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6章 花が咲く頃
6-15 一目だけでも ※タレタ視点
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◆タレタ視点◆
「タレターーーーーっ」
主の大声が頭に響いた。
主にバレちゃったー。
捕まるのも時間の問題よねー。
ククーと一緒にいるのなら、捕まった方が楽なのかしらん?
あ、別行動はじめてしまった。ククーは馬車でヴィンセントの家を確認しに行ってしまった。
あれ?もしや、家にいた方が王子はククーの神官服を拝めたのかしらねー。
うーん、仕方ない。しがない魔物には未来予知なんてできない。無理。
神官服のククーが街にいないのなら速やかに撤退しなければ。
本当は王子が街に出てきたら行けないのだけど、王子の前で主がククーと話したのがいけない。
惚れた相手の神官姿なんて想像させたのがいけない。
一目だけでも見たいと、願わせてしまったのだから。
主がなぜかまだ大切に保管している汚い黒い布を被って、王子がこそこそしているのを発見してしまった。
仕方ないので、王子の頭の上にのる。
「タレタ、僕は街に行きたいんだ」
シュンとした王子。
主も王子を悲しそうな顔のままにしたくないはずだ。
≪王子はククーの神官服が見たいんでしょ≫
王子は顔を真っ赤にして俯いた。
「、、、うん、一目だけでもいい」
ポソリと呟いた姿、超可愛いー。主にも見せてあげたかった。
王子を単独行動させれば、確実に主に見つかる。というか、ヴィンセントやククーにさえバレる。街に行く前にとめられるだろう。
王子はこの家にいると街の人間にバレてはいけない存在だ。
街に入るための身分証もない。今、王子は人としての扱いではないからだ。
というか、冒険者ギルドに行く前の主も身分証がなかったはず。ヴィンセントにも内緒だったのだから、主ってどうやって北の門を突破したんだっけ?
ポク、ポク、ポク。
姿隠しの魔法ねえ。
王子を街に連れて行くのは、主の意志に反する。
けれど、王子一人を森や街を歩かせるのは危険すぎる。
王子の顔を曇らせたままにしておくのも、主の意志に反する。
王子の潤んだ目が見ている。。。
垂れた耳がさらに垂れてしまう。。。
うう、どうしようもない。
こうして、王子の街まで行ってちょこっと神官服のククーを見ようツアーが開始された。
偽装工作は、主が得意なのでよくわかる。
王子と一緒に庭にいるフリして騙す。
そりゃ、主に注意深く見られてしまうとすぐにバレてしまうが。
けっどー、主は今、大神官長のことで頭がいっぱいー。時間は稼げるだろう。
ククーを見ることができる可能性が高いのは、やはり冒険者ギルドの会場だ。主が来るのだから、ククーも来る。
見つかる危険性も高くなるけど、王子が一目見ればソレで任務完了だ。
≪ねえ、王子ー。その汚い布、ない方がいいんじゃない?≫
「え、でも、顔は隠しておいた方がいいかなっと思って」
姿隠しの魔法を使うのだ、布は必要ない。。。って、アレ?王子に魔法を使ったらヤバいんじゃない?あ、でも、ヴィンセントは結界の魔術を王子にかけて、、、いないのーーーっっ。
王子がつけている腕輪にその魔術がかかっている。ヴィンセントは王子自身には魔術をかけていない。
驚愕の事実。
ヤバイ。
主が使っていた姿隠しの魔法使えないじゃん。
今の王子に魔法をかけたら、確実に主に殺られる。消滅させられる。
それはイヤーーっ。
魔物なのに自我があり、意志の自由を認める主に仕える稀有な立場は気に入っている。
いろいろと仕事はあるが、この職場は意外と気に入っているのだ。
もう北の門の目前だよ。
大神官長が来るということなので、この時間にダンジョンから戻ってくる冒険者も多いが、その人の波に隠れて入れるほどではないし、必ず一人一人に門番が話しかけている。
どうする?どする?
自分だけに姿隠しの魔法をかけたって意味ないぞー。
主ーっ、助けてー、、、なんて、助けを求めたらそこで試合終了だよ。
「おお、レンの従魔の角ウサギちゃんかい?」
≪あ、ども≫
文字を表示させる。
ここに良くいる門番のオッチャンだ。
「耳が垂れているからタレタちゃんか。今日はいつもよりサイズが大きいねー」
いつもは主の肩にのっているからね。
門番のオッチャンが腰を下ろし、頭を撫でられる。
よしっ、騙そう。
≪今日はレンの弟の護衛だから大きいんです≫
オッチャンが頭を上げた。イケるか?
「おっ、弟くんかー。。。キミたち兄弟は街にはじめて来るときは汚い布を被らなければいけない家訓でもあるのか?何か刺客に狙われているとかいろいろ噂聞くけど大変だね。今日の街は人が多いから気をつけてお兄さんのところまで行きなよー」
ありがとう、汚い布ーーーーっ。
あっさり弟だと信じた。
主はククーから白いマントを渡されるまで、この汚い布を被って北の門から出入りしていたから覚えているのだろう。
心のなかで、歓喜の涙を流しちゃう。
王子は門番のオッチャンにこくりと頷いた。
後で知った話だが、小さい子供は保護者がハッキリとしていれば身分証はいらないそうだ。そもそも、身分の高い者でもなければこの国の子供は身分証など持っておらず、このぐらいの街ならば保護者同伴でなくても大丈夫なのだそうだ。ただ、門の外に出るときは、まだ魔物がうろついているので一人だと止めるそうだけど。
後はこの北の門からほど近い冒険者ギルドに行くだけだ。
行くだけなんだけど。
おい、何だ?この人ゴミは。
大通りが身動きとれないほどの人で埋まっている。冒険者ギルドに大神官長が来るので、見たい人でそこまで行く道が塞がれているのだ。
≪お、王子、大通りはどう見ても進めないわ。裏通りから行きましょう≫
「う、うん」
王子の顔色が悪い。
人に酔ったのだろうか。王子はこんな人ゴミの中に来たことはないだろう。
はぐれるのは困るので、いつものように王子に抱えてもらって移動する。
冒険者ギルドに近づこうとすればするほど、人がすし詰め状態だ。
人がいない道は、教会関係者用の道路として確保されているようで、人が入らないように警備の者が等間隔に立っている。
主はこの頃、自分に付き添ってくれた礼は小銭で渡す。それで好きなものを屋台で買ってこい方式に変わった。けれど、屋台に一匹で買いに行くと、撫でられる代わりに貰えてしまうこともあるのだ。いつもではないけど。だから、人間のお金はあるので王子に飲み物でも買おうと思っても、いつもの店も屋台も人で埋まっている。信仰心を甘く見過ぎたか。冒険者ギルドに着けば、一目ぐらいククーを簡単に見られると思っていた。
そこの脇道で少し座って休む。
王子の調子が悪そうだ。息が切れている。
≪王子、大丈夫?≫
「うん、ごめんね、タレタ。少し休めば大丈夫。そういえば、僕、治療で来てたんだったよ。カラダは元気に動いていたし、レンが身代わりを作ってくれたから、この頃すっかり忘れてた。魔力を高める訓練はしていたから、もう大丈夫だと思っていたんだ」
王子の顔色があまり良くならない。
ククーを見られれば元気になりそうなのに、冒険者ギルドまではすぐそこなのに、人だかりでたどり着けない。
≪最初から主に頼んでおけば良かったかしら?神官服のククーを連れて来いって≫
王子が俯いた。そうだ。王子は最初、街に行きたいと言った。
本心を主に知られたくないからだ。
ククーが主に惚れているのはどう見てもわかってしまう。ククーを見ている王子にはなおさらわかってしまうだろう。
ほんの少しの強がり。
人間というのは難儀なものだ。
何が望みかわかっているのに、素直に願えない。
欲望のままに振舞えない。
風が毛を撫でていく。ふわりと花弁が舞う。
≪え、何っ?≫
冒険者ギルドの会場に、巨大な魔力の渦が見える。
主が大神官長と戦っている。
≪おっ、王子っ≫
庇おうとしたが、王子に抱きかかえられた。うん、サイズ的に無理だった。
大地震がこの辺りを襲った。地面の揺れが収まるまで時間がかかった。
けれど、街の建物にひび一つさえ入っていない。
それもそのはず、うちのダンジョンの五層が何もなくなった。主も苦心の末の選択だが、あんなに手間暇かけた薬草畑が綺麗に消えた。ダンジョンの他の層にいた仲間の角ウサギ三匹が半泣き状態である。
今度から何かあったときのために、何もない一層を作っておいてほしい。
本日、主当番のオオは意外と主の選択なら仕方ねえなー、と大きく構えている。
こっちも泣きたい気分だが、まずは王子のことが先決である。
≪王子、大丈夫?≫
「うん、怪我はないよ。でも、まだちょっと気分が、、、」
≪そうね、もう少し休んでいきましょう≫
人ゴミの中での大揺れだったので多少は怪我人が出たようだが、奇跡的に建物も倒壊せず、地割れもせずにすんでいたので、人々は大神官長の追っかけを続行するようだ。
しばらくすると。
「タレターーーーーっ」
主の大声が頭に響くのであった。
逃げようと思ったのだが、動けない王子を無理矢理動かすのは最良の手ではない。
そして、数分後、我々の元に主が現れた。
もうっ、ククーを一緒に連れて来ればいいのに。気が利かないなあ。
けれど、飛んできた主の慌てように、ようやく自分がとんでもないことをしたことに気づいたのだった。
「タレターーーーーっ」
主の大声が頭に響いた。
主にバレちゃったー。
捕まるのも時間の問題よねー。
ククーと一緒にいるのなら、捕まった方が楽なのかしらん?
あ、別行動はじめてしまった。ククーは馬車でヴィンセントの家を確認しに行ってしまった。
あれ?もしや、家にいた方が王子はククーの神官服を拝めたのかしらねー。
うーん、仕方ない。しがない魔物には未来予知なんてできない。無理。
神官服のククーが街にいないのなら速やかに撤退しなければ。
本当は王子が街に出てきたら行けないのだけど、王子の前で主がククーと話したのがいけない。
惚れた相手の神官姿なんて想像させたのがいけない。
一目だけでも見たいと、願わせてしまったのだから。
主がなぜかまだ大切に保管している汚い黒い布を被って、王子がこそこそしているのを発見してしまった。
仕方ないので、王子の頭の上にのる。
「タレタ、僕は街に行きたいんだ」
シュンとした王子。
主も王子を悲しそうな顔のままにしたくないはずだ。
≪王子はククーの神官服が見たいんでしょ≫
王子は顔を真っ赤にして俯いた。
「、、、うん、一目だけでもいい」
ポソリと呟いた姿、超可愛いー。主にも見せてあげたかった。
王子を単独行動させれば、確実に主に見つかる。というか、ヴィンセントやククーにさえバレる。街に行く前にとめられるだろう。
王子はこの家にいると街の人間にバレてはいけない存在だ。
街に入るための身分証もない。今、王子は人としての扱いではないからだ。
というか、冒険者ギルドに行く前の主も身分証がなかったはず。ヴィンセントにも内緒だったのだから、主ってどうやって北の門を突破したんだっけ?
ポク、ポク、ポク。
姿隠しの魔法ねえ。
王子を街に連れて行くのは、主の意志に反する。
けれど、王子一人を森や街を歩かせるのは危険すぎる。
王子の顔を曇らせたままにしておくのも、主の意志に反する。
王子の潤んだ目が見ている。。。
垂れた耳がさらに垂れてしまう。。。
うう、どうしようもない。
こうして、王子の街まで行ってちょこっと神官服のククーを見ようツアーが開始された。
偽装工作は、主が得意なのでよくわかる。
王子と一緒に庭にいるフリして騙す。
そりゃ、主に注意深く見られてしまうとすぐにバレてしまうが。
けっどー、主は今、大神官長のことで頭がいっぱいー。時間は稼げるだろう。
ククーを見ることができる可能性が高いのは、やはり冒険者ギルドの会場だ。主が来るのだから、ククーも来る。
見つかる危険性も高くなるけど、王子が一目見ればソレで任務完了だ。
≪ねえ、王子ー。その汚い布、ない方がいいんじゃない?≫
「え、でも、顔は隠しておいた方がいいかなっと思って」
姿隠しの魔法を使うのだ、布は必要ない。。。って、アレ?王子に魔法を使ったらヤバいんじゃない?あ、でも、ヴィンセントは結界の魔術を王子にかけて、、、いないのーーーっっ。
王子がつけている腕輪にその魔術がかかっている。ヴィンセントは王子自身には魔術をかけていない。
驚愕の事実。
ヤバイ。
主が使っていた姿隠しの魔法使えないじゃん。
今の王子に魔法をかけたら、確実に主に殺られる。消滅させられる。
それはイヤーーっ。
魔物なのに自我があり、意志の自由を認める主に仕える稀有な立場は気に入っている。
いろいろと仕事はあるが、この職場は意外と気に入っているのだ。
もう北の門の目前だよ。
大神官長が来るということなので、この時間にダンジョンから戻ってくる冒険者も多いが、その人の波に隠れて入れるほどではないし、必ず一人一人に門番が話しかけている。
どうする?どする?
自分だけに姿隠しの魔法をかけたって意味ないぞー。
主ーっ、助けてー、、、なんて、助けを求めたらそこで試合終了だよ。
「おお、レンの従魔の角ウサギちゃんかい?」
≪あ、ども≫
文字を表示させる。
ここに良くいる門番のオッチャンだ。
「耳が垂れているからタレタちゃんか。今日はいつもよりサイズが大きいねー」
いつもは主の肩にのっているからね。
門番のオッチャンが腰を下ろし、頭を撫でられる。
よしっ、騙そう。
≪今日はレンの弟の護衛だから大きいんです≫
オッチャンが頭を上げた。イケるか?
「おっ、弟くんかー。。。キミたち兄弟は街にはじめて来るときは汚い布を被らなければいけない家訓でもあるのか?何か刺客に狙われているとかいろいろ噂聞くけど大変だね。今日の街は人が多いから気をつけてお兄さんのところまで行きなよー」
ありがとう、汚い布ーーーーっ。
あっさり弟だと信じた。
主はククーから白いマントを渡されるまで、この汚い布を被って北の門から出入りしていたから覚えているのだろう。
心のなかで、歓喜の涙を流しちゃう。
王子は門番のオッチャンにこくりと頷いた。
後で知った話だが、小さい子供は保護者がハッキリとしていれば身分証はいらないそうだ。そもそも、身分の高い者でもなければこの国の子供は身分証など持っておらず、このぐらいの街ならば保護者同伴でなくても大丈夫なのだそうだ。ただ、門の外に出るときは、まだ魔物がうろついているので一人だと止めるそうだけど。
後はこの北の門からほど近い冒険者ギルドに行くだけだ。
行くだけなんだけど。
おい、何だ?この人ゴミは。
大通りが身動きとれないほどの人で埋まっている。冒険者ギルドに大神官長が来るので、見たい人でそこまで行く道が塞がれているのだ。
≪お、王子、大通りはどう見ても進めないわ。裏通りから行きましょう≫
「う、うん」
王子の顔色が悪い。
人に酔ったのだろうか。王子はこんな人ゴミの中に来たことはないだろう。
はぐれるのは困るので、いつものように王子に抱えてもらって移動する。
冒険者ギルドに近づこうとすればするほど、人がすし詰め状態だ。
人がいない道は、教会関係者用の道路として確保されているようで、人が入らないように警備の者が等間隔に立っている。
主はこの頃、自分に付き添ってくれた礼は小銭で渡す。それで好きなものを屋台で買ってこい方式に変わった。けれど、屋台に一匹で買いに行くと、撫でられる代わりに貰えてしまうこともあるのだ。いつもではないけど。だから、人間のお金はあるので王子に飲み物でも買おうと思っても、いつもの店も屋台も人で埋まっている。信仰心を甘く見過ぎたか。冒険者ギルドに着けば、一目ぐらいククーを簡単に見られると思っていた。
そこの脇道で少し座って休む。
王子の調子が悪そうだ。息が切れている。
≪王子、大丈夫?≫
「うん、ごめんね、タレタ。少し休めば大丈夫。そういえば、僕、治療で来てたんだったよ。カラダは元気に動いていたし、レンが身代わりを作ってくれたから、この頃すっかり忘れてた。魔力を高める訓練はしていたから、もう大丈夫だと思っていたんだ」
王子の顔色があまり良くならない。
ククーを見られれば元気になりそうなのに、冒険者ギルドまではすぐそこなのに、人だかりでたどり着けない。
≪最初から主に頼んでおけば良かったかしら?神官服のククーを連れて来いって≫
王子が俯いた。そうだ。王子は最初、街に行きたいと言った。
本心を主に知られたくないからだ。
ククーが主に惚れているのはどう見てもわかってしまう。ククーを見ている王子にはなおさらわかってしまうだろう。
ほんの少しの強がり。
人間というのは難儀なものだ。
何が望みかわかっているのに、素直に願えない。
欲望のままに振舞えない。
風が毛を撫でていく。ふわりと花弁が舞う。
≪え、何っ?≫
冒険者ギルドの会場に、巨大な魔力の渦が見える。
主が大神官長と戦っている。
≪おっ、王子っ≫
庇おうとしたが、王子に抱きかかえられた。うん、サイズ的に無理だった。
大地震がこの辺りを襲った。地面の揺れが収まるまで時間がかかった。
けれど、街の建物にひび一つさえ入っていない。
それもそのはず、うちのダンジョンの五層が何もなくなった。主も苦心の末の選択だが、あんなに手間暇かけた薬草畑が綺麗に消えた。ダンジョンの他の層にいた仲間の角ウサギ三匹が半泣き状態である。
今度から何かあったときのために、何もない一層を作っておいてほしい。
本日、主当番のオオは意外と主の選択なら仕方ねえなー、と大きく構えている。
こっちも泣きたい気分だが、まずは王子のことが先決である。
≪王子、大丈夫?≫
「うん、怪我はないよ。でも、まだちょっと気分が、、、」
≪そうね、もう少し休んでいきましょう≫
人ゴミの中での大揺れだったので多少は怪我人が出たようだが、奇跡的に建物も倒壊せず、地割れもせずにすんでいたので、人々は大神官長の追っかけを続行するようだ。
しばらくすると。
「タレターーーーーっ」
主の大声が頭に響くのであった。
逃げようと思ったのだが、動けない王子を無理矢理動かすのは最良の手ではない。
そして、数分後、我々の元に主が現れた。
もうっ、ククーを一緒に連れて来ればいいのに。気が利かないなあ。
けれど、飛んできた主の慌てように、ようやく自分がとんでもないことをしたことに気づいたのだった。
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