10 / 10
10話
しおりを挟む
「フハハハハ! 勇者リュッカよ! 我が重臣、四天王を容易く葬るとは!」
漸く辿り着いた最上階では魔王ハデスさんが待ち構えていました!
なんと、彼が言った通りしっかりと約束を守り玉座に鎮座しています!
私だったら奇襲の一つでも考えちゃいますけどね☆
「はぁ、はぁ……後はお前だけだ! 魔王ハデス!」
「レ、レンカさんを返すでござる!」
勇者サマもござるさんも随分と息が上がってますねぇ~?
あはは……? してんのーさんと戦ってる時私が本気ださなかったせいですけどね?
満身創痍の勇者サマ御一行が魔王サンを打ち倒す方が盛り上がる気がしませんか?
「ゆ……勇者サマ」
勿論私も満身創痍のフリをします♪ ゆっくりと勇者サマの恋人と思われる人影を指差すのですよ。
「レンカ! 今助ける!」
勇者サマが最後の力を振り絞りレンカさんの元へ走り出しました。
「ハッハッハ! 恋人を助けたくばうぬを倒す事だ!」
「う、うわああああ」
大変です、勇者サマが魔王サンが放った衝撃波によって飛ばされてしまいました!
でも、レンカさんが居る場所は魔王サンの後ろですから、そうなりますよねぇ~?
「リュッカ殿!」
派手に吹っ飛ばされ地面に転がされ立ち上がれない勇者サマに、ござるさんが駆け付け治療魔法を施しましたが……あれでは効果は薄そうですね。
しかたありません、ここはななみちゃんがちょーぜつ効果のある魔法をかけてあげるのです!
私は、ござるさんとほぼ同時に勇者サマに対して『ヒーリング』を掛けました。
(主に私の魔法のお陰で)勇者サマは一瞬で傷が癒え、今まで悶えていたのが嘘みたいにサッと立ち上がり身構えました。
「有難う、ニパさん、助かったよ!」
にっこりと笑いながら感謝の意を示す勇者サマ。
それに対して、勇者サマがここまで回復するとは想定出来ていないござるさんは目を点にして呆然と立ち尽くしています。
「にゃはは……愛の力ぢゃないですか?」
「そ、そうでござるな」
私はそれっぽい事を力無く言いましたが、ござるさんはどこか悲しげに呟きました。
これって……ひょっとするとござるさんはレンカさんの事を想っているのでしょうか?
……つまり、ござるさんとレンカさんをくっつけてしまえば勇者サマは私のモノに出来るんじゃないですか!?
はぅ……私の心の中の天使と悪魔が戦ってます。
天使は聖槍グングニルを片手に、悪魔は魔剣ティルフィングを片手に……。
あわわわわ、そんな、剣が槍に勝てる訳無いじゃないですか! 悪魔サンに持たせる武器位槍に勝てるモノにしてくださいよ!
はにゃぁ、仕方ありません、私の中の天使サンが勝ってしまいました、天使サンが「自分がやりたい事をやるのが一番です」と言うので私は天使サンに従います。
「覚悟しろっ!」
私が心の中で天使悪魔対戦を展開していると、勇者サマが必殺技の構えを見せました。
必殺技ですから、勇者サマの見せ場ですよねぇ? ここで質問です☆
勇者サマの必殺技で魔王サンに大ダメージを与えるにはどうした方が良いでしょうか?
1.勇者サマの攻撃力を増加させる
2.魔王サンの防御力を低下させる
3.思い切って両方実行
さぁ、皆さまどれが良いと思いますか? ななみちゃんに教えて下さい☆
え? 魔王城まで教えるのは無理ですか、そうですよね?
仕方ありません、冷静に分析しましょう!
私の魔法で勇者サマの攻撃力を増加した場合、最悪お城ごと吹っ飛ばしてしまう攻撃力になってしまいます♪
一方で魔王サンの防御力はどれだけ下げても0までしか下がりませんのでお城は壊れません!
魔王サンが着ているモノがどうなるかは私の塩梅次第です(きゃ☆)
ですが、皆さまからの需要が多分無さそうなので、魔王サンが身に付けている防具の硬度を限界まで引き下げる事で防御力を0にする事にします☆
ではでは『プロテクトゼロ』を発動しましょう!
「ガッハッハ! 人間風情の攻撃がこのハデスに効く訳が無かろう!」
「やってみなければわからない!」
自分の防御力に対して自信満々な魔王さん! 片やそれでも諦めない勇者サマ、キャーカッコイイですぅ☆
そして魔王サンに襲い来る『プロテクトゼロ』!
無事防御力が0になった魔王サンの肉体に勇者サマの必殺技が炸裂!
「ぬ、ぬおぉぉぉぉ!? 貴様等! 何をッ!?」
ズバーーーーー! と剣が肉体を引き裂く美しい音が周囲に響き渡りました!
魔王サンが身に付けている鎧から聞こえるって思う、カキーーーーン! と甲高い音じゃなくってです!
にゃははは☆ さすが魔王サンですね! 一瞬の内に自分の身に何か魔法を掛けられた事に気が付いたみたいです。
すぐさま、私とニパさんを鋭い眼光で睨み付けて来ました。
勿論私は怯える仔鹿の如くゴリラさんの背中に隠れました☆
漸く辿り着いた最上階では魔王ハデスさんが待ち構えていました!
なんと、彼が言った通りしっかりと約束を守り玉座に鎮座しています!
私だったら奇襲の一つでも考えちゃいますけどね☆
「はぁ、はぁ……後はお前だけだ! 魔王ハデス!」
「レ、レンカさんを返すでござる!」
勇者サマもござるさんも随分と息が上がってますねぇ~?
あはは……? してんのーさんと戦ってる時私が本気ださなかったせいですけどね?
満身創痍の勇者サマ御一行が魔王サンを打ち倒す方が盛り上がる気がしませんか?
「ゆ……勇者サマ」
勿論私も満身創痍のフリをします♪ ゆっくりと勇者サマの恋人と思われる人影を指差すのですよ。
「レンカ! 今助ける!」
勇者サマが最後の力を振り絞りレンカさんの元へ走り出しました。
「ハッハッハ! 恋人を助けたくばうぬを倒す事だ!」
「う、うわああああ」
大変です、勇者サマが魔王サンが放った衝撃波によって飛ばされてしまいました!
でも、レンカさんが居る場所は魔王サンの後ろですから、そうなりますよねぇ~?
「リュッカ殿!」
派手に吹っ飛ばされ地面に転がされ立ち上がれない勇者サマに、ござるさんが駆け付け治療魔法を施しましたが……あれでは効果は薄そうですね。
しかたありません、ここはななみちゃんがちょーぜつ効果のある魔法をかけてあげるのです!
私は、ござるさんとほぼ同時に勇者サマに対して『ヒーリング』を掛けました。
(主に私の魔法のお陰で)勇者サマは一瞬で傷が癒え、今まで悶えていたのが嘘みたいにサッと立ち上がり身構えました。
「有難う、ニパさん、助かったよ!」
にっこりと笑いながら感謝の意を示す勇者サマ。
それに対して、勇者サマがここまで回復するとは想定出来ていないござるさんは目を点にして呆然と立ち尽くしています。
「にゃはは……愛の力ぢゃないですか?」
「そ、そうでござるな」
私はそれっぽい事を力無く言いましたが、ござるさんはどこか悲しげに呟きました。
これって……ひょっとするとござるさんはレンカさんの事を想っているのでしょうか?
……つまり、ござるさんとレンカさんをくっつけてしまえば勇者サマは私のモノに出来るんじゃないですか!?
はぅ……私の心の中の天使と悪魔が戦ってます。
天使は聖槍グングニルを片手に、悪魔は魔剣ティルフィングを片手に……。
あわわわわ、そんな、剣が槍に勝てる訳無いじゃないですか! 悪魔サンに持たせる武器位槍に勝てるモノにしてくださいよ!
はにゃぁ、仕方ありません、私の中の天使サンが勝ってしまいました、天使サンが「自分がやりたい事をやるのが一番です」と言うので私は天使サンに従います。
「覚悟しろっ!」
私が心の中で天使悪魔対戦を展開していると、勇者サマが必殺技の構えを見せました。
必殺技ですから、勇者サマの見せ場ですよねぇ? ここで質問です☆
勇者サマの必殺技で魔王サンに大ダメージを与えるにはどうした方が良いでしょうか?
1.勇者サマの攻撃力を増加させる
2.魔王サンの防御力を低下させる
3.思い切って両方実行
さぁ、皆さまどれが良いと思いますか? ななみちゃんに教えて下さい☆
え? 魔王城まで教えるのは無理ですか、そうですよね?
仕方ありません、冷静に分析しましょう!
私の魔法で勇者サマの攻撃力を増加した場合、最悪お城ごと吹っ飛ばしてしまう攻撃力になってしまいます♪
一方で魔王サンの防御力はどれだけ下げても0までしか下がりませんのでお城は壊れません!
魔王サンが着ているモノがどうなるかは私の塩梅次第です(きゃ☆)
ですが、皆さまからの需要が多分無さそうなので、魔王サンが身に付けている防具の硬度を限界まで引き下げる事で防御力を0にする事にします☆
ではでは『プロテクトゼロ』を発動しましょう!
「ガッハッハ! 人間風情の攻撃がこのハデスに効く訳が無かろう!」
「やってみなければわからない!」
自分の防御力に対して自信満々な魔王さん! 片やそれでも諦めない勇者サマ、キャーカッコイイですぅ☆
そして魔王サンに襲い来る『プロテクトゼロ』!
無事防御力が0になった魔王サンの肉体に勇者サマの必殺技が炸裂!
「ぬ、ぬおぉぉぉぉ!? 貴様等! 何をッ!?」
ズバーーーーー! と剣が肉体を引き裂く美しい音が周囲に響き渡りました!
魔王サンが身に付けている鎧から聞こえるって思う、カキーーーーン! と甲高い音じゃなくってです!
にゃははは☆ さすが魔王サンですね! 一瞬の内に自分の身に何か魔法を掛けられた事に気が付いたみたいです。
すぐさま、私とニパさんを鋭い眼光で睨み付けて来ました。
勿論私は怯える仔鹿の如くゴリラさんの背中に隠れました☆
0
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる