26 / 46
2章「ゲームで悪行?」
25話
しおりを挟む
3日間と言う十分過ぎる睡眠を取り無事目を覚ましたエリウッド。
身に着けていたふんどしを新しいものに着替え、その様子を待っていましたと言わんばかりに瞳を輝かせ、涎を垂らしながら見るサナリス。
と、野郎の着替えを見せつけられげんなりする俺。
着替えが大事なのは分かっちゃ居るが、だからと言って見たくない物は見たくないわけで。
どこからともなく取り出した朝食を済ませ、鎧を身に着け準備完了。
携帯食料もってるなら腐った豆腐をわざわざ食わなくてもいいと思うのだが、それも2回も。
「ステラ王女の部屋にやってきましたね」
「お、ステラ王女を見付けたみたいだな、なんかエリウッドらしいセリフをステラ王女に言ってやがる」
「ステラ王女、ドラゴンさんと遊んでいてエリウッド様の言葉聞いてないみたいですよ?」
「何その龍の冒険ってタイトルだけど、ドラゴンが全く出てこなかったからどうしよう? とりあえずそこに出しておけば良いってノリは」
「良いじゃないですかぁ? ドラゴンさん可愛いですよ?」
「いや、可愛い可愛くないの問題じゃないっつーか、どっちかってとドラゴンはカッコイイに分類されると思うが」
俺がサナリスに指摘している通り、ステラと仲よく遊んでるドラゴンはカッコイイに属する。
つーかおい、なんでドラゴン、テメーは器用にトランプなんかやってやがる!?
しかも大富豪か? ステラの2に対してドヤ顔でジョーカー出して。
あ、スペードの3出されたぞ? ドラゴンの奴、顔面蒼白になって口から魂抜けた顔しやがった。
「ドラゴンさん、エリウッド様に気付いたみたいですね?」
「ドラゴンの奴、すげー機嫌悪そうだな、あっ、エリウッドに向けて炎吐いたぞ?」
「分子化して避けましたよ? 再構築失敗しましたね」
「だな。ステラ王女が汚物を見るような眼をしてるな、まぁ汚物なんやけど」
「詠唱始めましたね」
「エリウッドの奴は再構築失敗した姿でステラ王女に飛びついたな」
「炎の魔法が発動されましたね、エリウッド様、分子化して回避したみたいです」
「まぁ、チートすぎる回避技だな」
「あれれ? ステラ王女の魔法を受けたエリウッド様、全く復元されませんね? まさか分子ごと燃やし尽くされたんでしょうか?」
「ははは、まさか、有り得る訳」
『勇者エリウッドの分子達は合計3000ポイントのダメージを受けた! 勇者エリウッドは死んでしまった!』
「有り得るのかよ、分子化ってチート回避技すら無視出来るってステラ王女もよっぽどチートじゃないか?」
「でも、範囲魔法なら分子ごとどうにかできませんか?」
「言われてみたらそうだな。けど、ドラゴンの炎は避けたんよなぁ、俺、エリウッドの事訳が分からなくなって来たで」
ここから3回、エリウッドがステラ王女の元に辿り着き魔法でシバかれる事となった。
「助けに向かった王女にシバかれる勇者か。まぁ、自業自得っちゃ自業自得なんやけど」
「エリウッド様、諦めて2階に向かいましたね」
「せやな、しかし意外やな。魔王城に配備されてる魔物はしっかり倒してんねん」
「分子化があるからでしょうね」
「間違いあらへん。おや? 遂に俺が居る部屋までやってきおったな。よっしゃ、俺が相手したるで!」
意気揚々になってみたはいいが、しょーじきエリウッドの分子化を突破する方法は分からない。
突破できなくても、俺が討伐されればゲームが終わるだろうしそれはそれで悪くは無いか。
「HAHAHA、愛しき姫君ルチーナYO。勇者エリウッド助けに参ったZO」
助けに来たってなんだよ、お前は勇者だろ。
「勇者エリウッドよ、よくぞ我が元まで訪れたモノよ、ここを貴様の墓場にしてやろうぞ」
だからと言って俺のセリフは棒読みで、これはこれで酷いものがある。
「HUHUHU、遠慮は要らないSA」
エリウッドは着ている鎧をパージし、俺に向かって飛びかかって来た。
お前はそれしかやる事がないのか、って意外と痛いんだけどお前の鎧ッ!
