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第1章 突然の
1-31 土下座 ◆ティフィ視点◆
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◆ティフィ視点◆
「いきなり土下座されても困るんだねー。ティフィ、イスに座ってよ」
夢のなかの居酒屋。
四つの席があるテーブルに、今日は三つの席が埋まっていた。
それを見た瞬間、速やかに土下座した。
「シークとグフタ国王陛下にズィーのカラダで抱かれました。申し開きのしようもございませんっ」
「謝罪する気持ちはわかったからさあ。周囲の視線が痛い」
ズィーが私の腕を引っ張り、イスに座らせた。
魔王様も前竜王もイスに座って、先に酒を飲んでいる。
ニヤニヤ顔の前竜王はともかく、魔王様のしかめっツラが怖い。
「仕方ないよー、ティフィは可愛いからさあー」
「いや、ズィーのカラダで抱かれましたけど」
「ティフィの性格が可愛いからでしょう。ツンデレってヤツ?意外と需要があるらしいよ」
手強い。
シークもグフタ国王も想いがズィーに伝わらないわけだ。
「グフタ国王とは初対面で、私の性格を知る時間もなかったぐらいですよ」
「でも、俺、王族も貴族も嫌いなんだよねー。辛い環境で生き延びてきた俺は、心のなかではアイツら死ねってしか思えないからなあ」
ヒュッ、と息を飲んだ。
想いが伝わらないわけではなく、彼らは端からズィーの恋愛対象外だということだ。
そして、冷たい汗が流れ出す。
レインがすんなりズィーに受け入れられたのって、考えなくとも同じ孤児だからじゃないのか?
孤児だからだけではないが、孤児だからこそ分かち合えるものがあったに違いない。
彼らは孤児であっても強く生き抜いてきた者同士だ。
「おおっと、新事実。けど、お前、昔は貴族のお抱え魔導士していたって話じゃねえか」
前竜王が身を乗り出してきた。
「そりゃ、生きるために稼ぎの良い雇い主を探すのは当然の行為だろ。好き嫌いはともかく、金持っているのは貴族だし。それに貴族と一括りにしたが、努力家で質実剛健な家もたまに存在する」
「じゃあ、シークやグフタ国王陛下は?」
私の質問に、ズィーがいい笑顔になった。
うっ。
「シークは仕事の同僚だし、グフタ国王陛下はいい上司だ」
ううっ。
ズィーの笑顔が、それ以上のことを物語っている気がする。
この二人に文句は山ほどあるが、別にこの場で言ってもね、という雰囲気を醸し出している。直接本人に言わないと意味がないのはわかるが。
「、、、ズィー、王もダメなのか?」
魔王様が暗い表情のまま重い口を開いた。
うううっ。
それが意味するところ考えたくないっ。
「基本的に」
ズィーの笑顔が崩れないっ。
「、、、そうか」
魔王様がズーンと落ち込んでしまった。
「はっはっはっ。俺は王と言えども種族の王だ。どうだ、ズィー、俺にも抱かれてみないか?」
、、、どうしてそれで笑ってズィーを口説くことができるんですかね。
鋼の心臓をお持ちですよね、前竜王。
それを言うなら魔王様だって魔族の王ですよね。魔王様がささやかな期待を込めた目をしてズィーを見てますよ。
「ケチャ、お前は里に奥さんを残してきているクセに」
あ、そうだった。
前竜王は子供が後を継いで竜王になっているんだった。
「すでにアレから十五年が過ぎた。今さら昔のままの姿の俺が戻っても困惑されるだけだ。それに竜人族の王は人族の国の王のように豪華絢爛な暮らしをしているわけではない。他の者たちとさほど変わらない生活を一緒に送っている」
「ああ、そういえばそうだったな」
ズィーが頷いたところで。
「俺が愛しいズィーを抱いてみたいと欲情するのは素直な欲求じゃないか」
「俺にはレインがいるからなあ」
「ええっ、ルアン王子や他のヤツらにアレだけヤられているのにっ、俺はダメなのっ?」
「え?アレはティフィが以前から付き合いのあった人たちだけだよ。ティフィと肉体関係ないのに俺を抱いているのはレインだけじゃないか」
言われればその通り。
ルアン王子ことルアは私を抱くのがかなり激しかった。
だからこそ、彼がいない自分のカラダを持てあますことになった。誰でも良いから、カラダを慰めてほしかった。
ルメドの街では求められたら抱かれる生活になった。
そのせいで、こんなことを言われるハメに。
赤裸々に語られて恥ずかしいのはズィーではなく私だ。
「け、けど、ズィー、王族だから、貴族だからって言ったら、身分を隠されていても好きになったらどうするの?」
私は食い下がる。というか、私の男性関係暴露大会になっても困る。
それってルアン王子のことじゃね、って顔しないでね。
身分を知らなければ、ズィーが好きになる人もいるかもしれないじゃないか。
「まあ、レインのようによんどころない事情で孤児になることもある。それは致し方ない」
「へ?」
「そう聞くと、レインは王族か貴族かのように聞こえるぞ」
前竜王がグビグビと酒を飲む。
本気で告っていたのだろうか?
何もかも冗談だと言われたら、すべて受け入れられてしまう態度だ。
「出自はそうだぞ。滅びた国だから、今の身分にはまったく関係ないが。どうにかして生き延びてほしいと考えるなら、手放すのもやむを得ないことだったとは思うが」
、、、ズィーに隠し事するのは不可能なんじゃないか、コレ?
「いやいや、さすがにトワイト魔法王国だって、聖剣を貸す相手の身辺調査ぐらいするって」
あ、表情を読まれた。
国がすでに調査をしていたってことか。
「聖剣?」
「ああ、言ってなかったっけ。レインはトワイト魔法王国の聖騎士レイグ・フォスター。レインというのは育ての親の婆さんがつけた名前だから偽名ではない。俺とはトワイト魔法王国で一度会っている」
一度?
、、、どちらかの一目惚れとか、そういうことなのかなあ?
ああ、でもトワイト魔法王国の魔導士序列六位の人物に会ったらさすがに覚えているだろうし、聖騎士は通常ジニア聖教国が任命するのが普通だから、何か理由があるのだろう。
ズィーはレインがトワイト魔法王国の聖騎士だということを強調した。
「レインの身辺調査をしたトワイト魔法王国の担当って誰?」
「俺」
ズィーがキッパリと言った。
ええ、そんなことだろうと思ってました。
しかも、俺ら、じゃなくて、俺、って言い切りました。
やっぱりズィーに隠し事なんてできないじゃん。
「ティフィ、レインのことはルメドの街に戻っても口外はしないように。ルアン王子殿下は知っているが、他の者は誰も知らない」
「はいはい、言ったところで誰も信じません」
聖騎士があの片田舎にいるとは誰も思わない。
そもそも、聖騎士があの街で何をするというのか。
何をしているんだろう?
出身地だから帰って来ているという話だったと思うが、それ以外にも目的があるのだろうか。
聞かない方が身のためか。
「他人に言ったら最後、ルメドの街は火の海になると思え」
再び息を飲む。
目が本気だった。
ズィーは冗談を言っている様子はまったくない。
「ジニア聖教国の聖職者は馬鹿共ばかりだ。簡単に街の一つや二つは消しに来る」
「、、、あ、はい、気をつけます」
ジニア聖教国と確執があるのだろうか。
トワイト魔法王国のものなのか、ズィー個人に由来するものなのかは見当もつかないが、私は聞かない方が幸せな話だと思う。
「平和なときって馬鹿が増殖するよなー」
「そういう輩が権力を持つと、民が苦労する」
前竜王と魔王様が言うと言葉の重みが違いますね。
「あ、そうそう、ヴィッターに聞きたいことがあったんだ」
「何だ?」
魔王様がズィーを見る。
「ルメドの街に冒険者のギットという人物がいるんだけど」
ギットか?
ギットが何かやったのか?
けれど、私ではなく魔王様に尋ねるのか?
「アレ、ヴィッターの息子さん?」
私は口に持っていっていた酒を盛大に吹き出した。
「いきなり土下座されても困るんだねー。ティフィ、イスに座ってよ」
夢のなかの居酒屋。
四つの席があるテーブルに、今日は三つの席が埋まっていた。
それを見た瞬間、速やかに土下座した。
「シークとグフタ国王陛下にズィーのカラダで抱かれました。申し開きのしようもございませんっ」
「謝罪する気持ちはわかったからさあ。周囲の視線が痛い」
ズィーが私の腕を引っ張り、イスに座らせた。
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「仕方ないよー、ティフィは可愛いからさあー」
「いや、ズィーのカラダで抱かれましたけど」
「ティフィの性格が可愛いからでしょう。ツンデレってヤツ?意外と需要があるらしいよ」
手強い。
シークもグフタ国王も想いがズィーに伝わらないわけだ。
「グフタ国王とは初対面で、私の性格を知る時間もなかったぐらいですよ」
「でも、俺、王族も貴族も嫌いなんだよねー。辛い環境で生き延びてきた俺は、心のなかではアイツら死ねってしか思えないからなあ」
ヒュッ、と息を飲んだ。
想いが伝わらないわけではなく、彼らは端からズィーの恋愛対象外だということだ。
そして、冷たい汗が流れ出す。
レインがすんなりズィーに受け入れられたのって、考えなくとも同じ孤児だからじゃないのか?
孤児だからだけではないが、孤児だからこそ分かち合えるものがあったに違いない。
彼らは孤児であっても強く生き抜いてきた者同士だ。
「おおっと、新事実。けど、お前、昔は貴族のお抱え魔導士していたって話じゃねえか」
前竜王が身を乗り出してきた。
「そりゃ、生きるために稼ぎの良い雇い主を探すのは当然の行為だろ。好き嫌いはともかく、金持っているのは貴族だし。それに貴族と一括りにしたが、努力家で質実剛健な家もたまに存在する」
「じゃあ、シークやグフタ国王陛下は?」
私の質問に、ズィーがいい笑顔になった。
うっ。
「シークは仕事の同僚だし、グフタ国王陛下はいい上司だ」
ううっ。
ズィーの笑顔が、それ以上のことを物語っている気がする。
この二人に文句は山ほどあるが、別にこの場で言ってもね、という雰囲気を醸し出している。直接本人に言わないと意味がないのはわかるが。
「、、、ズィー、王もダメなのか?」
魔王様が暗い表情のまま重い口を開いた。
うううっ。
それが意味するところ考えたくないっ。
「基本的に」
ズィーの笑顔が崩れないっ。
「、、、そうか」
魔王様がズーンと落ち込んでしまった。
「はっはっはっ。俺は王と言えども種族の王だ。どうだ、ズィー、俺にも抱かれてみないか?」
、、、どうしてそれで笑ってズィーを口説くことができるんですかね。
鋼の心臓をお持ちですよね、前竜王。
それを言うなら魔王様だって魔族の王ですよね。魔王様がささやかな期待を込めた目をしてズィーを見てますよ。
「ケチャ、お前は里に奥さんを残してきているクセに」
あ、そうだった。
前竜王は子供が後を継いで竜王になっているんだった。
「すでにアレから十五年が過ぎた。今さら昔のままの姿の俺が戻っても困惑されるだけだ。それに竜人族の王は人族の国の王のように豪華絢爛な暮らしをしているわけではない。他の者たちとさほど変わらない生活を一緒に送っている」
「ああ、そういえばそうだったな」
ズィーが頷いたところで。
「俺が愛しいズィーを抱いてみたいと欲情するのは素直な欲求じゃないか」
「俺にはレインがいるからなあ」
「ええっ、ルアン王子や他のヤツらにアレだけヤられているのにっ、俺はダメなのっ?」
「え?アレはティフィが以前から付き合いのあった人たちだけだよ。ティフィと肉体関係ないのに俺を抱いているのはレインだけじゃないか」
言われればその通り。
ルアン王子ことルアは私を抱くのがかなり激しかった。
だからこそ、彼がいない自分のカラダを持てあますことになった。誰でも良いから、カラダを慰めてほしかった。
ルメドの街では求められたら抱かれる生活になった。
そのせいで、こんなことを言われるハメに。
赤裸々に語られて恥ずかしいのはズィーではなく私だ。
「け、けど、ズィー、王族だから、貴族だからって言ったら、身分を隠されていても好きになったらどうするの?」
私は食い下がる。というか、私の男性関係暴露大会になっても困る。
それってルアン王子のことじゃね、って顔しないでね。
身分を知らなければ、ズィーが好きになる人もいるかもしれないじゃないか。
「まあ、レインのようによんどころない事情で孤児になることもある。それは致し方ない」
「へ?」
「そう聞くと、レインは王族か貴族かのように聞こえるぞ」
前竜王がグビグビと酒を飲む。
本気で告っていたのだろうか?
何もかも冗談だと言われたら、すべて受け入れられてしまう態度だ。
「出自はそうだぞ。滅びた国だから、今の身分にはまったく関係ないが。どうにかして生き延びてほしいと考えるなら、手放すのもやむを得ないことだったとは思うが」
、、、ズィーに隠し事するのは不可能なんじゃないか、コレ?
「いやいや、さすがにトワイト魔法王国だって、聖剣を貸す相手の身辺調査ぐらいするって」
あ、表情を読まれた。
国がすでに調査をしていたってことか。
「聖剣?」
「ああ、言ってなかったっけ。レインはトワイト魔法王国の聖騎士レイグ・フォスター。レインというのは育ての親の婆さんがつけた名前だから偽名ではない。俺とはトワイト魔法王国で一度会っている」
一度?
、、、どちらかの一目惚れとか、そういうことなのかなあ?
ああ、でもトワイト魔法王国の魔導士序列六位の人物に会ったらさすがに覚えているだろうし、聖騎士は通常ジニア聖教国が任命するのが普通だから、何か理由があるのだろう。
ズィーはレインがトワイト魔法王国の聖騎士だということを強調した。
「レインの身辺調査をしたトワイト魔法王国の担当って誰?」
「俺」
ズィーがキッパリと言った。
ええ、そんなことだろうと思ってました。
しかも、俺ら、じゃなくて、俺、って言い切りました。
やっぱりズィーに隠し事なんてできないじゃん。
「ティフィ、レインのことはルメドの街に戻っても口外はしないように。ルアン王子殿下は知っているが、他の者は誰も知らない」
「はいはい、言ったところで誰も信じません」
聖騎士があの片田舎にいるとは誰も思わない。
そもそも、聖騎士があの街で何をするというのか。
何をしているんだろう?
出身地だから帰って来ているという話だったと思うが、それ以外にも目的があるのだろうか。
聞かない方が身のためか。
「他人に言ったら最後、ルメドの街は火の海になると思え」
再び息を飲む。
目が本気だった。
ズィーは冗談を言っている様子はまったくない。
「ジニア聖教国の聖職者は馬鹿共ばかりだ。簡単に街の一つや二つは消しに来る」
「、、、あ、はい、気をつけます」
ジニア聖教国と確執があるのだろうか。
トワイト魔法王国のものなのか、ズィー個人に由来するものなのかは見当もつかないが、私は聞かない方が幸せな話だと思う。
「平和なときって馬鹿が増殖するよなー」
「そういう輩が権力を持つと、民が苦労する」
前竜王と魔王様が言うと言葉の重みが違いますね。
「あ、そうそう、ヴィッターに聞きたいことがあったんだ」
「何だ?」
魔王様がズィーを見る。
「ルメドの街に冒険者のギットという人物がいるんだけど」
ギットか?
ギットが何かやったのか?
けれど、私ではなく魔王様に尋ねるのか?
「アレ、ヴィッターの息子さん?」
私は口に持っていっていた酒を盛大に吹き出した。
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