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5章 拗れて歪んだ恋心
5-4 捨てられた過去3 ◆クリスト視点◆
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◆クリスト視点◆
父親に今日から同じ年齢の平民の子を一緒に訓練させると言われた。
何を考えているのだろう。
私兵団に数か月前に入った孤児だということだが、ごくごく普通の子供がこの訓練に耐えられるわけがない。
まだ訓練を重ねた年上なら可能性はあると思うが。
初日。
「私はクリスト・バーレイだ。今後よろしく頼む」
にこやかに笑ったつもりだが、ものすごく嫌そうな顔を返された。
横に並ぶとほんの少し彼の方が身長が高い。赤い短髪が彼の意志の強さを表しているかのようでもあった。
「お前が平民のキュジオか。一緒にやれ。クリスト、日課の訓練を始めるぞ」
父が言ったら、さらに嫌そうな顔になった。
そのあからさまな態度にあの父も微妙に戸惑ったようだが、すぐにいつもの訓練を始めた。
バーレイ侯爵家の直系男子以外では無理と言われた訓練だ。
一日で逃げ出すのかと思ったが、次の日もその次の日もキュジオは訓練場にやって来た。
ものすごく嫌そうな顔で。
キュジオは私が笑顔を向けても、いつも嫌そうな顔をする。
訓練中、話しかけても何も答えてくれない。
一日で二、三言必要事項を話すことができれば良い方だった。
キュジオはとにかく気力体力をうまく配分し、死なないように怪我に気をつけている。
気持ちが切れたら、すぐに死に直結するような訓練だ。
それが彼にもわかっているのだろう。
父の訓練にも根性でついてきていた。
何が彼をそうさせるのだろう。
興味が湧いた。
いつも不機嫌な顔で、必要最小限の会話。
ただ黙々と訓練についてくる。
キュジオと訓練を始めて数か月後、母の容態が悪くなった。
母は病弱でほとんどベッドで寝ている生活をしていたが、朝食と夕食のときは必ず一緒に食事をしてくれた。
朝、送り出してくれるのが、夜、迎えてくれるのがどんなに嬉しかったか。
それが本当に大切なことだったのだと知ったのは、母の葬儀の後だった。
その日、訓練が終わって訓練場から戻ろうとしても、足が動かなかった。
屋敷に戻っても、もうそこで母は自分を迎えてはくれないのだと。
それを知ったとき、愕然とした。
ベッドに寝ていても、一緒に食事をしてくれなくとも、生きていてくれれば。
どんなに願っても、もう叶わない。
治療魔法がどうにもならないこともあるのだ。
一人になりたかった。
でも、横にキュジオがいた。
ただ突っ立っているだけだった。
いつもの不機嫌そうな顔で、何も話さず。
涙がいつのまにか流れていた。
上っ面の慰めの言葉なんかいらない。そんな言葉を吐く大人たちが裏で母を何と言っていたか知っている。
誰も本心を面と向かって言う者はいない。
けれど、その裏で語る言葉の刃は届く。
彼は黙ってそばに居続けてくれた。
キュジオの存在がありがたかった。
お礼のつもりでもあった。
キュジオにピアスを無理矢理つけたら。
「死ね」
と言われた。
本当に新鮮な反応を返してくれる。
私からの贈り物なんてどんな物でも皆泣いて喜ぶのに。
私に対して誰もが褒め言葉を用意し、誰もが私を称賛する。
そんなわけがないと知りつつも、誰も否定することはなかった。
キュジオの言葉は真実で、嘘がない。
彼は偽の笑顔を貼り付けない。
不機嫌な表情も本心。
死ねというのも本心からだろう。
けれど。
「そんなこと言って、本当に私が死んだら気に病むだろ?」
私は笑顔で聞いた。
「どうせお前が死んだら、俺も生きていない」
「え、」
「平民の俺はお前が受ける訓練と同じ訓練を受けるから、ここで生かしてもらえる。お前が死んだら、俺はお払い箱だ。成人にも達していない孤児が世間に放り出されて、普通に生きていけると思うなよ」
地面に横たわっている彼の目は本気だった。
私の方が気圧された。
彼を甘く見ていたのは、私の方だった。
死、という意味さえも知らずに、彼が軽々しく使っていると思ったのだ。
彼は両親を失い、自分の命さえ生きる手段になっているというのに。
「、、、キミがそこまでの覚悟で言っている言葉だとは思ってもみなかったよ」
そう、彼は覚悟をもってこの訓練場に来る。
生きるために。
彼が本来平民として生きるには、こんな剣や魔法の過酷な訓練は必要ない。
本当に過剰な訓練だ。
それにもかかわらず、彼が毎日この過酷な訓練に弱音も吐かずにやり遂げるのは生きていくためだけだ。
それしか、彼には生きる道が用意されていないのだ。
一緒に訓練を受けているのがキュジオで良かった。
その幸運を嬉しく思う。
私のそばにキミがいてくれて良かった。
そして、魔法の剣を無理矢理にでもキミに贈って本当に良かった。
それからしばらくして父が再婚した。
バーレイ侯爵家には、長男と次男が必要だ。
長男が最強の剣として、次男が最強の盾としてこの国の守りで必要だからだ。
理由が理由なだけに父を責める気はない。
母もベッドでいつも繰り返していたことだ。
父の再婚相手の女性も、私を冷遇することもなく優しかった。
それと同時に、父の弟である叔父の結婚を、父が認めた。
幼い頃から叔父を支えてくれた女性ということだったが、それは大丈夫なのだろうか。
子供ながら不安になってしまった。
この国には領地が余っていない。
貴族の兄弟間でもかなりギスギスしている関係のところが多い。
叔父が結婚して、もし子供ができたら、バーレイ伯爵は自分の息子に伯爵位を譲ってしまうのではないか?
それは私の弟として生まれるはずの、次の最強の盾の爵位がなくなるということだ。
だが、そんな問題は子供の私でもわかる。父が何らかの対策を取っているのだろう。
それとも、父は義母との間に子供を儲ける気がないのか。
と思っていたが、私が八歳のときに双子が産まれた。
女の子と男の子だった。
二人とも銀髪で可愛らしい。
弟のオルトの方がクセ毛だ。
次の最強の盾となる。
一、二歳の年齢差なら、同じ訓練を受けられただろうに。
八歳差だとさすがに同じ訓練というわけにもいかない。しかも、私は十二歳になる年には全寮制の貴族学校に通わなければならない。約三年ほどで私はこの家を離れる。
キュジオは学校には通わないから、このまま私兵団にいるだろう。
もしかしたら、父が考えたキュジオの役割というのは、父が弟と兄弟で一緒に訓練をしていたからではないかとようやく思い当たった。
一人だと挫折しかねない訓練でも、二人いれば。
ただ、キュジオと私は助け合う仲ではない。
馴れ合う仲でもない。
それが嬉しく、得難いものなのだが。
今でもキュジオは仏頂面で不機嫌極まりない顔で訓練を続けている。
平民とは思えないほどの上達ぶりだ。剣も魔法も体術も。
キュジオは平民ではないのではないかと思える。
平民にしては魔力量が多すぎる。
訓練に耐えられる可能性があるからこそ、バーレイ侯爵家が引き取っていたのだが。
庶子でも彼なら家に迎えたいと思う者も多いのではないだろうか。
「キュジオは自分の親が誰だか知りたい?」
質問すると、ものすごく嫌そうな顔が返ってきた。
感情を隠そうともしない正直な顔だ。
「何でそんなことを聞く?」
「調べればわかるんじゃないかな。魔力量が多いから、親が貴族の可能性もあるんじゃないかと。もし貴族なら」
「俺は俺を捨てた親と仲良くする気はねえよ」
言葉を切られて、不機嫌極まりない顔で答えられてしまった。
「貴族なら生活が安定するんじゃない?成人するまでは働く必要ないよ」
「ああっ?そんな奴らクソくらえだ」
本気で怒っている。
この辺の価値観は相容れない。
彼は生きるためでも、もう親なんかに頼ろうとしない。
確かにもう必要ないだろう。
「それに、今さら湧いて出て来る親なんてロクなもんじゃねえ。他人を利用しようとする輩だけだ」
キュジオは貴族が大嫌いだ。
過酷な訓練をする父のせいもあるだろうけど。
鬼軍曹め、という言葉がしばしば口から漏れている。父の耳にも聞こえているはずだが。
私兵団が彼を解雇することはない。
彼の実力はすでに高い評価を得ている。
けれど、平民と貴族では住まう場所が違う。
私は貴族学校卒業後、騎士団に入団しなければならない、最強の剣として。
キュジオが貴族になってしまえば、彼も騎士団に入団させるのは簡単なことだったのだけど、彼は養子縁組でも貴族を受け入れないに違いない。
平民が騎士団に入団しても、回されるのは雑用ばかりで出世とは程遠い。
私はキミとともに生きる道を探しているのだけどね。
父親に今日から同じ年齢の平民の子を一緒に訓練させると言われた。
何を考えているのだろう。
私兵団に数か月前に入った孤児だということだが、ごくごく普通の子供がこの訓練に耐えられるわけがない。
まだ訓練を重ねた年上なら可能性はあると思うが。
初日。
「私はクリスト・バーレイだ。今後よろしく頼む」
にこやかに笑ったつもりだが、ものすごく嫌そうな顔を返された。
横に並ぶとほんの少し彼の方が身長が高い。赤い短髪が彼の意志の強さを表しているかのようでもあった。
「お前が平民のキュジオか。一緒にやれ。クリスト、日課の訓練を始めるぞ」
父が言ったら、さらに嫌そうな顔になった。
そのあからさまな態度にあの父も微妙に戸惑ったようだが、すぐにいつもの訓練を始めた。
バーレイ侯爵家の直系男子以外では無理と言われた訓練だ。
一日で逃げ出すのかと思ったが、次の日もその次の日もキュジオは訓練場にやって来た。
ものすごく嫌そうな顔で。
キュジオは私が笑顔を向けても、いつも嫌そうな顔をする。
訓練中、話しかけても何も答えてくれない。
一日で二、三言必要事項を話すことができれば良い方だった。
