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10章 理不尽との戦い
10-16 理不尽な夜4
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「理不尽すぎるのを通り越して不条理だわ。陛下がやったことに帝国ではなく私が責任を取らされるなんて」
正妃が持っている扇をへし折りそうだ。
「いえいえ、コレはすべて貴方のやってきたことに対する理不尽のお返しですよ。第八皇子がウィト王国にいる間、起爆スイッチを数百回も押したのですから、それ相応をお返しされるとお考え下さい」
「リューティは無事じゃないっ。今ここに元気にいるでしょうっ。ウィト王国だって何事もなく嫌なくらい平和だったじゃない」
「、、、防御が完璧であったからといって、貴方が攻撃をして良い理由にはなりません。起爆スイッチを押すという行為自体が攻撃意志があるということなのですから」
言葉でいくら言ったとしてもわからない者には実力行使しかない。
相応の報復を。
「イーティと寄りを戻したいとでも言いたいのかしら」
「子供ができたのですから、父親としての責務を果たすようとお伝えください」
「あの子が皇帝になるならば、結婚できたのに残念ねえ」
「生き残るための一つの手段だったのですから仕方ありません。過去に出会ってもいなかった者が何を言うこともない」
「嘘おっしゃい。本当は奪い取りたいんでしょう。すべて綺麗ごと。だから、帝国に魔物を落とそうとするんでしょう」
扇を広げて、正妃は高笑いした。
「、、、確かに許されることなら奪い取りたい」
「そうで」
「けれど、奪い取るのなら奪い返さられることを考えなければならない。それはイーティにとっても幸せとは言えない。貴方は勘違いしていますが、帝国に魔物が落ちるのとイーティとのことは別のこと。混同しているのはそちらの方なのでは」
「すべて恨みからやっていることでしょうっ」
「ええ、帝国がウィト王国にしてきたことの恨み辛みはこんなことくらいで終わると思ったら大間違いですけどね」
声が限りなく低くなっていっている気がする。
感情が底冷えしてしまったかのように、揺るがない。
正妃は言いたいことを言い、やりたいことをやる。
どこかの誰かのようだ。
その我がままがなぜ許される?
どうして他人をこんなにも容易く踏み躙ることができる。
権力がそうさせるのなら、その者の権力などなくしてしまえばいい。
俺は顔だけは笑顔を貼り付ける。
「ああ、もう正妃はお帰りになられても良いですよ。貴方がお帰りになる場所はもうどこにもありませんが」
「何を」
「貴方がいた離宮も燃やし尽くしました。幽閉できない建物なんていらないですからね」
「すべて元に戻しなさいっ。私のものよっ」
正妃はそれでも騒ぐ。
戻すわけもない。それなら、最初から壊さない。
「この者がどうなってもいいのっ」
正妃の合図で前室の扉が開いた。
侍女たちも待機していたが、着飾った一人の女性が部屋に入ってくる。
「オルレア様、ご無沙汰しております。貴方を追いかけてきました」
にっこりと薄気味悪い笑顔を向けられた。
この子はどこのオルレアに話しかけているのだろう。
彼女のオルレアはここにはいないのに。
「アルティ皇太子殿下の皇太子妃であろう御方が、私を追いかけてきたと?ご冗談を」
追いかけてきたと言っても、ここは帝国だ。
皇太子妃がいてもおかしくはない。
殺害される危険性があるため、ウィト王国での現地妻であったはずだというだけだ。
「オルレア様こそ目を覚ましてください。貴方こそ小国の側妃ではなく、大国である帝国の正妃になるべきです」
何を言っているのか。
言っている内容はわかるが、なぜオルレアにそれを言う?
「アニエス・グロスか、小国とは言ってくれる」
ソイファ王太子殿下が苦笑いを浮かべる。
そりゃそうだ。
オルレアにとってこんな優良物件、他にはない。
ソイファ王太子殿下が側妃にもらってくれなければ、修道院か、果ては。
アルティ皇太子の正妃になったとしたら、最終的には断頭台に上がる未来しか見えない。
「ソイ王国などキノア帝国に比べたら小国も小国でしょう。しかも、オルレア様を正妃ではなく側妃に迎えるなどと侮辱も甚だしい」
「誰に対しての侮辱だ?」
俺はアニエスに問う。
「オルレア様に対しての」
俺は首を傾げる。
理解できない者は帝国の者だけじゃなかった。
いや。
そういえば、そうだった。
ウィト王国の者の考えも、俺は昔から理解できなかったのだ。
彼らもまた俺を理解する気はないのだろう。
俺はただの駒に過ぎないのだから。
だから、ずっと平行線のままだ。
「ウィト王国への侮辱とは言わないのか」
「ウィト王国は関係ありません。オルレア様に対する侮辱です」
オルレアに対する侮辱か。
オルレアは正妃の働きができないのだから側妃にするしかないと思う。しかも、妾でないだけありがたいくらいなのではないか。
パンッ、と正妃が扇を閉じる音をさせた。
「オルレア、この子の貴方に対する愛情は人一倍。慕ってくれている子を貴方は見捨てるの?」
正妃は扇をアニエスの首に当てる。
彼女の生殺与奪の権を握っているのは自分だと言いたいらしいが。
やはり俺は首を傾げざる得ない。
「あらあら、まあまあ、こんなところまで追いかけてきた子を見捨てるなんて薄情な」
「オルレアに対して侮辱しているのも薄情なのも、彼女、アニエス嬢に他なりません。見捨てるも何も、彼女の夫の国がこの帝国。オルレアが関与するべき話でもない」
「私はオルレア様とともに生きたいのですっ」
彼女の叫びとも思える声が部屋に響いた。
「、、、なあ、スレイ、俺はおかしいと思うか?オルレアに会いたいのならわざわざ帝国に来るか?」
同じウィト王国の出であるスレイに問う。
「いや、まったく。オルレアとともに生きたいのなら帝国ではなくソイ王国に行くべきだろう」
「そうだよな」
帝国で二人が皇太子妃になって仲良しこよし、という日は来ない。皇太子妃はお互い戦う者同士であり、蹴落とすためにいる。
「、、、ちょっとー、俺の意見はー?俺は二人も他国から側妃を娶る気はないよー。そもそも、うちの国は他国の嫁ってあまり歓迎されないからねえ。俺がオルレアを好きだし、バーレイ侯爵の娘だからなんとか説得できただけだから、これぞという付加価値がないと難しいよね」
アニエス・グロスは男爵家の令嬢。
特に他国の王族が結婚したいと思える家柄ではない。
恐ろしいほど好みの女性だったとか、手を出してしまって断るに断れないとか、何らかの理由がないと王族が結婚まですることはないだろう。
アルティ皇太子は手を出した者すべてを皇妃にしただけだ。
「結婚は最強の剣と最強の盾の家に近づく手法としては最適な手段だ」
アルティ皇太子はどこ寄りの意見なんだよ。
ソイ王国に行ったところでアニエスが夢幻回廊にいるオルレアに会えることはないが、帝国にいるよりも会える確率は高いと思うのが普通。
ソイ王国の王太子の婚約者なのだから。
反対に帝国で会える確率が高いのは、俺である。
帝国のイーティと婚約していたのは、どう考えても俺である。
「アニエス嬢、貴方は誰に会いに帝国へと来たのか?」
「オルレア様に」
「なら、なぜ、貴方は俺をオルレアと呼ぶ?」
アニエス嬢がひゅっと息を飲んだ。
「慕っていると言うが、区別もつかないのならば、貴方にとってオルレアの価値はそれだけのものなのか」
「あ、あの、オ、オルレア様?だって、他の皆様もオルレア様と呼んで、、、」
急に慌てだしたアニエス嬢。
芯にしていた部分が揺らぐ。
彼女は俺の言った意味が真に理解できたからだ。
貴族学校で身代わりを演じていたのは。
それはいつから。
その身代わりを気づかなかったのは。
「帝国の護衛や侍女以外の者は知っていながら、そう呼んでいる」
「え、この子、知っていてこのオルレアを追いかけていたのではないの?」
唖然とした正妃。
こういう女性は情報だけはしっかりと握っている。
誰かの弱みを。誰かの企みを。誰かのすべてを牛耳るために。
「オルレア様は、、、だって、ソイ王国の王太子と婚約者の一行として親善を目的に来たと、、、」
「その説明を真に受けて、勘違いしている者がいたなんて、、、」
正妃が一番驚いているのはなぜだろう。
正妃が持っている扇をへし折りそうだ。
「いえいえ、コレはすべて貴方のやってきたことに対する理不尽のお返しですよ。第八皇子がウィト王国にいる間、起爆スイッチを数百回も押したのですから、それ相応をお返しされるとお考え下さい」
「リューティは無事じゃないっ。今ここに元気にいるでしょうっ。ウィト王国だって何事もなく嫌なくらい平和だったじゃない」
「、、、防御が完璧であったからといって、貴方が攻撃をして良い理由にはなりません。起爆スイッチを押すという行為自体が攻撃意志があるということなのですから」
言葉でいくら言ったとしてもわからない者には実力行使しかない。
相応の報復を。
「イーティと寄りを戻したいとでも言いたいのかしら」
「子供ができたのですから、父親としての責務を果たすようとお伝えください」
「あの子が皇帝になるならば、結婚できたのに残念ねえ」
「生き残るための一つの手段だったのですから仕方ありません。過去に出会ってもいなかった者が何を言うこともない」
「嘘おっしゃい。本当は奪い取りたいんでしょう。すべて綺麗ごと。だから、帝国に魔物を落とそうとするんでしょう」
扇を広げて、正妃は高笑いした。
「、、、確かに許されることなら奪い取りたい」
「そうで」
「けれど、奪い取るのなら奪い返さられることを考えなければならない。それはイーティにとっても幸せとは言えない。貴方は勘違いしていますが、帝国に魔物が落ちるのとイーティとのことは別のこと。混同しているのはそちらの方なのでは」
「すべて恨みからやっていることでしょうっ」
「ええ、帝国がウィト王国にしてきたことの恨み辛みはこんなことくらいで終わると思ったら大間違いですけどね」
声が限りなく低くなっていっている気がする。
感情が底冷えしてしまったかのように、揺るがない。
正妃は言いたいことを言い、やりたいことをやる。
どこかの誰かのようだ。
その我がままがなぜ許される?
どうして他人をこんなにも容易く踏み躙ることができる。
権力がそうさせるのなら、その者の権力などなくしてしまえばいい。
俺は顔だけは笑顔を貼り付ける。
「ああ、もう正妃はお帰りになられても良いですよ。貴方がお帰りになる場所はもうどこにもありませんが」
「何を」
「貴方がいた離宮も燃やし尽くしました。幽閉できない建物なんていらないですからね」
「すべて元に戻しなさいっ。私のものよっ」
正妃はそれでも騒ぐ。
戻すわけもない。それなら、最初から壊さない。
「この者がどうなってもいいのっ」
正妃の合図で前室の扉が開いた。
侍女たちも待機していたが、着飾った一人の女性が部屋に入ってくる。
「オルレア様、ご無沙汰しております。貴方を追いかけてきました」
にっこりと薄気味悪い笑顔を向けられた。
この子はどこのオルレアに話しかけているのだろう。
彼女のオルレアはここにはいないのに。
「アルティ皇太子殿下の皇太子妃であろう御方が、私を追いかけてきたと?ご冗談を」
追いかけてきたと言っても、ここは帝国だ。
皇太子妃がいてもおかしくはない。
殺害される危険性があるため、ウィト王国での現地妻であったはずだというだけだ。
「オルレア様こそ目を覚ましてください。貴方こそ小国の側妃ではなく、大国である帝国の正妃になるべきです」
何を言っているのか。
言っている内容はわかるが、なぜオルレアにそれを言う?
「アニエス・グロスか、小国とは言ってくれる」
ソイファ王太子殿下が苦笑いを浮かべる。
そりゃそうだ。
オルレアにとってこんな優良物件、他にはない。
ソイファ王太子殿下が側妃にもらってくれなければ、修道院か、果ては。
アルティ皇太子の正妃になったとしたら、最終的には断頭台に上がる未来しか見えない。
「ソイ王国などキノア帝国に比べたら小国も小国でしょう。しかも、オルレア様を正妃ではなく側妃に迎えるなどと侮辱も甚だしい」
「誰に対しての侮辱だ?」
俺はアニエスに問う。
「オルレア様に対しての」
俺は首を傾げる。
理解できない者は帝国の者だけじゃなかった。
いや。
そういえば、そうだった。
ウィト王国の者の考えも、俺は昔から理解できなかったのだ。
彼らもまた俺を理解する気はないのだろう。
俺はただの駒に過ぎないのだから。
だから、ずっと平行線のままだ。
「ウィト王国への侮辱とは言わないのか」
「ウィト王国は関係ありません。オルレア様に対する侮辱です」
オルレアに対する侮辱か。
オルレアは正妃の働きができないのだから側妃にするしかないと思う。しかも、妾でないだけありがたいくらいなのではないか。
パンッ、と正妃が扇を閉じる音をさせた。
「オルレア、この子の貴方に対する愛情は人一倍。慕ってくれている子を貴方は見捨てるの?」
正妃は扇をアニエスの首に当てる。
彼女の生殺与奪の権を握っているのは自分だと言いたいらしいが。
やはり俺は首を傾げざる得ない。
「あらあら、まあまあ、こんなところまで追いかけてきた子を見捨てるなんて薄情な」
「オルレアに対して侮辱しているのも薄情なのも、彼女、アニエス嬢に他なりません。見捨てるも何も、彼女の夫の国がこの帝国。オルレアが関与するべき話でもない」
「私はオルレア様とともに生きたいのですっ」
彼女の叫びとも思える声が部屋に響いた。
「、、、なあ、スレイ、俺はおかしいと思うか?オルレアに会いたいのならわざわざ帝国に来るか?」
同じウィト王国の出であるスレイに問う。
「いや、まったく。オルレアとともに生きたいのなら帝国ではなくソイ王国に行くべきだろう」
「そうだよな」
帝国で二人が皇太子妃になって仲良しこよし、という日は来ない。皇太子妃はお互い戦う者同士であり、蹴落とすためにいる。
「、、、ちょっとー、俺の意見はー?俺は二人も他国から側妃を娶る気はないよー。そもそも、うちの国は他国の嫁ってあまり歓迎されないからねえ。俺がオルレアを好きだし、バーレイ侯爵の娘だからなんとか説得できただけだから、これぞという付加価値がないと難しいよね」
アニエス・グロスは男爵家の令嬢。
特に他国の王族が結婚したいと思える家柄ではない。
恐ろしいほど好みの女性だったとか、手を出してしまって断るに断れないとか、何らかの理由がないと王族が結婚まですることはないだろう。
アルティ皇太子は手を出した者すべてを皇妃にしただけだ。
「結婚は最強の剣と最強の盾の家に近づく手法としては最適な手段だ」
アルティ皇太子はどこ寄りの意見なんだよ。
ソイ王国に行ったところでアニエスが夢幻回廊にいるオルレアに会えることはないが、帝国にいるよりも会える確率は高いと思うのが普通。
ソイ王国の王太子の婚約者なのだから。
反対に帝国で会える確率が高いのは、俺である。
帝国のイーティと婚約していたのは、どう考えても俺である。
「アニエス嬢、貴方は誰に会いに帝国へと来たのか?」
「オルレア様に」
「なら、なぜ、貴方は俺をオルレアと呼ぶ?」
アニエス嬢がひゅっと息を飲んだ。
「慕っていると言うが、区別もつかないのならば、貴方にとってオルレアの価値はそれだけのものなのか」
「あ、あの、オ、オルレア様?だって、他の皆様もオルレア様と呼んで、、、」
急に慌てだしたアニエス嬢。
芯にしていた部分が揺らぐ。
彼女は俺の言った意味が真に理解できたからだ。
貴族学校で身代わりを演じていたのは。
それはいつから。
その身代わりを気づかなかったのは。
「帝国の護衛や侍女以外の者は知っていながら、そう呼んでいる」
「え、この子、知っていてこのオルレアを追いかけていたのではないの?」
唖然とした正妃。
こういう女性は情報だけはしっかりと握っている。
誰かの弱みを。誰かの企みを。誰かのすべてを牛耳るために。
「オルレア様は、、、だって、ソイ王国の王太子と婚約者の一行として親善を目的に来たと、、、」
「その説明を真に受けて、勘違いしている者がいたなんて、、、」
正妃が一番驚いているのはなぜだろう。
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