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12章 蛇足なのか、後始末なのか
12-9 家族であろうとも ◆ハーラット侯爵視点◆
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◆ハーラット侯爵視点◆
メルクイーン男爵領の隣の男爵領にて遺体が見つかったと、リアムには報告した。
聡い彼なら気づくだろう。
どうせ王都で裁判したとしても死ぬまで労働を課せられるか、処刑されるだけだ。
しかも、生きていれば、リアムにまた牙を向けるかもしれない。
小物は悪知恵が働く。厄介だ。
リアムは面倒ごとが嫌いだ。
さすがに王子には手を下せなかったが、男爵家の次兄などどうにでもなる。しかも、他領に移動してしまったメルクイーン男爵家の次兄ならば。
遺体が見つかったというよりは、ハーラット侯爵家の者が介入して遺体にしたというのが正しい。
が、リアムもその辺は突っ込まないだろう。
「そうですか。身元確認等した方が良いのですか?」
リアムは平坦な声で言った。
その遺体が誰か気づいているはずなのに、感情に揺らぎがない。
「隣領まで行かないといけないから、お兄さんや弟でいいんじゃないかな。多少の時間はかかるし。それに、リアムは顔を覚えているのか?」
「、、、そう言われると、魔法学園に行く前でもしっかりと見たことなかったな」
と思ったよ。
リアムにとって彼はもはや家族とは名ばかりのどうでもいい存在だ。
「隣の男爵の陰謀に巻き込まれたために死亡したから、顔の一部は残っているが、リアムでは本人か確認できない可能性もある」
「そうだねー。わからないかもしれないねー」
わかっても見に行かない、というのが正しい。
リアムなら顔以外でも判別がつくはずだ。
それ以上は聞かないが。
「捜査の詳しい書類が届き次第、ご家族の日程等の調整をお願いするよ。遺体は状態保存の魔法をかけているから腐らない。埋葬するならこの地に運んでもいい」
「手厚いですね」
「一応ね。彼は被害者として取り扱っている。隣の男爵に唆された憐れな子羊としてね」
表向きは被害者。
本来なら犯人の一人なのだけど、死人に口なし。
男爵やその息子の証言なんて生きていても簡単に握り潰せる。
この国ではメルクイーン男爵だけが別格だというのに、何を勘違いしたのか、あの男爵は。
彼らは家を取り潰され、一生労働を課される。
メルクイーン男爵領ではなく、まだ違う領地の乗っ取りだけならば、誰も気づかなかった可能性もあっただろうに。
「ところでクリス様にもガラスの靴を作った方が良いんですか?」
リアムが真面目な顔をして聞いてきた。
「あー、ラーラの願いは叶えてあげたいけど、クリスがガラスの靴を渡されても困惑してる顔しか浮かばないよ。ところで、ナーヴァルはクリスの想いをどう受け取っている?リアムから見てどう思う?」
「俺だったら白馬に乗った王子様風キラキライケメンに想いを寄せられたら喜ぶけどなあ」
「私もクリスに似ているだろ?そんな私に好かれてリアムは喜ばないのか?」
「腹黒侯爵は笑顔が黒すぎて似てない。顔のパーツは似ているはずなのに、ここまで似てないと感じるのも不思議だ」
この正直者め。
「クリス様は結局、ナーヴァルに嫌われたくないから、強気の行動には出られない」
「ナーヴァルはリアムのことが好きだと公言しているからなあ。クリスもお人好しだから」
「いや、公言はしてませんよ。秘めたる想いのままですよ」
「リアムが知っているなら周知の事実だ」
「まあ、ナーヴァルとリージェンにはお互いに向き合えと脅しておいたから、クリス様のことも含めて考えるでしょう」
「脅す、、、秘めたる想いのままで、、、ナーヴァルも告って粉砕されちゃえば良いのに」
「そうですよねー。そしたら新しい恋に生きられるのにー」
おい、当事者。
簡単に同意するな。粉砕するのはお前だぞ。
横にいるお前もうんうん頷くな。
ライバルが減れば嬉しくもなるだろうけど。
リアムは一夫一妻の誓約をしていないので、旦那が増えても大丈夫なはずなのだが、私にもうんと言ってくれない。
私はラーラのそばにいるからだ。
リアムは相手にも砦にいることを望む。
だが、砦長のナーヴァルやA級冒険者のビーズも砦に居続けると思うが、リアムの相手にされていない。
ナーヴァルはともかくビーズの顔はリアムの好みの範囲内だろう。
他に何か条件があるのか?
「でも、難しいかもしれませんね」
お、ゾーイが何か意見するか?
「リアムは可愛いので、見たら惚れちゃいますよね」
「あーやだやだ、コレだから新婚さんはー、どこでもかしこでものろけやがってー」
「ナーヴァル砦長は幼い頃のリアムの笑顔を見ているんですよ。ハーラット侯爵も俺も見たことがないという伝説の笑顔を」
あっ、母上に向けていたという極上の笑顔のリアムをアイツは見ていたのか。
街の人々も、昔から砦にいた冒険者たちも口々に言う伝説の笑顔。
今では想像もつかない。
「そういえば、そうだった。土に埋めるか」
「土じゃあ出てきますよ。冒険者なんですから」
リアムがとめないなあ。砦長の仕事があるのに、とか言ってとめないのかなあ。
とめないと、際限なくなるよ。
ゾーイと悪口言い続けるよ。
考えを読んでいたように、リアムが口を開く。
「いや、ナーヴァル、書類仕事の作業スピード遅いからなあ。砦長もそろそろ引退もありうるのかと」
リアムが一番怖いな。
「そうか、ナーヴァルが砦長を引退したら、クリス様が囲えば定年後も安心」
うん、リアム、それ以上言うな。
ナーヴァルがこの場にいなくて良かった。
さすがに、大の大人を泣かせたくない。
言われてしまえば、ナーヴァルの引退後はクリスが面倒をみる気がしてしまう。
リージェンも一緒について来そうな気がする。
まだ先のことだが、しばらくしたらこの屋敷はクリスに譲ろうか。
「私はキミと出会えてよかったよ」
「俺は悪徳商会長とは別の機会に出会いたかったですねえ」
笑う。
お互いに笑い合える。
もし別の出会いだったのならば、結ばれることもあったのだろうか。
私は最愛の妹ラーラを、私の呪縛から逃してあげたかった。
私以外の伴侶を持ってもらいたかった。
私以外に愛する者を見つけてもらいたかった。
私もリアムなら愛せると思ったのに。
まあ、その考えも見透かされていたのか。
それとも、顔が単に好みでなかっただけかもしれないが。
クリスが好みに入っているのに、私が入ってないのは腑に落ちないのだが。
リアムが誓約の相手に選んだのは、砦の守護獣シロ様、クロ様、ゾーイ・マックレーに料理長クトフである。
奴隷の三人はとりあえず私の中では放置で。
彼らはリアムのそばに居続けることを選んだ者たちだ。
そして、最優先事項がリアムである者たちである。
だから、ナーヴァルが選ばれず、ナーヴァルは諦めきれないのだろう。
ナーヴァルは己が気づいてないだけで、最優先事項がリアムではない。
リアムはその人の行動もしっかり見ているのだから。
なぜ、長兄ジャイールがリアムに存在を許されるのか。
イケメンだから、というわけではなく、行動を改めたからだ。
ジャイールはその点において次兄ルアンよりも柔軟だったのだろう。本来、メルクイーン男爵家の長男で跡継ぎだと言われ続けて育てられたのはジャイールなのだから。
けれど、リアムに父ビルが許されるのはもう少し先だろう。
リアムはまだビルが、母上に協力的だったら母上は死ななかったのに、と思っている。
どうして母上が生きている間に何とかしなかったのか、と。
行動を変えることができるのならば、どうしてあのときに変えてくれなかったのか、と。
過去は変えられない。
それでも、未来は続いているのだから。
ハーラット侯爵家はキミとともにあることを誓おう。
メルクイーン男爵領の隣の男爵領にて遺体が見つかったと、リアムには報告した。
聡い彼なら気づくだろう。
どうせ王都で裁判したとしても死ぬまで労働を課せられるか、処刑されるだけだ。
しかも、生きていれば、リアムにまた牙を向けるかもしれない。
小物は悪知恵が働く。厄介だ。
リアムは面倒ごとが嫌いだ。
さすがに王子には手を下せなかったが、男爵家の次兄などどうにでもなる。しかも、他領に移動してしまったメルクイーン男爵家の次兄ならば。
遺体が見つかったというよりは、ハーラット侯爵家の者が介入して遺体にしたというのが正しい。
が、リアムもその辺は突っ込まないだろう。
「そうですか。身元確認等した方が良いのですか?」
リアムは平坦な声で言った。
その遺体が誰か気づいているはずなのに、感情に揺らぎがない。
「隣領まで行かないといけないから、お兄さんや弟でいいんじゃないかな。多少の時間はかかるし。それに、リアムは顔を覚えているのか?」
「、、、そう言われると、魔法学園に行く前でもしっかりと見たことなかったな」
と思ったよ。
リアムにとって彼はもはや家族とは名ばかりのどうでもいい存在だ。
「隣の男爵の陰謀に巻き込まれたために死亡したから、顔の一部は残っているが、リアムでは本人か確認できない可能性もある」
「そうだねー。わからないかもしれないねー」
わかっても見に行かない、というのが正しい。
リアムなら顔以外でも判別がつくはずだ。
それ以上は聞かないが。
「捜査の詳しい書類が届き次第、ご家族の日程等の調整をお願いするよ。遺体は状態保存の魔法をかけているから腐らない。埋葬するならこの地に運んでもいい」
「手厚いですね」
「一応ね。彼は被害者として取り扱っている。隣の男爵に唆された憐れな子羊としてね」
表向きは被害者。
本来なら犯人の一人なのだけど、死人に口なし。
男爵やその息子の証言なんて生きていても簡単に握り潰せる。
この国ではメルクイーン男爵だけが別格だというのに、何を勘違いしたのか、あの男爵は。
彼らは家を取り潰され、一生労働を課される。
メルクイーン男爵領ではなく、まだ違う領地の乗っ取りだけならば、誰も気づかなかった可能性もあっただろうに。
「ところでクリス様にもガラスの靴を作った方が良いんですか?」
リアムが真面目な顔をして聞いてきた。
「あー、ラーラの願いは叶えてあげたいけど、クリスがガラスの靴を渡されても困惑してる顔しか浮かばないよ。ところで、ナーヴァルはクリスの想いをどう受け取っている?リアムから見てどう思う?」
「俺だったら白馬に乗った王子様風キラキライケメンに想いを寄せられたら喜ぶけどなあ」
「私もクリスに似ているだろ?そんな私に好かれてリアムは喜ばないのか?」
「腹黒侯爵は笑顔が黒すぎて似てない。顔のパーツは似ているはずなのに、ここまで似てないと感じるのも不思議だ」
この正直者め。
「クリス様は結局、ナーヴァルに嫌われたくないから、強気の行動には出られない」
「ナーヴァルはリアムのことが好きだと公言しているからなあ。クリスもお人好しだから」
「いや、公言はしてませんよ。秘めたる想いのままですよ」
「リアムが知っているなら周知の事実だ」
「まあ、ナーヴァルとリージェンにはお互いに向き合えと脅しておいたから、クリス様のことも含めて考えるでしょう」
「脅す、、、秘めたる想いのままで、、、ナーヴァルも告って粉砕されちゃえば良いのに」
「そうですよねー。そしたら新しい恋に生きられるのにー」
おい、当事者。
簡単に同意するな。粉砕するのはお前だぞ。
横にいるお前もうんうん頷くな。
ライバルが減れば嬉しくもなるだろうけど。
リアムは一夫一妻の誓約をしていないので、旦那が増えても大丈夫なはずなのだが、私にもうんと言ってくれない。
私はラーラのそばにいるからだ。
リアムは相手にも砦にいることを望む。
だが、砦長のナーヴァルやA級冒険者のビーズも砦に居続けると思うが、リアムの相手にされていない。
ナーヴァルはともかくビーズの顔はリアムの好みの範囲内だろう。
他に何か条件があるのか?
