3 / 10
3話
しおりを挟む
えへへ? ポン太君のゆーとーり、私はプチメテオさんを召喚する魔法を詠唱してますよ☆
にゃははーゆーしゃ様をお助けするヒロインが隕石に乗って華麗に登場しちゃうんですよーそれでですよー? ゆーしゃ様のはーとをがっちりとつかんじゃいます☆
「ちょ、ちょっと! なんで僕達の方に隕石が向かって来るのさ!!!!」
「だーいじょうぶ☆」
「だだだ、大丈夫じゃないって! ななみん!? どうするの!! え?え?隕石乗っちゃうの!!!!」
ポン太君が慌ててますけど気にしません!
「にゃははははー☆」
「わ、わ、わ、僕はまだ死にたくないよ!」
私はプチメテオに乗り、愛しき勇者様の下へ舞い降りた訳です。
ところ変わって此方は勇者一行の話になります。
勇者一行は魔王が居る場所に向かい森林地帯を侵攻している最中でした。
「行くぞ、リュッカ」
ゴツイ体格の男が言いました。
重厚な鎧に身を包み、立派な戦斧を担いだ彼は恐らく戦士でしょう。
「うん、行こう」
ブレストアーマーに身を包み腰には長剣を携える少年、勇者リュッカが返事をした。
風になびくサラサラの金髪に、薄青い輝きを見せる瞳にはこれから繰り広げられる戦いへの覚悟を感じる事が出来る。
「フフッ、これもまた、命運でござろう」
魔法の込められたオーブを先端に付けた杖を携え、法衣に身を纏った僧侶と思われる男がそう言いました。
「みんなごめん、勝てるかも分からない魔王との戦いに巻き込んでしまって」
「水臭い事言ってどうする」
急に重い空気を纏い口を開いたリュッカに対して男戦士が彼の肩をポン、と叩いて親指を立て言いました。
「そうでござる、拙者達は仲間でござろう」
「そうだね、有難う」
リュッカはにこっと笑いながら言いました。
「はて? アレは何でござるか?」
そんなやり取りの中、僧侶空を指差しながら言いました。
「いん……せき?」
リュッカがぼやっとしながら呟きます。
「まて! こっちに来ないが、近くに落ちるぞ!」
戦士が叫んだところで
ドゴオオオオオン!!!!
轟音と共に大地が激しく揺れました。
「み、みんな、大丈夫?」
大地の揺れが収まった所でリュッカが周囲を恐る恐る見渡しながらゆっくりとした口調で言いました。
「クソッ! 魔王の野郎隕石魔法を使うのか!」
「厄介でござるな……」
戦士の言う通りもしもこの隕石魔法の術者が魔王であるとすれば大変な事になります。
今回は奇跡的に被害が無かったのですが、もしもまた隕石を降らされてしまって同じく被害が無い保証はありません。
「でもっ! 例え魔王が隕石を降らせる魔法を使えたってそれでも僕達がやらなきゃ!」
今度は、リュッカが皆を鼓舞するに言いました。
「うむ、そうだな」
「拙者は若い女と……」
戦士は納得する一方、僧侶はどうやら少し本音が出たみたいですが、それは気にしてはいけないでしょう。
「どうかしたか?」
「い、一緒に遠くから眺めたらどうなったのか考えたでござる」
戦士に鋭く睨まれ萎縮した僧侶は慌てて弁解の言葉を並べました。
「そうか」
「ははは、ニパさんらしいね」
この戦士は非常に硬派なのでしょうか?
その若い女性について探究する事はありませんでした。
「俺が様子を見て来る」
「分かったよ」
リュッカが了解し、戦士の偵察を見送りました。
「もぉ……ななみん」
ななみの放ったプチメテオの着弾点にて ポン太が呆れた声で言いました。
「はにゃ? どうかしましたか?」
えっとぉ~、プチメテオが地面に衝突する直前にちゃんと離脱して防御魔法も展開したから私もポン太君も無傷ですが……。
「どーして普通に降り立てないのさ?」
「にゃははー?」
だってー勇者様をお助けする可愛いヒロインが、ノコノコ歩いて来てもかっこ良くないじゃないですかー?
だから☆ こうやって落下した隕石の近くに可愛い女の子が倒れている演出をしている訳ですよー?
えへへ? 可愛いヒロインが隕石の影響で倒れていてそこを勇者様がお助けするなんて、凄いシチュエーションじゃないですか☆
「えっと、ななみん? 何か楽しそうな事を考えているところ悪いんだけどさ」
ポン太君が改まった上でゆっくりと息を吸い込みました。
「はにゃにゃ?」
「遠くにいる人達ってさ、隕石に乗ってるななみんを見える人って殆ど居ないと思うんだ」
「にゃにゃにゃ!!!!!」
た、ポン太君のいうとーり、遠くから見たら私って豆粒位の大きさじゃないですよ!
「勇者さんと普通に近付いても別に問題無かったって思うんだ、今更だけどさ」
「にゃはは☆」
むむむ、い、インパクトは大事ですからね?
「でも、やっちゃったものは仕方ないよね」
そう言ってポン太君は大きなため息をつきました。
「そそそ、そーですよー☆」
私はパチッっとウィンクをして誤魔化しました。
にゃははーゆーしゃ様をお助けするヒロインが隕石に乗って華麗に登場しちゃうんですよーそれでですよー? ゆーしゃ様のはーとをがっちりとつかんじゃいます☆
「ちょ、ちょっと! なんで僕達の方に隕石が向かって来るのさ!!!!」
「だーいじょうぶ☆」
「だだだ、大丈夫じゃないって! ななみん!? どうするの!! え?え?隕石乗っちゃうの!!!!」
ポン太君が慌ててますけど気にしません!
「にゃははははー☆」
「わ、わ、わ、僕はまだ死にたくないよ!」
私はプチメテオに乗り、愛しき勇者様の下へ舞い降りた訳です。
ところ変わって此方は勇者一行の話になります。
勇者一行は魔王が居る場所に向かい森林地帯を侵攻している最中でした。
「行くぞ、リュッカ」
ゴツイ体格の男が言いました。
重厚な鎧に身を包み、立派な戦斧を担いだ彼は恐らく戦士でしょう。
「うん、行こう」
ブレストアーマーに身を包み腰には長剣を携える少年、勇者リュッカが返事をした。
風になびくサラサラの金髪に、薄青い輝きを見せる瞳にはこれから繰り広げられる戦いへの覚悟を感じる事が出来る。
「フフッ、これもまた、命運でござろう」
魔法の込められたオーブを先端に付けた杖を携え、法衣に身を纏った僧侶と思われる男がそう言いました。
「みんなごめん、勝てるかも分からない魔王との戦いに巻き込んでしまって」
「水臭い事言ってどうする」
急に重い空気を纏い口を開いたリュッカに対して男戦士が彼の肩をポン、と叩いて親指を立て言いました。
「そうでござる、拙者達は仲間でござろう」
「そうだね、有難う」
リュッカはにこっと笑いながら言いました。
「はて? アレは何でござるか?」
そんなやり取りの中、僧侶空を指差しながら言いました。
「いん……せき?」
リュッカがぼやっとしながら呟きます。
「まて! こっちに来ないが、近くに落ちるぞ!」
戦士が叫んだところで
ドゴオオオオオン!!!!
轟音と共に大地が激しく揺れました。
「み、みんな、大丈夫?」
大地の揺れが収まった所でリュッカが周囲を恐る恐る見渡しながらゆっくりとした口調で言いました。
「クソッ! 魔王の野郎隕石魔法を使うのか!」
「厄介でござるな……」
戦士の言う通りもしもこの隕石魔法の術者が魔王であるとすれば大変な事になります。
今回は奇跡的に被害が無かったのですが、もしもまた隕石を降らされてしまって同じく被害が無い保証はありません。
「でもっ! 例え魔王が隕石を降らせる魔法を使えたってそれでも僕達がやらなきゃ!」
今度は、リュッカが皆を鼓舞するに言いました。
「うむ、そうだな」
「拙者は若い女と……」
戦士は納得する一方、僧侶はどうやら少し本音が出たみたいですが、それは気にしてはいけないでしょう。
「どうかしたか?」
「い、一緒に遠くから眺めたらどうなったのか考えたでござる」
戦士に鋭く睨まれ萎縮した僧侶は慌てて弁解の言葉を並べました。
「そうか」
「ははは、ニパさんらしいね」
この戦士は非常に硬派なのでしょうか?
その若い女性について探究する事はありませんでした。
「俺が様子を見て来る」
「分かったよ」
リュッカが了解し、戦士の偵察を見送りました。
「もぉ……ななみん」
ななみの放ったプチメテオの着弾点にて ポン太が呆れた声で言いました。
「はにゃ? どうかしましたか?」
えっとぉ~、プチメテオが地面に衝突する直前にちゃんと離脱して防御魔法も展開したから私もポン太君も無傷ですが……。
「どーして普通に降り立てないのさ?」
「にゃははー?」
だってー勇者様をお助けする可愛いヒロインが、ノコノコ歩いて来てもかっこ良くないじゃないですかー?
だから☆ こうやって落下した隕石の近くに可愛い女の子が倒れている演出をしている訳ですよー?
えへへ? 可愛いヒロインが隕石の影響で倒れていてそこを勇者様がお助けするなんて、凄いシチュエーションじゃないですか☆
「えっと、ななみん? 何か楽しそうな事を考えているところ悪いんだけどさ」
ポン太君が改まった上でゆっくりと息を吸い込みました。
「はにゃにゃ?」
「遠くにいる人達ってさ、隕石に乗ってるななみんを見える人って殆ど居ないと思うんだ」
「にゃにゃにゃ!!!!!」
た、ポン太君のいうとーり、遠くから見たら私って豆粒位の大きさじゃないですよ!
「勇者さんと普通に近付いても別に問題無かったって思うんだ、今更だけどさ」
「にゃはは☆」
むむむ、い、インパクトは大事ですからね?
「でも、やっちゃったものは仕方ないよね」
そう言ってポン太君は大きなため息をつきました。
「そそそ、そーですよー☆」
私はパチッっとウィンクをして誤魔化しました。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる