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14話 あなたの心を知りたい4
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「わかった……。平日の非番の日なら空いている」
「!」
レヴィがエリンのデートの申し入れを了承したのだ。エリンは驚いて、振り返る。
レヴィの紅の瞳とエリンの青の大きな瞳の視線が合う。
「……本当ですか?」
信じられないと青の澄んだ瞳を瞬かせるエリンにレヴィははっとして、顔を上げた。その端正な顔は赤く染まっていた。
「嘘じゃない。今週の光の日に十四時待ち合わせで」
「場所は王都のカフェ・ジュリアードです!」
早口でレヴィに待ち合わせの場所を告げる。
「……わかった」
『エリンとの始めてのデート……。信じられない……。嬉しくて泣き出しそうだ』
紅潮させた顔を隠すように口許を手で覆うレヴィにエリンは、照れた顔が可愛いとこちらも顔を赤くしていた。
レヴィとの待ち合わせの光の日にエリンはお気に入りの水色の可愛らしいワンピースを選んで身に着けた。大きな姿見の鏡の前で何回も自分の格好がおかしくないか確認する。鏡には落ち着かない様子のエリンが映し出されている。くるりと鏡の前で回っておかしくないかと何度も確認しては、ため息をつく。
「このワンピース、可愛いかなあ……。あっ、忘れてた。心読みの魔法の薬を飲まないと」
心読みの薬をこくんとエリンは飲む。エリンは、レヴィとの待ち合わせが嬉しくて、仕方がない。レヴィの心の中は自分のことで一杯だろうと、想像しては顔が緩む。
レヴィとの待ち合わせの時間十四時である十五分前へカフェに着いた。レヴィは既にカフェにいた。
いつもの騎士の制服とは違うウエストコートにベスト、シャツとハイカラーにトラウザーズという軽装だ。それが良く似合っていた。
(かっこいい!)
エリンはいつもと違うレヴィの服装に見惚れた。
ぼうっとしていて、時が過ぎるのを忘れてしまった。
「レヴィ様……。すみません、遅くなって待ちましたか?」
エリンは、申し訳なさそうに現れた。
レヴィは、ちらりとエリンを一瞥すると、時計を見る。
「……俺が早すぎた。今は待ち合わせの十分前だ」
いつものように何の感情も感じさせない表情と科白。
「あ、ごめんなさい」
毎回のお茶会と一緒の塩対応。
だけど。
レヴィの心の中は違った。
『か、可愛い。エリンの今日の格好! この前のイブニングドレス姿は綺麗だったが、今回の水色のワンピース姿は可愛い!』
レヴィの心の中は今日も賑やかだった。エリンは、服を一生懸命選んだ甲斐があって泣きそうだ。
(今日の水色のワンピース姿、レヴィ様がお気に召して良かった!)
お互いに熱い視線を水面下でぶつけあっているが、二人は無表情だった。
「エリン、その座ったらどうだ?」
レヴィはエリンが立ったままであることに気づいて、椅子を引く。
今までお茶会ではこのようなことはなかった。
故にエリンは心の中で感動した。
(レ、レヴィ様に椅子を勧められた!)
「は、はい……」
「その……何を食べるか?」
「ここのカフェは季節のケーキセットが美味しいので有名です。今だったら桃のケーキが。後は珈琲が美味しいですよ」
エリンが微笑むと、レヴィは手で口を押えて頬を赤らめた。
『可愛い! 今日のエリンは、キルゲールの詩に出てくる儚い少女のようだ』
キルゲールとは、現在スペンサー王国で流行している耽美派の詩人だ。
「!」
今、自分が珈琲を飲んでいたら噴き出していただろうとエリンは思う。
エリンは、キルゲールの詩が大嫌いなのだ。
あまりに自分の世界に入り込んだロマンチストな詩すぎて。
(……で、でもこれからはキルゲールも好きになれそう!)
エリンはうきうきしていて、顔が綻ぶ。
ほぼ会話のない二人は、傍から見ていて不気味に映ることにエリンとレヴィは気付かなかった。
「!」
レヴィがエリンのデートの申し入れを了承したのだ。エリンは驚いて、振り返る。
レヴィの紅の瞳とエリンの青の大きな瞳の視線が合う。
「……本当ですか?」
信じられないと青の澄んだ瞳を瞬かせるエリンにレヴィははっとして、顔を上げた。その端正な顔は赤く染まっていた。
「嘘じゃない。今週の光の日に十四時待ち合わせで」
「場所は王都のカフェ・ジュリアードです!」
早口でレヴィに待ち合わせの場所を告げる。
「……わかった」
『エリンとの始めてのデート……。信じられない……。嬉しくて泣き出しそうだ』
紅潮させた顔を隠すように口許を手で覆うレヴィにエリンは、照れた顔が可愛いとこちらも顔を赤くしていた。
レヴィとの待ち合わせの光の日にエリンはお気に入りの水色の可愛らしいワンピースを選んで身に着けた。大きな姿見の鏡の前で何回も自分の格好がおかしくないか確認する。鏡には落ち着かない様子のエリンが映し出されている。くるりと鏡の前で回っておかしくないかと何度も確認しては、ため息をつく。
「このワンピース、可愛いかなあ……。あっ、忘れてた。心読みの魔法の薬を飲まないと」
心読みの薬をこくんとエリンは飲む。エリンは、レヴィとの待ち合わせが嬉しくて、仕方がない。レヴィの心の中は自分のことで一杯だろうと、想像しては顔が緩む。
レヴィとの待ち合わせの時間十四時である十五分前へカフェに着いた。レヴィは既にカフェにいた。
いつもの騎士の制服とは違うウエストコートにベスト、シャツとハイカラーにトラウザーズという軽装だ。それが良く似合っていた。
(かっこいい!)
エリンはいつもと違うレヴィの服装に見惚れた。
ぼうっとしていて、時が過ぎるのを忘れてしまった。
「レヴィ様……。すみません、遅くなって待ちましたか?」
エリンは、申し訳なさそうに現れた。
レヴィは、ちらりとエリンを一瞥すると、時計を見る。
「……俺が早すぎた。今は待ち合わせの十分前だ」
いつものように何の感情も感じさせない表情と科白。
「あ、ごめんなさい」
毎回のお茶会と一緒の塩対応。
だけど。
レヴィの心の中は違った。
『か、可愛い。エリンの今日の格好! この前のイブニングドレス姿は綺麗だったが、今回の水色のワンピース姿は可愛い!』
レヴィの心の中は今日も賑やかだった。エリンは、服を一生懸命選んだ甲斐があって泣きそうだ。
(今日の水色のワンピース姿、レヴィ様がお気に召して良かった!)
お互いに熱い視線を水面下でぶつけあっているが、二人は無表情だった。
「エリン、その座ったらどうだ?」
レヴィはエリンが立ったままであることに気づいて、椅子を引く。
今までお茶会ではこのようなことはなかった。
故にエリンは心の中で感動した。
(レ、レヴィ様に椅子を勧められた!)
「は、はい……」
「その……何を食べるか?」
「ここのカフェは季節のケーキセットが美味しいので有名です。今だったら桃のケーキが。後は珈琲が美味しいですよ」
エリンが微笑むと、レヴィは手で口を押えて頬を赤らめた。
『可愛い! 今日のエリンは、キルゲールの詩に出てくる儚い少女のようだ』
キルゲールとは、現在スペンサー王国で流行している耽美派の詩人だ。
「!」
今、自分が珈琲を飲んでいたら噴き出していただろうとエリンは思う。
エリンは、キルゲールの詩が大嫌いなのだ。
あまりに自分の世界に入り込んだロマンチストな詩すぎて。
(……で、でもこれからはキルゲールも好きになれそう!)
エリンはうきうきしていて、顔が綻ぶ。
ほぼ会話のない二人は、傍から見ていて不気味に映ることにエリンとレヴィは気付かなかった。
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