「寄るな! 気持ち悪いッ!」
俺に向け飛びかかるエリウッドの下に潜り込み、ふんどし目掛けてアッパーカットを放った。
「NOOOOOOO!!!!!」
俺の攻撃はエリウッドの金に直撃、股間を押さえながら天井に向け派手に吹っ飛ばされ頭を殴打、落下し口から泡を吹きながら悶絶しだした。
「アホか、鎧を脱ぐなんて舐めプするからそうなるんじゃ!」
まぁ、流石に金的食らった程度では死なんじゃろ。
『勇者エリウッドは魔王ルチーナよりクリティカルヒットを受けた。 男に対して絶対やってはいけないレベルで卑怯な攻撃を受けたエリウッドはあえなく死んでしまった! 卑怯だぞ、魔王ルチーナ!』
「おい、なんでテロップまで俺を卑怯呼ばわりするんや! 俺は魔王やで!? 魔王が卑怯な手使わんといて誰が使うっちゅうねん!!!!」
「うぅ、なんだか痛そうです」
エリウッドの痛みを想像したのか、下腹部を押さえながらモジモジしているサナリスだ。
「そら、痛いのは否定せーんで、それも滅茶苦茶な。しっかし幾らラスボスの攻撃とは言えワンパンで沈む勇者なんて知らへんで?」
とある、攻撃力500のラスボスですらワンパン200ダメージ弱で、勇者のHPは大体400弱ある訳で。
そら、低レベル攻略すれば話は変わるんやけど。
身に着けていたふんどしを新しいものに着替え、その様子を待っていましたと言わんばかりに瞳を輝かせ、涎を垂らしながら見るサナリス。
と、野郎の着替えを見せつけられげんなりする俺。
着替えが大事なのは分かっちゃ居るが、だからと言って見たくない物は見たくないわけで。
どこからともなく取り出した朝食を済ませ、鎧を身に着け準備完了。
携帯食料もってるなら腐った豆腐をわざわざ食わなくてもいいと思うのだが、それも2回も。
「ステラ王女の部屋にやってきましたね」
「お、ステラ王女を見付けたみたいだな、なんかエリウッドらしいセリフをステラ王女に言ってやがる」
「ステラ王女、ドラゴンさんと遊んでいてエリウッド様の言葉聞いてないみたいですよ?」
「何その龍の冒険ってタイトルだけど、ドラゴンが全く出てこなかったからどうしよう? とりあえずそこに出しておけば良いってノリは」
「良いじゃないですかぁ? ドラゴンさん可愛いですよ?」
「いや、可愛い可愛くないの問題じゃないっつーか、どっちかってとドラゴンはカッコイイに分類されると思うが」
俺がサナリスに指摘している通り、ステラと仲よく遊んでるドラゴンはカッコイイに属する。
つーかおい、なんでドラゴン、テメーは器用にトランプなんかやってやがる!?
しかも大富豪か? ステラの2に対してドヤ顔でジョーカー出して。
あ、スペードの3出されたぞ? ドラゴンの奴、顔面蒼白になって口から魂抜けた顔しやがった。
「ドラゴンさん、エリウッド様に気付いたみたいですね?」
「ドラゴンの奴、すげー機嫌悪そうだな、あっ、エリウッドに向けて炎吐いたぞ?」
「分子化して避けましたよ? 再構築失敗しましたね」
「だな。ステラ王女が汚物を見るような眼をしてるな、まぁ汚物なんやけど」
「詠唱始めましたね」
「エリウッドの奴は再構築失敗した姿でステラ王女に飛びついたな」
「炎の魔法が発動されましたね、エリウッド様、分子化して回避したみたいです」
「まぁ、チートすぎる回避技だな」
「あれれ? ステラ王女の魔法を受けたエリウッド様、全く復元されませんね? まさか分子ごと燃やし尽くされたんでしょうか?」
「ははは、まさか、有り得る訳」
『勇者エリウッドの分子達は合計3000ポイントのダメージを受けた! 勇者エリウッドは死んでしまった!』
「有り得るのかよ、分子化ってチート回避技すら無視出来るってステラ王女もよっぽどチートじゃないか?」
「でも、範囲魔法なら分子ごとどうにかできませんか?」
「言われてみたらそうだな。けど、ドラゴンの炎は避けたんよなぁ、俺、エリウッドの事訳が分からなくなって来たで」
ここから3回、エリウッドがステラ王女の元に辿り着き魔法でシバかれる事となった。
「助けに向かった王女にシバかれる勇者か。まぁ、自業自得っちゃ自業自得なんやけど」
「エリウッド様、諦めて2階に向かいましたね」
「せやな、しかし意外やな。魔王城に配備されてる魔物はしっかり倒してんねん」
「分子化があるからでしょうね」
「間違いあらへん。おや? 遂に俺が居る部屋までやってきおったな。よっしゃ、俺が相手したるで!」
意気揚々になってみたはいいが、しょーじきエリウッドの分子化を突破する方法は分からない。
突破できなくても、俺が討伐されればゲームが終わるだろうしそれはそれで悪くは無いか。
「HAHAHA、愛しき姫君ルチーナYO。勇者エリウッド助けに参ったZO」
助けに来たってなんだよ、お前は勇者だろ。
「勇者エリウッドよ、よくぞ我が元まで訪れたモノよ、ここを貴様の墓場にしてやろうぞ」
だからと言って俺のセリフは棒読みで、これはこれで酷いものがある。
「HUHUHU、遠慮は要らないSA」
エリウッドは着ている鎧をパージし、俺に向かって飛びかかって来た。
お前はそれしかやる事がないのか、って意外と痛いんだけどお前の鎧ッ!
「寄るな! 気持ち悪いッ!」
俺に向け飛びかかるエリウッドの下に潜り込み、ふんどし目掛けてアッパーカットを放った。
「NOOOOOOO!!!!!」
俺の攻撃はエリウッドの金に直撃、股間を押さえながら天井に向け派手に吹っ飛ばされ頭を殴打、落下し口から泡を吹きながら悶絶しだした。
「アホか、鎧を脱ぐなんて舐めプするからそうなるんじゃ!」
まぁ、流石に金的食らった程度では死なんじゃろ。
『勇者エリウッドは魔王ルチーナよりクリティカルヒットを受けた。 男に対して絶対やってはいけないレベルで卑怯な攻撃を受けたエリウッドはあえなく死んでしまった! 卑怯だぞ、魔王ルチーナ!』
「おい、なんでテロップまで俺を卑怯呼ばわりするんや! 俺は魔王やで!? 魔王が卑怯な手使わんといて誰が使うっちゅうねん!!!!」
「うぅ、なんだか痛そうです」
エリウッドの痛みを想像したのか、下腹部を押さえながらモジモジしているサナリスだ。
「そら、痛いのは否定せーんで、それも滅茶苦茶な。しっかし幾らラスボスの攻撃とは言えワンパンで沈む勇者なんて知らへんで?」
とある、攻撃力500のラスボスですらワンパン200ダメージ弱で、勇者のHPは大体400弱ある訳で。
そら、低レベル攻略すれば話は変わるんやけど。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
ざまぁ対象の悪役令嬢は穏やかな日常を所望します
たぬきち25番
ファンタジー
*『第16回ファンタジー小説大賞【大賞】・【読者賞】W受賞』
*書籍化2024年9月下旬発売
※書籍化の関係で1章が近日中にレンタルに切り替わりますことをご報告いたします。
彼氏にフラれた直後に異世界転生。気が付くと、ラノベの中の悪役令嬢クローディアになっていた。すでに周りからの評判は最悪なのに、王太子の婚約者。しかも政略結婚なので婚約解消不可?!
王太子は主人公と熱愛中。私は結婚前からお飾りの王太子妃決定。さらに、私は王太子妃として鬼の公爵子息がお目付け役に……。
しかも、私……ざまぁ対象!!
ざまぁ回避のために、なんやかんや大忙しです!!
※【感想欄について】感想ありがとうございます。皆様にお知らせとお願いです。
感想欄は多くの方が読まれますので、過激または攻撃的な発言、乱暴な言葉遣い、ポジティブ・ネガティブに関わらず他の方のお名前を出した感想、またこの作品は成人指定ではありませんので卑猥だと思われる発言など、読んだ方がお心を痛めたり、不快だと感じるような内容は承認を控えさせて頂きたいと思います。トラブルに発展してしまうと、感想欄を閉じることも検討しなければならなくなりますので、どうかご理解いただければと思います。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後
有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。
だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。
それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。
王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!?
けれど、そこには……。
※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
妹に陥れられ処刑決定したのでブチギレることにします
リオール
恋愛
実の妹を殺そうとした罪で、私は処刑されることとなった。
違うと言っても、事実無根だとどれだけ訴えても。
真実を調べることもなく、私の処刑は決定となったのだ。
──あ、そう?じゃあもう我慢しなくていいですね。
大人しくしてたら随分なめられた事態になってしまったようで。
いいでしょう、それではご期待通りに悪女となってみせますよ!
淑女の時間は終わりました。
これからは──ブチギレタイムと致します!!
======
筆者定番の勢いだけで書いた小説。
主人公は大人しく、悲劇のヒロイン…ではありません。
処刑されたら時間が戻ってやり直し…なんて手間もかけません。とっととやっちゃいます。
矛盾点とか指摘したら負けです(?)
何でもオッケーな心の広い方向けです。
水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?
ラララキヲ
ファンタジー
わたくしは出来損ない。
誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。
それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。
水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。
そんなわたくしでも期待されている事がある。
それは『子を生むこと』。
血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……
政略結婚で決められた婚約者。
そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。
婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……
しかし……──
そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。
前世の記憶、前世の知識……
わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……
水魔法しか使えない出来損ない……
でも水は使える……
水……水分……液体…………
あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?
そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──
【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】
【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】
【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる