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第2章 波乱含みの
2-14 川流れの刑
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俺がする川流れの刑は、完全に私刑。
ちなみに、この国では私刑は禁止されてない。
なぜって。
それは王族や貴族がいるから。
彼らは勝手に私刑を決行する。
だから、法律でも縛っていない。
縛ってしまうと、彼らも裁かれなければならなくなるから。
大国やら強国やらになると法律は整備されて抜けがなくなっていくけど。
国王でも貴族でも好き勝手にはできなくなる。
どちらがいいかはその人次第だ。
「お、お、おおお許しください」
今日は超暑い日なのにガチガチと震えながら、七人の男が縄のようなもので手首足首を縛られたまま地面に座らされていた。
すでに怖いものでも見たかのような有様だが、少々手荒な真似をしてしまったか。
御者役の男は騎士の詰所に居続けている。
実は居心地がいいのかな?
彼はお金で雇われたトカゲの尻尾切りされる存在なので、放置しておいてあげよう。
非常にお高い、遠距離でも通話できる魔道具の残骸が足元にコロコロと何個も転がっている。
俺は川辺にある岩に座りながら、彼らを見下ろす。
「うーん、どうしよっかなー」
ティフィのような美人が微笑むと、彼らにとってはさらに怖いらしい。
一人失禁してしまった。
どうも俺の場合、女王様とはかけ離れてしまうようだ。
そういう性癖に目覚めさせるほどの力はない。
残念だ。
本家本元のティフィじゃないと、エルフ特有の高圧的態度って難しい。
俺、エルフじゃないからできないのだ。
本当の恐怖を与えてしまっている。
魔王ではないけど、本家魔王を見ているからちょっと似ている風を装えるのかな?
もう彼ら、顔を真っ青にして、俯いちゃっているよ。
存在すら小さくなりたいとばかりに地面に平伏している者もいるよ。
生粋の悪者って世の中には少ない。
そもそも、この者たちはジルノア王国の第二王子に命令されてこの地に来てしまったのである。
王子の命令に逆らえるはずもない。
俺、ジルノア王国の国民をいじめる趣味はないんだよね。
ジルノア王国の王族はとことん追いつめたいとは思うけど。
「キミらは第二王子に命令されてこの地に来たということはわかるよー。命令なら仕方ないよねー」
皆がコクコクと頷いている。
もう声も出なくなってしまったようだ。
「けれど、その第二王子の息がかかっている者を野放しにしておけるほど、俺も聖人君子してないからさー」
七人が七人、地面に額を擦りつけてしまった。
手首が後ろで縛られているから痛いだろうに。
「ま、とりあえず川を流れてよ」
俺は立ち上がり、一人ずつ足で蹴っ飛ばして川に落としていく。
ちなみに、ルメドの街には水路はあるが、川は流れてない。
少々離れている場所にある。
我々以外に人影はない。
「気を失ったら、ある土地に辿り着くから労役に励めよ」
そして、最後の者を蹴っ飛ばした。
命を狙われたのに、川に流すくらいで、水に流すのだから寛大なものだ。
彼らが向かうのは封印の土地、仮想現実の世界。
しっかり生身で働いてもらおう。
彼らの第二王子が国王になるまで。
だから、私刑。
あの地は法律がないからね。
ある意味、ハナナが法律みたいなものだが。
俺、常駐してないし。
「どこに行ってたんだ?」
ルアン王子が薬屋のカウンターにいた。
、、、なぜ?
まだ役所にいる時間ではないか?
レインだったら街の巡回があるのでまだわかるが。
「時計を見るな、ティフィ。質問に答えろ」
「ルアン王子殿下の質問に答えなければいけない義務はない」
「それはティフィの肉体だ。ティフィが関わることなら知っておきたい」
「知るだけなのか」
冷ややかーんに答えてやる。
もちろん嫌味である。
ティフィが危険に晒されているのなら、きちんと対処しろって話だ。
お前がティフィの恋人ならば。
いや、中身が俺だとやる気が出ないのも頷けるのだが。
行動に示してくれれば、褒め言葉くらいならティフィに届けてやるのに。
ジルノア王国の王子であろうと、その働きに対して正当な評価をする。
実に残念だ。
「貴方は私が愛していると言ったところで信じないのだろう?」
「ティフィに言っているのなら理解できるが、俺に言っていたらお前の腹の内を疑うな」
俺を利用したいと考えるならば。
どんな手でも懐柔したいと画策するならば。
「レインになら問いにも何事もなく普通に答えているのだろうな、貴方は」
ん?
レインに聞かれたら?
素直に答えたら、怖い気がする。
第二王子の配下七人を始末してきましたー、とか馬鹿正直に答えたらどんな目に遭うか。
冷たい笑顔でお説教食らいそうだ。
だから、誰もいない隙を狙ったのに。
この頃、レインも勘が良いからなあ。困ったものだ。
この場合、ルアン王子も勘が良くなったと褒めるべきか。
「自分の身なら自己責任で済むのだが。他人の肉体だと何事も制限があるよなあ。この地ではティフィの身の安全を第一に考えなければならない」
「、、、そうしてくれると助かる」
「俺の肉体はトワイト魔法王国の王城だからな。中身のティフィは安全だ。あそこ以上に安全な場所もないだろう」
いや、安全か?
貞操という面ではぶっちぎりで危険だ。
だが、俺の肉体だからティフィとしては問題ないのか?
あの人たち、ティフィが中身だとはいえ、俺の肉体に何してくれてる。
ティフィだから仕方ないか。
男性が寄ってきちゃうんだろうな。
その魅力、俺にはよくわからないけど。
だから、俺はモテないのか。
「あれ?」
ふと、懐かしい風が来たのを感じた。
「お前はなぜこんな時間に戻ってきた?」
「それを貴方に答える義務はない」
ルアン王子、ツーン。
仕返しか?
「役所の連中が早く帰るように示唆したか。ジルノア王国の第一王子がこの街にいるとわかったら騒ぐ連中もいるかもしれないという配慮か」
ルアン王子の表情は変わらないが、それはどうでもいい。
役所の連中がルアン王子を帰らせたのは、彼らと鉢合わせさせたくなかったからだろう。
「おい、どこに行く」
「街の中心地に」
俺は何もない空間からマントを取り出す。
バサっ、と銀の刺繍で縁取りされた黒いマントを羽織る。
「何を」
「我が姫がこの街に来ているのなら、挨拶をしなければならない。彼女は俺がこの地にいることをわかっているだろうから」
「、、、え?」
ルアン王子が呆けた顔をした。
イケメンはそういう顔でもイケメンだからずるいよなー。
「ちょ、待て。おい」
薬屋を出る前にフードも被る。
口がようやく見えるくらいだから、怪しいと言えば怪しく見えるか。
、、、いや、この暑さなのに、厚手のマントを羽織っていることが正気じゃないか。
街の中心部はお祭り騒ぎだった。
歓迎のパレード。
この暑いのに、皆元気だ。
騎士以外にも警備の者が出ているようだ。
大通りが人ゴミで埋め尽くされないよう、人を誘導している。
この街でも街道に面しているので、たまにお偉いさんが宿を求めてくるようだ。
ただ、領主がいる街の方が何もかも充実しているので、施設面重視の者も挨拶にしに来る者もこの街には寄らない。
滅多に来ないお偉いさんだからこそ、このような大観客で賑わう。
この暑い季節で容易に手に入らないような大量の花が舞う。
建物の上階から散らしているようだ。
「うわー、すごい人だな」
歓声も相当なものだ。
騎乗している騎士たちが何列も通り過ぎた後、ゆっくりと動く白い馬車が通る。
白い馬車には大きな窓があり、そこには美しい女性が手を振っている。
こちらに視線が来たときに、彼女の動きがとまった。
少々馬車が進んでから、停止した。
観客の後ろも後ろにいたのに、見つけられてしまったか。
というか、俺がすでにこの街にいたのは知っていたのだろう。
だからこそ、彼女はこの街に訪れたに違いない。
警備しているこの街の騎士たちも慌てる。
馬車の扉が開いた。
ちなみに、この国では私刑は禁止されてない。
なぜって。
それは王族や貴族がいるから。
彼らは勝手に私刑を決行する。
だから、法律でも縛っていない。
縛ってしまうと、彼らも裁かれなければならなくなるから。
大国やら強国やらになると法律は整備されて抜けがなくなっていくけど。
国王でも貴族でも好き勝手にはできなくなる。
どちらがいいかはその人次第だ。
「お、お、おおお許しください」
今日は超暑い日なのにガチガチと震えながら、七人の男が縄のようなもので手首足首を縛られたまま地面に座らされていた。
すでに怖いものでも見たかのような有様だが、少々手荒な真似をしてしまったか。
御者役の男は騎士の詰所に居続けている。
実は居心地がいいのかな?
彼はお金で雇われたトカゲの尻尾切りされる存在なので、放置しておいてあげよう。
非常にお高い、遠距離でも通話できる魔道具の残骸が足元にコロコロと何個も転がっている。
俺は川辺にある岩に座りながら、彼らを見下ろす。
「うーん、どうしよっかなー」
ティフィのような美人が微笑むと、彼らにとってはさらに怖いらしい。
一人失禁してしまった。
どうも俺の場合、女王様とはかけ離れてしまうようだ。
そういう性癖に目覚めさせるほどの力はない。
残念だ。
本家本元のティフィじゃないと、エルフ特有の高圧的態度って難しい。
俺、エルフじゃないからできないのだ。
本当の恐怖を与えてしまっている。
魔王ではないけど、本家魔王を見ているからちょっと似ている風を装えるのかな?
もう彼ら、顔を真っ青にして、俯いちゃっているよ。
存在すら小さくなりたいとばかりに地面に平伏している者もいるよ。
生粋の悪者って世の中には少ない。
そもそも、この者たちはジルノア王国の第二王子に命令されてこの地に来てしまったのである。
王子の命令に逆らえるはずもない。
俺、ジルノア王国の国民をいじめる趣味はないんだよね。
ジルノア王国の王族はとことん追いつめたいとは思うけど。
「キミらは第二王子に命令されてこの地に来たということはわかるよー。命令なら仕方ないよねー」
皆がコクコクと頷いている。
もう声も出なくなってしまったようだ。
「けれど、その第二王子の息がかかっている者を野放しにしておけるほど、俺も聖人君子してないからさー」
七人が七人、地面に額を擦りつけてしまった。
手首が後ろで縛られているから痛いだろうに。
「ま、とりあえず川を流れてよ」
俺は立ち上がり、一人ずつ足で蹴っ飛ばして川に落としていく。
ちなみに、ルメドの街には水路はあるが、川は流れてない。
少々離れている場所にある。
我々以外に人影はない。
「気を失ったら、ある土地に辿り着くから労役に励めよ」
そして、最後の者を蹴っ飛ばした。
命を狙われたのに、川に流すくらいで、水に流すのだから寛大なものだ。
彼らが向かうのは封印の土地、仮想現実の世界。
しっかり生身で働いてもらおう。
彼らの第二王子が国王になるまで。
だから、私刑。
あの地は法律がないからね。
ある意味、ハナナが法律みたいなものだが。
俺、常駐してないし。
「どこに行ってたんだ?」
ルアン王子が薬屋のカウンターにいた。
、、、なぜ?
まだ役所にいる時間ではないか?
レインだったら街の巡回があるのでまだわかるが。
「時計を見るな、ティフィ。質問に答えろ」
「ルアン王子殿下の質問に答えなければいけない義務はない」
「それはティフィの肉体だ。ティフィが関わることなら知っておきたい」
「知るだけなのか」
冷ややかーんに答えてやる。
もちろん嫌味である。
ティフィが危険に晒されているのなら、きちんと対処しろって話だ。
お前がティフィの恋人ならば。
いや、中身が俺だとやる気が出ないのも頷けるのだが。
行動に示してくれれば、褒め言葉くらいならティフィに届けてやるのに。
ジルノア王国の王子であろうと、その働きに対して正当な評価をする。
実に残念だ。
「貴方は私が愛していると言ったところで信じないのだろう?」
「ティフィに言っているのなら理解できるが、俺に言っていたらお前の腹の内を疑うな」
俺を利用したいと考えるならば。
どんな手でも懐柔したいと画策するならば。
「レインになら問いにも何事もなく普通に答えているのだろうな、貴方は」
ん?
レインに聞かれたら?
素直に答えたら、怖い気がする。
第二王子の配下七人を始末してきましたー、とか馬鹿正直に答えたらどんな目に遭うか。
冷たい笑顔でお説教食らいそうだ。
だから、誰もいない隙を狙ったのに。
この頃、レインも勘が良いからなあ。困ったものだ。
この場合、ルアン王子も勘が良くなったと褒めるべきか。
「自分の身なら自己責任で済むのだが。他人の肉体だと何事も制限があるよなあ。この地ではティフィの身の安全を第一に考えなければならない」
「、、、そうしてくれると助かる」
「俺の肉体はトワイト魔法王国の王城だからな。中身のティフィは安全だ。あそこ以上に安全な場所もないだろう」
いや、安全か?
貞操という面ではぶっちぎりで危険だ。
だが、俺の肉体だからティフィとしては問題ないのか?
あの人たち、ティフィが中身だとはいえ、俺の肉体に何してくれてる。
ティフィだから仕方ないか。
男性が寄ってきちゃうんだろうな。
その魅力、俺にはよくわからないけど。
だから、俺はモテないのか。
「あれ?」
ふと、懐かしい風が来たのを感じた。
「お前はなぜこんな時間に戻ってきた?」
「それを貴方に答える義務はない」
ルアン王子、ツーン。
仕返しか?
「役所の連中が早く帰るように示唆したか。ジルノア王国の第一王子がこの街にいるとわかったら騒ぐ連中もいるかもしれないという配慮か」
ルアン王子の表情は変わらないが、それはどうでもいい。
役所の連中がルアン王子を帰らせたのは、彼らと鉢合わせさせたくなかったからだろう。
「おい、どこに行く」
「街の中心地に」
俺は何もない空間からマントを取り出す。
バサっ、と銀の刺繍で縁取りされた黒いマントを羽織る。
「何を」
「我が姫がこの街に来ているのなら、挨拶をしなければならない。彼女は俺がこの地にいることをわかっているだろうから」
「、、、え?」
ルアン王子が呆けた顔をした。
イケメンはそういう顔でもイケメンだからずるいよなー。
「ちょ、待て。おい」
薬屋を出る前にフードも被る。
口がようやく見えるくらいだから、怪しいと言えば怪しく見えるか。
、、、いや、この暑さなのに、厚手のマントを羽織っていることが正気じゃないか。
街の中心部はお祭り騒ぎだった。
歓迎のパレード。
この暑いのに、皆元気だ。
騎士以外にも警備の者が出ているようだ。
大通りが人ゴミで埋め尽くされないよう、人を誘導している。
この街でも街道に面しているので、たまにお偉いさんが宿を求めてくるようだ。
ただ、領主がいる街の方が何もかも充実しているので、施設面重視の者も挨拶にしに来る者もこの街には寄らない。
滅多に来ないお偉いさんだからこそ、このような大観客で賑わう。
この暑い季節で容易に手に入らないような大量の花が舞う。
建物の上階から散らしているようだ。
「うわー、すごい人だな」
歓声も相当なものだ。
騎乗している騎士たちが何列も通り過ぎた後、ゆっくりと動く白い馬車が通る。
白い馬車には大きな窓があり、そこには美しい女性が手を振っている。
こちらに視線が来たときに、彼女の動きがとまった。
少々馬車が進んでから、停止した。
観客の後ろも後ろにいたのに、見つけられてしまったか。
というか、俺がすでにこの街にいたのは知っていたのだろう。
だからこそ、彼女はこの街に訪れたに違いない。
警備しているこの街の騎士たちも慌てる。
馬車の扉が開いた。
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