引っ張るように走り出す。


「ほら、あと5分で戻んないといけないじゃないっ!遅れたら夏希のせいだからねっ?」

「ちょっと…!そんなに引っ張られて走ると、いろいろ見えそうでヤバいからっ…!」
「ひっぱるなぁ…!」

右手を掴まれてしまった俺は、春香に引っ張られ3階の自分たちの教室まで走らされることに。
さすが陸上をやっている春香の脚力は力強く、俺が止まろうとしても、そのまま腕を引っ張っていってしまう。そして、引っ張られながら走ると、上下に揺れるせいか股下5㎝になってしまった超ミニスカートは簡単に捲れしまい、ショーツを着けていないプリっとしたお尻がチラチラと見えてしまっていた。左手で後ろのスカートの裾を抑えて走るが、今度は胸が隠せなくなってしまった。ノーブラのFカップの胸は、弾むようにブルンッぶるんっと上下左右に激しく揺れて、さらに乳首をブラウスに擦りつけながら刺激していく。教室に戻ろうとしている生徒達を、俺たちはどんどん追い抜きながら走り、とてもじゃないけど後ろを見れる状態ではなかった。そして階段に差し掛かり、


「か、階段!? 階段はマズイって…。見えちゃうって…!」


「遅れたらどうするのっ!時間は、待ってくれないんだよっ?ほらほら、休まないっ!」


春香はちょっと減速はしたが、そのまま駆け上がり引っ張っていってしまう。階段では、右手を引っ張られて登ると段差に引っ掛かりそうになり、とっさにスカートを抑えていた左手を、手すりに掴ませるしかなかった。階段を登ろうとしている生徒達から見れば、隠す事が出来ないお尻は、丸見えで注目を集めてしまっていただろう…。

(ヤバいって…。絶対後ろのやつらに見られてる…しかも乳首もブラウスに擦れて起ってきたし…!)

3階まで駆け上がり、そこから自分たちの教室まで走り、なんとか午後の授業開始するまでに、窓際の自分の席に着くことができた。

「ハァ…、ハァ…、ハァ…。全然間に合ったじゃんよっ。」

息を切らしながら、自分の椅子に座ると、いつもと違ってひんやりしていて気持ちいい。それもそのはず、超ミニスカ―トな上、ショーツすら履いていないのだから。弾力あるお尻は、椅子に座ると潰れるように、ムニっと広がり本来はスカートを敷くのだろうけど、丈の長さが全然足りていない。かろうじてお尻を隠す事ができても、前はめくるようにして、わずかにふとももに裾が乗っている程度だ。そして素肌のまま椅子に、直接座ることになるのだ。


「間に合ったのは、あたしのおかげでしょ?感謝してよねっ?」


とりあえず、ブラウスが汗で透けた胸と、尖っている乳首を隠すため左手で抑え、後ろの席にいる春香の方を振り向こうとした。


「走ったせいで、大勢に見られたじゃねーかよっ。」

「だって女の子なんだから、多少見られることは仕方ないと思うよ?あと、それは気をつけたほうがいいと思うなぁ」

春香が、俺のスカートに指を差しながら言うと、目線を下にする。俺はすぐに、春香が言った意味がわかった。癖で足を広げながら横に振り向いていて、超ミニスカ―トの前は、座るだけで捲れてしまっている。ちょっとでも足を広げてしまうと、ショーツを着けていないツルツルの部分が見えるのだ。俺はすぐに足を閉じて、手で短くなったスカートの裾を押さえ、見えないようにした。


「なっ…!」
「・・・席に着いた時から見えていたのか…?」

「あたりまえじゃない。自分で気づくかとかと思ったけど、全然気づかないんだもん。」

「だったら早く教えてくれよっ…!誰かに、見られたかもしれねぇだろっ…。」

「だったら、もっと自分が女だって自覚した方がいいんじゃないかなぁ?」

「それは、見た目だけの問題でだなぁ…、」


話の途中だったが、チャイムが鳴り、同時に先生が入ってきた。
俺は、すぐに前に向き、足を意識して開かないようにする。
それはまるで、自分から女の仕草を半強制的にしているようで、複雑な気分だった。

それに、クラスの反応も気になった。工藤夏希の席に、知らない女子生徒が座っているんだから。
確認するために、横の女子の顔を見てみるも、こっちと目は合うが、この人誰?みたいな顔には、なっていない。

(誰も俺の顔を見ても、不思議に思っていないのか?)

もし、男だった工藤夏樹の席に、突然知らない女の子が座っていたら普通、絶対気づくだろうし、誰も何も言ってこない。ということは、俺以外の人は、男だった工藤夏樹の存在はなく、初めから女の工藤夏希としての、認識になっているのか…。

(だとすれば、どうして春香に俺が男だって記憶があるんだ?西園寺の時は、俺が男だった記憶はなく、女で認識してたと思ったんだけど…。)

俺自身はおそらく強制変更アプリの”スキャン”した対象者で、記憶はそのままのはずだ。しかし、自分のステータスが”♀”に変わってしまったのに、春香は覚えている。それは、なぜ?
共通するものといえば、幼馴染、あとは…このスマホを触ったことぐらいか…。
しばらく考え一つの答えが出た。

(アプリの入ったスマホかッ!)
このアプリの入ったスマホを、触っている、もしくは触ったことがあると、接触者の記憶変更は行われない。ということか。
俺も春香も、今日1日でこのアプリの入ったスマホを触っている。つまり、スマホを触った俺と春香以外は、元から工藤夏希は”女”として存在しているように変更したのか。

(まだまだ、このアプリについては、わからないことだらけだな。)

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