キュジオはとにかく気力体力をうまく配分し、死なないように怪我に気をつけている。
気持ちが切れたら、すぐに死に直結するような訓練だ。
それが彼にもわかっているのだろう。
父の訓練にも根性でついてきていた。
何が彼をそうさせるのだろう。
興味が湧いた。
いつも不機嫌な顔で、必要最小限の会話。
ただ黙々と訓練についてくる。
キュジオと訓練を始めて数か月後、母の容態が悪くなった。
母は病弱でほとんどベッドで寝ている生活をしていたが、朝食と夕食のときは必ず一緒に食事をしてくれた。
朝、送り出してくれるのが、夜、迎えてくれるのがどんなに嬉しかったか。
それが本当に大切なことだったのだと知ったのは、母の葬儀の後だった。
その日、訓練が終わって訓練場から戻ろうとしても、足が動かなかった。
屋敷に戻っても、もうそこで母は自分を迎えてはくれないのだと。
それを知ったとき、愕然とした。
ベッドに寝ていても、一緒に食事をしてくれなくとも、生きていてくれれば。
どんなに願っても、もう叶わない。
治療魔法がどうにもならないこともあるのだ。
一人になりたかった。
でも、横にキュジオがいた。
ただ突っ立っているだけだった。
いつもの不機嫌そうな顔で、何も話さず。
涙がいつのまにか流れていた。
上っ面の慰めの言葉なんかいらない。そんな言葉を吐く大人たちが裏で母を何と言っていたか知っている。
誰も本心を面と向かって言う者はいない。
けれど、その裏で語る言葉の刃は届く。
彼は黙ってそばに居続けてくれた。
キュジオの存在がありがたかった。
お礼のつもりでもあった。
キュジオにピアスを無理矢理つけたら。
「死ね」
と言われた。
本当に新鮮な反応を返してくれる。
私からの贈り物なんてどんな物でも皆泣いて喜ぶのに。
私に対して誰もが褒め言葉を用意し、誰もが私を称賛する。
そんなわけがないと知りつつも、誰も否定することはなかった。
キュジオの言葉は真実で、嘘がない。
彼は偽の笑顔を貼り付けない。
不機嫌な表情も本心。
死ねというのも本心からだろう。
けれど。
「そんなこと言って、本当に私が死んだら気に病むだろ?」
私は笑顔で聞いた。
「どうせお前が死んだら、俺も生きていない」
「え、」
「平民の俺はお前が受ける訓練と同じ訓練を受けるから、ここで生かしてもらえる。お前が死んだら、俺はお払い箱だ。成人にも達していない孤児が世間に放り出されて、普通に生きていけると思うなよ」
地面に横たわっている彼の目は本気だった。
私の方が気圧された。
彼を甘く見ていたのは、私の方だった。
死、という意味さえも知らずに、彼が軽々しく使っていると思ったのだ。
彼は両親を失い、自分の命さえ生きる手段になっているというのに。
「、、、キミがそこまでの覚悟で言っている言葉だとは思ってもみなかったよ」
そう、彼は覚悟をもってこの訓練場に来る。
生きるために。
彼が本来平民として生きるには、こんな剣や魔法の過酷な訓練は必要ない。
本当に過剰な訓練だ。
それにもかかわらず、彼が毎日この過酷な訓練に弱音も吐かずにやり遂げるのは生きていくためだけだ。
それしか、彼には生きる道が用意されていないのだ。
一緒に訓練を受けているのがキュジオで良かった。
その幸運を嬉しく思う。
私のそばにキミがいてくれて良かった。
そして、魔法の剣を無理矢理にでもキミに贈って本当に良かった。
それからしばらくして父が再婚した。
バーレイ侯爵家には、長男と次男が必要だ。
長男が最強の剣として、次男が最強の盾としてこの国の守りで必要だからだ。
理由が理由なだけに父を責める気はない。
母もベッドでいつも繰り返していたことだ。
父の再婚相手の女性も、私を冷遇することもなく優しかった。
それと同時に、父の弟である叔父の結婚を、父が認めた。
幼い頃から叔父を支えてくれた女性ということだったが、それは大丈夫なのだろうか。
子供ながら不安になってしまった。
この国には領地が余っていない。
貴族の兄弟間でもかなりギスギスしている関係のところが多い。
叔父が結婚して、もし子供ができたら、バーレイ伯爵は自分の息子に伯爵位を譲ってしまうのではないか?
それは私の弟として生まれるはずの、次の最強の盾の爵位がなくなるということだ。
だが、そんな問題は子供の私でもわかる。父が何らかの対策を取っているのだろう。
それとも、父は義母との間に子供を儲ける気がないのか。
と思っていたが、私が八歳のときに双子が産まれた。
女の子と男の子だった。
二人とも銀髪で可愛らしい。
弟のオルトの方がクセ毛だ。
次の最強の盾となる。
一、二歳の年齢差なら、同じ訓練を受けられただろうに。
八歳差だとさすがに同じ訓練というわけにもいかない。しかも、私は十二歳になる年には全寮制の貴族学校に通わなければならない。約三年ほどで私はこの家を離れる。
キュジオは学校には通わないから、このまま私兵団にいるだろう。
もしかしたら、父が考えたキュジオの役割というのは、父が弟と兄弟で一緒に訓練をしていたからではないかとようやく思い当たった。
一人だと挫折しかねない訓練でも、二人いれば。
ただ、キュジオと私は助け合う仲ではない。
馴れ合う仲でもない。
それが嬉しく、得難いものなのだが。
今でもキュジオは仏頂面で不機嫌極まりない顔で訓練を続けている。
平民とは思えないほどの上達ぶりだ。剣も魔法も体術も。
キュジオは平民ではないのではないかと思える。
平民にしては魔力量が多すぎる。
訓練に耐えられる可能性があるからこそ、バーレイ侯爵家が引き取っていたのだが。
庶子でも彼なら家に迎えたいと思う者も多いのではないだろうか。
「キュジオは自分の親が誰だか知りたい?」
質問すると、ものすごく嫌そうな顔が返ってきた。
感情を隠そうともしない正直な顔だ。
「何でそんなことを聞く?」
「調べればわかるんじゃないかな。魔力量が多いから、親が貴族の可能性もあるんじゃないかと。もし貴族なら」
「俺は俺を捨てた親と仲良くする気はねえよ」
言葉を切られて、不機嫌極まりない顔で答えられてしまった。
「貴族なら生活が安定するんじゃない?成人するまでは働く必要ないよ」
「ああっ?そんな奴らクソくらえだ」
本気で怒っている。
この辺の価値観は相容れない。
彼は生きるためでも、もう親なんかに頼ろうとしない。
確かにもう必要ないだろう。
「それに、今さら湧いて出て来る親なんてロクなもんじゃねえ。他人を利用しようとする輩だけだ」
キュジオは貴族が大嫌いだ。
過酷な訓練をする父のせいもあるだろうけど。
鬼軍曹め、という言葉がしばしば口から漏れている。父の耳にも聞こえているはずだが。
私兵団が彼を解雇することはない。
彼の実力はすでに高い評価を得ている。
けれど、平民と貴族では住まう場所が違う。
私は貴族学校卒業後、騎士団に入団しなければならない、最強の剣として。
キュジオが貴族になってしまえば、彼も騎士団に入団させるのは簡単なことだったのだけど、彼は養子縁組でも貴族を受け入れないに違いない。
平民が騎士団に入団しても、回されるのは雑用ばかりで出世とは程遠い。
私はキミとともに生きる道を探しているのだけどね。
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