「でも、難しいかもしれませんね」
お、ゾーイが何か意見するか?
「リアムは可愛いので、見たら惚れちゃいますよね」
「あーやだやだ、コレだから新婚さんはー、どこでもかしこでものろけやがってー」
「ナーヴァル砦長は幼い頃のリアムの笑顔を見ているんですよ。ハーラット侯爵も俺も見たことがないという伝説の笑顔を」
あっ、母上に向けていたという極上の笑顔のリアムをアイツは見ていたのか。
街の人々も、昔から砦にいた冒険者たちも口々に言う伝説の笑顔。
今では想像もつかない。
「そういえば、そうだった。土に埋めるか」
「土じゃあ出てきますよ。冒険者なんですから」
リアムがとめないなあ。砦長の仕事があるのに、とか言ってとめないのかなあ。
とめないと、際限なくなるよ。
ゾーイと悪口言い続けるよ。
考えを読んでいたように、リアムが口を開く。
「いや、ナーヴァル、書類仕事の作業スピード遅いからなあ。砦長もそろそろ引退もありうるのかと」
リアムが一番怖いな。
「そうか、ナーヴァルが砦長を引退したら、クリス様が囲えば定年後も安心」
うん、リアム、それ以上言うな。
ナーヴァルがこの場にいなくて良かった。
さすがに、大の大人を泣かせたくない。
言われてしまえば、ナーヴァルの引退後はクリスが面倒をみる気がしてしまう。
リージェンも一緒について来そうな気がする。
まだ先のことだが、しばらくしたらこの屋敷はクリスに譲ろうか。
「私はキミと出会えてよかったよ」
「俺は悪徳商会長とは別の機会に出会いたかったですねえ」
笑う。
お互いに笑い合える。
もし別の出会いだったのならば、結ばれることもあったのだろうか。
私は最愛の妹ラーラを、私の呪縛から逃してあげたかった。
私以外の伴侶を持ってもらいたかった。
私以外に愛する者を見つけてもらいたかった。
私もリアムなら愛せると思ったのに。
まあ、その考えも見透かされていたのか。
それとも、顔が単に好みでなかっただけかもしれないが。
クリスが好みに入っているのに、私が入ってないのは腑に落ちないのだが。
リアムが誓約の相手に選んだのは、砦の守護獣シロ様、クロ様、ゾーイ・マックレーに料理長クトフである。
奴隷の三人はとりあえず私の中では放置で。
彼らはリアムのそばに居続けることを選んだ者たちだ。
そして、最優先事項がリアムである者たちである。
だから、ナーヴァルが選ばれず、ナーヴァルは諦めきれないのだろう。
ナーヴァルは己が気づいてないだけで、最優先事項がリアムではない。
リアムはその人の行動もしっかり見ているのだから。
なぜ、長兄ジャイールがリアムに存在を許されるのか。
イケメンだから、というわけではなく、行動を改めたからだ。
ジャイールはその点において次兄ルアンよりも柔軟だったのだろう。本来、メルクイーン男爵家の長男で跡継ぎだと言われ続けて育てられたのはジャイールなのだから。
けれど、リアムに父ビルが許されるのはもう少し先だろう。
リアムはまだビルが、母上に協力的だったら母上は死ななかったのに、と思っている。
どうして母上が生きている間に何とかしなかったのか、と。
行動を変えることができるのならば、どうしてあのときに変えてくれなかったのか、と。
過去は変えられない。
それでも、未来は続いているのだから。
ハーラット侯爵家はキミとともにあることを誓おう。
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