12 / 51
1章 白き貴公子と黒き皇帝との出会い
1-12 犯罪のニオイ
しおりを挟む
貴族の結婚は打算の塊である。
飛竜が乗り手を決めるのは打算ではないと言いたいところだが、飛竜の価値基準において損得勘定する。
その上で、言おう。
皇城の飛竜すべてが乗り手に命を預けているわけではないと。
命までかけてくれる飛竜はごく僅か。
飛竜がこれぞと決めた相手でなければ、一緒に死ぬまで戦ってくれない。
どこかで線引きをされる。
飛竜の乗り手と言っても千差万別。
戦場で飛竜に見捨てられたら、待っているのは。
じっと男を見る男。
ストーカーではないと信じたいが、犯行を狙っている可能性も捨てがたい。
竜騎士見習のジュー・ゼンは時間の許す限り、ルーシェ・シルコットの飛竜に関わる行動を観察することにした。
いやあ、私には手に取るようにジューの考えていることがわかるけどさあ、傍から見ている人たちにとってみればジューの行動は怪しさ満点だ。
観察するってことは、それなりにじっくりねっとり舐めるように見ているということだからねえ。
意図を知らなければ、超怖え。
警察、、、ではなく警備隊の元へに駆け込んじゃう案件だ。
しかも、ルーシェは竜たらしの称号まで得てしまった。
見習のジューが嫉妬に駆られて、ルーシェに危害を加えるんじゃないかと考えてしまう者たちは多い。
見習のままなら異動を言い渡す慣例となっている二十歳、その直前にある者たちには注意が必要だ。
竜騎士になれないのならと自暴自棄に走る若者は多い。特に下級貴族の者に。
下級貴族は変なプライドだけは高い。
平民は生活のため異動命令に粛々と従う。
上級貴族は家が強く、変な行動を起こさないように外では監視しているので問題を起こしにくい。ただ、竜舎内や訓練場等だと部外者が入れないので、なかなかに難しい点もあるようだが。
ルーシェを観察するジュー、を監視する他の見習、見守る竜騎士たちがいる。
竜舎の世話担当たちは黙々と自分の仕事をこなすだけだ。
事件に巻き込まれたくない、というのが平民の正直な気持ちなのは仕方ないことだ。
ジューよりルーシェは年下だ。
頭を下げて教えを乞うことが素直にできれば、こんなことにはならなかっただろう。
「お前がやったんだろ」
警備隊に取り押さえられ、ジューは密かに皇城の敷地内にある取調室に連れていかれた。
暗く小さい部屋の真ん中にあるテーブルに向かい合って座らされている。
警備隊の副隊長が前に座っており、後ろには隊員が二人立っている。
この場に記録を取る者などいない。
「俺じゃねえっ」
「調べは上がっているんだ。お前は最近、ルーシェ・シルコット殿の後ろをつけ回していた。大方、行動パターンでも調べて犯行の機会を窺っていたんだろう」
「違うっ、俺はやっていない」
ジューは大声で叫んだ。
叫んだところでどうにもならないが。
クエド帝国は、疑わしきは罰せず、という国ではない。
処罰された後に冤罪が判明しても、疑わしい行動をしたお前が悪い、ということを平気で言う国である。
皇帝こそがルールであり、皇帝が白を黒と言ったら黒になる国である。
皇帝が絶対的権力を持つ国だ。
だからこそ、クフィールは己を制して生きている。
皇帝が我がままに振舞ったら最後、この国には皇帝のイエスマンしか生き残らないだろう。
そういうことを知る者が皇帝でなければ、この国はこの世界に大国として生き残ってはいないのだが。
「誰が仲間なんだ?お前一人じゃ無理だよな。協力者がいたはずだ」
ジューがまだ拷問という名の暴力を受けていないのは、皇城で同じ釜の飯を食った仲間だから、というわけではない。
彼を泳がせて、うんうん、皆が言いたいことはわかるよー、この国の警備隊のなかでは拷問をしていないのは泳がせていると同じくらいの意識なんだよ、複数人いるであろう共犯者を一緒に捕まえたいからだ。
「俺はっ、ルーシェの飛竜の鞍なんて触っちゃいねえっ」
「じゃあ、魔法か?」
「ジュー・ゼンはアレを破壊できるほどの魔法は使えないはずです」
「シルコット殿の飛竜ボボの鞍か。せめてクエド帝国で作った鞍だったらなあ」
副隊長はボソッと呟く。困ったように。
一番簡単なのは、ジュー・ゼンの単独での犯行だ。
ジュー・ゼンだけを吊るし上げれば済む問題だ。
しかし、クエド帝国とサンテス王国では飛竜の鞍のひとつでさえ大きく違うことが判明した。
見た目こそそう大きくは変わらないが、サンテス王国の飛竜の鞍は相当に重い。
人一人では持ち上がらない。
そして、傷つけようにも剣でも槍でもそこそこの腕前では傷一つつかない。
材料は何だと聞きたくなるくらい丈夫に作られている。
人にとっては重い物でも、飛竜にとっては問題ない重さだが。
戦闘に飛竜を使うクエド帝国では最大の武器のスピードを殺しかねない、こんな重くて丈夫、乗り手が快適に座っていられる鞍は使わない。
クエド帝国では軽くて固定しやすい物が良い鞍と言われている。
もちろん一人で楽々持てるし、一人でもつけられるように作られている。
戦闘で使う物だからある程度の耐久性はあるが、剣や槍で突かれたら普通に傷がつく。
飛竜ボボの鞍は重いので、ルーシェもボボに乗るときだけ鞍をつける。
それ以外は竜舎の端に置かれていた。
ちなみにルーシェは軽量化の魔法を使えるので、普通に一人で軽々とこの鞍をつける。
そう軽々といつも持っていたので、証拠品回収時に持ち上げようとした警備隊の隊員の一人は面食らった。
動かない、と。
「あ、普通に持つと重いですよー。腰を痛めるので三人ぐらいで持った方が良いですよー」
というありがたい忠告がルーシェからされた。
ボロボロになった鞍を見て、別段驚かないルーシェ。
いつも姉たちにやられていたことだからだ。
だから、姉たちが手を出せないようにどんどん丈夫で頑丈で重い鞍と進化していったのだが、姉たちを超える人物がここにも出てきたっ、というくらいにしかルーシェは思っていない。
ルーシェの姉たちは、鞍があるとルーシェが飛竜で空へ遊びに行ってしまう、行かせてたまるかっ、私たちがルーシェで遊ぶんだっ、という我がままで鞍をぶっ壊していたのだが、最初は元気で良いと言っていた親たちも、姉たちは様々な面での出費が激しくなりいい迷惑になってきた。彼女たちが分別がつくであろうほどほどの年齢になってもやめなかったので、さすがに超叱られて鞍を傷つけるのだけはやめるようになったというエピソードがある。
クエド帝国側はそんな穏やかなものではなく、皇帝が客として招いた人物の高価な所持品に手を出す不届き者がおり、犯人を処罰しなければ帝国の面子が丸潰れだと考えているような警備隊である。
とにかく早く犯人を上げたい。
だが、ずっしりとした鞍を見れば、この鞍をズタズタに切り裂くには人の手でも魔法でも協力者がいないと成り立たない。
竜騎士見習の身体能力も魔法も国側は把握済みだ。
隠している能力でもない限り、単独犯は完全に無理だと判断せざる得ない。
しかも、見習の立場では飛竜を動かすことはできない。
取調室は他の隊員たちに任せて、副隊長は部屋の外に出た。
「あの鞍、人の手で傷つけることができるのか?」
そもそも論。
物理的にも超重いし頑丈に作られている上、魔法が何重にも重ねがけされていることが今の時点でも把握されている。
サンテス王国では飛竜の鞍一つでもこんなに金をかけているのかとうならざる得ない。
実際はすべてルーシェの姉たちのせいでシルコット公爵家ではこんなに金をかけざる得なかったのだが。
が、サンテス王国において金持ちの道楽で飛竜を飼っている者もまた鞍にもお金かけるので、サンテス王国内での飛竜の鞍に対してそこまでの大差はない。
立派な飛竜には見劣りしない立派な鞍をつけたくなるよねっ。
「犯人、名乗り出てくれねえかなあ」
絶対に叶わない願いだと知りつつも、副隊長の口から漏れていた。
飛竜が乗り手を決めるのは打算ではないと言いたいところだが、飛竜の価値基準において損得勘定する。
その上で、言おう。
皇城の飛竜すべてが乗り手に命を預けているわけではないと。
命までかけてくれる飛竜はごく僅か。
飛竜がこれぞと決めた相手でなければ、一緒に死ぬまで戦ってくれない。
どこかで線引きをされる。
飛竜の乗り手と言っても千差万別。
戦場で飛竜に見捨てられたら、待っているのは。
じっと男を見る男。
ストーカーではないと信じたいが、犯行を狙っている可能性も捨てがたい。
竜騎士見習のジュー・ゼンは時間の許す限り、ルーシェ・シルコットの飛竜に関わる行動を観察することにした。
いやあ、私には手に取るようにジューの考えていることがわかるけどさあ、傍から見ている人たちにとってみればジューの行動は怪しさ満点だ。
観察するってことは、それなりにじっくりねっとり舐めるように見ているということだからねえ。
意図を知らなければ、超怖え。
警察、、、ではなく警備隊の元へに駆け込んじゃう案件だ。
しかも、ルーシェは竜たらしの称号まで得てしまった。
見習のジューが嫉妬に駆られて、ルーシェに危害を加えるんじゃないかと考えてしまう者たちは多い。
見習のままなら異動を言い渡す慣例となっている二十歳、その直前にある者たちには注意が必要だ。
竜騎士になれないのならと自暴自棄に走る若者は多い。特に下級貴族の者に。
下級貴族は変なプライドだけは高い。
平民は生活のため異動命令に粛々と従う。
上級貴族は家が強く、変な行動を起こさないように外では監視しているので問題を起こしにくい。ただ、竜舎内や訓練場等だと部外者が入れないので、なかなかに難しい点もあるようだが。
ルーシェを観察するジュー、を監視する他の見習、見守る竜騎士たちがいる。
竜舎の世話担当たちは黙々と自分の仕事をこなすだけだ。
事件に巻き込まれたくない、というのが平民の正直な気持ちなのは仕方ないことだ。
ジューよりルーシェは年下だ。
頭を下げて教えを乞うことが素直にできれば、こんなことにはならなかっただろう。
「お前がやったんだろ」
警備隊に取り押さえられ、ジューは密かに皇城の敷地内にある取調室に連れていかれた。
暗く小さい部屋の真ん中にあるテーブルに向かい合って座らされている。
警備隊の副隊長が前に座っており、後ろには隊員が二人立っている。
この場に記録を取る者などいない。
「俺じゃねえっ」
「調べは上がっているんだ。お前は最近、ルーシェ・シルコット殿の後ろをつけ回していた。大方、行動パターンでも調べて犯行の機会を窺っていたんだろう」
「違うっ、俺はやっていない」
ジューは大声で叫んだ。
叫んだところでどうにもならないが。
クエド帝国は、疑わしきは罰せず、という国ではない。
処罰された後に冤罪が判明しても、疑わしい行動をしたお前が悪い、ということを平気で言う国である。
皇帝こそがルールであり、皇帝が白を黒と言ったら黒になる国である。
皇帝が絶対的権力を持つ国だ。
だからこそ、クフィールは己を制して生きている。
皇帝が我がままに振舞ったら最後、この国には皇帝のイエスマンしか生き残らないだろう。
そういうことを知る者が皇帝でなければ、この国はこの世界に大国として生き残ってはいないのだが。
「誰が仲間なんだ?お前一人じゃ無理だよな。協力者がいたはずだ」
ジューがまだ拷問という名の暴力を受けていないのは、皇城で同じ釜の飯を食った仲間だから、というわけではない。
彼を泳がせて、うんうん、皆が言いたいことはわかるよー、この国の警備隊のなかでは拷問をしていないのは泳がせていると同じくらいの意識なんだよ、複数人いるであろう共犯者を一緒に捕まえたいからだ。
「俺はっ、ルーシェの飛竜の鞍なんて触っちゃいねえっ」
「じゃあ、魔法か?」
「ジュー・ゼンはアレを破壊できるほどの魔法は使えないはずです」
「シルコット殿の飛竜ボボの鞍か。せめてクエド帝国で作った鞍だったらなあ」
副隊長はボソッと呟く。困ったように。
一番簡単なのは、ジュー・ゼンの単独での犯行だ。
ジュー・ゼンだけを吊るし上げれば済む問題だ。
しかし、クエド帝国とサンテス王国では飛竜の鞍のひとつでさえ大きく違うことが判明した。
見た目こそそう大きくは変わらないが、サンテス王国の飛竜の鞍は相当に重い。
人一人では持ち上がらない。
そして、傷つけようにも剣でも槍でもそこそこの腕前では傷一つつかない。
材料は何だと聞きたくなるくらい丈夫に作られている。
人にとっては重い物でも、飛竜にとっては問題ない重さだが。
戦闘に飛竜を使うクエド帝国では最大の武器のスピードを殺しかねない、こんな重くて丈夫、乗り手が快適に座っていられる鞍は使わない。
クエド帝国では軽くて固定しやすい物が良い鞍と言われている。
もちろん一人で楽々持てるし、一人でもつけられるように作られている。
戦闘で使う物だからある程度の耐久性はあるが、剣や槍で突かれたら普通に傷がつく。
飛竜ボボの鞍は重いので、ルーシェもボボに乗るときだけ鞍をつける。
それ以外は竜舎の端に置かれていた。
ちなみにルーシェは軽量化の魔法を使えるので、普通に一人で軽々とこの鞍をつける。
そう軽々といつも持っていたので、証拠品回収時に持ち上げようとした警備隊の隊員の一人は面食らった。
動かない、と。
「あ、普通に持つと重いですよー。腰を痛めるので三人ぐらいで持った方が良いですよー」
というありがたい忠告がルーシェからされた。
ボロボロになった鞍を見て、別段驚かないルーシェ。
いつも姉たちにやられていたことだからだ。
だから、姉たちが手を出せないようにどんどん丈夫で頑丈で重い鞍と進化していったのだが、姉たちを超える人物がここにも出てきたっ、というくらいにしかルーシェは思っていない。
ルーシェの姉たちは、鞍があるとルーシェが飛竜で空へ遊びに行ってしまう、行かせてたまるかっ、私たちがルーシェで遊ぶんだっ、という我がままで鞍をぶっ壊していたのだが、最初は元気で良いと言っていた親たちも、姉たちは様々な面での出費が激しくなりいい迷惑になってきた。彼女たちが分別がつくであろうほどほどの年齢になってもやめなかったので、さすがに超叱られて鞍を傷つけるのだけはやめるようになったというエピソードがある。
クエド帝国側はそんな穏やかなものではなく、皇帝が客として招いた人物の高価な所持品に手を出す不届き者がおり、犯人を処罰しなければ帝国の面子が丸潰れだと考えているような警備隊である。
とにかく早く犯人を上げたい。
だが、ずっしりとした鞍を見れば、この鞍をズタズタに切り裂くには人の手でも魔法でも協力者がいないと成り立たない。
竜騎士見習の身体能力も魔法も国側は把握済みだ。
隠している能力でもない限り、単独犯は完全に無理だと判断せざる得ない。
しかも、見習の立場では飛竜を動かすことはできない。
取調室は他の隊員たちに任せて、副隊長は部屋の外に出た。
「あの鞍、人の手で傷つけることができるのか?」
そもそも論。
物理的にも超重いし頑丈に作られている上、魔法が何重にも重ねがけされていることが今の時点でも把握されている。
サンテス王国では飛竜の鞍一つでもこんなに金をかけているのかとうならざる得ない。
実際はすべてルーシェの姉たちのせいでシルコット公爵家ではこんなに金をかけざる得なかったのだが。
が、サンテス王国において金持ちの道楽で飛竜を飼っている者もまた鞍にもお金かけるので、サンテス王国内での飛竜の鞍に対してそこまでの大差はない。
立派な飛竜には見劣りしない立派な鞍をつけたくなるよねっ。
「犯人、名乗り出てくれねえかなあ」
絶対に叶わない願いだと知りつつも、副隊長の口から漏れていた。
7
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜
明太子
BL
伯爵令息のエスメラルダは幼い頃から恋心を抱いていたレオンスタリア王国の国王であるキースと結婚し、王妃となった。
しかし、当のキースからは冷遇され、1人寂しく別居生活を送っている。
それでもキースへの想いを捨てきれないエスメラルダ。
だが、その思いも虚しく、エスメラルダはキースが別の令嬢を新しい妃を迎えようとしている場面に遭遇してしまう。
流石に心が折れてしまったエスメラルダは離婚を決意するが…?
エスメラルダの一途な初恋はキースに届くのか?
そして、キースの本当の気持ちは?
分かりづらい伏線とそこそこのどんでん返しありな喜怒哀楽激しめ王妃のシリアス?コメディ?こじらせ初恋BLです!
※R指定は保険です。
「私が愛するのは王妃のみだ、君を愛することはない」私だって会ったばかりの人を愛したりしませんけど。
下菊みこと
恋愛
このヒロイン、実は…結構逞しい性格を持ち合わせている。
レティシアは貧乏な男爵家の長女。実家の男爵家に少しでも貢献するために、国王陛下の側妃となる。しかし国王陛下は王妃殿下を溺愛しており、レティシアに失礼な態度をとってきた!レティシアはそれに対して、一言言い返す。それに対する国王陛下の反応は?
小説家になろう様でも投稿しています。
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
むらくも航
ファンタジー
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
☆10/25からは、毎日18時に更新予定!
(完)妹が全てを奪う時、私は声を失った。
青空一夏
恋愛
継母は私(エイヴリー・オマリ伯爵令嬢)から母親を奪い(私の実の母は父と継母の浮気を苦にして病気になり亡くなった)
妹は私から父親の愛を奪い、婚約者も奪った。
そればかりか、妹は私が描いた絵さえも自分が描いたと言い張った。
その絵は国王陛下に評価され、賞をいただいたものだった。
私は嘘つきよばわりされ、ショックのあまり声を失った。
誰か助けて・・・・・・そこへ私の初恋の人が現れて・・・・・・
今日からはじめる錬金生活〜家から追い出されたので王都の片隅で錬金術店はじめました〜
束原ミヤコ
恋愛
マユラは優秀な魔導師を輩出するレイクフィア家に生まれたが、魔導の才能に恵まれなかった。
そのため幼い頃から小間使いのように扱われ、十六になるとアルティナ公爵家に爵位と金を引き換えに嫁ぐことになった。
だが夫であるオルソンは、初夜の晩に現れない。
マユラはオルソンが義理の妹リンカと愛し合っているところを目撃する。
全てを諦めたマユラは、領地の立て直しにひたすら尽力し続けていた。
それから四年。リンカとの間に子ができたという理由で、マユラは離縁を言い渡される。
マユラは喜び勇んで家を出た。今日からはもう誰かのために働かなくていい。
自由だ。
魔法は苦手だが、物作りは好きだ。商才も少しはある。
マユラは王都の片隅で、錬金術店を営むことにした。
これは、マユラが偉大な錬金術師になるまでの、初めの一歩の話──。
婚約者が、私より従妹のことを信用しきっていたので、婚約破棄して譲ることにしました。どうですか?ハズレだったでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者が、従妹の言葉を信用しきっていて、婚約破棄することになった。
だが、彼は身をもって知ることとになる。自分が選んだ女の方が、とんでもないハズレだったことを。
全2話。
2度もあなたには付き合えません
cyaru
恋愛
1度目の人生。
デヴュタントで「君を見初めた」と言った夫ヴァルスの言葉は嘘だった。
ヴァルスは思いを口にすることも出来ない恋をしていた。相手は王太子妃フロリア。
フロリアは隣国から嫁いで来たからか、自由気まま。当然その所業は貴族だけでなく民衆からも反感を買っていた。
ヴァルスがオデットに婚約、そして結婚を申し込んだのはフロリアの所業をオデットが惑わせたとして罪を着せるためだった。
ヴァルスの思惑通りに貴族や民衆の敵意はオデットに向けられ遂にオデットは処刑をされてしまう。
処刑場でオデットはヴァルスがこんな最期の時まで自分ではなくフロリアだけを愛し気に見つめている事に「もう一度生まれ変われたなら」と叶わぬ願いを胸に抱く。
そして、目が覚めると見慣れた光景がオデットの目に入ってきた。
ヴァルスが結婚を前提とした婚約を申し込んでくる切欠となるデヴュタントの日に時間が巻き戻っていたのだった。
「2度もあなたには付き合えない」
デヴュタントをドタキャンしようと目論むオデットだが衣装も用意していて参加は不可避。
あの手この手で前回とは違う行動をしているのに何故かヴァルスに目を付けられてしまった。
※章で分けていますが序章は1回目の人生です。
※タグの①は1回目の人生、②は2回目の人生です
※初日公開分の1回目の人生は苛つきます。
★↑例の如く恐ろしく、それはもう省略しまくってます。
★11月2日投稿開始、完結は11月4日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる